布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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呪術本誌読んだ
ありがとう宿儺、お前が十種影を扱って暴れてくれるおかげで廻り廻ってここのマコラが強くなってるんだ、その調子で頑張ってくれ。

後マコラのプロフィールの誕生日を8月11日に変更しました(魔虚羅が呪術本誌で初登場した日)……過ぎてんじゃねえか!


逆鱗

 あの戦いの後私たちは柴関ラーメンでお腹を満たすことにした、因みに私は軽めな物で済ませる、流石にラーメンが入る程時間が経ってない、いくら動き回るとは言えこの子達の代謝の良さは羨ましいものがある、自分も昔はこれくらい食べれたのになぁ…三十路前には堪えるものがある。

 

 私は一つ失念していたんだ、この子達の食欲による出費?いやいやそんな物痒くも無い、敵対してた子達との食事をする気まずさ?そんな物共通の敵が現れた以上そんなものはない。

 そう、私の失念……それはここの大将が柴犬、つまりは()()()()と言う事だ。

 

 はて、何故大将が犬であることに問題なのか?まぁ外から来た私からすれば大問題不可避なのだが此処ではそれが普通なのだろう、周りも特に気にしてないし、だが今此処には、そう!誰よりも犬を愛する生徒がいる……!そう──。

 

「……ッ!……ッ!」(ギュム)

 

“あの……マコラさん?そろそろ離してあげては……”

 

「む……時間か?済まないが後1時間延長を頼む」

 

“ペット喫茶かよ、此処ラーメン店だから!ラーメンを食べる所!店員を愛でる所じゃないの!OK⁉︎”

 

「だが先生……この犬大将、ラーメンという油物を扱う割に毛の感触がモフモフなのだ、毛並みもいい、きちんと手入れが施されている証拠だ、素晴らしい……!」

 

「えっそうなの?ちょっと気になる…!じゃなくて!大将困ってるでしょ!さっさと降ろしなさいよ!」

 

「いやだ!私は心ゆくまでこの大将のもふもふフカフカな毛並みを堪能するんだ!私のエデン条約は此処にあった!」

 

「全ゲヘナ生徒とトリニティ生徒に謝りなよ」

 

 ワーギャーと騒ぎ立てる生徒達、良いなぁ、私にもこういう時期があった、アイツとところ構わず騒ぎ立てたりして結局先生に怒られたっけ……それはさておき、流石にこれ以上は営業妨害になりかねない、ので引き剥がしにかかるとしよう。

 

“……マコラ、これ以上は営業妨害になる、大将にも迷惑が掛かる、それはマコラにとっても不本意でしょ?だから降ろしてあげるんだ”

 

「ぬう、途方に暮れたならば私が養えば済む話だが」

 

“そう言う問題じゃなくてね、仕方ない……マコラがその気ならこっちも最終手段を使わざるを得ないね……!”

 

「ほう、まさか先生が生徒に暴力を?だがほんの少しばかし鍛えていようと私にとってはもやしのパンチ等撫でられるに等し──」

 

“今その大将を降ろしたらこのチケットをあげるよ”ピラッ

 

 そう言うと私は懐からとあるチケットをマコラに差し出す、恐らく、いやマコラなら確実に釣れる必殺の餌と言える。

 

「チケットォ?そんな物で私が──ッなにぃ‼︎そっそれは……!」

 

「えー?なになに?なんのチケット?ちょっと見せてー」

 

“いいよ、こう言う物なんだけどね”ピラリ

 

「えーっとなになに……【お触りOK様々な動物のふれあいパーク一日利用権】?あ、しかもこれ限定品じゃん、抽選タイプのやつ、うへ〜先生、よくこれ当てれたね」

 

“昔からこう言った運はいい方なんだ、マコラも応募してる物と思ってたけど……”

 

「当たらなかったんだよ‼︎クソゥ!いろんな名義で数百件単位で申し込んだのに!一枚たりとて掠らなかった!私は私自身の運の無さを恨んでいる!まさか先生が抽選者だったとは!」

 

(あの規格外な強さの代わりに極端に運が悪いんですね…)

 

“で?どうする?今大将を降ろして、今後大将に迷惑をかけないって言うならこのチケットをあげるけど?”

 

「条件が増えている!そりゃ後出しジャンケンじゃないのか先生!」

 

“後出しジャンケンなのは君の性質だよ”

 

「ウグッ!痛い所を突きやがる……仕方ない、このチケットに免じて!その条件を呑む事にする、然しだな先生よ、私は決めたぞ」

 

“なにを?”

 

「私……ここの常連になる」

 

“それは好きにしろよ”

 

「と言うわけだ、済まないが大将、私に養われる計画は破綻してしまった、申し訳ない、だが宣言通りここの常連にはならせてもらうから、以後宜しく」

 

「大人として学生に養われるのはキツイものがあるってのと……商品の味じゃなくて俺目当てで常連宣言されたのは初めてだぜ……まあ客が増えるのはいいことなんだけどよ……なんか複雑な気分だ」

 

“ほんっとうにすみません”

 

 かなり一悶着あったがなんとか難を逃れた、なんで戦闘よりこのやり取りで疲れないとダメなんだろう、なんか普通にお腹空いてきたし私もラーメンを頂こう……

 

「まさかマコラちゃんが動物好きだったなんてねー、人は見かけによらないって本当だったんだ」

 

「他にはどんな動物が好きなんです?私気になります⭐︎」

 

“あ、それ聞くの?”

 

「……先生は知ってるんだ、と言うかさっきの戦闘の前でもマコラが親友とか言ってたね、ウチに入る時にも親友がどうとか言ってたけど」

 

「ん?あぁ、その親友と言うのが先生と言う事だ」 

 

「え?……えぇ⁉︎つまり……アンタと先生って前からの知り合いだったの⁉︎」

 

「ちょーっと初耳かな⁉︎なんで2人は戦ったのさ!2人の話し合いで解決したんじゃないの⁉︎」

 

“話したところで聞く耳持たないよマコラは……それと1つ訂正しておくと私とマコラは私がシャーレに配属された翌日に知り合ったばかりだよ」

 

「ん、それなら関係性としては私たちと大差ない」

 

「だが私は先生とワンツーマンでトレーニングをしたぞ、指揮能力向上の為のな」

 

「……私は先生に抱きついてもらったもん」

 

「私は先生と連絡先を交換し合って互いの好みを知り合う仲だが?」

 

「……‼︎……うぅ」グスン

 

“おうおう、よしよし……シロコが居なかったら私はあそこで野垂れ死んでたよ、だからシロコは私の命の恩人だから、ね?”

 

“……あんま苛めないでもらっていいですか”

 

「いやあの……マウント合戦仕掛けてきたのそっちだと思うんすけど……しかも私が言ってるの殆ど事実だし……これ私が悪いのか⁉︎」

 

「うちの可愛いシロコちゃんを虐めた罰は重いんだぞー!」

 

「そうですよー⭐︎泣かせちゃメッですよ⭐︎」

 

「ならお前らも連絡先交換し合ったらいいだろう、報連相の確立させる為に連絡先を交換するのは有用だぞ?」

 

 この後みんなと連絡先を交換して私たちはラーメンを食べた、そして事の本題へ話題は移る。

 

“それで今回の一件の裏を引いてる存在についてだけど……”

 

「証言が正しければカイザーグループだろうな、まぁ一組織のPMC辺りだろうが……話によれば闇金融から借金をしてるそうだが、私の推察が正しければカイザーローンだな?」

 

「……その通りだよ、すごいね、どこで調べてきたのさ、そんなことまで」

 

“情報は武器だよホシノ、戦う前にマコラが言ってたでしょ“私たちの敵を調べてた”って”

 

「成程、あれは私たちアビドスの事を調べてたのではなくカイザーグループを調べていたと?」

 

「そうだ、ちょうど先日ぐらいか、カイザーの連中から依頼が届いてな、元々あの手この手で金を稼ぐ連中だ、少し探りを入れていた」

 

 あの強さで暗躍もできるって言うんだから本当にこの子は凄い、そしてそれ以上に裏社会に生徒が通じていると言うのに引け目を感じざるを得ない、そう言う汚い仕事は大人の役目だと言うのに、全く自分が情け無い。

 

「そうして深く調べていけば金の流れがかなり生じていてな、その目的地が此処、アビドスの大砂漠だ、こんな事は言いたくないがあんな何もないところに巨額の金を投与している、私としてはこれはかなりキナ臭いと思うが、問題は次だ、とある所から生じた金がある場所を経由し──不良グループに流れている、この意味が分かるか?」

 

「え……?とある所から生じたお金が?」

 

「それ……ってまさか!」

 

“成程、全体像が見えてきたね、なんであんな1不良グループがあそこまで潤沢な装備を整えれたのか、何故学校に配備されてる物資がなくなるまで攻め続けれたのか、それで全て繋がった”

 

「……つまり私達が稼いだお金が不良グループに流れてたってわけ?最悪……」

 

「かなり陰湿なやり方だねー、ゲヘナの生徒じゃ絶対やらない事だよこれ」

 

「どちらかと言うとこの手法はトリニティの古狸共のやり方に近いな、尤もあいつらはさらにエグい方法を使うが…まぁそれはいい、敵は割れた、然し攻め立てるには決定的に不足してるものがある、分かる奴いるか?」

 

「戦力……は違うわよね、アナタがいるんだから並大抵の敵は薙ぎ倒せちゃうし」

 

「敵の情報、敵の戦力がまだ分かってない」

 

“それもそうだけど、さっきアヤネが言ってたことだね”

 

「あ、“決定的な証拠”‼︎」

 

 そう、目的と手段は分かった、だけど実行した事を証明するだけの証拠がない、キヴォトス外での警察組織では犯人はまだ疑惑段階の時に発見、即逮捕とはならずならまずは決定的な証拠や身辺調査を洗うらしい、そして完全に黒と確信を持っても場合によっては即お縄と言うわけではない、即逮捕が実行される時、それは言い逃れできない状況、つまりは現行犯の場合だ、後は取引の証拠の証明として書類を取り押さえるとかね。

 

「そうだ、証拠がない、このまま潰しに行くのは容易い、だがそれでは私たちに正当性がない、つまりはただの賊徒に成り下がると言うわけだ、そうなれば色々面倒だ、逃亡生活ってやつは中々に堪えるからな」

 

 どんな生活送ったら追いかけ追われる生活になるんだ、まぁ裏社会に通じてるらしいし、そう言う事なんだろうか。

 

「お前らがやることは決定的な証拠、つまりは取引の書類を抑える事だ、方法は任せるが」

 

“なら一つ案がある、皆には少し嫌な思いをしてもらうけど……”

 

「いいよー今更だし」

 

“カイザーから借金してるならその集金もカイザー関係者の筈、だからそこを利用する”

 

“集金係がお金を預ける場所があるならそこに書類関係もあるはずだ、そこをつけば……”

 

「あとは芋蔓式ってわけね、うん、いいんじゃない?」

 

「私たちの方針は決まりですね、其方はどうするんですか?」

 

「ん?あぁ、一応私たちは依頼を受けた側だからな、報告程度は済ませておこうとは思う、一応依頼主だからな……“筋は”通さないとな、社長?」

 

「えっえぇ、そうね、正直これ以上利用されるのは癪だけど……」

 

「なに、向こうから何か言われたらこう言い返してやれ、お前より金払いのいい依頼相手が来たってな」

 

“じゃあ、動き出すのは明日から、だね、それまでに各々準備をしておこう、いつ突発的な戦闘が起こるかわからないしね”

 

 そうして私たちは作戦会議を済ませた後店を後にした、因みに会計はちゃんと私持ちだった、これ経費で落ちないかな……

 

「……お待たせしました。変動金利等を諸々適用し、利息は788万3250円ですね、全て現金でお支払いいただきました、以上となります、カイザーローンとお取引いただき、毎度ありがとうございます、来月もよろしくお願いします」(ブロロロ……)

 

 その翌日、思った通りに集金係がやってきた、のはいいんだけど利息だけで800万近くあったぞ、どんな暴利だよ、そりゃ返せるものも返せないよな、むしろ毎月返せてるだけ凄いとさえ思える。

 

「……」

 

「……」

 

「はぁ、作戦通りとはいえ、敵に資金を送るのは気が滅入るものがあるねー」

 

“因みに聞くんだけど、真っ直ぐ完済まで行った場合どれくらいかかるの?”

 

「309年返済なので……今までの分を入れると……」

 

「言わなくていいわよ、正確な数字で言われるとさらにストレス溜まりそう……」

 

 わかる、数字は嘘つかないもんな、嘘つきは数字をよく使うけど。

 

「ま、ひとまずは第一段階遂行って事で……別の不安要素の事も考えないとねー、とにかく教室に戻ろうー」

 

「全員揃ったようなので始めます、セリカちゃんを襲ったヘルメット団の黒幕についてですが……これについては出自元は既にマコラさんが明かしてくれました」

 

「カイザーグループ、だね」

 

「はい、更に戦略兵器の型番を調べてみた所今は既に生産されていません、生産終了された兵器を手に入れる方法は……キヴォトスでは【ブラックマーケット】しかありません」

 

 闇市か、まぁそりゃこっちにもあるよな、私には縁がなかったけど彼方にもあるにはあったわけだし、治安最悪なキヴォトスの闇市の治安とか考えたくもないけど……取り締まる側が居るなら話は早いんだけどねえ。

 

「ブラックマーケット……とっても危ない場所じゃないですか」

 

「そうです、あそこでは中退、休学、退学……様々な理由で学校を辞めた生徒たちが集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました」

 

「便利屋68みたいに?」

 

「はい、それから便利屋68も、ブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました」

 

 ハハッ、乾いた笑いしか出てこないや、子供達の人格形成の時期をそんな闇鍋みたいな所で過ごさせるなんてねえ……子供が一概に悪くないとは言えない、要因はそんな環境にした大人側だろうけども……やるせないな。

 

「では、そこが重要ポイントですね!」

 

「よし、じゃあ決まりだねー、ブラックマーケットを調べてみよう、元々目的地はそこだったんだし」

 

 ブラックマーケット……さてさて鬼が出るか蛇が出るか……

 

「ここがブラックマーケット……」

 

「わあ⭐︎すっごい賑わってますね?」

 

「本当に、小さな市場を想像していたけど街ひとつぐらいの規模だなんて連邦生徒会の手が及ばないエリアが、此処まで巨大化してるとは思わなかった」

 

“何時の時代、どんな場所であってもこう言う所は需要があるんだよ”

 

「と、言いますと?」

 

“生徒の手前、あんまり汚い話はしたくないんだけどね……”

 

“闇市は表に流通できない商品の取引や商売するには最適な場所なんだ、私がいた場所では違法賭博は勿論、銃火器の取引や土地や建物の所有権利、他には……臓器売買や薬物とかね”

 

「……ッ‼︎」

 

“取り締まる側も向こうとグルなんてザラだよ、多少チップを握らせてやれば見てみないフリなんてのは案外こっちでもそうかもね”

 

“そう言った需要があるからここまで肥大化したんだろうね、そうなると手をつけようがないし、下手に叩いて面倒事を抱え込みたくないんだよ、何処の学校も”

 

「ま、そう言うことだよねー私たちは普段アビドスにばっかりいるからねー、学区外は結構変な場所が多いんだよー」

 

“だからと言って一概に悪いとも言えないんだけどね、過去に流通してた正規品なんかもちゃんとあるみたいだし、ちょっと高いけどね”

 

「大人の先生はともかく……ホシノ先輩、ここに来たことあるの?」

 

「いんやー?私も初めてだねー、でも他の学区には、へんちくりんなものたくさんあるんだってさー、ちょーデカい水族館もあるんだって、アクアリウムっていうの!今度行ってみたいなー、うへ、魚……お刺身……」

 

 水族館でそれを連想するあたり流石だと思うよ、典型的な花より団子だよな、ホシノって……動物に対しての感性はマコラの方が正常なのか……?

 

「よくわかんないけど、アクアリウムってそう言うのじゃないような……」

 

“アクアリウムに入れられる魚は観賞用がほとんどで食用に適してるものは少ないとだけ言っておくよ”

 

「なーんだ、そんだったんだ、ちょっと残念」

 

『皆さん、油断しないでください、そこは違法な武器や兵器が取引される場所です、なにが起こるかわからないんですよ、何かあったら私が……きゃあっ⁉︎」

 

(タタタタタタタタタ!)

 

「銃声だ」

 

 案の定トラブルか……キヴォトスでの平穏な場所って何処よ?

 

「待て‼︎」

 

「う、うわああ!まずっ、まずいですー‼︎ついてこないでくださいー‼︎」

 

「そうはいくか!」

 

『あれ……あの制服は……』

 

「わわわっ、そこどいてくださいー‼︎」(ドンッ)

 

 あらら、ぶつかっちゃった、あの程度でお互い怪我はないと思うけども、それにしても足を踏み入れてわずか十分弱でトラブルかぁ……幸先不安だな。

 

「い、いたた……ご、ごめんなさい!」

 

「大丈夫?なわけないか、追われてるみたいだし」

 

「そ……それが……」

 

「なんだお前らは、どけ!アタシたちはそこのトリニティの生徒に用がある」

 

 いやファッションセンスよ、弾帯を肩からぶら下げるって、ランボーとかの映画でしか見たことないぞ、しかもそれを女子高生がするなんて、ちょっと未来に生きすぎているファッションだと先生は思います。

 

「あ、あうう……わ、私の方は特に用はないのですけど……」

 

「……‼︎思い出しました、その制服……キヴォトス一のマンモス校のひとつ、トリニティ総合学園です!」

 

 トリニティというと……ハスミやスズミが在学してる所だったな、あの2人とはあれ以来会えてないがそれなりに連絡は取り合ってる、元気にしているだろうか、今度顔を出しに行ってみるのも悪くないかもしれない。

 

「そう、そしてキヴォトスで一番金を持っている学校でもある!だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけさ!」

 

「拉致って交渉!なかなかの財テクだろう?くくくくっ」

 

“外の世界じゃ割と一般的な手法だけどね、そんな特別視する程の財テクじゃないよ”

 

「な、なんだと!」

 

“本当にエグい奴なんかは拉致った奴の身辺を洗ったりして保険金をせしめるし用が済んでも拉致った奴を返さずに解体(バラ)して臓器まで売るか生かしてそういう趣味の人間に売り捌いたりするよ”

 

「怖っ⁉︎なんだそいつは……人の心とかないのか⁉︎」

 

“人の不幸で得た汚い金で飯を食う奴に人の心なんてないよ”

 

「ええっ⁉︎私そんなことされるんですか⁉︎」

 

「しねえよ⁉︎私たちもそこまで鬼じゃねえって!っていうかキヴォトスの外はどうなってんだ⁉︎」

 

“あくまで一例だけどね、そんなことをする奴もいるよって話、それより……後方注意ね”

 

「は?」(バスッバスッ!)

 

「悪人は懲らしめないとです⭐︎」

 

「うん」

 

 何度か口八丁で注意を逸らせて気絶させたけど……なんかキヴォトスの外について多大な勘違いが起きている気がする、そんなことは普通の拉致犯がするわけないのにね。

 

「あ、ありがとうございました。みなさんがいなかったら、学園に迷惑をかけちゃうところでした……それに、こっそり抜け出してきたので、何か問題を起こしたら……あうう……想像しただけでも……」

 

「えっとー、ヒフミちゃんだっけ?それにしても、トリニティのお嬢様がなんでこんな危ない場所に来たの?」

 

「あ、あはは……それはですね……実は、探し物がありまして……もう販売されていないので買うこともできない物なのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて……」

 

「もしかして……戦車?」

 

「もしくは違法な火器?」

 

「化学武器とかですか?」

 

“或いは……薬物の類かな?その場合は心苦しいけど先生として補導しなくちゃいけない”

 

「えっ⁉︎い、いいえ……えっとですね、ペロロ様の限定グッズなんです」

 

「ペロロ?」

 

「限定グッズ?」

 

 あー、成程この子もしかして……()()()()()()()()

 

「はい!これです、ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ、ね?可愛いでしょう?」

 

 そう言われてお出しされたのはアイスクリームに潰された、何処かヤバイ目をしている鳥?の人形、マコラといいこの子と言い、最近の女子学生は奇抜な物が好きなのか?いや、蛙とか蛇が好きなマコラよりかはマシか……まだこっちは愛嬌があるし。

 

「わあ⭐︎モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよねえ!私はミスター・ニコライが好きなんです」

 

 ッ⁉︎話題が広がっただと⁉︎若い子の話におじさんはついていけんよ……

 

「分かります!ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くて、最近出たニコライさんの本【善悪の彼方】も買いましたよ!それも初版で!」

 

 すごい熱量を持ったオタクソウルの持ち主だ……!逸材を超えた逸材……もはや完成されているまである!

 

「モモフレンズ良いですよね……」

 

「良い……」

 

 オタク同士、多くを語らない。

 

「……いやぁー何の話だか、おじさんにはさっぱりだなー」

 

「ホシノ先輩はこういうファンシー系にまったく興味ないでしょ」

 

「ふむ、最近の若いやつにはついていけん」

 

「歳の差、ほぼないじゃん……」

 

「というわけで、グッズを買いに来たのですが、先ほどの人たちに絡まれて……皆さんがいなかったら今頃どうなっていたことやら……ところでアビドスのみなさんは、なぜこちらへ?」

 

「私たちも似たようなもんだよ、探し物があるんだー」

 

「そう、滅多に手に入らない物なんだけどここにあるって話を聞いて」

 

 嘘は言ってない、違法取引の書類を押収しに来たとか口が裂けても言えんよ。

 

「そうなんですか、似たような感じなんですね」

 

『皆さん、大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!」

 

「何っ⁉︎」

 

 さっきの子達だろうねえ、まぁ殴打で気絶させただけなんですぐに起き上がるとは思ってたけど。

 

「あいつらだ!」

 

「よくもやってくれたな!鬼畜な大人諸共痛い目に合わせてやるぜ!」

 

“なんか私怨混ざってなーい?私何かした覚えないですけどー?”

 

「いやあ〜、あの発言は正直ヤバイって先生」

 

『先ほど撃退したチンピラの仲間のようです!完全に敵対モードです!』

 

「望むところ」

 

「まったく、なんでこんなのばっかり絡んでくるんだろうね?私たち、なんか悪いことした?」

 

『愚痴は後にして……応戦しましょう、皆さん!』

 

 はあ……遭遇戦、然も結構な狭所、敵数は……23って所か、ハハッ直前にアレと戦ったからかな……随分とヌルゲーに見える。

 

“時間が惜しいし……サクッと片付けようか皆”

 

 所変わって此処は便利屋68の事務所、その中では電話のベルが鳴り響いていた。

 

(プルルルル……)

 

(プルルルルルルルル……)

 

「社長、電話音が響いて寝るに寝れん、出るなら早くしろ」

 

「はあ……分かったわよ(ガチャ)はい……便利屋68です」

 

『依頼の件はどうなっている?』

 

「威力偵察として此方から戦力を送りましたがどうとでもなる戦力差でした」

 

『ふむ、興味深い報告だ、此処までの演習は拝見したよ、で、実戦はいつだ?』

 

「その前にこちらの質問に答えてくださる?あの千人もの軍隊は何?私たちに向けて攻撃してきたのだけど?」

 

『……お前たちの勘違いでは?私はそこに兵隊を差し向けてはいないが?何か証拠でもあるのかね?』

 

「何処まで馬鹿に……!」

 

「もういい社長、替われ、私が直々に話してやる」

 

「……でも!」

 

「いいからいいから、急にすまんね、電話口を替わらせてもらった」

 

『……誰だお前は』

 

「誰だっていいだろ、お前が質問できる立場にあると思ってんのかよ、俺から言うのは1つだけだ、お前が送りつけた雑兵共はしくじったぜ、俺が全部伸したからな」

 

『雑兵……?さっきから要領の得ない発言ばかりだ、まるで私が其方に私兵を送ったかのような言い方ではないか』

 

「惚けんなよおっさん、もうネタは割れてんだ、オタクの金で雇った奴が丁寧にカイザーに雇われたって述べてくれたからな」

 

「……それで?もし仮にその言葉が事実としよう、お前は何が言いたいのかね脅しの類か?』

 

「はっはっはっ‼︎そんな幼稚な真似するかよ、脅すくらいなら直接出向くからな、だからまぁなんだ……随分と舐めた真似してくれたな、お前は確実に殺す

 

『……そう言うのを脅しと言うのだがな、それだけか?』

 

「あぁ、それだけだよ、あぁそうそうそれから、俺が誰なのか知りたがってたな、事のついでに教えといてやる、俺の名は()()()()()()()()()だ、近々お前の墓標を作りに行くんで、宜しく」

 

『──ッ!マコラだと⁉︎貴様が──』ガチャン‼︎

 

「うーわ、宣戦布告しちゃったよ……あのカイザー相手に」

 

「……大丈夫なの?アンタが強いとは言えカイザーグループは大規模だよ?勝てるの?」

 

「ッハ!誰にもの言ってやがる」

 

 そう言うとマコラは不敵に笑い振り返る。

 

「勝つさ」




取り敢えず書きたかったことは書けたかな。

柴大将を愛でるマコラと勝利宣言マコラは外せなかった、仕方ないね。

一応述べておきますとこの話のラスボスはプレ先じゃないです、ちゃんと別の奴を用意してます。

順番としてはこんな感じ↓

・対策委員会編(今此処)
   ↓
・時計じかけの花のパヴァーヌ編(此処でマコラがシャーレ直属)
   ↓
・エデン条約編(初期構想よりかなり変わった所)
   ↓
・カルバノグの兎編(此処にしかねじ込めない)
   ↓
・懐玉・玉折編(マコラの過去編)
   ↓
・あまねく奇跡の始発点編(初期構想では此処でたたむ予定だった)
   ↓
・最終章(新しく生えた最終決戦)

こんな予定、書き切れるか不安しかないけど、まぁぼちぼちと頑張っていきたいと思います、イベストは番外編でやるかも。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
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