IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第四話

 千冬は現在、反省室の一つに居た。反省室とは言っても職員室の隣に併設された宿直室であるのだが、問題ある生徒を呼び出しての、説教をする時などに使われている為に反省室と呼ばれている。宿直室としてはめったに使われない。寮と校舎が近い為に、ましてや寮長として織斑 千冬が君臨している為に、見回りは守衛のそれ以外は行なわれる事が少なかった。

 

 宿直室は学校と言う建物上作られたもので、反省室としては広すぎるが、まったく使わないのも問題があった為に反省室として使われる事となったのだ。

 

 そんな広さを持つゆえに、数人が入っても問題はなく、千冬は一夏と円夏、ラウラを連れてここに居る。だが、目の前で嘘は許さないという目をしている実の弟や、互いにいがみ合っているラウラと円夏を見ると、自分の方が反省させられている気分になってくる。

 

 「はぁ、あの無人機の狙いがお前である可能性についてだったか?」

 

 「ラウラが護衛に着くという話も教えてほしいけど…」

 

 一夏が言い淀んだのは、もし守秘義務とかあるのなら、流石に無理やり聞く訳にもいかないと言う為である。IS学園はあくまで私立高等学校とはいえ、世界各国の威信を掛けた発明品も集まってくる。それゆえの措置であり、生徒手帳にも記載されている。

 

 「可能性のある人物はまだ居るが、その中でも立場的に弱いお前に護衛が付くと言うだけの話なのだがな。」

 

 一般人である弾が狙われる可能性は低い。狙う必要性が無いからだ。狙われるとすれば、束と貴輝、それに暁美が第一候補に上がる。だが、直接どうこうは出来ない。それだけの実力は有している。その事に頷く一夏。

 

 次に上がるのは、その三人を力付くで如何にか出来る千冬。こちらも問題はないだろう。だが、千冬には人質と言う手段が取れてしまう。円夏であればその生い立ちで如何にか出来てしまう。

 

 「俺だって…」

 

 「弱いとは言っとらん。搦め手で来られたら如何するんだと言う問題だ。」

 

 「だけど…」

 

 「真っ向勝負の形に持って行けば、負けはせんだろう?だからこそのラウラだ。」

 

 一夏はまるで自分が弱いと言われているようで、いい気はしない。だが、良い意味で純粋過ぎる一夏は搦め手に弱い。暗殺に対する警戒や、戦術面でのサポートが必要であった。だが、戦略面では圧倒的な実力で粉砕する事が出来るだけの実力は持っている。

 

 「だからといって、私に何も話さずに決められるのは…」

 

 「お前には情報面での話であっただろう。」

 

 円夏のやけに意地になっている言葉に、本来得意とするものを思い出させる千冬。ファントム・タスクとしての、情報面での護衛が本来の円夏の役目であったのだから。実力も高いとはいえ、軍属であり、一部隊を任されるラウラ相手に、戦術面では遠く及ばない事を。

 

 「何を焦っているんだお前は。」

 

 「ふんっ…」

 

 千冬が円夏が焦っている事を指摘しても、鼻を鳴らすだけ。それが拗ねているだけだと分かって、どうしても叱ることも出来ない。

 

 「ほれ、帰った帰った。もう放課後なのだぞ。」

 

 沈黙に包まれた反省室。其々納得はいっていないと言う顔をしているが、これ以上言う事はない。千冬はそう言う意味も込めて三人を追い出す。

 

 職員室を通り抜け、廊下に出た瞬間から、円夏とラウラの幼稚な口喧嘩が聞こえる。手が出ないだけましだろうか。知り合いであり、従順なラウラなら問題が無いと思ったから千冬から推薦したのだが、何故か円夏と上手く行かない。何が原因かは千冬にもわからず、頭を悩ませる事となってしまった。

 

 「はぁ、上手く行かないなぁ。」

 

 「それもそうだろうね。」

 

 職員室の自分の席に座りながら、思わずこぼれた愚痴。それを隣に座る親友が耳聡く聞きつけ、頷いていた。

 

 「束、お前には原因が判るのか?」

 

 「何でちーちゃんが判んないのか、束さんには判んないんだけど…」

 

 聞き返すと、何故わかんないのという言葉が返ってくる。その事にダメージを受けながら、と言うか人見知りで相手の気持ちに疎い束に言われると余計ダメージが大きい。

 

 「まどっちってラウラの生まれとか知ってるんだよ?」

 

 「あいつは情報面には強いし、少なくとも転校生については把握しているだろうし…」

 

 「いっくんの護衛にするって決めたのちーちゃんでしょ。しかも思いつきで。」

 

 ラウラを一夏の護衛にするとラウラに告げたのは、ラウラがIS学園に到着してからで、その為に転校生としてラウラが来るとは知っていても、護衛の為にという情報は知らなかったのだろう。

 

 「なるほど、同族嫌悪か。」

 

 「そういう事。クーちゃんだって、あのラウラって子と仲が悪いんだよ。」

 

 思い至った問題の根本に、思わずどうすればいいのか判らなくなる千冬であった。

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