ガルパ・ミニ -みにみに・が~るず・ぱ~てぃ~ - 作:ツナ缶マン
うん…
なにこれぇ…
とある日の昼下がり―――
「最近ちょっと食べさせ過ぎたかな…運動がてらの散歩にいくぞ」
『そいやっ!!』
巴は自身のミニ―――そいやと共に運動を兼ねた散歩に連れて歩いていた。
それは良かったのだが―――
「待て~!!」
『ど~ん!!』
「飛んでるのは運動に入るのか…?」
『そいやっ…』
あことそのミニであるあんこも着いてきたが、歩いているあこに対してそいやは羽根を動かして飛んでいた。
巴はその光景に飛ぶことは運動になるのか?と思わず口に出すと、そいやも同じ事を思ったのか巴と同じように鳴き声を漏らすと先を行ってしまったあこ達を追いかけて商店街の通りを歩き出すと見慣れた顔が彼女達を出迎えた。
「あ~!!トモちんにあこちんだ~!!」
「はぐみ達だ~!!」
「店番か?」
「うんっ!!」
宇田川姉妹を最初に出迎えたのは実家である精肉店で店番をしていたはぐみとはぎゅのコンビ。
巴達が何気ない挨拶を交わしていた一方で、はぎゅが店の中から飛び府出して同じミニであるあんことそいやの元へと向かっていた。
『ばーん!!』
『ころっけ!!』
『そいやっ!!』
「相変らず何言ってるのか分かんないね~」
「でも、あこちん。楽しそうだよ?」
ミニ達は鳴き声でコミュニケーションを取っていたが、あこ達にはどんな会話をしているか全く分かっていない。
『ころっけ~!!』
『どーん!!』
「あっ!!コロッケ出した!!おいしそ~!!」
「そうだな…」
コミュニケーションを取っていたミニだったが、はぎゅがどこからか取り出したコロッケをミニ達に分け与えようとしていた。
巴とあこもその匂いに釣られてしまったが、何とか巴はコロッケを差し出そうとする前に何とか我に返っていた。
「ちょっと待て!!お前達!!」
『そいや…?』
『くっくっく…?』
「お前達が最近食い過ぎだから運動させてるのに今食べてどうするんだよ!!」
『そいやっ!?』
『ばーんっ!?』
『ころっけ?』
巴の言葉を聞いてミニ2匹はハッとした表情を浮かべるが、はぎゅは2匹の驚いている意味が分からず首を傾げていた。
「トモちん。2人をダイエットさせてるの?」
「まぁ…そうだな。最近うちの家族だけじゃなくて、つぐとかひまりとか…色んな奴らが餌付けしてくるんだよ…」
「あんこもそうかも!!リサ姉も食べさせ過ぎないようにしてるけど、りんりんとか紗夜さんとか事務所の人達が甘やかしてお菓子沢山上げてるよ!!」
「マジか…そのせいもあってか少しずつだけど太って来てるっぽいんだよ」
「でもトモちん?我慢させるの可哀そうじゃない?」
「はぐみ、こいつらが体調崩したりしたらどうするんだ?」
「おねーちゃん!!それは病院に連れて行けばいいんだよ!!」
「そうだよ!!あこちんの言う通りだよ!!トモちん厳しいよ~!!」
はぐみはコロッケを止めた理由を巴から聞いて理解は示すも、それ以上に甘やかす気持ちが強いようで我慢は良くない。巴が厳しいと意見するが、その言葉で困ったような表情を浮かべながらある問題を2人に投げていた。
「なら、その時はどの病院に行くんだ?」
「あれ?そう言えばどこに連れて行けばいいんだろ?」
「人間の子供みたいだから子供見る…”しょうにか”?ってとこじゃない?」
「はぐみ。でも、あんこは飛べて…はぎゅの方もコロッケ出せて…ゆきにゃは猫耳生えてるから…人の病院でいいのかな?」
「「…あれ?」」
ミニ達は体調崩したらどうすればいいのか?と言う巴の問いにあことはぐみの2人が考え始めていた。
見た目は確かに人間の子供のようだが、飛んだり、コロッケ出したり、猫耳が生えていたりする時点で人間とは違うが、動物の病院に連れて行くのも違う気がする。
そうなると巴が言った状態になった場合にどうすればいいのか分からなくなってしまった2人を見て、巴は自分なりの考えを2人に伝え始めていた。
「だろ?だから厳しくても体調に気をつけないといけないんだよ」
「おねーちゃん凄い!!」
「そうだったんだ…!!」
確かに巴は厳しかったかもしれないが、それはミニ達の健康の為を想っていたためと言う巴の深い考えに2人は感動を覚えて頷いて話が――――
―――終わることはなかった。
「巴、そんなケチ臭ぇこと言うなよ。ほら、うちで一番高いメロンやるぞ~!!」
「お前が一番トンデモないんだよ!!ますき!!」
「ちょっと太っても可愛いんだから、ダイエットなんてする必要ねぇだろ!!」
「お前!!話聞いててよくそんなこと出来るな!?」
そこに実家が商店街の八百屋であるますきが3人の間に割り込んで、店で一番高いメロンを餌にしてミニを誘おうとしたが、当然警戒していた巴がミニ達を庇うように間に割り込んだことで2人の間には一触即発の空気が漂い始めていた。
「巴…お前、そこをどけよ…」
「普段なら別に良いんだけど…」
ただし、ますき。てめーはダメだ…」
「はぁ?」
ますきが狂犬の如く巴に対して噛みついた。
しかし、巴はその程度で怯む事はなく忽然として彼女はそれを断ると更に空気が重くなり、今にも殴り合いの喧嘩が始まるかのような空気へと変わっていく中で巴はますきに対して、ジャブの様な言葉を投げかけた。
「お前…一昨日、銀河でこいつにラーメン何杯食わせた?」
今までますきが巴の目の前で餌付けとして、一昨日そいやに食べさせていたラーメンの数を尋ねたが――――
「巴、お前は自分が食ったラーメンの数を覚えてるか?」
「その答えが返ってくる時点でダメだっての!!」
その問いに対して正に火の玉ストレートのような完全に度の越えた返答を返したますきに対してツッコむ巴。
だが、そのツッコミに対してますきは全く怯まず、互いが互いに向かって口論しながらもゆっくりと歩み寄っていく。
「巴!!可愛いは正義だろうが!!」
「可愛ければなんでもいい訳じゃねぇんだよ…!!」
「バカ野郎!!可愛けりゃ…可愛がりたくなるだろうが!!」
「お前の場合は甘やかしすぎてるだけだろうが!!」
口論しながら2人の距離は詰まっていき、そしてその距離がなくなると互いが額をぶつけ合いながら威嚇し合っていた。
「やんのか…?ますき…!!」
「巴ぇ…!!」
遂には完全に喧嘩モードに入ってしまった2人は、手を伸ばそうとしたその瞬間――――
「いや、往来のど真ん中で何やってるんですか…」
謎の声が2人の耳へと飛び込んでくると、2人は頭を打ち付けた状態から顔だけをその声がした方向へと向けてその正体を確認していた。
「お前は確か…えっと…誰だっけ?」
「立希!!」
その声の正体はMygo!!!!!のドラムである椎名立希だった。
ますきの方は顔を見たことある程度で名前までは、巴は以前に羽沢珈琲店で働いたこともあった立希の事を覚えていた。
だが、今の2人は導火線に火が付いた爆弾その物。
例え後輩に何を言われようが自分の意見を曲げるつもりは更々なかった。
「おい。立希とか言ったか?お前、可愛いは正義だよな?」
「はい?」
「立希!!こんな頭ぱーぷりんな奴の言葉を真に受けなくていいからな!!」
「何?この状況…?」
「えっとね!!―――うんぬんかんぬん合ってこうなってるの!!」
立希は目の前の状況について行けなくなっていたが、そのタイミングで今まで静観していたあこが立希にこれまでの流れを説明し始めていた。
そして、あこの要領を得ない説明を聞いて何とか状況を理解した立希は―――
「頭痛くなってきた…。沙綾先輩がバイト先に連れてきたので喧嘩してるって…」
完全に頭を抱えてしまった。
喧嘩の理由もそこに至る経緯も彼女からしたら下らない物にしか感じられず、思わずつぶやいてしまったが、それがますきに火を着けた。
「お前!!可愛いもんはいくらあってもいいだろ!!考えてみろ…!!」
「可愛いもの…燈…」
「その可愛いもんが別の可愛いもんと戯れてるとかサイコーだろ!!」
「燈が…あれみたいなのと…」
ますきの言葉を聞いた立希は自分の中で可愛いものを考えると即座に自身のバンドメンバーの事が頭を過り、少しだけ気持ちが揺らいでしまったが、これをますきは見破って更に畳み掛けるとそのまま燈の事を考える立希。
――――――もしも燈がミニと呼ばれていたあの小さいのと無邪気に戯れる。
そんな姿を妄想した立希は――――
「ごふっ…!!がはっ!!」
「「吐血!?」」
可愛い×可愛い―――
そんな最強の掛け算を想像した立希は完全に頭がバカになり、その負荷に耐え切れずに吐血し始める。
その光景を前に、あことはぐみの2人の外野は驚いたが――――
「ぐはっ…!!ごばぁ!!」
「…」
「おねーちゃんの勝ちだ~!!」
「トモちんすごーい!!」
『―――!!』パチパチパチ
ますきも同じタイミングで似たような妄想をしてしまい、幸せそうな表情を浮かべながら吐血してそのまま地面に倒れ伏した。
そして、余りにもくだらない喧嘩に勝った巴は無言のまま高らかに拳を空に突き上げたその姿を見た外野2人とミニ達は拍手をするほど盛り上がっていたが―――
「スイマセン!!これ何の騒ぎですか!!」
「ちょっと!!何がどうなって…」
『へご…?』
このカオスに気が付いて、はぐみが店番をしていたのと同じように実家の店番をしていたつぐみと沙綾、そして沙綾のミニである”へご”が店から顔を覗かせて――――
「「なにこれぇ…」」
『へ~ご~…』
余りにもカオスすぎる状況に困惑の言葉と鳴き声を漏らしてしまうのだった。
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