もうモブ兵士とかの戦闘はサクッと流しちまおう、ボス戦とかぐらいで良いんじゃないか、どうせ勝つし。
私たちは荷物を纏めた後列車に乗りアビドス砂漠にやってきた、アヤネが言うにはここから先は以前から砂漠だった場所であり移動手段も徒歩でしか無いようで、案外長旅になる予感を思わせた。
“アビドスの皆は心配ないと思うけど砂漠は日中は凄まじく温度が上がるからこまめに水分補給をするようにね、喉が渇いたと思ったらすぐに飲む様に、砂漠での脱水症は本当に洒落にならないから”
生徒達ははーいと、気楽な返事を返してくれる、遠足じゃないんだけどね。
「とは言えこっからずっと歩きなのも事実だね、おじさんの身には砂漠超えは辛いよ〜便利な乗り物でもあれば良いんだけどー……」
“砂漠を往来するならバギーとかかなぁ……速度は出るから早いんだけど今此処にそんな便利な乗り物は無いよね……無い物ねだりは出来ないよ”
「うへ〜、そんなぁ〜まだ踏み入れてないのに気が滅入るよぉ〜!」
ホシノがこぼした愚痴に私が返した返答で更に項垂れるホシノだがその思いは皆共通な様で、特にアビドスの住民ではない便利屋の皆は顕著だ、うーん、どうしたものか。
「その問題、どうにか出来るぞ」
と、此処でマコラがどうにかなると言う発言をする、その発言に皆は一斉にマコラの方を振り返る、え?何とかできんの?
“マコラ……何か方法があるのかい?”
「うむ、私の戦術の一つ“
“虎葬って確か……戦車とかを出す戦法だよね?私は君が一部だけを出して咄嗟の足場にしてるところしか見たことないけど”
「だからこそ解釈を変える、戦車という兵器から、大人数を輸送できる“乗り物”に変えれば、行けるだろう、操縦は私の意思一つだしな」
おお、案外どうにかなるかも知れないな、此処で足を確保できるのは大きい、余分な消耗を抑えて行軍出来る、でもそれって……
「察しの通りだが10人も乗る乗り物をずっと展開するとなると流石の私でもそれなりに消耗する、なので移動中は私は一切の戦闘ができないと思ってくれ、虎葬は円鹿に続いて消耗が激しいのでな」
「もう何でもありだねアンタ……」
「よく私たちコレと戦って無事で居れたわね……横槍が入ったし手加減もされてたんだろうけど」
「まあな、
「……生徒じゃなかったら?」
「問答無用で殺す、特にカイザーの連中は機械の奴が多いからな、遠慮なく殺れる」
「ヒェ」
「さて道幅も広くなった、此処らで良いだろう、“虎葬”」
マコラが改めて虎の影絵を作ると何もないところから中型の車両が形成される、運転席と助手席、後部座席も含めれば10人は軽く乗れるだろう、車のスパイクもしっかりしてるから砂中でもしっかり走ってくれそうだ。
「前方確認の為に私は前に座るとして……お前らは後部座席にいてくれ、すぐに飛び出せる様に作ってある、助手席は先生な、アヤネの通信は全体に届く様にしてあるがそれでも即座の指示は先生が早い、襲撃を受けても前はとびきり頑丈にしてあるからな、此処までの改造でかなりリソースを割いてる、ので今の私は玉犬すら出せないのが現状だ、解除してまたこれを出すのも面倒だしな」
「OK、迎撃の方は任せて〜」
皆が車内に乗り込み車は軽快に走り出す、因みに中は冷房完備だったし揺れも殆どないのですごく快適、ホシノなんか既に快適さのあまり溶け始めてる、だが気持ちはわからなくはない、これは人をダメにしちゃう奴だ、人をダメにするクッションならぬ人をダメにする車だ。
今の所襲撃も一切なく順調に進んでいる、あまりの順調っぷりに後部のみんなは既に和気藹々とした雰囲気、いいなぁ、修学旅行の移動バスの時もこんな雰囲気だった、私は混ざらなかったけども、それはそれとして、いくら何でも襲撃がなさすぎる、何があった?
“あまりにも人が居なさすぎる、道中ヘルメット団の1人や2人くらい見かけると思ったけど……”
「逃げたのさ、奴らはな」
私の疑問に対しマコラは逃げたと一言だけ告げる、何か逃げる様な出来事があったか……?あったなそう言えば……
「この前私が千人斬りを果たしてしまったからな、ここに在中してる勢力の殆どがどっか行ったんだ、私はほら、目立つからな、良くも悪くも」
“なるほどね、何にせよ助かるよ、このままカイザーとの戦闘もあり得る以上、無駄な弾薬の消耗は避けておきたい、かと言って……”
「後ろの奴らみたいに緊張感のカケラもないのもどうかと思うがな、一応敵地に向かってるんだが……まるで遠足みたいに盛り上がってやがる」
“いいじゃないか、形はどうあれ貴重な他校生徒との触れ合いだ、それになんだかんだ言って全員かなりの修羅場を潜ってるんでしょ?なら咄嗟のスイッチの切り替えも出来るさ”
「ククッ大層な信頼だな、大変良いことだ、良いことだが……少し、妬けるねぇ……少しくらいこちらにも分けてくれても良いんじゃないか?」
“既にマコラへの信頼は青天井だよ、これ以上求めるなんて君も案外欲張りなんだね”
「ハッハッハ‼︎欲張りで結構!この世界じゃ欲が萎えた奴から死んでいく!欲が無い人間なんざ死人も同然だ!生きるならもっと強欲に、貪欲に生きなきゃな、欲する心だけは誰にも止めようが無い」
“ククッ……違いない”
後部座席にて先生とマコラの会話を聞いていた生徒達は……『凄い大人な会話してる……‼︎』と思ってたそうな。
◆
車を走らせて数十分、市街地を抜け周りの視界が一気に広がる、砂漠地帯に入った様だ。
「ここから先が、捨てられた砂漠……」
「砂だらけの市街地に行ったことはありましたが、ここから先は私も初めてです……」
どうやら対策委員会の皆も初めて来るらしくそれぞれ想いに耽っている、かく言う私もこの規模の砂漠に訪れるのは初めてなのだが。
「いや〜、久しぶりだねえこの景色も」
「先輩は、ここに来たことあるの?」
「うん、前の生徒会の仕事で何度かね〜もう少し進めばそこにはなんと、かつてアビドスの砂祭りが開かれていたオアシスが!」
「え、オアシス?こんなところに?」
「うん、まぁ今はもう全部干上がっちゃったんだけどね〜、元々はそんじょそこらの湖より広くって、船を浮かべられるくらいだったとか、まぁ私も実際に見たことはないんだけど〜」
船が浮かべられるほど広いって……かなりの規模のオアシスだな、それが枯れるとは余程の砂嵐と旱魃が重ならないと不可能だろう、自然の力の脅威はどの世界でも変わらないのか。
「砂祭り……私も聞いたことある、アビドスでは有名なお祭りで、凄い数の人が集まるって」
「そうそう、別の学校からもそのお祭り見たさに人が来るくらいだったからね、ま、砂漠化が進み始めるより何十年も前のことだけど」
「へえ、今となってはこんな光景になっちゃってるけど、ここでそんなすごいお祭りが……?」
ある種の観光資源の一つだったんだろうね、そのお祭りも、大規模のオアシスも。
「前までは、この辺りも結構住みやすい場所だったらしいよ〜、その時はこんな砂埃もなかったし、ところでアヤネちゃん、まだ目的地は遠そう?」
『はい、先生が聞いたという、ゲヘナの風紀委員長が言っていたセクターまでは、もう少し時間がかかりそうです、見たところ、この辺りは何もなさそうですが……とりあえず引き続き警戒しつつ前進してください』
「了解〜」
◆
結構走らせた筈だけどまだ見えないのか、それとも入念に隠されているのか、何れにせよ走らせるしかない、因みに現在速度はマコラの自動運転により法定速度ギリギリをキープしてる、外の世界じゃ補導超えて一発で逮捕コースだけど此方の世界はそんなものはないので……と言うかマコラを逮捕できる組織がないと言うか……
“ッ‼︎マコラ、砂埃が立ってきた、速度を緩めて安全運転でお願い”
「了解了解、視界不良による事故は怖いからな、安全に行かせてもらおう」
『……っ⁉︎皆さん、前方に何かあります!砂埃でまだはっきりと姿が見えないのですが……!巨大な町……いえ工場、或いは駐屯地……?と、とにかく、ものすごい大きな施設のようなものが……?』
おっとぉ……?どうやらアヤネのレーダー範囲に入った様だ、だったらそろそろ目的地が近いね。
「……こんなところに施設?何かの見間違いじゃなくて?今のところ、こっちからはひからひ干からびたオアシスしか見えてないけど……」
『恐らく見間違いではないと思うのですが……とりあえず、肉眼で確認できるところまで進んでみてください!』
“どうやら敵地に近づいてきた様だ、皆、戦闘準備、砂塵で武器がやられない様気をつけてね”
『了解‼︎』
マコラが虎葬を解除し皆が地面に降り立つ、そして数分歩いた先にそれはあった。
「……なによ、これ」
「この張り巡らされてる有刺鉄線、ゆうに数キロメートル先までありそう……」
「工場……?石油ボーリング施設、ではなさそうな……一体何なのでしょう、この建物は」
「堅気の人がいるとも思えないしね、つまりここが……」
“奴等の所在地って所か、ホシノ、この建物に見覚えは?”
「ないよ、こんなの昔はなかった……」
私の質問に対してホシノがぼやきつつ答えると一息つくまもなく発砲される。
「うわっ⁉︎なになに!?」
発砲された方を見るとそこに立っていたのは機械でできた兵士、つまりはオートマタの兵士達だった。
『侵入者だ!』
『捕らえろ、逃がすな!』
「おいおい聞いたか、奴等私たちを逃さずに捕らえるつもりなんだと、怖いねえ、どんなことされちゃうんだろうか、想像するだけで震えが止まらないなあ!」
“笑いが漏れてますよマコラさん”
『前方から、正体不明の兵力が攻撃を仕掛けてきています!』
同じ機械音声でもこうも違う物か、向こうの音声よりこっちの音声の方が透き通って聞こえるね。
「よく分からないけど、歓迎の挨拶なら返してあげた方が良さそうだね?」
“そだね、1人2人くらい喋れるくらいにしてくれるとありがたいけど、まぁ要らないかな、大体察しはつくし”
「ククッ、私の助けは不要だな、ゆっくり休ませてもらおう」
「じゃ、派手に行こっかー‼︎」
戦法はシンプルに且つ最大限の効果を、他にも色々詰めないといけない所はあるけど、今はこれで良い。
戦闘そのものは特に苦戦無く終わったけど……今まで戦ってきた奴等より格段に強かった、なるほど……これが──。
「気付いた様だな」
“──ッ‼︎マコラ、気付いた、とは?”
「言葉通りだ、こいつらはカイザーPMCの連中だ、そこの壁にロゴが描かれている」
そう言われ私達はマコラが指差した壁に視線をやる、するとそこにはカイザーの文字と独特のロゴが描かれていた。
「カイザーPMCの連中はまだ弱い……しかしそんな弱い連中でも連携をとり隊列を成していればこれほどの脅威となる、これが“群れ”では無く“軍隊”としての力を持った勢力の特徴だ、伊達や酔狂で民間軍事会社なんて名乗ってないわけだ」
“となるとここは軍事施設に近い……これ以上此処に居るのは──”
(ヴイイイィィィ───ン‼︎)
“……ちょっと面倒くさいかもね退却の準備でもするかい?”
「逆だ、寧ろ徹底抗戦だろ、たった10数名の、しかも子供に軍を壊滅させられたとあっては向こうは本部にどう説明するのやら、その失態とアンタらが暴いた奴等の不当な取引の数々、それらの損失を考えれば多少なりとも打撃にはなり得るだろう、あんな奴らでも多少なりとも面子とやらを保ちたがるからな」
「大丈夫なのそれって?面子を潰されたなら逆に報復してきそうなものだけど」
「普通ならそうするだろう、だがお前らは相手がキヴォトス最強に喧嘩を吹っかけた挙句、子飼いにしていた奴らから反逆され挙句膨大な被害を齎した無能を擁護するか?私は無理だな」
“もしかして現状相手って……”
「そう。もう詰んでるんだよ、どうしようもなくな」
可哀想とは思わないし自業自得だから何もしてやらないけど、マコラを敵に回すってこう言うことなんだなぁ……
と思いに耽るのも束の間、凄まじい駆動音ご四方から聞こえてくる。
「これは……ヘリの音……?」
「それに凄い地鳴り音、恐らく戦車」
「さて先生、この状況、どう切り抜ける?」
“折角のおもてなしだからね、しっかり味わいたい所だけど、メインはこいつらじゃない、纏めてスクラップにしてリサイクル用品店に並べてやろうか”
「心得た、空の害鳥は任せろ、速やかに叩き落としてくれる、その代わり地を這う蟻と木偶は任せるぞ、流石に手が回らんからな」
“皆、聞いたね?私たちの仕事はオートマタ兵と装甲車の掃除だ、空は気にしなくていい、マコラが掃除してくれる”
「早めに陣地を展開しないとね、マコラちゃんを抜いて8人体制、先生とアヤネちゃんのオペレーターがあるから鉄壁だけど油断はできないからね」
「ムツキ嬢、爆薬に詳しいアンタならこれを有効に使える筈だ、上手くやれ“脱兎”」
マコラがウサギの影絵を作ると膨大な量の爆弾が形成された、なぜか一つ一つにウサギのイラストがプリントアウトされているが。
「そこらの爆薬より威力が高い、戦車とて当たりどころによっては一撃で粉砕出来るだろう、上手く使えよ」
「オッケー、まっかせて!ハルカちゃん、カヨコちゃん手伝ってー」
「ちょっと私は⁉︎」
「アルちゃんはー……先生を守っててね!狙撃手だし遠距離からオートマタ兵を狙ってくれると察知しやすいかな!アルちゃんにしか頼めない役目だよ!」
「私にしか……!ええ!任せなさい!」
社長言いくるめられてんぞ、しっかりしてくれ、しかしアルを側に置いて狙撃に徹しさせるのは間違いではない、とするなら……
“皆、以前の銀行強盗の応用だ、ノノミは幅広く射線が通る位置に、ホシノはノノミのカバー、シロコとセリカは便利屋の皆と一緒にトラップの設置を補助、これは早ければ速いほどいい、終わったら再度配置を指示する!アヤネは敵の位置を常に把握して,文字通り生命線の役割だ、皆心して掛かって!」
『了解‼︎』
「ククッ、この短期間でかなり成長したな、完全に任せてよさそうだ」
“マコラ、地上は任された、だから空の方は任せるよ”
「ふん、誰に言ってる、余裕だよ」
“それと……怪我はしない様に、無事に帰ってくること、いいね?”
「……あ、あぁ、分かった、善処しよう……“鵺」
マコラにしてはやや歯切れの悪い返事をした後翼を生やしヘリの撃墜をしにマコラは空を駆けて行った。
さて、こっちも踏ん張らないとね……!
と言うわけでホシノが吹っ切れてるので後々のイベントを諸共吹っ飛ばして決戦になりました、流れとしてはVSカイザー→VSビナーって感じです、なので此処の先生はイオリの足を舐めません、ゴメンネ。
以下先生に持たせるつもりだった武器構想
すっごく簡単に言えばマコラから武器を授かると言う物でした、マコラの玉犬・黒のモチーフにもなってるトンプソン・コンテンダーを使い特殊な弾丸を三発だけ、超特殊な状況下のみ扱わせる予定でした。
その弾丸とは、放った弾丸に込められた神秘を直接相手の体内にぶち込んで内部から破壊すると言うもの、例に挙げるなら呪術原作のの与幸吉が真人戦で使った簡易領域弾が近いでしょう、この弾丸は外部に物理的ダメージを与えるのではなく内部から炸裂する弾丸なので実質防御不可能であり避けるしか方法はありません、そんな代物を先生に扱わせる予定でした。
超特殊な状況下とは?
呪術廻戦で言う所の縛りを用いました、縛りは以下の通り。
①必ず子供には向けない、発射しない事
②一発発射するたび相応の負荷が掛かるがその分威力も上がっていく。一発目で激しい倦怠感が、二発目で全身に凄まじい激痛が走る、三発目は数ヶ月丸々寝込む程衰弱する(ほぼ瀕死)
縛り①を破ろうとした場合そもそも引き金が引けませんし銃自体が動作しない様になっています、縛り②関しては単純に自己負担の縛り、撃った瞬間に縛りが適応されるのであたろうと当たらなかろうと適応されます、なので絶対に当てないといけないんですね。
Q.こんな代物誰に使う予定だったん?
A.赤いアイツ、先生がこの銃を使う時は確殺モード入ってる時なので
【最終決定】IF世界線のマコラ
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アビドスIF
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ゲヘナIF
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トリニティIF
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ミレニアムIF
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アリウスIF
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ゲマトリアIF