布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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──ふぅむ、お客様かの?ここに妾以外が足を踏み入れるとは……初めてじゃのう、まぁゆっくりしてくりゃれ。
 ここは()()()()()()()()()()()()……の様なものを観測できる場所でな、本来ある筈だった出来事が起きなかった結果あたらしい世界(物語)が出来上がったのじゃ。
 今の世界の果ては誰にも分からぬ、故に今観測された是れ等の世界の果ては妾にも分からぬ、それだけは理解してほしい、では気をしっかり持つのじゃぞ?


【IFの世界線─もしもあの時】
【IF世界線】


Chapter1【大砂原にて方陣は廻る】

 

 それなりに発展した場所ではあるらしい、規模も十分、なのに何故人が居ない……?

 

「君‼︎何処の誰かは分からないけど危ないよ!砂嵐が来る!」

 

 遭遇するは水色の髪をした女、見ず知らずの俺に話しかけて助ける辺り相当のお人好しなんだろう、笑えてくる。

 

「私の事はね、ユメって呼んで欲しいな、若しくはユメちゃん、歳が近い子にちゃん付けで呼ばれたかったんだぁ〜!」

 

 中々に愉快な脳みそをしている、ウチの学校に来てくれないかとのことだが……まぁ死ぬまでの暇つぶしと考えればいいだろう。

 

「新入生を〜紹介します!はい、テンション上げて!」

 

しーん…

 

「あげてよ……」

 

「どうせすぐ居なくなりますよ、そんな人の為に空気作りなんてごめんです」

 

 次に会ったのは生意気なピンクのチビ、見かけに比べてかなり出来る、今まで相手にした馬鹿よりは楽しめる。

 

「身長が伸びねえからって僻むなよ、まぁ伸びた所でお前の背丈ぎ俺を超すとはないが」

 

「は?喧嘩なら買いますよ?頭に立派な舵輪を浮かべるくらいですから頭の出来もさぞ良いんでしょうね」

 

「「……ブッ殺す‼︎」」

 

「2人とも仲良くしてよ〜!」

 

 初めての感覚、実力が高い者同士の戦い、それは色彩に欠けた俺の人生に一つの色を灯すには十分だった。

 

「お前……名前は?」

 

「……小鳥遊ホシノ、そっちは?」

 

「マコラ、神将マコラだ、よろしくなホシノ」

 

「こちらこそよろしく、こんな学校で良ければ、だけどね」

 

 俺は心から信頼できる友を得た、俺たちはずっと共に歩み続けれるのだと、そう信じていたかったのだ。

 

「マコラ……だよね?」

 

「遅かったなホシノ、いや早い方か、この自治区にカイザー関係の建物がいくつあるって話だもんな、ユメは無事だ、俺が治した」

 

「そっか……とにかく戻ろう、このままここにいちゃ面倒な事になる」

 

「ホシノ、大人達(アイツら)殺すか?今の俺なら多分何も感じない」

 

「駄目だ、意味がないし時間の無駄だ、ここの組織は元々問題のあった組織だしカイザーグループに避難声明を出しても知らぬ存ぜぬを貫き通されるでしょ」

 

「意味、ねぇ……それは本当に必要なことなのか?」

 

「大事なことだよ、特に私たちにとってはね」

 

 俺は“一人”になった、元々実力差があったユメは勿論、“覚醒”した事によってホシノとの実力も離れてしまった。

 その月は忙しかった、新しく後輩が入る事になりユメが大変喜んでいたのを覚えている、十六夜ノノミと言う人物らしく随分と箱入り娘な雰囲気を漂わせるていた。

 

「来年からこの学校でお世話になります!十六夜ノノミと申します、よろしくお願いします!」

 

「イェーイ!よろしくねぇ〜!ノノミちゃん、ほら二人も挨拶して!」

 

「小鳥遊ホシノです、一応歳上ですよ……」

 

「んもー!ホシノちゃんってばマコラちゃんが言ってた身長が低い事ずっと気にしてるんだからー!」

 

「ユメ先輩後でマジビンタね」

 

「酷い!」

 

「ほらマコラ、自己紹介して、おわんないでしょ」

 

「ん……あぁ、俺は神将マコラ、よろしくな」

 

 こうしてアビドスの生徒は四人になった、だが俺は3人との間に決定的な“壁”を感じざるを得なかった。

 時折思う、コイツらの在り方は俺にとってはかなり眩しすぎる、あの日から俺は自分に言い聞かせている、俺があの時感じたものは何も珍しくない周知な醜悪、知った上で俺は……

 

あの時の大人と施設で見た大人の姿が被る

 

「屑が……」

 


Chapter2【この世で最も自由な奴】

 

 人間らしく生きて良いとは言われてもな……何も知らん俺にどうしろと言うんだ、俺の知る人間は皆醜く残酷だ、人間の様に生きると言うのはどうすれば……

 

「キキキ‼︎おいそこのお前、お前だお前!聞こえているんだろう⁉︎」

 

 また面倒くさそうな奴が現れたな……適当に切り上げて消えるか……

 

「そんなでかい声を出さんくても聞こえている、んで?お前は誰だ?」

 

「私の事を知らぬとは……だが私はお前のことを知っているぞ“神将マコラ”!このマコト様の情報網を甘く見てもらっては困る」

 

「あっそ、興味ねえよ、去ね」

 

「む……だが居場所は必要だろう?知っているぞ、お前にいく当てが無いと言うことも、ならばゲヘナに来い!ゲヘナに在学すればやりたい事をやれる!自由こそが人間の本質だ!違うか⁉︎」

 

「人間の本質、ねえ?それが人間らしさって奴か?」

 

「キキキ……そうだとも、私はいずれゲヘナの生徒会長になるつもりだ、そうすればゲヘナ在学生はこの世の誰よりも自由に生きていける!魅力的とは思わないか?」

 

「……確かに道理ではある、だが一つ条件がある、それを呑むならばゲヘナに入学してやらんくも無い」

 

「ふむ……条件とは?」

 

「俺に“人間らしさ”を教えろ、それが条件だ」

 

「……は?」

 

「俺は人間の何たるかを知らん、故にお前に教えを乞うているのだ、何処にも不自然はあるまい」

 

「キキキッ!キヒャヒャヒャ‼︎成程な!確かにそれも道理か!良いだろう!とことん気に入ったぞ神将マコラ!」

 

「そう言えば……結局お前の名はなんと言う?」

 

「ん?あぁ、私の名は羽沼(はぬま)マコトだ、よろしく頼むぞ」

 

 これが、俺と奴との出会い、言うなれば俺が自由に生きる根底になった物、そして今の俺は──。

 

「温泉開発部ゥゥゥ……ファイアー‼︎」

 

「ウオオオオオオオ‼︎」

 

 何故かこうなった、あれから俺はゲヘナにて活動を開始し自由奔放に振舞った、具体的に言うと“やりたい事はあるが燻っていた奴等”の背中を後押しした、結果巷では【ゲヘナの裏ボス】とか言われてるらしい、不服だ。

 

「あなた、これだけ自由奔放に振る舞っておきながらまだ“飢えて”いますのね、私たちに道を記してくれたあなたに対して何かお返しができればよろしいのですが……」

 

──あー、そうか?

 

「君には感謝しているとも、共に温泉を開発する同志として、敷いては友として君に何かしてあげたい、君のその“渇望”は温泉で癒されることはないのだろう?」

 

──そうだな……

 

「迷っていた私にこの道を勧めてくれたあなたには感謝してもしきれないわ、お陰で今の子達とも会えた訳だから、でも()()()()?あなたはずっと1人じゃない、どうすればあなたを“孤独”から救えるの?」

 

──そうかもな

 

「マコラ、あなたはこれだけの生徒に道を示して尚まだ満ち足りていない、答えて、あなたは一体何を求めてるの?」

 

──俺の人生は今、ハルナの言う食のフルコースで言う所のメインディッシュなんだ、腹の分量で言うなら腹八分目って所だな。

 

「……それの何が不満なの?」

 

──まだデザートが来てねえんだ、俺の人生を彩る決定的なデザート、マコトとの出会いによるゲヘナ入学が前菜だとするなら、あの連中達(ハルナ・カスミ・アル)に出会って道を示したのが各料理、そしてヒナ、お前との喧嘩がメインってところか、分かるか?まだデザートが来てねえ、フルコースを完食してねえのに卓を立つ訳にはいかんだろう。

 

「……そう、満ちて無いからこそ“不満”なのね」

 

 ゲヘナで暮らして様々な事をした、骨のある奴とも戦えたし友と呼べる奴とも巡り会った、多分他人から見た俺の人生は相当恵まれてるんだろう、だけどな……足りねえんだよ、彩りが、刺激が、悦楽が!これを満たせる人物は現れるのか──。

 

“君がみんなが言っていた神将マコラ……だね?”

 

 ()()()()()()()()、そんな予感をこの大人から感じ取れた。

 


Chapter 3【己の居場所は何処だ?】

 

 トリニティに於いて俺は“異端”なのだと言う、派閥に属さず、正義実現委員会にも入らず、神に祈りも捧げない、所謂問題児。

 

「何故あなたは何処にも属さないのですか?」

 

 ある日こんなことを言われた事がある、何処にも属さないのでは無い、属す必要性が皆無なのだ、そもそも派閥だの陰謀策謀だのそんなのはお前ら個人で勝手にやれ、俺を巻き込むな面倒臭い、正直不愉快だ。

 群としての人間、群としての生徒、寄り合いで自らの価値を計るから皆弱く矮小になっていく、陰湿な行いや互いの足をすくい合う行いを繰り返しているから、お前らは“劣化”していく。

 

「なんて傲慢な……‼︎何様のつもりですか⁉︎」

 

 お前らから見れば俺は傲慢に見えるのだろうよ、だが俺から見ればお前らのやり取りは実に“滑稽”だ、俺は俺の身の丈と尺度で生きているに過ぎぎない、それを測れないのは俺以外の連中の問題だろう。

 

「それは……とても寂しい人生じゃないですか?」

 

 かもな、だが俺にこの生き方をさせたのはある種トリニティという組織そのものが原因と言える、何処で誰が何を聞いてるか分からない、誰も信用ならない、そんな奴に背中を見せるのは自ら隙を晒す行いに等しい。

 

「君の様な感性の持ち主にはこの学園はかなり窮屈だろうね、だけど人は寄り添っていかないと生きていけないほど脆弱な生き物なんだよ」

 

「まぁ確かに、パテルの子達も私を神輿みたいに担ぎ上げて不手際を起こしたら切り捨てるつもりなんだろうけどさ?それでもずっと一人で生きていくのはしんどいんじゃない?」

 

 さてな、そんな事考えた事もない、意味がないと言うべきか、周りの連中がなんて言おうと勝手だが俺は俺の在り方を変えるつもりはない、()()()()()

 

「申し訳ありませんが……マコラさん、あなたを補習授業部の一員に組み込ませて頂きます、私としても大変心苦しいのですが……」

 

 あー、言わんとしている事は分かる、大方例の条約の邪魔立てする者の排除、或いはトリニティを陥れようとしている容疑者を一纏めにしようと言う心積りだろう、ご苦労な事だ。

 

「……申し訳ありません、無力な私達を許してくださいとは言いません、恨んでくれても構いません、ですがどうか、この学園だけは──」

 

 お前がどうなろうと、この学園がどうなろうと、心底どうでもいい、ただ俺の邪魔をしないのであれば……

 

「おい、1秒やる、どけ」

 


Chapter 4【堕ちた理想と虚構の現実】

 

 俺が知る人間……遥か遠くの理想を追いかける者達だった、手が届かぬと分かっていて尚手を伸ばし続ける、その為に歩み続けていた、それが人間の本質なのだろうか?

 

「あんたはその答えを知っているのか?」

 

「知らないよ、理想とは追い続けて尚簡単に届かないから理想だからね」

 

 理想がなければ人間じゃないのか?それとも人間だから理想を持つのか?

 

「さて、どうでしょうか……その答えを追い求めるのも人生の醍醐味なのかも知れません」

 

 理想だけが大きくなっても実力が伴わなくては意味がないのではないか。

 

「そんな事はないわ、理想の大きさは自身の人生のモチベーションに繋がるもの、どの様な形であれど理想を掲げるのは悪い事ではないのよ」

 

 お前達3人が羨ましいな、ソフトもハードの開発に関しては右に出る者がいないだろう、俺はお前らの様に何かを作るのに向いていないからな……

 

「なんでお前がそんなつまんねえ事でウジウジしてんだよ、お前はお前でそれ以上もそれ以下もないだろ

 

 俺は俺か……確かにな、だが俺は“理想”を追い求める以前に“現実”を突き付けられた、この空虚を埋めるナニカは無いのか……

 

「マコラ……()()()()()()()()()なの?」

 

「外野の私が言うのもアレだけど……相当な無茶じゃないかい?」

 

「仮に()()()を真人間にしたとしてその後はどうするのですか?」

 

 さぁな、だがそれも含めての理想なんじゃないのか?()()()()()()()で仲良くやるさ、世話になったな。

 

「マコラは一体何になりたいのですか?」

 

 さてな、一時期それを探してた時期があったんだが結局頓挫してな、中途半端に投げ出してしまったんだ。

 

「そうなんですね……アリスは、どうするべきなのでしょうか?」

 

 やりたい様にやればいい、他人の助言は指針を決めるのに向いているがそれは絶対じゃない、最後に自分の人生を決めるのはお前自身だ。

 

「だったら……マコラはアリスと一緒に冒険しましょう!世界中を見て回ってそしてその後にやりたい事を決めればいいんです!」

 

 そうだな、それも良いかもしれんな。

 

──俺が掲げた“理想”、それはアリスを【兵器】としてではなく一人の【人間】として育て上げること、同じ【兵器】として造られた俺だからこそ共に歩む事が出来るはずだ。

 


Chapter 5【空虚な方陣】

 

 内戦が酷いとは聞いていたがここまでとは……俺自身を鍛え上げる為に来たとは言え想像を絶する規模だ。

 何処の勢力にも属さない俺の存在は瞬く間に広まった、直ぐに取り入れようとする輩が蛆の様に湧いてきた、悉く屠ってやったが。

 

「アンタ……今のを見てたぞ、教えてくれ!どうやったらそれだけ強くなれる⁉︎」

 

──お前に教えて俺に何か得があるのか?

 

「……ッ!私達が隠れ潜んでる所がある、勿論無理にとは言わないが……」

 

──興味がない、失せろ。

 

「……ッ‼︎アンタにしか頼れないんだ!みんなを守るには力がいる、でも今の私にはそんな──」

 

──強くなりたくば勝手に強くなれ、誰かに教えを乞うな、“見て盗め”、それが強くなる為のコツだ。

 

「そうか……ならそうさせてもらう」

 

 それからと言うものの俺とソイツ……名を錠前サオリと言ったか、ソイツとそいつが保護の様な事をしている奴等との生活が始まった、最初は脆弱過ぎるコイツ等に苦悩した、だが何日も顔を合わせていると情も湧いてくる。

 殺伐として虚しい世界ではあるがこんな日常が続けば良いと、どこか心の中で、そう思っていた。

 

〈こんにちは、アリウス生徒の皆さん、内戦は終わりました、私が止めたのです、私の名は《b》ベアトリーチェ、この瞬間からこのアリウス自治区を統治する者の名です、覚えておいてくださいね〉《/b》

 

──気味が悪い、それが俺の第一印象だった、加えて胡散臭い、こんな奴が本当にあの内戦を締結させたのか?そんな疑問だけが俺の中で反復する。

 

〈あなた達6人……特に()()()()()()()は非常に優秀ですね、どうです?私の専属になれば高待遇を確約致しますが……〉

 

 この女?は俺とアツコを特に優秀と言い放った、俺は特に暴れていた自覚があるから分かるがアツコも……?いや、今は余計な事を考える必要はな

 

──俺は兎も角この5人は5人1部隊の運用が最適だ、それを割くのは愚の骨頂と言える。

 

〈ほう、何故その様な事を言えるのでしょうか?何か理由でも?〉

 

──俺がそう言う風に鍛え上げた、それ以上の理由がいるか?

 

〈成程……あなたが直々に鍛え上げたのですね、でしたら特別にその四人も纏めて私の専属に致しましょう、アナタ達6人はこれより私の専属の部隊です、いいですね?〉

 

 傲慢の極みだな、あくまでも自分が譲歩してやったと言う体を崩さないつもりか、となるとコイツの目的はまぁ……俺とアツコの身柄だろうな、それ以外は全て替えが効く駒って所か、サオリ達が他の奴らと違うのは他の奴らは捨て駒でコイツ等は優秀な駒と言った程度の認識か、反吐が出るな、施設の連中と変わらん思考だ。

 

「マコラさん、よかったの?」

 

──なにが?

 

「マコラさん1人なら逃げる事も容易い筈、なのに何故逃げないのか気になって」

 

──冗談でもそう言うこと言うのはやめろ、流石に何年も共に過ごせば情も湧く、俺はお前らを見捨ててまで生きようとは思わない、それに──。

 

「それに?」

 

──何でもない、忘れろ。

 

 あの女はいつか殺す、その方が良い、ああ言うのは百害を撒き散らすタイプだ、しかし今殺すのも不味いアイツによってもたらされたプラスの要素もあるにはある、だから……利用価値が無くなればその時に息の根を止めてやろう、自分が至高の存在と思い込んだ凡婦にはお似合いの末路だろう。

 

“君は本当にそれで良かったのかい?”

 

──あぁ、これで良かった、俺の願いは叶ったんだからな、穢れた罪人の人生はここまでだ。

 

“正直納得してないけどね、私も皆も”

 

──だろうな、だからこそ先生、アンタに最後の呪いを掛ける。

 

 ベアトリーチェが死んだ今此処の防壁は機能しなくなる、それはどうでも良いアイツ等が何処で野垂れ死んでいようと、だが……スクワッドの皆は別だ、あの子達は俺にとって“家族”と言える存在だ、だから──

 

──スクワッドの皆を頼む、俺の大事な家族だ。

 


Chapter 6【災厄の方陣】

 

──乗った、お前らについてやる。

 

【……聞いておいてなんですが正気ですか?】

 

──正気も正気だ、もうこの世の何もかもがどうでも良い、ならせめてお前の言う崇高とやらを目にしたい。

 

【クックック……良いでしょう、歓迎いたしますよ、では私についてきて下さい、案内いたします、我々の組織である“ゲマトリア”のその場所へ】

 

 媚び諂ってこちらの様子を伺ってくる大人も、下手に出て持ち上げようとする生徒ももううんざりだ、だがコイツは正面切って俺を勧誘してきた、ならそれに興ずるのも人生か。

 

【着きましたよ、どうやら全員揃っている様で、軽く自己紹介でもしましょうか】

 

 黒服に連れられ出向いた場所には様々な異形が居た、頭が二つある木偶人形、後ろを向いた男の写実画を持った顔のない男、そして目が沢山ある貴婦人の様な装いをした怪物姿の女。

 

──黒服が一番人間に近い見た目なのな。

 

【クックック……まぁ、一番オーソドックスな見た目ではあると思いますが……彼等を見て即座に出る感想がそれですか】

 

《黒服……この者が其方が言っていた生徒か》

 

【如何にも、この人が私が以前から目をつけていたもう1人の生徒、神将マコラさんです】

 

《そうか……私の名はマエストロ、其方とは余り関わることはないだろうが、名前だけでも覚えていてほしい》

 

──マエストロね、覚えた、何で二つ頭があるのかについてはこの際置いておくよ、一々指摘してたら時間が足りねえ。

 

『そう言うこったぁ!』

 

 今写真を抱えてる方が喋ったのか?アレはどっちがどっちなんだ?そもそも生命なのかアレは。

 

『では続いては私の様ですね、顔を見せれない無礼をお許しください、私の名はゴルコンダ、そして私を抱えているのがデカルコマニーと言います』

 

『そう言うこったぁ!』

 

──因みに聞くがゴルコンダが本体なのか?

 

『デカルコマニーの方ですよ』

 

『そう言うこったぁ!』

 

──マジかよ……

 

〈私の名はベアトリーチェ、よく覚えておく様に〉

 

 うーん、淡白な奴ばっか、ゴルコンダも必要最低限のことしか教えてくれんしマエストロは無関心、ベアトリーチェは論外、黒服が一番まともなのか?

 

《して、マコラよ其方は何が出来る?黒服が直々に声を掛けたのだ、何かしらの物は持ち合わせているのだろう?》

 

──そうだな、影を媒介に色々出来る……って所か。

 

『色々とは?』

 

──色々は色々さ、微塵も信用してないやつに手の内を明かす訳がないだろう。

 

【クックック……確かに】

 

──まぁ一つ明かすとするなら影の中に物を収容出来るって所か、入れれる物に制限はないが物を入れただけその分の重さを俺が引き受けることになる、つまりあまりにも重すぎると俺が潰れかねん、まぁそんな事は滅多にないが。

 

『成程……所謂影の世界と此方の世界を繋ぐ事が可能と言う事ですね?』

 

──まぁ後は影の形を作って肉付けすればそれに応じて様々な事も出来るんだろうが……

 

『何か問題でも?』

 

──そうだな、俺の能力……仮称として術式としようか、術式の方向性を反転させればかなり幅が広がる筈だ。

 

〈反転させれば、とは言いますが今は違うのですか?〉

 

──今の俺の術式はあくまで戦法に応じた武器や道具を出しているに過ぎない、俺が戦うのが一番手っ取り早いからな、だがその性質を反転させ戦法に応じたナニカを呼べるとするなら、どうだ?

 

【ふむ、試してみる価値はあるやもしれません、何か必要な物はありますか?】

 

──広い部屋と、大量の生物だな、反転させる為の儀式に使う。

 

《……其方、何をするつもりだ》

 

──身体を“魔”に近づける為の、“浴”さ。

 


──狂った方陣は捩れ曲がる、しかし所詮これらは枝分かれした世界線だ、特に気にすることは無いと思うがね、先生よ




※ミレニアムマコラと姉妹主従ifを統合します、誠に申し訳ありません。

二回目のアンケートからは六つの選択肢からお選び下さい

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
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