──弾丸が飛び交うこの世界で炎と、熱線が交わろうとしていた、それは奇しくも人類が生み出した最古と最新の熱の武器であった。
人類は炎を授かり爆発的な速度で進化し、文明を築いた、数多の民族が交わり、別れ、そして新天地にて新たな文化を築く、その繰り返しで今日まで人類は進化してきた、時には炎そのものを武器に使い争った、時には燃料を燃やし炎を巻き上げエネルギーを生み出した……あらゆる時代において人類から炎は──、熱は消えることはなかった。
──そして今、その原初の熱たる炎と最新の熱たる熱線が見える。
人類は薪を焚べて炎を燃やし様々な物を作った、とりわけ顕著なのが武器だろう、それまで石と木の棒を武器としてきた人類に鉄と言う武器を炎は与えたのだ、時代が移るにつれに武器の形は変えていく、しかし変わらぬ物は如何にして人を傷つけ、殺めるか、その一点のみはずっと変わらなかった。
──二者は静かに構える、双方のエネルギーの勢いは落ち着き今か今かと主人の号令を待っている。
人類に科学という力が備わった時、武器の性能は飛躍的に向上した、火薬という物質の誕生によって武器の殺傷能力は格段に上がり様々な兵器が造られた、銃火器を始め戦車や戦艦、果てには都市一つ吹き飛ばすミサイルに至る、尽き果てぬ悪意、貪欲なまでに武力の追求、人類のその追求は電子機器によるレーザー光線の搭載を可能とした。
──気が満ちた、両者は同時に攻撃を放つ。
《最大
「“満象”、
両者の膨大な熱がぶつかり合う、セフィラ・ビナーの最大出力のレーザーとマコラが繰り出した超火力の炎による熱波は遥か遠方にいる黒服達2人の場所は愚か現在此方に急行中の先生達にも届いた。
◆
『皆さん‼︎高出力エネルギーの衝突を確認しました‼︎衝撃に備えてください‼︎』
「この衝撃と熱を出せるのって……‼︎」
「マコラしか居ないでしょ‼︎どんな戦いしてんのよ‼︎」
“──ッ‼︎しっかり捕まって‼︎飛ばすよ‼︎”
◆
「アッツ‼︎肉体が溶ける‼︎」
【クックック……とても人智の及ばない領域の戦い、と言わざるを得ませんね】
「ククッ、確かにな、見ろよあの爆心地を、
【砂そのものが融解して引火した?それとも砂を構成する分子そのものを燃やした?何れにせよ異常な出来事と言わざるを得ないでしょう】
──かなりの物を見せてくれるじゃないかマコラ、だが俺が今見たいのはそれじゃない、もっとお前の真髄を見せてみろ‼︎
◆
二つの高熱が炸裂した爆心地にて、砂漠の砂が燃えるという本来あり得ない光景を作り出した二者に傷はなかった。
二つの
『ア゛?何、だ?この──傷は?』
ビナーの胸部装甲を走る一筋の線、何かで削られたかの様な痕跡を残し、それはまるで
「ふむ、上々……と言った所か」
『貴様、何をした……なぜその位置から剣が届く、否、切られたのなら知覚出来るはず……接近は許していない、剣での攻撃を私が見逃す筈が──』
「そう、剣で直接切ってはいない、その答えに関しての簡潔な答えはこうだ、今の衝突で……
『──ッ‼︎それ、は……その数字は‼︎まさか、貴様……
「その通り、お前の装甲の強度、正直なところ面倒と思っていてな、いやなに切り刻むのは訳ないんだが、どうせ切り刻むのならこう言った手段を使おうと思っただけだ」
ビナーの指摘に対してマコラの返答は肯定と取れる物だった、つまりマコラは今、ビナーの装甲を切れるだけの威力を持つ
「以前から斬撃自体は飛ばせたんだがな、それは相手の硬度によって効果が上下する、普段ならそれでいい、どんな物であろうと切断は可能だったからな、だがお前程の硬度となればまた話は変わってくる、直接切り刻もうにもお前の攻撃を捌きながら切りに行くのは面倒だ、
『……先程までの適応は、私の装甲に対して有効打を与える為の適応では、なかったのか、全ては
「そうだ、最初の攻撃でお前の装甲の硬さを知り、お前の装甲の解析を始めた、そして一度目の剣撃である程度絞り込みが終わり──変身後の二度目の剣撃でお前の硬度の上昇を悟った、斬撃の威力を上げるのは容易い、だがそれでは出力の調整をマニュアルでやらねばならん為に少々溜めがいる、だから俺は新たな拡張戦術の会得の為の適応を待ったのだ」
『……その、適応が……
「御名答、死にかけでも観察力は落ちてないな、
『ククッ……新技開発の……手助けに、なれたのなら……光、栄だ……』
既に音声が途切れ途切れになりつつあるビナー、どうやら命の終わりが近いらしい。
「──最後に言い残す事はあるか」
『……私、は……機械、だからな、悔いは……残さない、ザザッ──我なが……ら、良い勝、負を、行なえたと……おも、う、わた、しも……全ての、機能を……ガガッ──出し尽くせた』
「……」
『だが、一つだけ……強いて言うならば、私ではお前の全てを引き出せなかったのが残念で他ならない、もう少し私が強ければな……そんな退屈そうな顔をさせずに済んだのに』
「いや、お前が思うより存外に楽しめたぞ?直近では間違いなく一番の戦いだった」
『……
「……
『──最後の、最後に……とびっきりの誕生日プレゼントだな、ククッ……嗚呼、コレが……充足感、か……』
キヴォトスの全生徒の頂点に立つマコラからの直々の言葉を最後にビナーは機能を停止した、彼が完全な自我を得てから機能停止になるまでのこの行動は機械らしからぬ行動だったのだろう──だが確かにその生には意味があったのだ。
勝者 神将マコラ
◆
マコラが佇んでいると彼方から砂煙と車の音が近づいてくる、どうやら此方も到着したらしい。
“マコラ‼︎無事……ではあるようだね、よかった……‼︎”
「だ〜から言ったじゃーん、マコラちゃんなら大丈夫だって〜」
我先にと飛び出してきたのは先生だ、先生は飛び出すと同時にマコラの身体の具合を確かめ始める、続いて降りてきたのは覚醒を果たしたホシノで心配性の先生に軽口を叩いている。
「ククッ、タイミングがいいな、それなりに消耗してたんでな、このタイミングで回復出来るのはありがたい」
“今回私たちは何も出来なかったから、せめてコレくらいはね”
「そう卑下する事はない、人には向き不向きがある、今回の戦闘は
「とにかく、私たちの勝ちって事でいいんだよね?」
「おう、PMCはビナー……デカグラマトンが全部取り込んだらしいし、そのデカグラマトンは今俺が沈黙させた、
「それで、コレどうするの?こんなでかい物の処理とか出来ないんだけど」
戦後処理、即ちビナーの処理をどうするかの議論について話し合おうとしたその時新たな声がその場に響く。
【その件でしたらこちらからお話があります】
「「「──ッ‼︎」」」
突然な第三者の声、それを聞いた者たちは即座に警戒態勢に入り銃を構えた、その中でマコラとホシノだけが様子が違った。
「……やっぱり来たんだ、黒服の人」
“って事は……あなたがホシノが言ってた例の奴か”
【勿論です、そう言う取引ですので、そしてお初にお目にかかります、あなたがシャーレの先生ですね?私の事はどうか黒服とお呼びください、そして……】
黒服はホシノと先生に挨拶を交わすとマコラの方に目線を配る、その表情は何を考えているかは不明だ。
【お久しぶりですね、マコラさん、二年振りでしょうか?】
「そうだな、約2年ぶりだ、久しぶりじゃないか黒服、あの時の答えは出たのか?」
斯くして2人は邂逅する、最後の取引がいまはじまる
決着ゥゥゥ‼︎
はい、今回のマコラの現状を軽く説明しますと剣の拡張戦術である斬撃を飛ばす“解”は既に習得済みでした、今回会得したのは“捌”の方、相手の硬度に合わせて自動的に調整される技になりました、解で切り刻むには真・ビナーがカチカチすぎた、なので硬度関係ない捌の会得させました、もう一方の斬撃はもう少し待ってね、いずれ会得させますんで。
Q.触れられてないけどPMC理事どうなった?
A.ゴリアテとオートマタ兵と一緒にビナーに取り込まれてお陀仏よ
Q.マコラの開とビナーのビームの威力が互角なん?
A.追尾弾だったら普通に推し負けてる、あと当然だけどマコラの開は宿儺のそれよりも遥かに弱い、正当な手段で炎を顕現させてないからね
【最終決定】IF世界線のマコラ
-
アビドスIF
-
ゲヘナIF
-
トリニティIF
-
ミレニアムIF
-
アリウスIF
-
ゲマトリアIF