布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

18 / 67
さぁ巻いていこう、原作と殆ど変わりがないからね、マコラと言うイレギュラー一つでどこまで引っ掻き回せるのか。


会議と邂逅

 私がアビドス高等学校に出張してきて早一日経った、昨日はかなり濃い一日だったと思う、あの後私はこの学校の生徒のシロコのお陰で何とか学校までたどり着けた、その際に所属している生徒達の自己紹介を済ませたり襲撃してきたヘルメット団を返り討ちにしたり、攫われたセリカを救出したりで中々一息をつく暇が無かった、ただセリカのバイト先の柴関ラーメンで食べたラーメンは美味しかった、今度マコラを連れて行ってみるのもいいかもしれない。

 

 そう思案している私は今は対策委員会の教室にいる、と言うのもヘルメット団の一件が片付いたのでこの学校が抱えている根本的な問題……つまり借金の問題に取り掛かれるようになったらしい。

 で、その借金額がどれだけあるかと言うと……アヤネが言うには9億6235万円だとか、さらにそこから利息分があるらしいので実際はもっとあるかもしれない。

 ……目が飛び出るかと思った、明らかに一学校が抱える金額じゃ無い、それはもう一都市の領域だ。

 この借金を返済しなければ学校は銀行の元に渡り廃校、しかし実際に完済できる可能性は0に近いらしい、……正直私もそう思う、指名手配の生徒を突き出すとして、私がいた世界の法律をそのまま流用するとするなら情報提供で100万〜300万程だった筈だ、この際の計算は直接捕縛して突き出すので最大金額の300万と仮定して……ざっくり320人程捕まえれば完済完了となる。

 言葉だけにすると簡単だけどこれはあくまで外での基準、銃弾飛び交うキヴォトスではそうじゃ無いかもしれない、何より320人も指名手配犯を僅か5人で捕まえるには少々骨だと思うしもし可能なら既に完済完了してるだろう。

 

 では何故そんな莫大な借金を背負ったのか?それは私が此処にくるまでにも見たあの砂漠の砂嵐が原因らしい、とある時期に起きた規模のでかい砂嵐によって学区が砂に埋もれ、砂嵐が去ってからも砂が溜まり続けてしまった、それをどうにかするために多額の資金を投入せざるを得なかったのだが融資してくれる銀行が無く悪徳金融機関を頼るしか無かったのが現状、恐らく返済が滞ってるのは利息分が法外なのだろう、悪徳金融では良くあることだ。

 更に不運な事に年々砂嵐の被害は増大しアビドス学区の半分以上が砂に呑まれて砂漠になり借金は膨れ上がり今に至る。

 

(うーん、此処にくる際軽い脱水症状になったのが原因か頭が回らないなぁ……そもそも砂漠にある都市なんだったら砂嵐に対して何かしらの対策はしてた筈……つまりその時に起きた砂嵐には想定以上の物であって……自然気象の予測を上回る気象ってのはよくある事だけども、うーん、何か引っ掛かるよなぁ……)

 

「……それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます」

 

 っと、考え事をしてたらアヤネが会議を始めるようだ、思考は止めずに、されど話は深く聞いておく、マコラにも言われた事だけど、()()()()()()()()()()()、これがここで生き残る為の必要最低スキルらしい、特に私は弾丸一発で致命傷になりかねないので必須だろうが……

 

「本日は先生にもお越しいただいたので、いつもより真面目な議論ができると思うのですが……」

 

「は〜い⭐︎」

 

「ん、勿論」

 

「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない……」

 

「うへ、よろしくねー、先生」

 

“うん、よろしく”

 

 どうしよう、すごく不安だ。

 

「早速議題に入ります。本日は、私たちにとって非常に重要な問題……《学校の負債をどう返済するか》について、具体的な方法を議論します。ご意見のある方、挙手をお願いします!」

 

 おぉ、案外真面目な会議だ、案外私が口出しせずともスムーズに進めれるかも知れないな、出会ってまだ一日だがアヤネは真面目気質だし、でだしはかなり良好なのでは無いだろうか。

 

「はい!はい!」

 

「はい、1年の黒見さん、お願いします」

 

「……あのさ、まず名字で呼ぶの、やめない?ぎこちないんだけど」

 

「せ、セリカちゃん……でも、せっかく会議だし……」

 

「いいじゃーん、おカターい感じで、それに今日は珍しく、先生もいるんだし」

 

「珍しくというより、初めて」

 

「ですよね!なんだか委員会っぽくてイイと思いま〜す⭐︎」

 

「はぁ……ま、先輩たちがそういうなら……」

 

 前言撤回やはり不安だ……まぁ最後まで見届けよう、本当にやばいと思ったら軌道修正してあげればいいだろう。

 

「……とにかく!対策委員会の会計担当としては、現在我が校の財政状況は破産の寸前としか言いようがないわっ!このままだと廃校だよ!みんな、わかってるよね?」

 

「うん、まあねー」

 

「毎月の返済額は、利息だけで788万円!私たちも頑張って稼いではいるけど、正直利息の返済も追いつかない、これまで通り、指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ、このままじゃ、らちが明かないってこと!何かこう、でっかく一発狙わないと!」

 

 ふむ、典型的なギャンブル的思考、人はそれを沼思考と言うんだけど……だが案外的外れな考えでも無いのが事実だ、っていうかやっぱり法外な利息してるんじゃん、この子達も色々やってる様だけどそれでも追いつかないって…そりゃいつまで経っても返せない訳だ、と言うか大人が子供から金を搾り取るなよ、腹立つな。

 

「でっかく……って、例えば?」

 

 頼むからギャンブルの類だけはやめてくれよ、と言うかそもそも未成年だから大人としてそれは止めなくてはならないが…

 

「これこれ!街で配ってたチラシ!」

 

「これは……⁉︎」

 

 セリカが皆に街で配ってたと言うチラシを見せる、正直その時点で嫌な予感がするけどね。

 

「どれどれ……「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金」……ねえ…?」

 

 oh……やっぱり“その類”のモノか、と言うよりこっちにもあるんだなぁマルチ商法って、銃弾飛び交う世界でそれをやるってかなりな度胸がいる筈なんだけどアレか、対象が末端になるだけで大元にまで届いてないパターンで撲滅できてないって奴ね、最悪だな。

 

「そうっ!これでガッポガッポ稼ごうよ!」

 

 どう声を掛ければ良いのか、とにかく分かるのは黒見セリカという人物はかなり信じ込み易い子であるという事だ。

 

「この間、街で声をかけられて、説明会に連れて行ってもらったの。運気を上げるゲルマニウムブレスレットってのを売ってるんだって!」

 

 駄目だ、純粋過ぎて汚れ切ったおじさんの身にはかなり眩しく感じる…!今はその曇りなき眼が憎いッ…!

 

「これね、身に着けるだけで運気が上がるんだって!で、これを周りの3人に売れば……!……皆どうしたの?」

 

「却下ー」

 

「えーっ⁉︎何で?どうして!」

 

 よかった、さすが最年長のホシノだ、流石にこれ以上ヒートアップするならちょっと声を掛けないとだめだった。

 

「セリカちゃん……それ、マルチ商法だから……」

 

「儲かるわけない」

 

「へっ⁉︎」

 

「そもそもゲルマニウムと運気アップったら関係あるのかな……こんな怪しいところで、まともなビジネスを提案してくれるはずなんてないよ……」

 

「そっ、そうなの?私、2個も買っちゃったんだけど⁉︎」

 

 何故彼女は大人は疑うのにその大人が提唱したであろうそれには引っかかるのか、初対面の人を疑うのは良いんだけどもっとこう、あっただろう……!

 

「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです⭐︎」

 

「まったく、セリカちゃんは世間知らずだねー。気を付けないと、悪い大人に騙されて、人生取り返しのつかないことになっちゃうかもよー?」

 

「そ、そんなあ……そんな風には見えなかったのに……せっかくお昼抜いて貯めたお金で買ったのに……」

 

 不憫だ……!唯々不憫だ……!(猫耳でツンデレ気質な娘は不憫な法則でもあるのか?)なんだろう、全く身に覚えも心当たりもないのに凄くしっくり来る電波を受信した気がする、きっと気のせいだろう。

 

「大丈夫ですよセリカちゃん。お昼、一緒に食べましょう?私がご馳走しますから」

 

「ぐすっ……ノノミせんぱぁい……」

 

「えっと……それでは、黒見さんからの意見はこの辺で……他にご意見のある方……」

 

 さて、セリカのマルチ商法は却下されたので残り三人のそれぞれの案がある筈だ、マトモな意見であってくれよ……

 

「はい!はい!」

 

「えっと……はい、3年の小鳥遊委員長。ちょっと嫌な予感がしますが……」

 

 もう不安って言われてるよ、なんだろうかこの子ダラけ気質な割に持ってる武器の性質上ガンガン前に行くし結構血気盛んなのかもしれない、不良グループや暴力組織を襲って資金を稼ぐとか言い出すんだろうか。

 

「うむうむ、えっへん!まず我が校の問題は、全校生徒がここにいる数人だけってことなんだよねー。生徒の数イコール学校の力、トリニティやゲヘナみたいに生徒数を桁違いに増やせれば、毎月のお金だけでもかなりの金額になるはずー」

 

「え……そ、そうなんですか?」

 

“そうだね、生徒が増えるという事は人の流れが活発になるということだから、経済が活発になるんだよ、つまりお金の流れが生まれるってこと”

 

「そう言うことー!だからまずは生徒の数を増やさないとねー、まずはそこからかなー。そうすれぼ議員も輩出できるし、連邦生徒会での発言権も与えられるしね」

 

 かなり真っ当な意見だな、5人で稼いで返すには時間がかかり過ぎるから前提として人数を増やす、かなり良い線だと思う、というか私でもそうする、それが一番効率いいし、でもまぁ問題はその手段だよなぁ……言うからには何か案があるんだろうけど。

 

「鋭いご指摘ですが……でもどうやって……」

 

「簡単だよー、他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

 

 は⁉︎

 

「はい⁉︎」

 

「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするのー。うへ〜、これで生徒数がグンと増えること間違いなーし!」

 

 ……マジで言ってんのか、犯罪者ルートまっしぐらだよそれ、普通に脅迫だし。

 

「それ、興味深いね、ターゲットはトリニティ?それともゲヘナ?ミレニアム?狙いをどこに定めるかによって、戦略を変える必要があるかも」

 

 なんで食いついてんだシロコ、常識人だと思ったのに!もしかしてアヤネしかしっかりしてる子いないのでは……?私は訝しんだ。

 よく今日まで学校保ったな……

 

「お?……えーっと、うーん……そうだなあ、トリニティ?いや、ゲヘナにしよーっと!」

 

 盛大な計画を立てといてターゲットを行き先をダーツで決める旅番組みたいに決めるんじゃない!案が良かっただけに方法がアレすぎる……転校書類を募るとかPRで呼ぶとかじゃ無くよりによって拉致て、駄目でしょ、倫理的に考えて。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!そんな方法で転校とかってありなんですか!?それに、他校の風紀委員が黙っていませんよ……」

 

 駄目に決まってるでしょ、いくら外に比べて世紀末極まってるキヴォトスでもそれは不味いって。

 と言うかそう言うのを取り締まるのって警察じゃないんだ、各学区の自治体が収める感じなんだね、まぁ国家運営の自衛隊とかいなさそうだったしなぁ……

 

「うへ〜やっぱそうだよねー?」

 

「やっぱそうだよねー、じゃありませんよ、ホシノ先輩……もっと真面目に会議に臨んでいただかないと……」

 

「いい考えがある」

 

「……はい、2年の砂狼シロコさん……」

 

 もう嫌な予感がする、さっきのバスジャックに賛同してた子だ、もっとエグいのをもってきそうな予感がする、こう言う《私にいい考えがあります》ってパターンは大概碌でもないんだよなぁ……

 

「銀行を襲うの」

 

「はいっ!?」

 

 案の定想定を超えてくる発言、もはや安心感すらある。

 そしてその方法は銀行強盗か、確かに一発ドカンと稼ぐにはこれ以上はない、金の溜まり場みたいな所だし、でもなぁ……そういう金って足がつくんだよね、マネーロンダリングもかなり面倒だし、いやまぁ私は一切やったことないから知らないけどね⁉︎

 後単純にそういう事したら、なんか自分の運にケチがつきそうな気がする、直感だけど。

 

「確実かつ簡単な方法。ターゲットも選定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから」

 

 滅茶苦茶緻密に計画してて笑う、映画かよ、先生はこの子の将来が今から心配だよ……

 

「さっきから一生懸命見てたのは、それですか⁉︎」

 

「5分で1億は稼げる。はい、覆面も準備しておいた」

 

 そういうとシロコは紙袋からパサッ…っと5人分の覆面を出したんだけど……用意周到もここまでくると恐ろしいよね。

 これは大人として、然るべき先生として止めなくてはならないだろう、何が悲しくて犯罪計画を企てる生徒を放置せねばならないのか。

 

「いつの間にこんなものまで……」

 

「うわー、これ、シロコちゃんの手作りー?」

 

「わあ、見てください!レスラーみたいです!」

 

「いやー、いいねぇ。人生一発でキメないと。ねえ、セリカちゃん?」

 

「そんなわけあるか‼︎却下!却下ー‼︎」

 

「そっ、そうですっ!犯罪はいけませんっ!」

 

 覆面を取ったけど……見るからに《私不満です》って顔だな……なぜ通ると思ったのか。

 

「そんなふくれっ面をしてもダメなものはダメです、シロコ先輩っ!」

 

 あとでアヤネには胃薬を処方しておこうかな……!

 

「はあ……皆さん、もうちょっとまともな提案をしていただかないと……」

 

「あのー!はい!次は私が!」

 

「はい……2年の十六夜ノノミさん。犯罪と詐欺は抜きでご意見をお願いします……」

 

 頼むぞ最後の綱ノノミ、もう君しか居ないんだ、詐欺と犯罪はもうお腹いっぱいですよ先生。

 

「はい!犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンかつ確実な方法があります!」

 

 さて、どんな案が出るかな……?

 

「アイドルです!アイドルスクール!」

 

 確実…なのか?先生アイドル方面はちょっと専門外かな。

 

「ア、アイドル……⁉︎」

 

「そうです!アニメで観たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです!私たち全員がアイドルとしてデビューすれば……」

 

 アニメ知識かい、いやまぁ多いけどねそう言うの、でもああいうのって大概かなりご都合感が……それを抜きにしても軌道に乗るまでが大変だしそこからの地道な活動もあるだろうし、そもそも上手くいくと決まったわけじゃないしなぁ……でもアイドルか……うーむ。

 

「却下」

 

 おっと、存外に否定意見を述べたのはホシノか、本人的にはこういうの進んでやりそうなんだけど……何か理由があるのかな。

 

「あら……これも駄目なんですか?」

 

「なんで?ホシノ先輩なら、特定のマニアに大ウケしそうなのに」

 

「うへーこんな貧弱な体が好きとか言っちゃう輩なんて、人間としてダメっしょー。ないわー、ないない」

 

 それ(ロリコン)に関しては本当にそうとしか言えないのがもうね、これは一字一句ホシノが正しい、正しいんだけど正論だけでは人は清く正しく生きていけないんだよホシノッ……!悲しいことにね……

 

「決めポーズも考えておいたのに……」

 

 徐ろにポーズをとりだひて(じゃーん)という効果音がなりそうなポーズを構えるノノミを見て私は、何を言えばいいのだろうか?どんな発言がこの場では正解なのだろうか、私には分からない、答えてくれアロナ、私はどうするべきなんだ。

 

「水着少女団のクリスティーナで〜す♧」

 

「どういうことよ……何が「で〜す♧」よ!それに「水着少女団」って!だっさい!」

 

「えー、徹夜で考えたのに……」

 

 正直ネーミングセンスはカタカタヘルメット団とどっこいどっこいだと思う、本人の為を思って絶対口に出さないけど。

 

「あのう……議論がなかなか進まないんですけど、そろそろ結論を……」

 

「それは先生に任せちゃおうー。先生、これまでの意見で、やるならどれがいい?」

 

「えっ⁉︎これまでの意見から選ぶんですか⁉︎も、もう少しまともな意見を出してからの方がいいのでは⁉︎」

 

「大丈夫だよー。先生が選んだものなら、間違いないって」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!なんで言い切れるんですか⁉︎」

 

「まさかアイドルをやれなんて言わないよね?」

 

「アイドルで⭐︎お願いします♧」

 

「……(スッ)」

 

 マジで言ってる?この三択から選べと?三人寄れば文殊の知恵とはなんだったのか、4人もいて上がった意見がマルチ商法、犯罪二種、アイドル活動て……不味いな、一番まともなのが消去法でアイ活しかないぞ。

 と言うか皆上げるのどうやってお金を返すかの対症療法ばっかなんだね、借金の大元をなくす原因療法じゃないのにちょっと驚いたよ。

 

 正直なところ言うならばお金を稼いで返すやり方じゃまずこの子達が卒業するまでに完済は不可能と見ている、と言うのもさっきも聞いたように利息分だけでも首が回らないのにそこに元々の借金を返すとなると……正直に言うと焼け石に水だと思う、だからこそ借金元の金融さえ潰せば流れで借金も消せる筈、だって返す場所がないから、でもこれを第三者の私が言うのはちょっと違うかな、生徒たちが出した答えならともかく余所者の、しかも大人の私なら言うのは違うと思う、大人の意見として押し通すのは簡単だろうけどそれじゃ何も変わらない、此処は生徒達の意見を尊重するのが正しい事だと思う、それに……。

 

“生徒達を犯罪者にしたくないから消去法でアイドルグループかな、プロデューサーとかは私がやればいいし”

 

「えぇっ⁉︎本気ですか⁉︎」

 

「あはははー!よし、決まりー!それじゃあ出発だー!」

 

「きゃあ〜⭐︎楽しそうです!」

 

「ほ、ホントに?これでいいの?」

 

「うへ〜いいんじゃなーい?」

 

「計画は大胆なほどいい、でしょ、アヤネ?」

 

 ……生徒達の貴重な青春に水を差す程野暮な大人になったつもりもないしね。

 

「……い……」

 

「い……?」

 

「いいわけないじゃないですかぁ‼︎」ガッシャーン!

 

 とうとう堪忍袋の尾が切れたか、まぁよくもった方だよね、それにしても綺麗なちゃぶ台返しだ、惚れ惚れとする程に。

 

「出たー!アヤネちゃんのちゃぶ台返しー!」

 

「きゃあ、アヤネちゃんが怒りました!非常事態です!」

 

“いやまぁよくもった方だと思うよ、私は”

 

「うへ〜キレのある返しができる子に育ってくれたねえ。ママは嬉しいよーん」

 

「誰がママですかっ!もうっ、ちゃんと真面目にやってください!いつもふざけてばっかり!銀行強盗とかマルチ商法とかそんなことばっかり言って!」

 

 本当によく切り盛りできたなこの学校……今日まで保てたなって割とアヤネの真面目な気質が大きいのでは……?

 

「大体ですね──」

 

 その後滅茶苦茶説教された、何故か私も。

 

「いやぁー、悪かったってば、アヤネちゃーん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」

 

“さも自分が出すかの様に言ってるけど此処の代金私が支払う事になってるからね?いやまぁ懐に余裕はあるし私は一切気にしないんだけどさ”

 

「怒ってません……」

 

「はい、お口拭いて、はい、よくできましたねー⭐︎」

 

「赤ちゃんじゃありませんからっ」

 

「……なんでもいいんだけどさ、なんでまたうちに来たの?」

 

「アヤネ、チャーシューもっと食べる?」

 

“私の味玉もあげるよ、元気出して、ね?”

 

「(もごもご)ふぁい」

 

 私のラーメンから味玉をアヤネの器によそってあげると入り口のドアが開いた、入ってきて一目見た感想としてはかなり気弱な子だと言う事。

 

「あ……あのう……」

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

 前から思ってたけどセリカって声の通りがいいよなぁ……元気もあるし何も知らずにお客として入ってセリカのような子に接客されたなら多分また足を運ぶと思う、大将もすごくいい人……犬?だし。

 

「……こ、ここで一番安いメニューって、あ、おいくらですか?」

 

「一番安いのは……580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」

 

 そう、この店はなんと一杯600円以下でラーメンが食べられるのだ!外の世界の常識で埋もれていた私に取ってこれはちょっと衝撃だった、この味で600円以下は破格と言える、もっと取れると思う。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 値段だけ聞いてどっか行ったな…新手の冷やかしだろうか…?と思ってたらまた入ってきた、今日も濃い一日だなぁ…。

 

「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」

 

「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ、尤も()()()()()で今は食費にはちょっと余裕があるのだけど」

 

「そ、そうでしたか、さすが社長、なんでもご存知ですね……」

 

「はあ……()()()も来れば良かったのに……調べる事があるって言ってお金だけ渡して行くなんてね」

 

4()()()ですか?お席にご案内しますね」

 

「はーい!いやー!久々に贅沢できるねぇ!」

 

 ラーメン一杯が贅沢って……どんな困窮な生活をしてるんだあの四人……?しかも何やら別用で一人欠けてるみたいだし……それにしても本当に……

 

“賑やかな所だねぇ、此処は”




主人公不在で物語進んでるってマジ?

原作との相違点

・先生結構喋る、と言うか先生視点は先生の思考がそのまま地の文になってる、なので会議中もずっと考え事してた、まず間違いなくマコラに仕込まれてる。

・便利屋の皆が一人一杯のラーメンを食べれるだけの資金がある、その原因は紛れも無く奴さ。

Q.じゃなんでハルカは値段設定きいたの?

A.長く身体に染み付いた癖ってのは中々抜けない物なんじゃよ。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。