大遅刻かましました、すみません。
10月末、前々から準備はされていたが、今や既に世間はハロウィンムードだ、街を出歩けば右も左もハロウィン一色、所狭しと菓子の類が並んでおりお祭り騒ぎと化している。
──
と言う元気な声がそこらかしこから響いている、この世界でのトリックは洒落にならない、銃口を突きつけお菓子をせびる者も居る、それは恐喝と何が違うのか、しかしキヴォトス全域の暗黙の了解としてこの日だけは一発の弾丸の発射が許可されていない、数少ないキヴォトスの真の平和な1日である──。
◆
──布留部由良由良……
──ハァ……‼︎ハァ……‼︎
──味見……と言った所だな
──クソ……‼︎やめろ……‼︎
──領◾️展◾️──伏◾️御◾️子
──ウグ……ガァッ‼︎
──◾️・開
──ア゛ア゛アアアア‼︎
ジリリリリリリ‼︎
目覚まし時計の音が響き渡り部屋の主は飛び起きる、神将マコラだ、どうやらとても魘されていた様であり寝汗でぐっしょりだ、寝覚めは最悪そのものであった。
──クソッ……またこの季節か、毎年毎年忙しねえ夢だ。
「……シャーレに向かう前にシャワーでも浴びるか」
マコラは毎年この時期になるとある夢を見る、真夜中に誰かに街中で呼ばれナニカと戦っている、そして切り刻まれ、燃やされた所で夢が終わるのだ、マコラはこの時期、すこぶる機嫌が悪いのである。
「あー……もうハロウィンか、季節のイベントが多くなってきたな、先月は月見をしたんだったか……
そう、先月マコラはシャーレに訪れて先生と夕餉を楽しんだ後に月見と洒落込んだのだ、そして──、その事を思い出すと流石のマコラでも口角が上がる、彼女とて年頃の娘なのだから一世一代の勝負に競り勝った手応えを思い出すたびにニヤニヤしている。
「〜♪」
──っと、浮かれ過ぎだ
◆
「よ、来たぞ先生、今日は一段と忙しくなりそうなのでな、早めに出向いた」
「おはようマコラ、今日もよろしくね」
──……ん?なんだ、何か引っ掛かるな……
「……どうかした?マコラ」
「いや……何でもねえよ、そういや今日は──」
「ハロウィン、だよね?流石に分かるよ、街のどこを見てもハロウィンの飾りがあるんだもの、入念に準備しないとね」
「あぁ……そう、だな」
──なんだ、この違和感は……何かが違うのか?
「皆がさー、ずっと前からハロウィンの準備忘れないでってずっとモモトークの通知が止まらなくてね、お陰で充電器と端末が離れ離れに出来ないんだよ」
「ククッ、それだけ慕われていると言うことだ、お前はキヴォトス全域で活動し、奴等の悩みを解決している、横の繋がりは大切にしないとな?」
「その通りだね……さて、ハロウィンと言っても仕事がないわけじゃない、いつもよりは少ないから早めに終わらせてさっさとお菓子を作っちゃおうか」
「……そうだな」
◆
“……随分と買い込んだね、君”
「ん?まぁこんなもんだろ、
“良いんだよ、普段から君には世話になってるんだし、まだ何か用事はあるかい?”
「……ならもう少しいいか?ハロウィンの菓子の材料がこれっぽっちでは足りん可能性があるのだ」
“はいはい、何処へでもお供いたしますよ”
──やはり変だ、マコラはもう少しグイグイ行く筈、と言うか彼女は一々私に問いの答えを求めない、独自完結させるから付けいる暇が無いんだけど……
“ねえマコラ……”
「どうした?何か用か?流石に荷物が重すぎたか?」
“いや、それは大丈夫、マコラさ、今日の具合は大丈夫なの?”
「何だそんなことか、今日の
“そっか、なら良いよ”
──隠すねぇ……まぁもう少しだけ付き合ってあげようかな、今の所実害はないし。
◆
──やはり変だ……心なしか書類の処理速度が速くなってる気がする、慣れとかの問題じゃない、それ以前の問題だ。
「マコラ?今日は調子悪いの?休んでても良いよ?」
「……そうさせてもらうかな、今日はちと、夢見が悪くてな、ほんの少しだけ気分が優れなかった」
「珍しい事もあるものだね、仮眠室で横になって来な、私は最近はご無沙汰だけどね」
「そうか、お前も程々にな」
◆
マコラから電話?あぁやっぱりそうだったのか……となると向こうでも何かしらあったんだろうね、この電話主は本物だろう。
“ごめんねマコラ、少し出るね”
「なんだ?他の女からの連絡か?ククッ、モテる男は辛いな?」
“もしもし?何かあった?”
『先生……アンタ今どこにいる?』
“何処って……外だよ、ハロウィンの準備の買い出ししてんの”
『そうか、分かった』
切れた……ならそろそろこの問題も解決かな、すぐ飛んでくるだろうし、こっちはこっちの問題を解決しないとね。
「誰からだったんだ?」
“……君が化けた子からだよ”
「……そう、もう楽しい祭りは終わりなのね……」
もう隠す気が無くなったのか目の前のマコラ……の姿をしたナニカは悲しげな表情を浮かべる。
“……ごめんね、君の誘いにはやっぱり答えれないよ、私にはまだここでやることが沢山あるから”
「そう、でしょうね、でも私は本当に楽しかったのよ?年に一度の顕現にしてはね、いっぱい捧げ物も貰っちゃったし?」
“そりゃあ本物からのトリックとか何されるか分かった物じゃないからね、必死にトリートをするしかないよ”
「最後に一言だけ言っておくわね?私には決まった形の姿がないのよ、だからその人の思いが強い人物に姿が変わるのだけど……貴方、相当この姿の子が好きなのね」
“え……えぇ⁉︎”
「アハハ‼︎最後の最後まで楽しめたわ、じゃあ、戻りましょうか?」
コイツ……‼︎最後の最後まで揶揄っていきやがった、本当に
「速くシャーレに戻りましょう?きっと待ちくたびれてるわ、この子」
◆
一言聞いて電話を切る──それだけで全て十分だった、何故なら中から電話の音も奴の声も聞こえなかったからだ。
──舐めやがって。
そんな思いが胸を満たす、態々その姿に化けるとは良い度胸だ、最初に出会ったのが
ドアを開ける、中にいる“ソイツ”がこちらに声を掛けてくる、だが何も聞こえない、聞きたくない、
「本当にどうしたんだいマコラ、殺気だって……まるで私を殺そうとしてるみたいじゃないか、そんな事しても──」
「黙れ、耳障りだ、消えろ」
「何を──」
「上手く化けたんだろうが、
「──なんだ、バレてたのか……それでどうするんだい?言っておくが私は通常の手段では殺せないよ?ここの世界の銃じゃ私を傷つけることは出来ない、何も出来ないんだよ、君たちは」
「そうでもない、“八握剣”、コイツならお前を切れる」
「ただの剣じゃあ──」
言い終わる前に奴の頬先に切れ込みを入れる、どうやら攻撃が当たるとは思ってなかったのか相当な狼狽えっぷりだ、愉快愉快。
「コイツは別名“退魔の剣”と呼ばれててな、お前みたいな奴を叩っ切るのが本来の使い方だ、尤も
「ま、待っ──」ボシュウ
はぁ……悪霊退治とか百鬼夜行の連中の領分だろうに……まぁ良いか本物の先生は……今帰ってきたのか。
◆
“や、お疲れマコラ”
「本物だな、この間の抜けた喋り方は」
“何で開口一番ディスられないといけんの?俺なんかした?”
「あら?此処に居たと思ったのだけど……消滅してるじゃない、貴女が祓ったの?それ」
「誰だよ……ア゛ァ?何でお前が此処にいんだよ
「あら、貴女にはそう見えるのね、念の為言っとくけど別人よ」
「またそのパターンかよ……」
「神将マコラちゃん……だったかしら、貴女もう少し素直になっても良いのではなくて?お互い想いは共通なんだし?」
「んなもん知るか、とっとと離れろ」
「聞こえなーい」
凄い……あのマコラが手玉に取られている……‼︎滅多に見れない光景だ。
「ちゃんと言わないと離れないよーだ」
「だから‼︎そいつは
「きゃーこわーい‼︎退散退散〜♪」
──これ俺巻き込まれただけでは……揉め事は嫌なんだけどな……
「いや〜モテモテで嬉しいわねぇ?
「“余計なお世話だ‼︎”」
捧げ物(買い出し品)を持ち去って行ったソイツは最後の最後までこちらを揶揄って行った。
“ねえマコラ……やっぱりあれってさ”
「あぁ、マジの神霊の類だな、
やっぱりそうだったのか、女神の祝福の類とか絶対碌な事にならないじゃん、面倒臭いな……て言うかもう一回買い出しに行かないとダメじゃん、菓子を作る材料がねえし。
“取り敢えずあの人?に買い出しの品を粗方持っていかれちゃったからまた買い足さないとダメなんだけど……”
「今度は
そうして2人で買い出しに出かけハロウィンの準備を整えていくのであった。
◆
──なぁ先生……もし、仮にだが
──必死に止めるよ、そしてそんな物になっても俺はマコラの味方であり続ける。
──そう、か……ありがとう、先生。
この後2人はみんなと楽しくハロウィンパーティを行えました。
と言うわけでハロウィンはハロウィンでも原典に近い方のハロウィンを2人に味わってもらいました。
先生には神霊、マコラには悪霊で振り分けました、2体が変身能力を持っていたのはハロウィンの仮装すると言う点から。
マコラが偽先生の喋り方に違和感を覚えたのはメタ視点だと鉤括弧の違いだけど本人たちからすればだいぶ声質が違う印象。
使ってる鉤括弧一覧
生身やこの世界の住民:「」
黒服等の一見人間っぽいけど顔が人外な奴:【】
機械音声やゴルデカのような特殊なタイプ:『』
先生:“”
マエストロタイプ:《》
他にも色々あるけどその時によって変わると思う。
【最終決定】IF世界線のマコラ
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アビドスIF
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ゲヘナIF
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トリニティIF
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ミレニアムIF
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アリウスIF
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ゲマトリアIF