今回のお話は初対面の妹()との出会いです。
モモイが先導する形で赴いて来たけど、此処が【廃墟】って所なのか、倒壊した建物や断線した電線、車道はコンクリートがひび割れとてもじゃないが車が走るに適していない、これじゃ廃墟じゃなくて……
“ゴーストタウンみたいだね”
「まぁ廃棄された区画と言う点においてはそう違いはあるまい、所でモモイ、本当に此処で合ってるのか?例の……えっと、なんだったか」
「G.Bibleね、ヒマリ先輩から聞いた話だとここは、『キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる、時代の下水道みたいな場所なのかもしれない』……って」
「よりによって情報源ソイツかよ、洒落にならん」
どうやらマコラは例のヒマリと言う学生についてよく知っているらしく何やら苦い表情を浮かべている。
“どんな人なの?”
「
“余程信頼深いんだね”
「マコラさんとの関係はよくわかりませんが……ヒマリ先輩はいつもRPGゲームの賢者みたいに【私はなんでも知ってますよ】って感じの雰囲気を出してるんです、実際ミレニアムの歴史上で数少ない“全知”の称号を持ってますから」
そんなところを散歩コースにしてたのかコイツは……呆れて物も言えないとはこの事か……それにしても
“さっきからロボット兵が多いね、全部マコラが蹴散らしてるけど”
「マコラが強いのは知ってたけど此処までとはねー」
「最近強いロボットと戦った物でな、アイツと比べたら此処にいる奴等はポンコツと言う評価すら生温い」
「あれ、ちょっとまって⁉︎まさかとは思うけど……お姉ちゃんが『ここにG.Bibleがある』って言ったのは、『キヴォトスから消えて忘れ去られたものが集まる』って聞いたから⁉︎そ、それだけの理由でこんなところに⁉︎」
「それだけじゃないよ、ヴェリタスにG.Bibleの捜索を依頼したら、座標を教えてくれたの、【最後にG.Bibleの稼働が確認された座標】をね、その座標が指してたのは、【普通の地図には存在しない場所】だった」
「っていうことは……⁉︎」
「そう、その二つを合わせて考えると、G.Bibleはきっとここ……ずっと存在が隠されていた、【廃墟】にあるはず、この座標に向かっていけばそこにきっとG.Bibleが……」
「いいから早く行くぞ、其処は確か工場だった筈だ、時間がないんだから急ぐぞ」
“アレの事かな、話してる間に目視できる距離まで近づいた様だね”
「え?本当⁉︎……遠くない?よく見つけれたね先生」
“指揮を取る関係上視野が広くないといけないからね、その辺は徹底的に仕込まれたんだよ”
「
結構な頻度であったロボによる襲撃もこの工場内に入った途端にぽつりと止んだ、どうやらそう言う風にプログラミングされている様だ、一安心と言ったところだな、正直追われながら捜索はかなりキツいものがある。
「中に入ったのは良いけど……入り組みすぎじゃない⁉︎うわあああん!こんな広い所からどうやってG.Bibleを探せば良いの!」
「落ち着いて、ミドリ、生きてればいつか良い日も来るよ」
「今日の話をしてるの!そもそもお姉ちゃんのせいでしょ‼︎」
「静かにしてくれんか、屋内だから音が反響して耳に来るんだ」
「と、とにかく……本当にここ、何をするところなんだろ」
「連邦生徒会は、あのロボットたちがいるから出入りを制限してたのかな?」
「さぁな、
なんだかんだ言ってマコラもかなりの苦労人なんだなぁ……リンちゃんも何も知らされてない様子だったし、きっと他の子もそうなんだろうな。
「おい、着いたぞ、此処だ」
『接近を確認』
「えっ、な、なに?」
「部屋全体に、音が響いてる……?」
『対象の身元を確認します、
突如のアナウンスに混乱してる間も無く身元証明が行われていく、どうやらモモイとミドリは資格とやらがなかったらしい。
『対象の身元を確認します……【蒼記先生】、資格を確認しました、これより蒼記先生と
……ッ!今の、俺の名前を読んだ後に言った型番みたいなワード……二人は聞き逃したみたいだけど俺の聞き間違いじゃなければ──
『才羽モモイ、才羽ミドリの両名を、先生の【生徒】として認定、同行者である【生徒】にも資格を与えます、承認しました、下部の扉を開放します』
「……下部の扉?この目の前の扉じゃなくて?」
「それより、下部ってもしかして……」
「そのもしかしてだろうな、総員
──俺の聞き間違いじゃなければこのアナウンスはさっき……
「先生‼︎早く捕まれ!」
“う、うん‼︎”
「3人はちと重いが……‼︎“鵺”‼︎」
床が開いたと同時にマコラが羽根を生やして落下を防いでくれた、このままパラシュートの容量でゆっくりと下降していくらしい、だけどそれより今は……
『Type-
あのアナウンスが言った言葉が胸に引っかかる、同性なだけか?いやしかし……決めつけで視野を狭めるのは愚の骨頂だ、それは分かってる、でも正直マコラは隠し事が多い、何度かマコラ本人の事を聞こうとしてもその都度はぐらかされる、自分の過去に簡単に踏み入って欲しく無いのは分かる、もしかしたらマコラは──
「わぁ!ミドリ!私たち飛んでるよ!」
「飛んでないよお姉ちゃん、ゆっくりと落ちてるだけ、でも助かりました、ありがとうございます」
「これぐらいは何ともない、今度本当に空に飛翔経験をさせてやろう、絶景だぞ」
「「本当⁉︎」」
いや、やめにしようこんな思考は、少なくとも今じゃないだろう、先生の俺が生徒を信じなかったら誰が信じると言うのか、マコラ本人が話してくれる気になるまで踏み入る問題じゃない、それがきっと双方にとって良いことのはずだ……その、筈だ。
最下層に着くまでに聞こえた『懸命な判断だ』と言う男の言葉は……俺は聞かなかったことにした。
◆
「到着っと……取り敢えず辺りの探索は一旦任せる、上と此処を繋ぐロープをセットしなくてはな、“蝦蟇”─“縄梯子”」
“お願いね”
さてと、まずは周囲の安全を……あれは?
「そんなに深いところまで落ちたわけじゃないみたいだけど……ん?……えっ!?」
「ん……?どうしたのお姉ちゃん……?えっ……⁉︎」
二人が驚くのも無理はない、二人の視線の先には光に照らされた場所の中央の椅子というべきか台座と言うべきか、その様なものに長い黒髪の幼い少女が、全裸で目を閉じて座っていたのだから、驚くなと言う方が無理な話だ。
「お、女の子?」
「この子……眠ってるのかな?」
「……返事がない、ただの死体のようだ」
「不謹慎なネタ言わないで!それに死体っていうか……ねえ、みて、この子、怪我とかじゃなくて……【電源が入ってない】みたいな感じがしない?」
「そう?確かに言われてみれば、何だがマネキンっぽいね、どれどれ……すごい、肌もしっとりしてるし柔らかい……あれ?ここに何か、文字が書かれてる」
「おう、どしたどした、何か発見があったか?」
“おかえりマコラ、まぁ発見と言えば発見だね、ご覧の通りだけど”
「えーっと……AL-IS……アル、イズ……エー、エル、アイ、エス?どう読むのか分からないけど、この子の名前?……アリス?」
“多分違うと思うけど、まぁ明らかに型番みたいな名前だったからそれで良いんじゃない?マコラ、君はどう思──マコラ?”
──その瞬間、神将マコラの脳内に溢れ出した、
『お前は兵器だ、ただ我々の指示にのみ従っていれば良い』
『お前の型番はとある物を護る事を目的とした物、凡ゆる敵を撲滅しソレを死守するのだ』
『その名は──』
「
“マコラ?”
「
“マコラ‼︎”
「(ビクッ)ッ‼︎せ、先……生」
“過去の君に何があったのか、君はこの子の事を知ってるのか、それは
「無理を?健常そのものだが?」
“嘘、今の君は酷い顔をしている、すぐにここを出て少し休息を取って、従ってもらうよ”
「……悪いな」
“取り敢えずこのままだと見てるだけで寒いから何か着せてあげないと……私のコートで暖は取れるだろうけど、肌着とかはそっちに任せるね、流石に持ち合わせがない”
「あ、はい、一応私の予備の服が有りますので……」
そうしてミドリとモモイが服を着せてその上から私のコートを羽織らせた、するとどこからか起動音の様な音がした。
「な、何かの音⁉︎」
「警報音みたいだけど……もしかして近くにロボットが?」
“いや、音源はその子だよ”
「「え?」」
『状態の変化、および接触許可対象を感知、休眠状態を解除します』
その音声を後に件の女の子が目を覚ました、女の子は辺りをキョロキョロと見回しており、こちらに目線を寄越した。
「め、目を覚ました……?」
「状況把握、難航、会話を試みます……説明をお願いできますか」
「え、えっ?せ、説明?なんのこと?」
「せ、説明が欲しいのはこっちの方!あなたは何者?ここは一体なんなの⁉︎」
「本機の自我、記憶、目的は消失状態であることを確認、データがありません」
「ど、どういうこと……?い、いきなり攻撃してきたりはないよね?」
「肯定、接触許可対象への遭遇時、本機の敵対意思は発動しません」
「うわ、すごい、ロボットの市民ならキヴォトスによくいるけど、こんなに私たちに似てるロボットなんて初めて」
“ロボットと言うよりかはどちらかと言うとアンドロイド?いや、同じか?”
「うーん……先生、どうしましょう?」
“【接触許可対象】って、どういう意味か教えてくれる?”
「回答不可、本機の深層意識における第一反応が発生したものと推定されます」
「深層意識って、何のこと……?」
「……表にでる喜怒哀楽とはまた別の、本人にとっても完全に認識することができない無自覚の意識の事だ、この子はそれの反応に応えたんだろう」
「うーん……工場の地下、ほぼ全裸の女の子、おまけに記憶喪失……ふふっ、良いこと思いついちゃった」
「いや……今の言葉の羅列からは、嫌なことしか思い当たらないんだけど……」
“
「取り敢えず脱出するぞ?縄梯子を登って来た道を戻るだけだ」
そうして困惑したままのこの子をそのままにミレニアムに帰還したのは良いんだけど……いや良くないが、それはともかく。
結果としてあの子はゲーム開発部の部室まで連れて帰ることになった……モモイの一存で、いや何でだよ。
「ねえ、ちょっと⁉︎この子を部室にまで連れてきてどうするの!」
「うっ、首絞めないでって!苦しっ、ゲホッ、ゲホッ!……し、仕方ないじゃん、そもそもあんな恐ろしいロボットたちがいる場所に置いていくわけにも……」
まぁ、そりゃ言い争いにもなるわな、当の本人は周りにあるものが珍しいのかキョロキョロと視線を行ったり来たり、そして床に置いてあったコントローラーを……ちょちょちょ!
“何でもかんでも口に入れちゃだめだよ、口にするならこっちにしようね”
そう言ってこの子にキャラメルを口に入れさせてみる。
「(モグモグ……パァァ)」
初めて食べたのか、とても美味しかったのか知らないけどすごく明るい表情をしてくれた、こう言うところは見た目相応なのかも知れない。
「……やっぱり、放っておくわけにもいかないでしょ」
「それはそうだけど……今からでも、連邦生徒会かヴァルキューレ辺りに連絡した方が良くない?」
「あー……
「まぁまぁ、連絡は
「やるべきこと?」
二人の会話を聞いていると服の端の方をクイクイと引っ張られる、何事かと見れば例の子が手を広げて差し伸ばしていた。
“どうしたの?”
「先程のとろける食物を欲します」
“あぁキャラメルね、いいよ、好きなだけお食べ”
“君、物を食べれるんだね”
「(モグモグ……ゴクン)肯定、本機は食物を経口接種することによりエネルギーのチャージを可能とします、この茶色くとろける物はとてもエネルギー効率が良く……言葉じゃ表せない現象に見舞われています、この現象を何と言えば良いのでしょうか?」
“この食べ物はキャラメルと言うんだよ”
“今君が感じてるそれは、美味しいって事だよ”
「キャラメル……美味しい……キャラメルは美味しい物……本機は学習しました、当機はキャラメルを要求します」
“ハハ、すっかりお気に入りだね”
「それに、懐かれた様だな」
「さて、とりあえず名前は必要だよね、【アリス】って呼ぼうかな」
「……本機の名称、【アリス】、確認をお願いします」
「ちょ、ちょっと待って!それお姉ちゃんが勝手に読んだ名前でしょ⁉︎本当ならAL-1Sちゃんなんじゃないの?」
「そんなに長いと呼びにくいじゃん、どう、アリス?気に入った?」
「……肯定、本機、アリス」
「あはは!ほら、見たか私のネーミングセンス!」
「うーん……本人が気に入ってるならいいけど」
“アリスね……うん、とても良い名前だと思うよ”
「さあ、それじゃ次のステップに行ってみよっか」
ん?次のステップ?そう言えばモモイはアリスに対して何やら考え事をしていたな……あ?もしかしてモモイ、もしかするのか?
「お姉ちゃん、いったい何を考えてるの……?子猫を拾ってきたとか、そう言うレベルじゃないんだからね⁉︎」
「ミドリの方こそ、よく考えてみてよ、そもそも私たちが危険を冒してまで、G.Bibleを探してた理由は何だったっけ?」
「その危険とやら、殆ど
「そこ!聞こえてるからね⁉︎」
「ええと……良いゲームを作って、部活を廃部にさせない為でしょ?」
「そう、今一番大事な問題はそれ良いゲームも作りたいけど、まずは部活の維持が最優先、それで、そのためには二つの条件のうち、どっちかをクリアする必要がある、ミレニアムプライスで受賞を狙うのは、あくまでもその内の一つに過ぎない」
二人にとっては死活問題だがアリスにはまだ無関係だ、自分にとっては退屈な話をしてると何をして良いのか分からないのは良くある事だよな、仮にも二人は……アリスからしたら私とマコラも入ってるのか、少なくともアリスにとっては私たち四人はあの場所からアリスを出した存在である事に変わりはない、二人は話し合いの途中だしマコラは何故かアリスと積極的に関わろうとしない、従って私が面倒を見るしかないのだが……参ったな、どうすれば良いのやら、取り敢えず頭でも撫でてみるか?
「……?何故頭を触るのですか?」
“退屈そうに見えたからさ、余計なお世話だったらごめんね、すぐにやめるから”
「……本機に嫌悪感はありません、高揚感を感じます……これは一体?」
“そっか、それはね、嬉しいって感情だよ、また一つ賢くなったね”
「嬉しい……頭を撫でられると嬉しいのですか?」
“嫌がる子もいるけどね、子供扱いするなって、君はどうかな?”
「……嫌悪感はありません、本機の頭を撫でるを、続行してください」
“仰せのままに”
それにしても髪の毛が長い事長い事、良い感じにしてあげたいけど……そこは流石に女の子達の出番かな、下手に弄れないし。
「あくまでも何も、方法は実際のところ一つしかないでしょ?お姉ちゃんがそう言ったんじゃん、だってこれ以上【部員を増やす】のは無理……あれ?お、お姉ちゃん、まさかとは思うけど……」
お、ミドリも漸く気づいたみたいだね、マコラは最初から気づいてたのか知らないけど、我関せずでこちらを凝視している。
あっとアリス、だから何でもかんでも口に入れちゃダメだってば。
「この子をミレニアムの生徒に偽装して、うちの部に入れようとしてるんじゃ……⁉︎」
「アリス!私たちの仲間になって!」
“だからアリス、何でも口に入れちゃダメだってば、ほら、今度はこれをあげるから”
そう言って私はアリスの口の中に飴を入れた、アリスはカラカラコロコロと口の中で飴を転がしている、明るい表情になった所を見るに雨も気に入った様だ。
「ああもう……だ、大丈夫なのかな……」
「アリス、か……良い名前を貰ったな」ボソッ
おっと
次回、【犠牲者×3】
お楽しみに。
以下無関係の後書き
アニメでやっと出ましたね魔虚羅、原作以上に滅茶苦茶してて笑った、リアタイはちょうど寝てたんでネトフリで見たんですけど、お前再生力と適応力上がってない?かなり弱体化させてる想定とは言えお前の能力ウチの主人公に使わせてもらってるんやぞ。
Q.つまり──何を意味する?
A.お前もそんな事出来んの?
【最終決定】IF世界線のマコラ
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アビドスIF
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ゲヘナIF
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トリニティIF
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ミレニアムIF
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アリウスIF
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ゲマトリアIF