布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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便利屋がカイザーを裏切ってアビドスを襲う理由が無くなったので、完全にフリーに、一応原作を沿っていく感じでやってるけども……一章は先生視点固定でやった方がいいのかね、でもそれじゃ誰が主人公か分かんなくなるし…
 その内マコラ視点でも書くし、今のうちに練習も兼ねてマコラ視点で書いとくか。

この話を書くまでに作者の脳内会議で決まった事(この間約7分弱)


開示─弍─

 先生(しんゆう)とアビドスの生徒達が銀行を襲ってからの翌日、私は便利屋の事務所の一角で先生とやりとりをしていた。

 

「うむ……うむ、成程そういう感じか」

 

『“大体絞れたけどここをよく知ってるマコラの意見も聞きたくてね、昼過ぎに柴関で打ち合わせでもしないかい?”』

 

「ン……ではその様に、昼過ぎだな、了解した、では切るぞ」

 

 向こうが押収した書類である程度目的は絞れたようだ、やはりカイザーが裏で糸を引いていたな、先生(しんゆう)が言っていた三つの可能性、私としても三番目の砂漠で何かをしていると言う点が正しいと思う、あの砂漠の砂を掘り進め地層部分まで掘り進めるには相当な人材と資金が必要だからな、およそそれで間違いないだろうが……

 それにしても先生(しんゆう)があそこまで怒り心頭だった理由が生徒が稼いだ金を悪事に利用されていたからだったとはな……フフッ相変わらず自分の為ではなく誰かの為に怒れるその精神は見事な物だがそのあり方は少々高潔が過ぎる、いつの日かその精神を逆手に取られないと良いのだが……いや、そうならない様に私が側に着いてやるのだ、連邦生徒会長(あの女)の最後の我儘だからな。

 

【マコちゃん、暫くしたら先生として就任する大人が来るから……その時はお願いね?】

 

「全く……大概な呪いを残してくれた物だな、会長様よ」ボソッ

 

「……?マコラ?何か言ったかしら?」

 

「いいや……単なる独り言さ社長」

 

「そう、なら良いのだけど、それより先生との連絡は──」

 

(ガチャ)

 

「おっはよー!」

 

「朝から元気だな、ムツキ嬢他の二人はどうした?」

 

 朝から軽快な挨拶をかましてくれたムツキ、ここ数日ですっかり耳に馴染んだ物で今では朝の到来を知らせる時計代わりに使っている、因みにアルが一番起きるのが早いのだがその理由が

 

『社長たる者誰よりも早く出勤するものなのよ!』

 

 と力説していた、うーん、善人也、ハルカは案外アレで起きるのが早い、理由としては朝一番に日課の雑草の水やりをするからだそうで、一寸の虫にも五分の魂とは言うが、成程たかが雑草と侮る事は出来ないだろう、実際雑草の処理一つで農作物の出来が左右すると言われてるらしい、雑草とはどの植物よりも強い植物なのかも知れない。

 

「……おはよ」

 

 そして1番起床が遅いのがカヨコだ、彼女はキッチリ睡眠を取るタイプであり寝起きはまぁ……最悪と言える程ではないが邪魔されたら露骨に機嫌が悪くなる、普段から勘違いからやすい顔が更に怖く見える、以前ムツキが悪戯と称して寝ているカヨコに悪戯を仕掛けに行った際に酷い目を見たらしく、以降睡眠時のカヨコには近づかない様厳令が下ったのだとか、後単純に完全に目が覚めるのが遅い、血圧低いんだろうか?関係ないか。

 

 ちなみに私は一睡もしてない、だって眠くならんし、そういう風に造られて無いからな、こういうとき便利だと思うが、連邦生徒会長(あの女)はちゃんと寝てくれと言って喧しかった、というか余りにも寝ないので寝かしつけてきた、寝たら寝たらで私の睡眠は呼吸がかなり小さいらしく一見すると死んでるのかと何度も疑われた事がある、その際になんだも生存確認をとられたり終いには叩き起こされたりと、寝て欲しいのか起きて欲しいのかどっちかにして欲しい。

 

「お、お待たせしてすみません」

 

「いいえ、時間通りよ、全員今来た所だもの、それでマコラ、先生との連絡はどうなったのかしら」

 

「滞りなく済んだ、向こうで大体の方針というか、怪しい部分が出てきたのでそれらの意見のすり合わせを昼過ぎに行うらしい、場所は柴関……以前向かったラーメン屋だな」

 

「成程ね、食堂で秘密会議って事……」

 

(それってすっごくアウトローっぽく無いかしら⁉︎映画や漫画で見たもの!こう言う普通の食事の場所で重要な会議をする場面!真のアウトローを目指す身としては是非外せないイベントだわ!)

 

 とか考えてるんだろうな、まあ本人の名誉の為口には出さないでやるが……アルが言ってるアウトローって見境なしの犯罪者と言うよりかはどちらかといえば義賊タイプなんじゃ?いやまぁ私にはそんな物よく分からん……悪は悪だし、善は善だろう、まだまだ人心について学び続ける必要がありそうだ、何物にも縛られないと言う生き方を目指すなら、もう少し気楽に生きてみても良いと思うがな。

 彼女は余りにもアウトローになりたいと言う欲に縛られてる様にも見える、目的の為に仲間を捨てれない甘さもそう、だがそれこそが彼女の魅力なのだろう、それが証拠にムツキ、カヨコ、ハルカの三人は純粋にアルを慕っているのがよく分かる。

 今はまだ蛹といった所だが案外ちょっとした事で大きく化けるかもな、蛹から羽化した結果誰をも魅了する美蝶となるか悪意ばら撒く毒蛾となるか見ものだな、いずれにせよゲヘナを統治する馬鹿共よりかはマシな物になるだろう、風紀委員会(忠犬共)空崎ヒナ(その飼い主)はまぁ……及第点と言った所か、万魔殿?論外だろあんなの。

 

「まぁ時間までは多少ある、ゆっくりしてても文句は言われんだろう、今便利屋の雇用主は一応シャーレの先生と言うことになってる、社会で生きる上でこう言った組織とコネを作っておくのは結構大事だからな、彼方としても、此方としても、な」

 

「そういえば私たちマコラちゃんの事噂ぐらいでしか聞いた事ないや、ねえねえマコラちゃんって前は何してたの?」

 

「……話さなきゃダメか?」

 

「ダメ♪」

 

「確かにマコラが前に何やってたかは気になるね、此処までだ噂との違いで戸惑ってるし……」

 

「……フッ」シュバッ‼︎

 

「あ!逃げた!何か人には言えない過去があるんだ!具体的にはアウトローっぽい奴!」

 

「え⁉︎そうなの⁉︎こうしちゃいられないわ!皆!マコラを追うわよ!」

 

 冗談じゃねぇ、なんで尋問まがいなことやらされなきゃならんのだ、三十六計逃げる如かずだ。

 

神将マコラ、人生初の逃亡開始

 

 何だろう、これは予感と言うか直感でしか無いが、今マコラが物凄い愉快な事に巻き込まれている予感がする、そして本人は被害者のタイプ、昨日私を笑ったツケが回って来たのか、現場に私が居ないのが残念でならない、昼に会ったら問い詰めてやろう。

 さて、今日も一日頑張っていこうか、そんな気持ちでドアを開けたらホシノがノノミの膝枕で横になっていた、最年長の姿か……?これが……これでは余りにも……例えるならそう、妹をあやす姉の図だ、そうとしか見てとれない、突っ込んだ方がいいのかな、いやしかし……

 

「おはよー、先生」

 

“うん、おはよう、取り敢えず行儀が悪いって言うお叱りの言葉はいるかい?”

 

「うへ〜朝から怒られるのはいやだなー、でもノノミちゃんの膝枕ってすっごく快適なんだもん、怒られたってやめないもんねー」

 

 いや起きろよ、リラックスし過ぎて溶けてるじゃないか*1

 

「先生、おはようございます、今日は早いですね?、先生もいかがです?はい、どうぞ〜⭐︎」

 

“……この際だから言っておくけどねノノミ、歳頃の娘がそう簡単に膝枕するんじゃ無いよ、あと単純に絵面が不味いでしょ、27の大人が女子高生に膝枕されるって……もしかしなくても事案だからね?、比喩じゃなく飛ぶから、首が、私のね”

 

「うーん、残念です」

 

「そうだよー、ここは私の場所なんだから先生はあっちの座り心地の悪そうな椅子にでも座ってねー」

 

 言われなくともそうするが、なんか癪だな、この自称おじさん……そうだ。

 

“ふう、仕方ないね、そんなぐうたらな子にはこれはあげれそうに無いね、ノノミにだけ差し上げよう”

 

「なになにー?よく見えないー」

 

 私が差し出したのはケーキ、しかもキヴォトスでも有名な所のやつ、何でもトリニティの学生も食べにくる程のクオリティらしく何度かハスミの姿を見た事がある、あの子かなり甘党なんだよね、後で知ったけど。

 

「わあ⭐︎これって有名なお店の所のケーキですよね⁉︎よく買えましたね先生……完売が早いと聞いていたのですが……」

 

“まぁ昨日色々あったから糖分を取って一旦脳のリセットを図ろうとね、後で皆と食べるつもりだったんだけど……ぐうたらのホシノは要らないみたいだね”

 

「はいはーい!たった今からおじさんはキッチリしまーす!私もケーキ食べたいなー!」

 

“まぁ元からホシノの分も切り分けるつもりだったけどね、ワンホールを五等分ったら凄くバランス悪いし”

 

「うわーん!そうやっておじさんを虐めるんだ!えーん、ノノミちゃーん!おじさんいじめられちゃったよぅ……ヨシヨシしてー、シクシク」

 

「まぁまぁ……今のは先輩の態度も悪かったですし……」

 

「ガーン!私より先生を取るなんて!私との熱い友情を誓ったのを忘れたの⁉︎酷いわ!所詮私との関係はお遊びだったのね!」シクシク

 

「そんな!ホシノ先輩との友情を忘れた事はありません!私に取ってこの学校での先輩はホシノ先輩だけだから……!」

 

「ノノミちゃん……!」

 

「ホシノ先輩……!」

 

(ガシッ!ぎゅー)

 

 ホシノの渾身の泣き真似が光るなぁ、ノノミも迫真の演技、抱き合うまでがセット、いやーいい青春してるねぇ、なんか当て馬にされた気分だけど、まぁいいか、ケーキ冷蔵庫に入れよっと。

 

(ガラッ)

 

「おはようございま……何この状況?」

 

“おはよう、セリカ、これはね、ホシノとノノミによる青春ラブドラマが繰り広げられた末路だよ、因みに私は当て馬にされました、悲しいね”

 

「えぇ……?」

 

「おっと、セリカちゃんも来たのか、なら他のみんなもそろそろじゃ無い?そんじゃ、私ゃこの辺でドロン」

 

「あら先輩、どちらへ?」

 

「うへ〜今日おじさんはオフなんでね、てきとうにサボってるから、何かあったら連絡ちょーだい、ノノミちゃん」

 

「先輩そればっかりじゃん……私もすぐ出ないとダメだから、ノノミ先輩また後でね!」

 

 ホシノとセリカが去った事により一気に静かになってしまった、うーむ、ツッコミ不在は恐ろしい。

 

「ホシノ先輩……またお昼寝しに行くみたいですね。うーん、まあいいんじゃないでしょうか、会議はアヤネちゃんがしっかり進めてくれますから」

 

“何で最年長より最年少の方が働いてるのでしょうか?普通逆じゃない?”

 

「あはは……それにしてもホシノ先輩も、以前に比べてだいぶ変わりました」

 

“以前は……ねえ、何か知ってるの?”

 

「今はいつも寝ぼけているような感じですが……初めて出会った頃のホシノ先輩は、常に何かに追われているようでした。何に追われていたかというと……んと、ありとあらゆることに、と言いましょうか。聞いた話ですが、以前とある先輩がいたそうで……アビドス最後の生徒会長だったらしいんですがとても頼りない人で、その人がここを去ってからはすべてをホシノ先輩が引き受けることになった、と……ホシノ先輩は当時1年生だったとか……詳しくは、私も知らないのですが」

 

 ふーん……そう言う事ね、そりゃあ大人にならざるを得ないよなぁ……多分だけどその先輩ってのはホシノにとって……とても大切な人、私で言うならアイツに匹敵する程の人物と見た、その人がいなくなって自分だけしか居なくなった挙句大人は頼れない、絶望的な状況でも彼女は孤独でも、たった一人でも戦い続けた、よく擦れずにここまで持ち堪えれた物だ。

 さて、あの歳頃の()に同じ真似が出来るだろうか?答えは否だ、何故なら()は簡単に割り切れなかったから、それこそ今日に至るまで後悔の念が募り募ってる、今わかった、あの子は……自分は、自分の境遇とホシノの境遇を無意識に重ねていたのかもしれない。

 大きく変わっただって?変わらざるを得なかったんだろう、1年生の時に居なくなって今3年生と言う事はそれが起きたのはわずか2年前ってことだ、たったそれだけで割り切れる訳がない、何故なら自分は20年と言う気が遠くなる年月をかけても尚引き摺っている、大人である自分がそうなのだからまだ情緒が完全に育ってない子供の彼女がそうである筈がない。

 

「でも今は、先生もいますし、他の学園の生徒たちとも交流できますし……以前だったら、他の学園と関わること自体嫌がってたはずが……かなり丸くなりましたね、うん、きっと先生のおかげですね」

 

“それは違うよノノミ”

 

「え?違うんですか?」

 

“私は彼女に何もしていない、強いて言うならこの一件で協力したぐらいだけど……それでも微々たる物だ”

 

“断言するよ、ホシノの在り方を大きく変えて支えたのは間違いなくノノミであり、シロコでもあり、セリカでもあり、アヤネでもある、みんなが、この学校にいる皆がホシノを変えたんだ”

 

「私たちが……ですか?」

 

“良いかいノノミ、人はね何があろうと絶対に一人じゃ生きていけないんだ、誰であろうと例外なく誰かに縋って、頼って生きている、それは私とて例外じゃない”

 

「そう……なのでしょうか……」

 

“そうだよ、何せ私がそうだったんだ、親友を亡くして茫然自失となった私を支えてくれたのは私の母であり、父であり、教師でもあった、この人達が私を支えてくれたから、心身と向き合ってからこそ今の私があるんだ”

 

「先生にそんな過去があったんですね……」

 

“勿論私はホシノの過去なんて知らない、でも似たような境遇を経験したからこそみて取れることもあるんだ”

 

「……」

 

“だからノノミ、もしホシノが挫けそうだった時、折れそうだった時は、しっかり支えてあげてね、膝枕をするなり、頭を撫でたりするなりしてね”

 

「……ッ!はい⭐︎勿論です!」

 

 アビドス高校、正門にて、ホシノはいつものような緩い表情ではなく厳しい表情を浮かべながら学校を後にし何処かへ向かって行った。

 

 ホシノが出向いたのはとあるオフィスビルの一室、その高さは眼下の街を一望できる程に高い、ここでもホシノは表情が優れていない、寧ろすぐにでも帰りたいと言わんばかりだ。

 

「これはこれは。お待ちしておりましたよ、暁のホル……いや、ホシノさんでしたね、これは失礼」

 

 オフィス内に重低音の声が響く、声からして成人の大人の声だ、しかしそのフォルムが異様だ、正社員を思わせる黒いスーツを着こなしているが問題はその肌色、物凄く黒い、かなり黒い、頭のてっぺんから爪先に至るまで真っ黒だ、某少年探偵の犯人が務まりそうなほど黒い、更に特徴的なのはその顔、右目に当たる部分に白く発光する穴が空いておりそこを中心に幅が広がっているその様はまさしく異形。

 そんな生物とも疑わしき存在とホシノは相対していた。

 

「いやいや、キヴォトスにはまだ馴染めていなくて、こちらはどうぞ、ホシノさん」

 

「……黒服の人、今度は何の用なのさ?」

 

「……ふふ、少し状況が変わりましてね、今回は再度、アビドス最高の神秘をお持ちのホシノさんにご提案をしようと思いまして」

 

「提案?ふざけるな‼︎!それはもう……‼︎」

 

「まあまあ、落ち着いてください」

 

 激昂するホシノに対し宥める様促す黒服。

 

「……お気に入りの映画の台詞がありましてね、今回はそれを引用してみましょう。あなたに、決して拒まないであろう提案をひとつ、興味深い提案だと思いますので、どうかご清聴ください。ククッ。クックックックッ……」

 

「何?またあんたのとこに付けって話?その話なら何度も──」

 

「そちらでも良いのですが先程申したでしょう、状況が少し変わったのです」

 

「……話が見えてこないね、何が言いたいわけ?」

 

「神将マコラ」

 

「──ッ!」

 

「その様子ですと既にお会いになられた様ですね、聞けば最近戦闘になったとか」

 

「それがなに?負けた私たちを嘲笑いたい訳?」

 

「いえいえ!とんでもない、寧ろ彼女と戦って五体満足でいられて驚嘆しているのですよ、私は、彼女が有している神秘量はあなたを凌駕している、しかもその力を我が物としてコントロール下に置いている、お分かりですか?この事の異常性が」

 

「ぜーんぜん、小難しい事を語って知識面でマウントを取ろうとしないでくれる?普通に不愉快なんだけど?」

 

「申し訳ありません、不快にさせるつもりはありませんでした、しかし例の戦闘にて私と手を組んでいるカイザーがマコラさんにちょっかいを掛けたを耳にしましてね、今の我々が彼女と敵対するのは些か不味い、なのでカイザーとは手を切ることにしたのです」

 

「なっ……⁉︎それって」

 

「手を切ると言っても最後まで利用するつもりですが……あそこで今もなお活動するオーパーツ、名をデカグラマトンと言うのですがこちらの機能停止をして欲しいのです」

 

「元々胡散臭い話だったけど今回は更に胡散臭い話だね、それをして私たちに何の得がある訳?」

 

「あの大砂漠に存在するデカグラマトンは遥かに巨大です、一度動き出せば街が倒壊しかねないほどに、そんな代物がここ数十年の間に活動が活発し出しました。では何故そんな代物が今まで見つからなかったのか?答えは簡単です、大砂漠の中に身を隠していたのですよ、そして一度暴れ出したら砂の大波が発生します、それが風に乗り街にまで降り掛かれば……どうです?ここまでは私の推測でしかありませんが、あの大砂嵐の原因の一部と言えなくないですか?」

 

「成程ね、そう言う事」

 

「御理解頂けましたか、あなた達は砂嵐の原因の一部を止められる、私たちはあのオーパーツを解析できる、共にWin-Winの取引だと思えますが」

 

「ひとつ聞いて良い?何でそんなことするの?前みたいに私の体で実験するとかじゃなくなったの?」

 

「今でもあなたが秘める神秘に興味は尽きません、ですがあなたはまだ未熟、より完成され且つ量も出力も凄まじい方に乗り換える、それだけですよ」

 

「……それがマコラちゃんだったって訳」

 

「それに、あなたが変わった様に私も少し変わったのです、マコラさんと出会い少し会話をし少々難解な問題を投げられました、その解答が未だ出ない、解き明かす者としてこれ以上の物はないでしょう」

 

「……あっそ、そっちの都合なんて知らないよ、私は私のやりたい様にやるだけだし」

 

「どの道近いうちにカイザーとは手を切るつもりでしたので、返済先が無くなれば借金を返す必要もないでしょう、残りの事は私の依頼をこなしてくれれば、あとはどうとでもしますので、どうかご一考の方をよろしくお願いします」

 

「なんか毒気抜かれちゃったや、本当に変わったね黒服の人」

 

「お互い様でしょう」

 

 二人の会話はつつがなく行われていく、その最中険しい表情だったホシノも怪しい雰囲気を漂わせていた黒服の姿もない、ただの知り合いの会話の場としてこの空間は成り立っている。

 

「うん、まぁ頑張ってみるよ、ただし失敗しても責めないでねー」

 

「えぇ……期待してますよ」

 

 そして最終的にはいつものホシノの表情に戻りホシノは部屋を後にした、黒服はホシノが部屋から離れたのを確認すると部屋の中を一望する、まるでそこに何かがいるかの様に。

 

「……行きましたよ、そろそろ姿を現しては如何です、盗み聴きが癖なのは相変わらずですか?」

 

 黒服は何もいない空間に対して言葉を投げかける、すると部屋の一角が暗く盛り上がりその中からもう一体の影が現れる。

 そいつもまた異質であった、黒服が全身真っ黒なのに対しこちらは全身に生気を感じさせない色合いの肌、しかし黒服に比べると幾分か人間的に見える、しかしその全身は服に至るまで継接ぎで構成されており多種の肉を掛け合わせた様な肉体をしている、そして1番目を引くのは頭部の面、頭蓋骨の正面部分のお面をつけており顔は伺えない。

 

「まあそう釣れない事言うなよ、俺とお前の仲だろう」

 

「はあ……まぁ良いです、それであなたから見てホシノさんはどう見えましたか?」

 

「んー、抱くならもうちょい背丈と胸が欲しかったな」

 

「そう言うのを聞いているのではありません」

 

「わぁってるよ、ったく冗談が通じねえ野郎だな、見た感じ神秘の量も質も最上級、正直天然物であそこまでの奴が存在したってのが驚きだな、だがまぁマコラほどじゃねえ、あっちは人工物だがそれゆえに調整された器の強度は破格だ、アホみてえな神秘の量に耐えられるだけの頑丈な器、そしてその神秘を完全に扱えるだけの技量もある、使うなら断然こっち──そう怒んなよ……お前がアレに相当入れ込んでるのは知ってるがな、神将マコラの存在はお前らの組織が渇望した存在だろ?その為に態々アイツを覚醒させたっつうのに、そのおかげで動ける状態まで戻るのに時間が掛かった」

 

「その一件では誠にありがとうございました、お陰で彼女は己の神秘を完全に理解しなお成長し続けています」

 

「お陰で最強に成ったがな、だが忘れんなよ?俺の目的にもマコラは必要なんだからよ、まぁお前も二つ頭も写真男もそこんとこは弁えてる様だがな、だがあのババアはダメだな、完全に自分のものにしようとしてやがる」

 

「でしょうね、彼女は己自身が崇高の存在になろうとしている、その為にマコラさんの力を狙うでしょう、愚かな事ですが」

 

「まぁその時はその時でうまく利用するさ、今は少しでもマコラの神秘に触れた物が欲しい、微量でもだ、具体的にはアイツが持つ“剣”に刻まれた物だな、そこから神秘を少しずつ回収する、かなり遠回りだがあの剣に直接刻まれて生存できる奴は殆どいねえ、現に刻まれた俺が言ってる訳だしな、この肉体じゃなきゃ消滅してたっつうの」

 

「……あなたには大変お世話になってますよ、引き続きよろしくお願いします、()()()()()

 

「おうよ、俺もアンタらには居場所をくれたっつうデカい恩があるからな、互いの目的を達成するまでは仲良くしようぜ、じゃあな」

 

 そういうと継接ぎ髑髏面、基ロストマンは姿を消した、まるで最初からそこには居なかったように。

*1
術式無いって言われた時の虎杖並に溶けて、その状態でノノミに膝枕されてる




歯車がズレた。

と言うわけで黒服とホシノの会話とオリジナルのキャラ登場でした、カイザーはマコラに手を出した為黒服からも手を切られました、残当。

ホシノと黒服の関係はね、かなり前に書いたけど、マコラと出会って黒服の思考がかなり変わったのでそこまでホシノに固執してないです、まぁ明らかにそれ以上にやばいのが我が物顔で歩いとるしな……

そして決定した対策委員会編のラスボス枠のデカグラマトン君、本来なら総力戦で戦う程強えボスだけど……まぁマコラおるから勝てるやろ(楽観)

因みに言っとくけどホシノと黒服は仲良くならないよ、原作がマイナスの底を突っ切ってたとするならこっちは0手前のマイナスに戻ったくらい、長年搾取されてきたからしゃーない。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
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