布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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最近の悩み:頭の良いキャラを動かすのに苦労している、なぜなら作者が馬鹿だから。


生徒会襲撃

 私たちは【廃墟】からG.Bibleの回収に成功し、その中身を知る為、ミレニアムのヴェリタスという部活に向かった、なんでもミレニアムきっての天才ハッカー達の集まりがこのヴェリタスなんだとか、そう言えばモモイがG.Bibleの場所を突き止めたのも、アリスの学生証を発行したのもヴェリタスという所だったな……

 そして今、私たちはG.Bibleの解析が完了するのを待っている。

 

「お待たせ、依頼された【データ】について、結果が出たよ」

 

「い、いよいよ……!」

 

「ドキドキ……」

 

 解析が終わったという旨を小鈎(おまがり)ハレと言う生徒が伝えてくる、それを聞いたミドリとアリスは少し興奮しているみたいだ。

 

「知っての通り私たち【ヴェリタス】は、キヴォトス最高のハッカー集団だと自負してる、システムやデータの復旧については、それこそ数えきれないほど解決してきた……その上で、単刀直入に言うね」

 

 結果を焦らすような言い方にユズの喉が鳴る、自分も実際にデータ復旧の現場を目撃するのは初めてだから柄にもなく緊張してしまう。

 

「モモイ、あなたのゲームのセーブデータを復活させるのは無理」

 

「うわぁぁぁぁん‼︎もうダメだーーーー‼︎」

 

“現代技術の、限界ッ‼︎”

 

「そっちじゃないでしょ⁉︎G.Bibleのパスワードの解除はどうしたのさ⁉︎」

 

 ごりんのじゅうでございやしたね……っと。

 

「馬鹿な事考えてないで集中しろ」

 

“人の心まで読まないで下さい”

 

「そっちの方でしたら、今マキが作業中ですよ」

 

「マキちゃんが?」

 

「あ、おはようミド!マコさんも来てくれたんだね、ありがと」

 

「うぅ、私のセーブデータが、涙と汗の結晶が……!」

 

 悲しい事件とバッサリ片付けるには余りにも辛すぎる展開だけども、まぁそこは事前準備を怠ったモモイが悪いって事で、現状落ち着いた。

 

「モモはどうしてこんなに泣いてるの?」

 

「気にしないで大丈夫……それより、G.Bibleはどうだった?」

 

「うん、ちゃんと分析できたよ、あれはかの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル……G.Bibleで間違いないね」

 

「や、やっぱりそうなんだ!」

 

 まぁ半ば怪しい物ではあるけどね、もしそれが本物で且つ本当に神ゲーを作るマニュアルなんだとしたらこの世は神ゲーが溢れてる筈、いやでも子供の夢を潰すのは……教科書的な事が書いてあると良いんだけどね、それ。

 

「ファイルの作成日や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実、作業者についても、噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致してた、それと、あのデータはこれまでに一回しか転送された形跡がない」

 

「っていうことは……」

 

「うん、オリジナルの【G.Bible】だろうね」

 

「す、すごい‼︎」

 

「ふむ、なら早速中身の確認と洒落込むか、善は急げと言うからな」

 

「あー……そうしたいのは山々なんだけど、実は問題があって……ファイルのパスワードについてはまだ解析できてないの」

 

「えぇっ、じゃあ結局見られないってことじゃん⁉︎ガッカリだよ!」

 

「うっ!だってあたしはあくまでクラッカーであって、ホワイトハッカーじゃないし……」

 

“逆に言えばその厳重っぷりを考えれば、中身の信憑性も増すよね”

 

「あっ、確かに」

 

「とにかく!そうは言っても、方法がないわけじゃない」

 

「そうなの?」

 

「あのファイルのパスワードを直接解析するのは、多分ほぼ不可能、でもセキュリティファイルを取り除いて、丸ごとコピーするって手段なら、きっと出来るんじゃないかな……で、そのためにはOptimus Mirror System……通常【鏡】って呼ばれるツールが必要なの」

 

「ぜ、全然話についていけない……」

 

「つまり……G.Bibleを見るためには、その【鏡】っていうプログラムが必要だってことだよね?それはどこにあるの?」

 

 方法まで分かっておきながら尚見られないって言うって事は……

 

「あたしたち、ヴェリタスが持って……た」

 

 やっぱりそう言うパターンね、RPGでよくあるお使いパターン、まさか現実で経験することになろうとは。

 

「何だ、それなら今すぐ……ん、待って?過去形⁉︎」

 

「……そう、今は持ってない、生徒会に押収されちゃったの、もうっ!この間ユウカが急に押し入ってきて、『不法な用途の機器の所持は禁止』って」

 

「【鏡】もそうですし、色々と持って行かれてしまいましたね……私の盗聴器とかも」

 

「それは持って行かれて然るべきだろ、何やってんだお前」

 

 今日もツッコミが冴え渡ってるなマコラ、思った事全部言ってくれる。

 

「コタマ先輩の発言はさておき……その【鏡】って……そんなに危険なものなの?」

 

「そんなことは無いよ、ただ暗号化されたシステムを開くのに最適化されたツールってだけ、ただ……世界に一つしかない、私たちの部長が、直々に制作したハッキングツールで」

 

「ヒマリお手製の製作物か、なら効果はあるな」

 

「ヒマリ……?」

 

「ん、あぁ、アリスはまだ会った事ないんだったな、ここの部長でな、体が不自由で車椅子に乗ってるからパッと見は儚げな存在ではあるんだが……いかんせん自己評価が青天井な奴でな、少なくとも(わたし)が知る人物でアイツに憐れみの感情を向けてるミレニアム生徒は存在しない、能力はキヴォトス全体でも随一なんだがな……ゲームで言うならここの連中は賢者で、ヒマリはその更に上の大賢者って所か」

 

“滅茶苦茶褒めるじゃん”

 

「何度も言うが能力“だけ”は優秀だからな、優れてる物は素直に褒めるぐらいはするさ」

 

“へぇ、それで?その人が作った設備を、どうして取られてしまったの?”

 

「……私はただ、先生のスマホのメッセージを確認したかっただけです、そのために【鏡】が必要で……不純な意図は、全く無かったのですが」

 

“プライバシーって言葉ご存知でない?不純な意図しか感じられないんだけど?”

 

 よくぞ取り上げてくれたユウカ、俺の個人情報は守られた、いやまぁ抜き取られて困る様な物入れてないけどさ。

 

「うわあぁん!早く【鏡】を探さないと、部長に怒られちゃう‼︎」

 

「とにかく……整理すると、私たちも【鏡】を取り戻したい、それに、G.Bibleのパスワードを解くためには、あなたたちにとっても【鏡】は必要……そうでしょ?」

 

「なるほどね……呼び出された時点で、何かあるのかなとは思ってたけど、だいたい分かったよ」

 

「え、も、もしかして……?」

 

「ふふ、さすがモモ、話が早いね」

 

「目的地が一緒なんだし、旅は道連れってね」

 

「共にレイドバトルを始めるのであれば、私たちはパーティーメンバーです」

 

「あの、お姉ちゃん、もしかしてだけど……」

 

“諦めなミドリ、つまりはそう言う事なんだと思うよ”

 

「やっぱりそうなんですか⁉︎ヴェリタスと手を組んで生徒会を襲撃するなんて正気⁉︎」

 

「やはり襲撃か……いつ実行する?(わたし)も同行する」

 

“神将院”

 

「“YEAAAH‼︎”」ピシガシグッグッ

 

「流石マコさん!話が早いね!ただそうなると一つ問題があるんだよね」

 

「問題?」

 

「【鏡】は生徒会の【差押品保管所】に保管されてるんだけど、そこを守ってるのが実は……メイド部、なんだよね」

 

「ウゲ、よりによってそいつらかよ、面倒臭えな」

 

「……え?メイド部って、もしかして……」

 

 ミレニアムにはメイド部なんてものもあるのか、意外だな。

 

「ああ、C&Cのことだよね?ミレニアムの武力集団、メイド服で優雅に相手を“清掃”しちゃうことで有名なあの……」

 

 凄い、自分が知るメイドとは全く別次元のメイドが出てきた、これも治安が悪いキヴォトスならではなのだろう。

 

「そうそう!まあ些細な問題なんだけどさ〜」

 

「そっか〜!そうだねー、うーんなるほど〜……諦めよう‼︎ゲーム開発部、回れ右!前進っ‼︎

 

「なんだ、戦らんのか」

 

「待って待って待って!諦めちゃダメだよモモ!G.Bibleが欲しいんでしょ⁉︎」

 

「そりゃ欲しいよ!でもだからって、メイド部と戦うなんて冗談じゃない!そんなの、走ってる列車に乗り込めとか、燃え盛る火山に飛び込めって言われた方がまだマシ!」

 

「どっちもやったことあるけどどっちも刺激的な物では無かったな、それならまだC&Cと戦り合った方がマシだ」

 

“お前何やってんの?”

 

「で、でもこのままじゃあたし部長に怒られ……じゃなくて!ゲーム開発部も終わりだよ!このままじゃ廃部になっちゃうんでしょ⁉︎」

 

「廃部は嫌だけど……でもこれは、話の次元が違う、C&Cの【ご奉仕】によって壊滅させられた過激団体や武装サークルは数え切れない……知ってるでしょ?」

 

「……最後には痕跡すら残さず、綺麗に掃除される、有名な話だね」

 

「そりゃ部活は守りたいけど、ミドリにアリス、ユズの方が圧倒的に大事!危険すぎる!」

 

「待って待って、C&Cが危険なのは分かってるって!でもあたしたちはゲヘナの風紀委員会でもなければ、トリニティの正義実現委員会でもないんだから、何も真正面から喧嘩しようってわけじゃないよ、あたひたちの目標は【メイド部を倒す】ことじゃなくて、差押品保管所から【鏡】を取ってくることなんだから〜……」

 

「そんなに変わらないじゃん!」

 

「……でも、可能性の無い話じゃない」

 

「私の盗ちょ……情報によると、現在のメイド部は完全な状態ではありません」

 

「えっ?」

 

「もちろん、メイド部はミレニアム最強の武力集団、どうして【最強】と呼ばれているのか……それはもちろん、素晴らしいエージェントのメイドが揃っているからというのもあるけれど……何よりも大きいのは、【彼女】の存在」

 

「あぁ、ネルだな、ミレニアム最強戦力、ここの面子が総員で戦っても十中八九負ける、文句なしの特級戦力だ」

 

「そう、だけど、今彼女は不在、つまり今ミレニアムに居ないって事」

 

“勝ち目はあるんだね?”

 

「それでも相当厳しいと思うけどね、何せあの人、守る事より壊す方が適任だから」

 

「正面衝突を避けて、【鏡】だけを奪って逃げる……うーん……」

 

 こちらの目的はミレニアムが誇る屈指の武装軍団メイド部を避けつつ目的の物だけを回収し、後に即座に撤収、文面にするとかなり厳しいものがあるけど……

 

「……やってみよう、お姉ちゃん」

 

「えぇっ⁉︎でもネル先輩がいないからって、相手はあのメイド部だよ⁉︎」

 

「分かってる、でま、このままゲーム開発部を無くすわけにはいかない、ボロボロだし、狭いし、たまに雨漏りもするような部室だけど……もう今は、私たちがただゲームをするだけの場所じゃない……みんなで一緒にいるための、大切な場所だから、だから、少しでも可能性があるなら……私はやってみたい、ううん、もしメイド部と対峙する事になっても、それがどれだけ危険だとしても……!守りたいの、アリスちゃんのために、ユズちゃんのために……私たち、全員のために!」

 

 ……成程ね、本来ならこう言った事には手を貸したく無かったんだけども、そう言った事なら話は別だな。

 

「先生……アンタ、今何を考えてる」

 

“んー?いや、少しね……昔の事を思い出してた”

 

「……方針は決まったのか?」

 

“……多分今の君と同じ事考えてるよ”

 

「だろうな、だが良いのか?今なら引き返せるぞ?ミレニアムの中枢を襲撃なんて、本来アンタが関わって良い事じゃない」

 

 そりゃそうだろう、本来なら俺はこの一件に関わりを持つべきじゃない、だけど──。

 

“ここで引き下がるって言う方があり得ない話だよ、組織的にも、個人的にもね”

 

──それまでの日常が崩れ去った時の感覚は、俺はここにいる誰よりも知っているから、その感覚を味わせる訳にはいかない。

 

「私たちならできます、伝説の勇者は……世界の滅亡を食い止めるために、魔王を倒します、アリスは計45個のRPGをやって……勇者たちが魔王を倒すために必要な、一番強力な力を知りました」

 

「一番強力な力……レベルアップ?あ、装備の強化?」

 

「盗聴ですか?」

 

「EMPショックとか⁉︎」

 

「イカれてんのかお前ら、そんな現代技術で魔王を倒すゲーム、(わたし)は知らんぞ」

 

 流石アリスと徹夜でゲーム攻略を勤しんだだけはある、説得力が違うぜ。

 

「ち、違います……一緒にいる、仲間です」

 

「アリス……うん、よし、やろう!生徒会に潜入して、【鏡】を取り戻す!ハレ!何か良い計画とか無い⁉︎」

 

「任せて、ただその計画を実行するためには……いくつかの準備が必要だね、さっき言ってた盗聴もそうだし、EMPショックもそう……それに……あとはやっぱり……【仲間】、かな」

 

「仲間?」

 

「でも、私たちとはそんなに親しい仲ってわけじゃないから……先生とマコラさんにお願いしないとね」

 

“俺にできることなら、任せて”

 

「うん、恐らく彼女たちの力無しに、この作戦は成立しない」

 

 そう言われてやって来たのがエンジニア部、先程聞いた作戦概要をウタハ達に説明していく。

 

“──と言うわけなんだけど、強力してくれる?”

 

「なるほど、それは確かに的確な判断だ、君の言う通り、その方法なら私たちじゃないと難しいだろうね、うん、分かった、協力しよう」

 

「ほ、本当に良いんですか?エンジニア部は実績もたくさんありますし、こんな危ない橋を渡る必要は……」

 

「そうだね、そうかもしれない」

 

「それなのにどうして、メイド部と戦うなんていう危険な計画に乗ってくれるんですか?」

 

「それは……」

 

「……うん、その方が面白そうだから、かな」

 

「そうです!それに私たちも、もっと先生と仲良くなりたいですから!」

 

 おぉう、嬉しい事を言ってくれるじゃ無いか。

 

「そうだね、それと……いや、今は良いさ、よろしく」

 

 なにやらアリスの方を見つめていたが、特に言及することも無くウタハはエンジニア部の作戦参加表明を現した。

 

「あ、はい、こちらこそ、よろしくお願いします……!」


 

 メンバーを揃え、作戦確認の為にヴェリタスの部室に集まった私たちは作戦の最終確認を行なっていた。

 

「これで、メンバーは揃ったよね?」

 

「うん、準備も出来てる、最後に何か必要な事はある?」

 

(わたし)から一ついいか?」

 

「何?マコラさん、あなたはこの作戦の要でもあるからあなたの意見は積極的に取り入れるつもりだけど……」

 

「あぁ、C&Cのリーダー……つまりコードネーム:00(ダブルオー)のネルの所在は逐一(わたし)と共有しておいてくれ」

 

「それはいいけど……どうして?」

 

「ネル先輩は不在なんでしょ?いない人の警戒したって──」

 

()()()()()()()()、もしこれが他の特級戦力なら警戒はしねえよ、だが……()()()()()()()

 

「マコさんがそこまで警戒する程の事があるの?幾らネル先輩が強いからって……」

 

「ン、そうか、お前らはミレニアム生だからあまり知られてないのか、あいつはミレニアムの外……つまりキヴォトスで通ってる通り名が幾つかあってな……その中の一つが、【()()()()()()()()()()】だ、例えミレニアムの外に居たとしても、連絡一つあれば即座に飛んで帰ってくるぞ、文字通りにな」

 

“つまりこの作戦は……”

 

「時間との戦い、しかも途中でネルが戻ってくるのが確定してるからな、どう足掻いても(わたし)は途中で抜けねばならん、この中でネルの足止めが出来るのは(わたし)だけだからな」

 

「うん、分かった、ネル先輩の位置情報は常に表しておくね」

 

「あ、そう言えば、作戦はいつ始まるの?」

 

「いつ……?もう始まってるよ」

 

 ……マジ?




各校の最強戦力=特級戦力です、マコラが知る現在の該当者はヒナ、ツルギ、ネルの三人、ホシノはここに片足突っ込んでる。

特級戦力は皆例外なく覚醒してます、つまりはそう言う事です、誰がどんな能力を保有してるでしょう?因みにネルはご想像の通りです、態々最速の称号を付けたし。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
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