ガルパ・ミニ -みにみに・が~るず・ぱ~てぃ~ - 作:ツナ缶マン
バンドの括りを辞めると自由度が広がるっピ!!
お前のバンド…まだミニ出てねぇのにいいのかよ…(
「ソイヤっ!!ソイヤっ!!ソイヤっ!!」
「トモちんの和太鼓すごいね~!!」
「巴…「練習見ていくか?」って言ってたけど、私達の事が見えてないね…」
今日も巴が和太鼓の練習に励んでいた。
しかも普段とは違って商店街に住んでいる沙綾達が見学に来ていたが、今の巴はその事が完全に頭の中から抜けていた。
そんな中で沙綾がこっそりと抜け出そうと練習場所から出ようとしたが、それに巴以外の面々は気が付いていた。
「さーや?どこ行くの?」
「折角練習見せてもらったから、差し入れのパンでも持ってこようかなって」
「じゃあはぐみもうちのコロッケ持ってくるよ!!」
「それなら私も珈琲持ってこようかな」
そんな会話を繰り広げて彼女達は巴に気づかれることなく練習場所から抜け出すと、各々の店に入っていくと差し入れの準備をして再び外へと姿を見せた。
「さーや!!一杯持ってきたね!!」
「まぁ、みんなも食べると思ったからね。はぐみもでしょ?」
「そうだよ!!」
「ゴメン!!お待たせ!!ポットにみんなの分の珈琲入れてたら時間かかっちゃって…!!」
「つぐ!!」
「大丈夫だよ。それにここまで和太鼓の音響いてるし、まだ練習中だよ」
商店街まで巴が和太鼓の音が響いているのを確認した彼女達は早足で練習場所まで戻ろうとするが―――
「よぉ、お前ら…何してんだ?」
「あっ!!マスキン!!」
「えっと、巴ちゃんが和太鼓の練習してるから差し入れ持っていくんだよ」
「そういや、ここまで和太鼓の音聞こえてるな…ちょっと待ってろ…」
沙綾達を引き留めたのはRASのドラムで商店街の八百屋の娘であるマスキングだった。
マスキングが沙綾達から話を聞くと、そそくさと店の方へと向かうと手当たり次第に店に並んでいた果物を持ってきた。
「面白そうだし、アタシも行くぜ。差し入れに果物でももってきゃいいだろ?」
「うん!!」
「沙綾ちゃん…なんか凄い事になったね…」
「でも、いいんじゃない?」
そんな会話を繰り広げながら、新たな仲間―――マスキングも加わって、彼女達は巴の元へと戻るが、ここで彼女達は違和感を覚えた。
「ねぇねぇ、さーや。なんか太鼓の音増えてない?」
「…ホントだ。巴が1人で練習してたはずだよね?」
「誰かが練習に来て合わせてんだろ?それに、行けば分かんだろ」
さっきまで太鼓の音が1つだけだったが、今聞けば太鼓を叩く音が2つに増えていた。
そんな事は些細なことを気にする素振りも見せないマスキングが練習場の扉を開くが―――
「「「えっ…」」」
「なんだあれ…?」
そこで繰り広げられていた光景を前に彼女達は入り口で固まってしまうのだった。
「ソイヤっ!!ソイヤっ!!ソイヤっ!!」
和太鼓の練習をする予定だったアタシは商店街で見かけたつぐ達を練習に誘うと、一緒にいた沙綾達まで練習を見学すると言ってきた。
「(折角だったらカッコいいとこ見せねぇとな…!!)」
そう意気込んでいた私は一番デカい大太鼓を用意すると、つぐ達に見せていた。
ちょっと叩いて見せたアタシはちょっとつぐ達の方へと視線を向けようとした瞬間―――
「…っ!?(アタシの音じゃない…!!反対側から…!?)」
アタシが叩いていた太鼓から音が響いてきたが、それはアタシが叩いた音ではなく反対側の面にいる誰かのものだとはすぐに分かった。
拙い感じが音に乗っていたため、ここで見に行けば良かったのだが―――
「アタシに向かい合って来てるんだから負けられねぇな…!!ソイヤっ!!」
その音はアタシのハートに火を着けてしまいアタシは再び太鼓を打つと、反対から音が返ってくるとその音はドンドンとアタシを燃え上らせた。
「行くぞ…!!」
アタシは知らない誰かとの打ち合って互いの音と思いを響かせた。
そして相手とアタシは同じタイミングで叩くのを辞めていた。
「はぁ~!!いい音だった!!…そうだ!!つぐ!!」
叩いていたのは良かったが、ここでアタシはつぐや沙綾達が練習を見に来てくれていたことを思い出して、彼女達が座っていた場所へと視線を向けようとするが、彼女達の姿は入口で何故かますきまでそこで固まっていた。
「みんな…ってますきも何でそんなとこにいんだ?」
「巴ちゃん…反対側見て…」
「反対側?そういや誰だったんだ?」
つぐが固まった身体を動かして太鼓を指差していた。
そう言えば結局は誰が叩いていたのか確認してなかったのを思い出して、アタシはそのまま太鼓の反対側を確認したが―――
『どーん!!ばーん!!』
『そいやっ!!』
「へっ…?」
そこにはアタシとあこのミニがいた。
それだけならまだしも、何故かアタシがあこに抱えられて空に飛んでいた姿にアタシも思わず、間抜けな声を挙げてしまうのだった。
「って今度はアタシとあこのか…」
「しかも…あこちゃんの方は頭に付けてた羽のカチューシャ?で飛んでたね…」
「本当に…どうなってるの…?」
「あれ?マスキン?どこ行くの?」
「用事を思い出した…」
「ますき。そいつら2人は置いてけよ」
「チィ…」
「そうだよ!!名前決めないとダメだよ!!」
新たなミニの登場。
そして、空を飛ぶというとんでもない行動を見せられた沙綾とつぐみの2人は唖然としている、横ではますきがミニを連れて帰ろうとするも、巴に止められるという出来事が起きていた。
そんなやり取りをしていた中ではぐみだけは平常運転で名前を決めるという流れに持って行っていた。
「名前…?何のことだ?」
「この子達、みんな名前が無いから名前つけてあげてるんだよ!!」
「そうなってんのか…?だったら考えねぇとな…!!」
「あっ!!そういえば今回はあこちゃんがいないけど…」
「今までは元になってる人がいつもその場にいたけど…どうしよっか?」
「見つけた人たちで決めるって流れになってるだろ?それにあこの奴、今日はRoseliaの方で撮影があるとか言ってたから連絡も碌に取れないだろうし…仕方ないだろ」
「それはいいけどよ…どっちから決めんだ?」
「あこちんの方にしよ!!」
名前を付けるというのを聞いたマスキングはミニたちを観察し始めると”ミニと似ている人物がいない”という今までにない事態について軽く話していたが、仕方がないという結論でそのまま彼女達もミニを観察し始めた。
『ねーちゃ!!ねーちゃ!!』
『そいやっ!!そいやっ!!』
「こいつらもアタシ達と一緒で姉妹なのか…?」
「にしても…こいつら、可愛いな…」
「そうだね~。あっ、あんパン食べる?」
『そいやっ!!』
『どーん!!』
どうやら、このミニ達も巴達と同様に姉妹の様であこの方が巴の方にしがみ付いてじゃれ合っていたが、そこに沙綾が店から持ってきたあんパンを差し出すと2匹は
「はい!!あこちんだから…”あんこ”!!」
「それ、あんパン見て思いついたろ…。響きも似てるし…」
「トモちん何でわかったの!?…でも、燐子先輩と仲良しだし!!名前も似てるからいいかなーって!!」
「あ~…そう言われると…無しじゃないのかな?とりあえず保留って事で…」
「うん!!」
安直すぎるはぐみの案だったが、冷静に話を聞いてみたら無しではないのでは?と思い始めた彼女達は一旦その案を保留にしたが―――
「くっそ…あこの2文字から全然思い浮かばねぇ…!!」
「あこちゃんの名前をアルファベットに直しても”AKO”の3文字だよ?」
「難易度が…高すぎる…!!」
「苗字の方だと分かんなくなりそうだしね…」
あこの余りの名前の短さもあって案を出す難易度が青天井ではぐみが出した案に続くことが出来ずにいた。
「なぁ、はぐみが言ったのでいいだろ?」
「ますき…?」
「これ以上考えても全然浮かばねぇし、巴の方も考えないとダメだろ?」
「たしかにますきちゃんの言う通りだよね…」
「ねぇ…本当にはぐみちゃんが考えたのでいいの…?」
『どーん!!どーん!!』
「喜んでるみたいだよ!!あんこちゃんよろしくね!!」
『ばーん!!』
「「マジかよ…」」
「あはは…」
「巴ちゃんの方で頑張ろう!!…って電話だ…誰だろ…?」
こうしてあこのミニの名前が"あんこ”に決まってしまった。
はぐみ以外の面々はなんだか情けないと感じてしまうもののなんとか持ち直して巴の方を考え始めようとするが、ここでつぐみのスマホから着信音が響くとつぐみはそのまま発信者を確認することなく電話に出てしまった。
「もしも―――「ツグちゃん!!」って日菜先輩!?」
「つぐみ、貸して!!スピーカーにしなきゃ!!」
つぐみに電話をかけてきたのはまさかの日菜。
思わぬ相手からの電話につぐみは思わず目を見開いて驚いてしまうが、沙綾がそのままスマホをとって皆に聞こえるようにスピーカーにしていた。
「聞いたよ!!巴ちゃんとあこちゃんのが出たんでしょ!!」
「えぇ…そうですけど…どこからそれを…」
「えっとね!!今日はパスパレのみんなとRoseliaで一緒の撮影だったんだけど、さっきあこちゃんから聞いたんだよ~!!今はあたし達が休憩してて、あこちゃん達が撮影中だけどね~」
どうやら仕事でRoseliaと一緒になったらしい日菜はあこから話を聞いたらしく、休憩の合間に電話をしているようだった。
「そうだったんですね…」
「それで、もう名前は『ふへへー』ちょっと~やまやちゃん。新しい子が気になるのは分かるからちょっと離れてて~…で、決まったの?」
日菜は新しいミニの名前が気になったようで電話してきたようだったが、どうやら同じミニ同士でも気になるようで日菜の電話口からはやまやの鳴き声が割り込んでくる。
「あはは…」
「えっと、あこの方が今のところは”あんこ”で…アタシの方が…『そいやっ』」
「おいおい電話してんだから…お前はアタシと一緒にいろよな~」
そんな2人に思わずつぐみは渇いた笑い声を上げたのを見て、巴がつぐみの代わりに日菜の質問に答えようとしたが、運が悪いことにそのタイミングでやまやの声を聞いた巴のミニが通話に割り込んできてしまったがすぐにマスキングがミニを摘まんで巴から引き剥がす。
しかし、不運はこれで終わらなかった。
「あこちゃんの方が”あんこ”で、巴ちゃんの方が”そいや”って言うんだ!!」
「ちょっと日菜先輩!?違いますよ!!」
「あっゴメン!!これからおねーちゃん達と一緒に撮影だからさ、やまやちゃん。電話してあげてて~」
『ふへ!!』
「待って!!日菜さん!!違うんです!!」
「日菜先輩!!勘違いしてます!!アタシの声に似てましたけどただの鳴き声ですよ!!」
「ひなちゃん先生が勘違いしたままだよ~!?」
「日菜さんが広める前になんとかしねぇと!!」
「ますき、とりあえずアタシからみんなに…ってマジかよ!?」
「…巴?どうかしたの…?」
「彩先輩からみんなにもう連絡がいっちまった…」
巴の声に巴そっくりのミニの声が被ってしまい、日菜はその鳴き声が名前だと勘違いするという彩顔負けのミラクルを引き起こしてしまう。
即座にそれを訂正しようといた彼女達だったが日菜の耳にその言葉が入ることはなく、彼女達が手を打つ前に彩によって誤った名前が拡散されてしまっていた。
「これ、収拾着かねぇだろ…」
「ますき、どうすんだこれ…?」
「どうしようもねぇ…」
『どーん!!ばーん!!』
『ふへへ!!』
『そいやっ!!そいや!!』
「あはは…」
「「「「…」」」」
『くっくっくっ』
『ふへ!!』
『そいやっ!!そいやっ!!そいやっ!!そいや!!』
余りの早業に彼女達はもはや成す術がなく、ミニ達が電話越しで会話する光景を見ながら巴は渇いた笑い声をあげることしかできなかった。
そんな巴に同情することも出来ずに黙り込んでしまい、周囲には楽し気なミニの声だけが響くのだった。
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