IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第八話

「向こうも数でくんなら、こっちも数で対抗すればいいんじゃね?」

 

生徒会室に貴輝の声が響いた。数日前に行われた、テンプレートの連中がIS紛いの機体を量産している事に対しての対策を相談中での出来事だ。

 

戦いは数と言われ、一騎当千が居ようとも一人では千人で行われる軍事作戦は止められないが、だったら一騎当千を千人当てれば良いだけの話である。

 

そんな無茶なと言いたいが、こと相手はISであり、ACを今以上に量産するだけで事足りるし、何よりIS擬きよりも、ISの生みの親である束が作った方が機体は優れているのだから。

 

「でも非人道的な手段でもって自動制御になっている向こうとは違って、こっちは有人なんだよ?」

 

「なら乗り手の育成が早期に終わる様に慣れさせればいいだけじゃないか。」

 

ACは量産し数を揃えられたとしても、その乗り手はそうはいかないと暁美が告げるも、貴輝としてはその辺りも考えてあったかのように答えが返ってくる。

 

「何をやらかす気かしら?」

 

「結果をお楽しみにってやつだ。」

 

「何となく、暴走する気がするんだけど……」

 

やけにノリノリな貴輝に、この部屋の主である楯無も声を掛けてくるも、貴輝は何処かに電話している。漏れ聞こえてくる声の事も考えて、暁美は貴輝が暴走気味である事に頭を抱えそうになった。

 

 

 

 

 

「何これ?」

 

「バナナボート。」

 

黄色い地に黒い線が入った虎柄の水着に、青い大空をバックにヤシの木が数本描かれたパレオの水着姿のシャルロットが、目の前にプカプカと浮かぶ黄色い巨大なバナナを指差して貴輝に聞いた。

 

だが貴輝の返答に、いやいやそういう事を聞きたいんじゃないだけどと顔を引き攣らせる。

 

「こっちの調整は終わったよー」

 

「おう、こっちも完了した。」

 

少し話があると言われ、少し離れた岩場の方に連れてこられた時は、海に来た事で解放感から、もしかしてそういう事?と緊張もした。だけど直ぐに目に入って来た、やけにゴタゴタと線が取り付けられたバナナボートを見て、その考えは間違っていた事に気付く。

 

向こうでワニボートの調整を行っていた束に、バナナボートの調整を行っていた貴輝も返す。

 

「試乗してみてくれ。」

 

「え、えっと、これに?」

 

「ああ、俺も乗ってみたいしな。」

 

立ち上がった貴輝はシャルロットに乗って見てくれと言う。唯のバナナボートでは無いとは判るが、一体何だろうとバナナバートに跨った。

 

「後ろ、良いか?」

 

「う、うん。」

 

貴輝にそう声を掛けられ、少し恥ずかしげに返答するシャルロットの背中に貴輝の肌の感触が降れる。

 

「ここを握れば反応するから。」

 

「分かった。で、これ何?」

 

「うん?慣れる様の簡易IS。」

 

「はぁあああ……っ!?」

 

貴輝がシャルロットの肩越しにバナナボートの説明を始めた為だ。顔の横に貴輝の横顔が来て、もし貴輝の腕が前に行かずシャルロットを抱きしめる様になる事も出来る。

 

普段よりもやけに密着している今の体勢に、顔に熱が集まるシャルロット。貴輝への返答も少し硬いものとなってしまうも、貴輝が告げたバナナボートの正体に驚愕してしまう。

 

「うっ、うわっ!?」

 

「おわっ!?」

 

ISってそんなに簡単に作れるの?貴輝や束が居れば簡単だよね。でも何でバナナボートなの?とか混乱した頭で色々考えている内にバナナボートは急発進してしまう。

 

「何これ、何これっ!?」

 

「ISだっつったろ、早く制御取り戻せっ!!」

 

「無理無理無理、これ結構怖いよっ!?」

 

「ああ、もうっ、うわっ!?」

 

シャルロットの混乱した思考を受け取ったバナナボートが急発進した為に必死でしがみ付く二人。シャルロットが操縦桿を握っているからか、シャルロットの細い腰に手を回して抱き着く様な格好になる貴輝。

 

制御するようシャルロットに言うも、いきなりの急発進と今だ混乱しているシャルロットには無理であった。絶対防御も無く、PICで動いている為、結構な速度が出ることもあって恐怖も感じているようだ。

 

普段ISはもっと速度が出ているぞとか言いたい事はあるが、それ以上に何とかしようと操縦桿に手を伸ばし、そこでバナナボートが一回転した。

 

「うわー、うわー……貴輝のえっちっ」

 

「どうしてこうなった……」

 

今回も何とか振り落される事は無かったものの、何故か体勢が変わっていた。シャルロットはバナナボートに仰向けに寝転がる様にしがみ付き、貴輝の顔の下で足を広げている。

 

シャルロットの腰にしがみついていた筈なのに、何故かその手は胸に。完全に鷲掴みしていた。

 

事故とはいえ、真っ赤になっているシャルロットの言葉に、思わず頭を抱えた貴輝であった。

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