IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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ハロウィン用外伝 原作二学期の後半の方の話。4

 「皆グラスは持ったぁ?それじゃあ、カンパーイ!!」

 

 「「「「ハッピーハロウィン!!」」」」

 

 本校舎側の食堂は今、ハロウィン色に飾り付けられている。色取り取りのリングやキンキラキンのモール。あちらこちらにカボチャの形をした置物が置かれている。百均等に売られているジャックオーランタンの蝋燭立てである。

 

 最前列の檀上で生徒会長の楯無がグラスを上げて音頭を取った。それに食堂中から返されハロウィンパーティが始まった。

 

 本校舎の食堂は、全生徒、全教員が一堂に会しても大丈夫なように設計されているが、普段の様に外に食べに行く生徒が居ない分圧迫感はあるものの、浮かれた雰囲気でそれを感じさせない。

 

 「意外に売れてるよね。」

 

 「結構な値段だったんだがな…」

 

 何時かの様に鬼灯のコスプレをした貴輝に近寄ってきたのは、雪女のコスプレをした暁美。暁美は一度周りを見渡して、結構な数の人間が、本格的なコスプレをしている事に驚いていた。

 

 貴輝もその数に驚いている。よくよく見れば、本格的なコスプレをしている生徒の殆どの頭の上に、量産型のペケが装着されていた。

 

 貴輝の会社の目玉商品の一つである量産型ペケ。データさえ入力すれば何時でも何処でも好きな格好が出来ると人気をはくしている。値段はそこそこ高いのだが、学園祭の時にやった貸衣装屋が上手く宣伝になっていた。

 

 データはSDカードで売られていて、入力する事で一定の数の衣装データが手に入る様になっている。オリジナルも、作成データ用の専用ソフトで作ったデータを、貴輝の会社に送れば作って貰えるようにもなっていた。

 

 そのオリジナルデータの所有権は貴輝の会社にある事になっていて、あまりに見事な物であれば、一般データとして売り出されることもある。その時に作成者の名前は公布される。何人かはそういった業界からスカウトが来たらしい。

 

 「「「「「THE!!ゴスロリン」」」」」

 

 「何やってんだ、あいつ等…」

 

 掛け声が聞こえてきた方を向くと、楯無、簪、箒、ラウラ、鈴がゴシックドレス。それも日曜の朝にやっているアニメの物を着てポーズを決めている。

 

 そのアニメを知っている生徒らが集まって携帯で写真を撮っていた。

 

 主人公は五人の女性。身長が低かったり、逆に高かったり、凛とした雰囲気を纏うが本当は可愛い物好きだったりと、色んなコンプレックスを抱く女性が、悪と戦う為色取り取りのゴスロリ姿に変身すると言う物。これが恋愛物とか日常中心ではなく、ガチの戦闘物で、服が破れたり出血は当たり前という物なのだが、大きいお兄さんだけではなく、女性に受けてしまったのだ。

 

 当然オタク気質、それも戦隊物好きな簪が見無い訳が無く、よく集まって話をする連中+仲直りした姉を誘っての撮影会と相成った。生徒会長の楯無は生徒会の人間として、騒ぎすぎない様に注意する仕事があるはずだが、そこは虚と弾が代わりを務めているようだ。仮装も雰囲気を壊さない程度のもの。

 

 ちなみに一番人数が多いのは、織斑姉弟妹の所だろう。狼女と狼男で揃えてきており、しかも千冬も確りとポーズを決めていたりする。一夏もそれなりに楽しんでいるようで、円夏が一番恥ずかしがっている。

 

 「あはは、あちこちで即席の撮影会が始まっちゃってるよ。」

 

 「ああ、シャル…、お前も凄い格好だな。」

 

 流石に量産型ペケの値段が高く、殆どの人間は持っている服の組み合わせ+配られた魔女帽子や、猫耳で仮装している中、いつの間にか、量産型ペケを持っている本格的なコスプレをした人間の周りに集まって写真撮影会が始まっていた。

 

 シャルロットに後ろから声を掛けられたので振り向くと、水着以上に際どいと思える格好。肌の露出は控えめの筈なのに、ぴっちりした光沢のある衣装が体のラインを浮かせており、貴輝からすれば、良くそれ着たな。と言いたい格好であった。

 

 この衣装も、例のゴスロリアニメの敵の物。要するに女王様系のボンテージ衣装で、コンプレックスなんか無い、自信満々の自分こそが最高と言う女性設定の物。

 

 一応幼児向けアニメなので、露出は控えめなはずなのに、隠す事をしない敵と言う設定なので、体のラインが浮き彫りになっているのだ。

 

 貴輝の鬼灯と並ぶと、女夢魔、サキュバスの様に見えてしまうも、シャルロットの包容力というか、お母さんな空気の所為でそれ程エロく感じない。どちらかと言うと貴輝と二人、縁側で緑茶を啜っていそうだ。

 

 「ああ、そうだ。ほれ…」

 

 「うわっ、ってこれって…」

 

 「ああ、やっと完成したからな。」

 

 流石に雰囲気の所為でそれ程エロく感じないとは言っても、目のやり場に困る格好ではある。だから、コツコツと、書類仕事の合間、寝る時間も取れないような仕事量の合間に何とか完成させた手編みのセーターを着せた。

 

 シャルロットの誕生日に、シャルロットが貴輝に我儘を言った物だ。貴輝の物作りチートを利用しても、それでも二か月以上かかった。貴輝の物はシャルロットが作成中で色違いのペアルック。ライン製造や、ペケにデータを打ち込んだものではなく、完全な手作りの物だ。

 

 「むぅ、私はまだなのに…」

 

 「物作りで俺に勝てると思うなよ。」

 

 膨れるシャルロットに思わず苦笑しながら、頭をなでながらそう言った貴輝は、シャルロットの肩を抱いて後ろに下がる。

 

 「ちっ!!」

 

 「おいこら、何しようとしやがった。」

 

 舌打ちしたのは束。どうやら天才的な頭脳を利用して、シャルロットが着ているセーターの一か所引っ張れば全て解けるようになっている場所を見つけ出したようで、其処の毛糸を引っ張ろうとしたのだ。

 

 「いやー、ほら、毛糸セーターのアーレーをやろうかと…」

 

 「すんなっ!!」

 

 どうやら、酔っぱらっているようである。生徒には流石に駄目だが、教員連中にはアルコールも振る舞われており、束も飲んできたのか顔が朱い。織斑 千冬が居る限り、こそこそと飲みに行く連中も居ないだろうという思惑であったのだが、まさか大人の方が駄目になるとは思うまい。

 

 貴輝に抱きすくめられたシャルロットは突然の事で混乱していたものの、それなりに厚い貴輝の胸板と心臓の鼓動に、今の自分の状態を認識して鼓動が速くなり、顔に朱が差す。

 

 貴輝が束に突っ込みを入れる為に離れた時は微妙にガッカリしたものだが、後でベッドで悶える事となる。貴輝から抱きに来たと言う事が重要だったりする。

 

 セーターは後に、クリスマスに完成し、偶然にもホワイトクリスマスを、ペアルックのセーターで過ごす事になるのはまたのお話。

 

 兎にも角にも、ハロウィンパーティは必要以上の騒動も起こらず、夜更けまで行われたとさ。




ハロウィン編はこれで終わり。次からは福音編です。お楽しみに。
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