布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

44 / 67
かなり賛否両論が分かれると回だと思います。

それと活動報告の方にネタ募集を行っております、皆様のご意見待っております。


エンジニア部 ─数々の兵器(おもちゃ)

 モモイがアリスの武器を見繕う為にミレニアムを案内すると言ったがマコラはどうやらその行き先に心当たりがあるようで、なにやらおもちゃ箱と表現していた、真意を問えば現場に行けば分かるとのこと。

 

「ミレニアム……ううん、キヴォトスの生徒は、みんなそれぞれ自分の武器を持ってるの、だから、アリスにも武器を見繕ってもらわないとね、調達する方法は色々あるけど、このミレニアムで一番手っ取り早く、ちゃんとした武器が手に入る場所と言えば……やっぱr──「いざ行くぞ!我が玩具箱のエンジニア部‼︎」うるさっ、まぁマコラの言う通りエンジニア部が一番手っ取り早いからそこにいこっか」

 

「エンジニア、部……?」

 

「機械を作ったり、修理したりする専門家たちのことを、ミレニアムでは【マイスター】って読んでるんだけど、エンジニア部はそのマイスターがたくさん集まってる、ハードウェアに特化した部活なの」

 

“要はミレニアムの心臓部に値する場所ってことだね?”

 

「そういうこと、エンジニア部は機械全般に精通してるのはもちろん、武器や兵器の開発、修理や改造なんかも担当してる部活でね、最近では()()()()()()()()を作ったっていう噂もあるんだよ!というわけで、早速行ってみよっか!」

 

「早くしろ!時間は有限だぞ!」

 

 とっくに部室の外に出ていたマコラが大声で急かす、アイツどれだけ楽しみにしてんだよ、誕生日にプレゼントを買ってもらう子供か?

 

 エンジニア部に向かってる最中少し気になったのでマコラに質問を投げかけてみた。

 

“君がこう言うのに興味があるとはね”

 

「なんだ?()が科学技術に興味を持つのはいけないことか?」

 

“いいや?少し意外と思っただけだよ”

 

「良い物は取り入れる、奴等が作った代物は一部俺の拡張戦術に流用してる時がある、逆も然り、エンジニア部の連中は思考が柔軟だからな、さっきモモイが言ったエンジニア部が作ったとんでもない代物ってのは()の能力をみてインスピレーションが刺激された結果なんだそうだ、近い内見れるかもな」

 

“悪用されない分には構わないけどね、私は”

 

 とかなんとか言ってるうちに目的の場所についたようだ、エンジニア部の作業室はとても広く、空港とかにある倉庫みたいな広さの部屋の中に私たちはいた、これがミレニアムの心臓部に値する場所か……!年甲斐にもなくワクワクしてる自分がいる、どうやら童心が刺激されたらしい。

 

「おーい!ウタハ!居るか⁉︎」

 

 マコラがウタハと呼ばれる人物を呼び奥の方からその人物ともう2人の生徒がこちらに向かって歩いてきた。

 ゲーム開発部の皆と一緒に事情を説明をし3人の興味はアリスへと移った。

 

「……なるほど、だいたい把握できたよ、新しい仲間に、より良い武器をプレゼントしたい……と、そういうことであれば、エンジニア部に来たのは素晴らしい選択だね、ミレニアムにおける勝敗というのは、優れた技術者の有無に大きく左右されてしまうものだ」

 

「可能ならば武器の性能に関わらず最善の戦果を叩き出すのが理想なんだが、アリスの場合は碌に戦闘を経験が皆無だからな、寧ろあらゆる武器を仕込むには最適と言うわけだ、下手な癖とかがないからな」

 

「ふむ……一理ある、そっちの方に、私たちがこれまで作ってきた作品達が色々と置いてある、そこにあるものであれば、どれを持って行っても構わないよ」

 

 どれを持っていってもと来たか、かなりの数があるようだけど、時間がかかるなこれは……

 

「やった!ありがとう、先輩!」

 

「おい、良いのか?」

 

「規格外の君のその入れっぷりを見るにあの子も只者じゃないんだろう?俄然興味が湧いてくると言う物だよ」

 

 2人が何やら話し合っている所を見るにあの2人は結構な親交があるようだ、さてさて私もアリスに合った物を探さないとね……

 

「我が教導者よ、私は何をするのが正解ですか?」

 

“思うがままに、アリスが気になった物を手に取ってご覧、詳しいことは皆が説明してくれるだろうから”

 

「そのとおり、私は1年生のヒビキだよ、良ければ私が、何か良いものを見繕ってあげる……これはどう、アリス?」

 

 そう言ってヒビキがアリスに手渡したのは何の変哲もない拳銃だ、大きくもなくかと言って小さすぎない、そんなありふれた物。

 

「さっき聞いたけど、これまでひあまり戦闘経験は無いはず……」

 

「その言葉は否定します、アリスはこれまでマコラと共に人類を27回救い、魔王軍との46回に渡る戦闘を行い、三桁を超えるダンジョン探索を行ってきました、経験値はそれなりに豊富です」

 

“ちょっとそこの三年に話がある”

 

()なんも悪くねぇだろ⁉︎」

 

「マコラさんと……⁉︎それは、すごいね……」

 

“あらぬ誤解が生じている‼︎”

 

「……とにかく、銃器を使用した経験は……あまり無さそう、あの人基本的に銃で撃つより殴った方が早い人だから……」

 

「強すぎて申し訳ない(銃で撃つより殴った方が早い人)」

 

 ヒビキの発言に対してマコラは片手を上げ全然悪びれた雰囲気を見せずに謝罪を述べる、直後にウタハがスパナで無言で頭部を殴っていたがまぁ問題無いだろう、アイツ無駄に頑丈だし。

 

「えぇと……初めて銃を使うならやっぱり拳銃が良い……これはプラスチック製だから軽いし、反動も少ない……そういう意味でも、色々と初心者にも優しいはず」

 

 おぉ……流石はエンジニア部だ、よく考えて作られている、これならアリスの武器にピッタリなんじゃないか?

 

「それに、なにより……この銃にはミレニアム史上、今まで存在しなかった機能が搭載されてる」

 

「な、何それ?」

 

「何か聞く前から凄そう……一体どんな機能なの?」

 

 さっきマコラが言ってたことかな、自分の能力から発想を得て開発の手が止まらなかったとかなんとか言ってたけど、まさかその類の物がその拳銃に──。

 

「それはね……【Bluetooth】機能、だよ

 

 ──何て?

 

「……えっ?」

 

「Bluetoothを通じて、音楽鑑賞や、ファイルの転送まで可能な拳銃……調べた限り、そんなものは今までに存在しなかった……もちろん、スモモ機能も搭載、乗り場のICパネルにタッチして、交通機関を利用することもできる、それにNFC機能も付いてるから、コンビニペイだって使えちゃう……」

 

「す、すごいと言えば、すごい気もするけど……」

 

“超多機能型拳銃と言った所か……”

 

「そう、さまざまなニーズに応えるのが私たちの仕事……そしてこの拳銃は戦闘に使って良し、データのやり取りに使っても良し、買い物に使って良しとさまざまな状況に対応できる優れた代物だよ、フフ、そのうち皆がこれを使う時代が来るかもしれないね」

 

「いやいや!コンビニで『これで決済を』って拳銃を突き出したら、店員の人がびっくりしちゃうよ!」

 

「お代は鉛玉で良いか?って奴だな、最高にロックだぜ、()は何度か経験したことがあるが」

 

「どんな生活送ってたんですかあなたは⁉︎」

 

 凄い、ボケに回りがちなモモイ達がツッコミに回り始めている、エンジニア部……ひょっとしたらとんでもない逸材なのかもしれない……‼︎

 

「お待たせしました!私が紹介する物はこちらです!あ、私コトリと言います、よろしくお願いしますね!」

 

 今度は涙目メガネを装着した子が何やら球状の物を持ってやってきた。

 

“……それは?”

 

「解説致しましょう‼︎これは様々な形状に変形する武器なのです!今は球状に丸まっていますが、ある時は長い棒状に、ある時は蛇を模した鞭状に変形するのです!」

 

 ほう……!変形機能付きか、中々癖が強そうだけど使いこなせばかなりの武器になりそうだ。

 

「更に!それだけではありませんよ!なんとこの武器は使い手の膂力、つまりパワーによって攻撃力が変わる優れ物!思い切り叩き付けて良し、球体にして投げつけたら蹴り飛ばすのも良いでしょう!勿論様々な形に変形させるのもいいですよ!私はこの子を凰輪(ガルダ)と名付けました!」

 

「火力を求める姿勢はGOODと言わざるを得ないがアリスは武器を握るのが初めてなんでな、もう少し優しめの奴頼むわ、明らかに玄人向きの武器じゃないか」

 

「そんなー」

 

「そう言うことならば、私からも一つあるよ、使いやすくかつシンプルな効果の物だ」

 

 続いて立候補したのはウタハだ、ガルダという武器もかなり強い物だった、ならば部長たるウタハが開発した武器はかなり期待が持てる。

 

「私が作ったのはこれさ」

 

「……手袋?籠手?……なにこれ?」

 

「手の甲に丸く平べったい物が左右で計10個ついてるだろう?*1それは座標を示す端末でね、それを取り付けた生物非生物問わず、選択した対象の位置を入れ替えると言う物さ、通信通話も可能だが電波が届く距離に限りがあるから籠手を中心に半径200m程が通信有効距離、入れ替え可能距離は凡そ15〜20mが限界かな」

 

 通信と位置の入れ替えが出来る装置ってことか、かなり強くないか?

 

“発動条件は何かあるのかい?”

 

「籠手を付けて手を叩く、つまりは拍手によって位置の入れ替えは発動する、そんなこの子の名前は不義遊戯(ブギウギ)と言う」

 

「大分強いな、装置そのものに攻撃力はないが使い方によっちゃこれまでの戦法の常識が変わるぞ、アリスに適した物では無いが……先生、アンタの指揮にこの位置入れ替えが組み合わされば正に鬼に金棒だ、貰っておいたらどうだ?」

 

 確かに、状況が入り乱れる戦場でこの装置があればかなり無法な動きが出来るだろう、真正面からの不意打ちを可能とするこの装置はかなり有用だ。

 

「……すまないが先生はこの装置を扱うことは出来ない」

 

“そりゃまたなんで”

 

「これは決していじめているとかでは無いんだ、銃火器の類なら先生でも扱えるさ、でも一部の装置は扱うことが出来ないんだよ、これらはヘイローを持っている者……つまりは生徒達しか使えない物だからね」

 

“そっか、それじゃ仕方ないよね”

 

()達と先生の違いの一つであるヘイローの有無……要するに神秘を有するか否かがこの装置を扱う点での重要性と言った所だな」

 

“まぁ、誰にでも使える物じゃなくて良かったよ、銃火器の類ならどう言う効力があるのかは分かり易いし、何より悪い大人達は使えないと分かっただけでも助かる”

 

“だから気に病む事はないよ”

 

「……ありがとう」

 

「2人が自慢の開発物を紹介してたから奥から引っ張り出してきたよ……これも先生は扱えない奴だけど……」

 

“今回は私が使う武器じゃ無くてアリスが使う武器を見繕いに来ただけだからね、私の時はその時が来たら頼むさ”

 

「……それでヒビキ、そりゃなんだ、腕輪か?」

 

「これは、反重力機構(アンチ・グラビティ・システム)と言って二つのモード切り替えによって効力が変わる優れ物、装着した人物を中心に半径3メートルに効果が発動する、その効力は無重力と重力の発生……無重力にすれば落下速度の軽減は勿論少しの間なら空すらも飛べちゃう、逆に重力波を発生させれば飛来する銃弾程度なら問答無用で叩き落とせるよ」

 

「宇宙へと進出を目標とする私たちにとってこれの開発成功は大きな進歩と言える、擬似的とは言え宇宙空間の無重力を経験できるからね、どうしたんだい皆?」

 

「いや、その……」

 

「もうちょっと早く欲しかった!具体的には2話くらい早く!」

 

「……?何を言ってるんだいモモイは?」

 

 ハハハ此奴め、そう言う発言はよすものだぜ。

 

「ただまぁ、無重力と重力を発生させる関係上かなり効力が短くてね……簡単に言えばエネルギー効率がかなり悪いの、効力は凡そ6秒しか持続しないしどちらかを使えばクールタイムとエネルギーチャージに約18秒のインターバルを有する」

 

「成程、一発限りの切り札として使うには最適だが……上手く使わねえと自爆にしかならんな、どれも戦闘巧者に適した物だ、()なら難なく使えるだろうが、今回はアリスの武器だしな……」

 

「そう言えばそのアリスちゃんは?」

 

“あそこだね、何やらあのデカいものが気になるみたい”

 

「あ、あれは……」

 

 アリスは自身の身の丈程はある大きな代物の前に足を運びそれをジッと見つめている、その物体を一言で表すなら正に大砲と表現するのが相応しいだろう、あれも武器なのだろうか?

 

“コトリ、あれは?”

 

「ほほう、それに目をつけるとはお目が高いですね!これはエンジニア部の下半期の予算、その内の約70%近くをかけて作られた……エンジニア部の野心作、【宇宙戦艦搭載用レールガン】です!」

 

「宇宙戦艦、って……また何かとんでもないことを……」

 

「前にも、確かコールドスリープしようとして、『未来でまた会おう』って言いながら冬眠装置を作って大騒ぎした挙句、みんなして風邪ひいてなかった?」

 

「あったなそんな事、緊急呼び出しで向かったは良いものの余りにもアホらしくて取り合わなかったが」

 

「……その【未来直行エクスプレス】なら、今でもよく使っているよ、まぁ、冷蔵庫として、だがね、食べ物をもっと先の未来にまで送れるようになったから、失敗ではないさ」

 

 滅茶苦茶家庭的なコールドスリープ装置だな、名前の割に使い方が一般家庭にある電化製品並みなのはどうなのよ。

 

「話を戻しますとエンジニア部は今、ヘリコプターや汎用作業ロボットに続いて、宇宙戦艦の開発を目標としているのです!ヒビキさんが作った反重力機構とこのレールガンはその最初の一歩です、大気圏外での戦闘を目的として開発された実弾兵器!これはミレニアム史上、明らかに類を見ない初の試みです、そして!我々の技術にマコラさんの力をお借りして更なる改良に成功!恐らくはキヴォトスに於いてこの武器に勝る威力を持つ物は存在しないでしょう!」

 

「ガンバッタ!()凄くガンバッタ!」

 

 マコラが片言になるほどに苦労をしたらしい、それだけの代物がこれか。

 

「かっこいい……聞いただけでワクワクしてくる!」

 

「さすがミレニアムのエンジニア部!今回は上手く行ってるんだね⁉︎」

 

「ふっふっふっ、もちろんです!……と言いたいところだったのですが、ちょっと今は中断してまして……」

 

「えええっ⁉︎なんで!期待したのに!」

 

「よく見たら分かるだろ、宇宙戦艦とか言う代物の開発が進行してたらミレニアム上げてのプロジェクトになる、そしてそうなれば今も工廠はフル稼働してる筈だ、そうじゃないって事は、つまり()()()()()なんだろ」

 

“あー、成程ね()()()()()ね”

 

「え?何?何の事?」

 

「お二人のお察しの通り、いつものことながら技術者たちの足を引っ張るのは、いつの世も想像力や情熱の欠如ではなく、予算なんです……この改良レールガンを作るだけで下半期の予算の70%もかかったのに、宇宙戦艦そのものを作るには果たして、この何千倍の予算がかかることやら……」

 

「そんなの計画段階で分かることじゃん!どうしてこのレールガン、完成まで持って行っちゃったのさ⁉︎」

 

“その質問は愚の骨頂と言える、時には損益や実用性を度外視したった一つのエネルギーを源とし自分が思い描いたものを創り上げたくなってしまうものなのさ”

 

「せ、先生?」

 

「フフッ、どうやら先生とは話が合いそうだね」

 

「当然だ、先生とて男、つまりは我等と同じ心を持っていると言うことだ」

 

「マ、マコラさん?」

 

「「“ビーム砲は、ロマンであり全人類の夢なんだよ”」」

 

 私たち3人の力強い発言に対しヒビキがコクリと頷き、コトリがビーム砲にどれだけのロマンが詰まっているか熱弁する。

 

「バカだ!頭良いのにバカの集団がいる!」

 

“馬鹿と天才は紙一重ってそれ一番言われてるから”

 

「先生も“こっち側”だったとはね、時間があればゆっくりロマンについて語り合いたいところだよ」

 

「そんなエンジニア部の情熱が注ぎ込まれた、この武器の正式名称は……【光の剣Mk-II(マークツー):グラニテブラスト】!」

 

「また無駄に大げさな名前を……」

 

「ひ、光の剣……⁉︎」

 

 ミドリの呆れを含んだ発言に対しアリスは光の剣というワードに心が惹かれたのか目をキラキラと輝かせている、分かるよ、だってかっこいいんだもん。

 

「あ、アリスの目が輝いてる……⁉︎」

 

「アリスちゃんがこんなに興奮してるの、初めて見たかも」

 

「決めました……これ、これが欲しいです!」

 

「……え?」

 

 アリスの突発的な発言に面食らったヒビキを気にせずアリスはヒビキに詰め寄っていく。

 

「偉大なる鋼鉄の職人よ、あの龍の息吹が欲しいのだ」

 

「うーん、そう言ってくれるのは嬉しいのだけど……」

 

「申し訳ないのですが、それはちょっと出来ないご相談です!」

 

 おっと、持ち出しNGの武器だったか、まぁ確かに個人が持つには少々過剰火力の武器だよね、まぁあとは見て分かる問題かな。

 

「何で⁉︎この部屋にあるものなら何でも持っていって良いって言ったじゃん!」

 

「……それは、理由があって」

 

「理由……?もしかして、私のレベルが足りてないから……装着可能レベルを教えてください!」

 

「いや、悪いがそういった問題ではなくてだね……」

 

「何もエンジニア部のケチで持ち出させたくないわけじゃない、もっと単純な答えなんだよ、()はコイツの試運転に付き合った事があるから知ってるんだがな?」

 

「その理由とは?」

 

「あー……要するに、だな、コイツ……滅茶苦茶重いんだよ、コスト的な意味では無く、物理的に」

 

“宇宙戦艦に取り付ける大砲だもんな、そりゃ重いわ”

 

「仰るとおりです、この武器はなんと、基本重量だけで140kg以上です!さらに光学照準器とバッテリーを足した上で砲撃を行うと、基本的な瞬間反動は200kgを超え、最大出力で放てばその反動はなんと脅威の300kgオーバー!そのため安全に固定した上じゃないととてもじゃないですが撃つことが出来ないのです!」

 

「まぁ()は片手で撃てるがね?」

 

“君さ、強過ぎるんだよ、強さの物差しとして機能してないの、300kg超の反動を誇る超兵器を片手で撃つなや”

 

「強すぎて申し訳ない(超ゴリラパワーを誇る生徒)」

 

「……まぁこの脳筋は放っておいて、これをカッコいいと言ってくれただけで、私たちは嬉しいよ、ありがとう、持って行けるのならば、本当にあげたいところなのだけど……」

 

「クククッ……アリス、ゲーム風に言い換えてやろうか、この光の剣は選ばれし者にしか引き抜けない、つまりこの剣はゼルナの伝説に出てきたマスターソードに匹敵する代物と言えよう、あとは分かるな?」

 

「……!はい、アリス、完璧に理解しました!……汝、先程の言葉に一点の曇りもないと誓えるか?」

 

「ん?この子、また喋り方が……」

 

「た、多分ですか、『本当なのか』って聞いてるんだと思います」

 

「もちろん嘘は言っていないが……それはつまり、あれを持ちあげるつもり、ということかい?」

 

 ウタハの言葉に力強く頷くアリスは光の剣に近づき手を伸ばした。

 

「この武器を抜く者……此の地の覇者になるであろう!」

 

「ふふふっ、なるほど、意気込みは素晴らしいですね!」

 

「無理は、しないほうがいい……クレーンでも使わないと持ち上がらな──」

 

「んんんんっっ……!」

 

「ククッ、余りアリスを甘く見ない方が良い、膂力だけなら平時の()すら上回るぞ?」

 

「……まさか!」

 

「えぇぇっ⁉︎」

 

 膂力だけならあのマコラをも上回るのかアリス、何気なく言ってるけどとんでもないことなのでは……とか何とか考えてるうちにアリスが光の剣を抜き終えてしまった。

 

「……も、持ち上がりました!」

 

「嘘……信じられない……」

 

「マコラさん以外にコレを持ち上げる事ができる人が居たとは……!」

 

「えっと、ボタンは……これがBボタンでしょうか……?」

 

「あ、おいちょっと待──」

 

 突然の発射用意に入ったアリスをマコラが止めようとするがもう遅い、だって銃口に光が篭ってるんだもん、俺は咄嗟にモモイとミドリを引き寄せ安全を確保する。

 

「……っ、光よ‼︎」

 

(ドカアアァァァァン‼︎)

 

 途轍もない爆音を放ち熱線は真上に放たれた、発射の際の突風に飛ばされそうになるが何とか踏ん張る、発射が終わり静けさが戻ってくると俺はとんでもない景色を目撃した、各々の発言から威力の程はある程度目星は付いていた、天井が吹き飛ぶのは想定済みだ、だが……まさかこれ程の威力とは。

 

──今日は季節外れの雲が分厚い日であり日の光が薄く照らす程でしかない日だった、雨の心配もされていたが降雨の可能性は低く唯々雲が多い日だったと記憶している、そして今、このエンジニア部のぶち抜かれた天井から()()()()()()()()()()()()、これが意味することは唯一つ、アリスが放った光の剣……またの名をグラニテブラストは、天井をぶち抜いただけに事足りず、遥か天上の空高くに位置する分厚い雲すらもぶち抜いたのだ。

 その証拠にどんよりとした雲の中にポッカリと空いた穴が一つ、あれがアリスがぶち抜いた跡だろう。

 

「く、ククク……はーっハハハハハハ‼︎今のが最大出力か!見ろ!光を遮っていた天上の蓋に穴が出来たぞ!ここまでの威力を誇るとはな‼︎」

 

 マコラの大笑いが木霊する、それによって現実に引き戻されたのか全員が再起動した。

 

「あああああっ⁉︎わ、私たちの部室の天井、というか空の雲がぁっ⁉︎」

 

「……すごいです、アリス、この武器を装着します」

 

「ほ、本当に使えるなんて……で、ですがそれだけは、その……!予算とか威力とか諸々の問題で、できれば他のでお願いしたく……!」

 

「……いや、構わないさ、持っていってくれ」

 

「ウタハ先輩……本当に良いんですか?正直言って過剰火力が過ぎると思うんですけど……」

 

「まぁその調整の仕方も各々するとして、結局その子かマコラのどちらかにしか扱えないだろうからね、ヒビキ、後でアリスが持ち運びやすいように、肩紐と取っ手の部分を作ってあげてくれ」

 

「わかった、前向きに考えると、実践データを取れるようになったのはありがたいかも、マコラさんの報告は使えるか使えないかの二択でしかなかったし」

 

「雑で悪かったな」

 

「……何だかものすごい武器をもらっちゃったね!ありがとう!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「いや、お礼にはまだ早いさ」

 

 あ、俺このパターン知ってる。

 

「さて……ヒビキ、コトリ、以前に処分要請を受けたドローンとロボット、全機出してくれるかい」

 

「……うん」

 

「えっと……ウタハ先輩?なんだか展開がおかしいような……」

 

「これってもしかして、『そう簡単に武器は持って行かせない!』みたいなパターンじゃない⁉︎」

 

「成程、ドラゴンテストVlの海底の宝物庫パターンだな、『もし この宝が欲しいなら この私を倒してゆくがいい』って奴」

 

“トラウマやめろ、どうすんだよ、マジで黒光りするアレが出てきたら”

 

「その時は()が戦う!」

 

“もう勝手にしてくれ……”

 

「先生!匙投げないで!」

 

「まぁ先生たちが言う代物はないけども……とにかく、その武器を本当に持って行きたいのなら……」

 

「私たちを倒してからにしてください!」

 

「えええっ!そんな、ウタハ先輩どうして⁉︎」

 

「ぶ、武器一つのためにここまで……?」

 

「他の武器なら、喜んで渡しただろうけど……その武器については、確認が必要かなと思ってね」

 

「か、確認?」

 

「いや……【資格】と呼んだ方が相応しいかな」

 

「資格?それって……」

 

「前方に戦闘型ドローン及びロボットを検知、敵性反応を確認」

 

“アリス、言うまでもないけど最大出力で撃っちゃダメだからね”

 

「はい!アリス、攻撃を開始します!」

 

「んじゃ()隅の方で観てっから」

 ヒビキとコトリが持ち出してきた機械群と先生が指揮するゲーム開発部との戦闘が始まった、だがまぁ結果は分かりきっている、ウタハもそれは百も承知だろう、目的はまぁ……アリスの出力等の確認だろうな、相変わらず痒い所に手が届く。

 

「マコラ、君から見て彼女はどう見える?」

 

「さぁな、それを知る為にアリスと共にゲームを徹夜でやったがあいつは感受性が高い、面白い奴だと思うがな」

 

「いや、そう言う意味ではなく……と言うかそんな事をしてたのかい、あの君が誰かと仲良くゲームとは、人は変わるものだね、以前の私にそれを教えても信じなかっただろう」

 

「……アビドス砂漠での戦闘記録をかき集めてたそうだな」

 

「あぁ、変形したデカグラマトンと君の戦闘は既に記録されている、私は特に何もしないが、あの2人……調()()()()()()()()()()は確実に今も動いているよ、その為に極秘裏に超装置を作ってると噂だ」

 

「知ってる、ヒマリ(あのアホ)はともかくリオ(あの馬鹿)にとっちゃ今のこの状況は非常に良くない筈だ、俺とアリスの対面は特にな」

 

「あの2人をそう言う風に言えるのは世界広しと言えども君だけだろうね」

 

「この事を告げるか?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()、あの2人の事だ、既に知っているだろう」

 

「だろうな、態々監視しやがって、そんなに恐ろしいのかね」

 

「人はいつの時代も未知の物を恐れる物だ、かく言う私も君との初対面の時は心底震え上がったけどね……お、終わった」

 

「苦戦のくの字も無かったな、威力調整は完璧とは言い難いが、そこは要実践だな」

 

「ふふ、いい先生じゃ無いか、視野が広く、確かな指揮能力を兼ね備えている、指揮能力に関しては君も一枚噛んでるんだってね」

 

「まぁな、連邦生徒会長(あの女)が態々外から呼び寄せた人材だ、足りない部分は補ってやったが、後は本人の経験次第だろう」

 

「それだけじゃない、今の君を見てると良くわかる、あの人は生徒の事をよく見てる、肩書きやそう言ったものを一切合切抜きにしてその人個人をちゃんと見ている、君が惚れ込むのも良くわかるよ……ちょっとだけ妬けちゃうかな」

 

「勝手に言ってろ馬鹿娘」

 

「ふふ、今はそう言う事にしてあげるよ」

 

 特に苦戦する事も無く、用意されたロボット達を破壊尽くしたけど……良かったのかなこれで。

 

「……素晴らしい」

 

「くっ、悔しい……ですが、これが結果ですね!アリス、その【光の剣Mk- II】はあらためて、あなたの物です」

 

「わぁ、わぁっ……!」

 

“アリス、嬉しいのはわかるけどその武器を今は振り回さないでね、危ないから”

 

「ふぅ、とりあえず良かった」

 

「それを使いこなせるなんて、本当にすごいね……おいで、アリス、もう少し使い方を教えてあげる、それから、取っ手の部分をもう少し補強しようか」

 

 そう言いながらヒビキは光の剣の肩紐の調整と取っ手の補強作業を行なっていった、何やらマコラとウタハが話し込んでいるようだけど、今は邪魔しない方が良いだろう、と言うか行けない、アリスが裾部分を掴んで離さない。

 

“分かった分かった、キャラメルも頭を撫でるのもやってあげるから……”

 

「ありゃあ完全に……」

 

「うん、どう見ても……」

 

「「保護者とその子供だな」」

 

“そこの2人聞こえてんぞ”

 

 とにかく紆余曲折ありながらアリスは自身の武器を手にしたのだった…。

*1
ジョジョのパープルヘイズのウイルスカプセルみたいな感じ




一万文字超えて草、こんなに書いたのいつ振りだろうか、多分次回から文字数は控えめになると思います、多分。

今回出た三つの代物ですが、これに限らず基本的に先生が扱える物はありません、ヘイローを持った人間、つまり神秘が籠った人間しか扱えないので、必然的にカイザー系列は勿論ゲマトリアの連中も基本的には扱えない物となってます。
何故この様な設定にしたかと言うと、先生の指揮に不義遊戯が合わさったら無法じゃんって脳内構想で出来上がったんですが余りにも無法過ぎてこの後の展開が全部不義遊戯ゲーになってしまい断念、その代わり不義遊戯装置は他の人が装着します、せっかく出したので、反重力機構と凰輪は……まぁまた考えときます。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。