布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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X(旧Twitter)にて氷海の環境に適応してエイミと一緒に泳いでる魔虚羅のイラストが送られて来ました、腹捩れる程笑った、出来なくは無いんよな……




生徒会襲撃─参─

『──カリンとアカネの足止めは任せる』

 

 これがマコラが言った注文、確かコールサイン02(ゼロツー)03(ゼロスリー)の子だった筈、なぜこの二人だけの注文なのだろうか?

 

『コールサイン01(ゼロワン)……つまりアスナの警戒や対策は講じるだけ無駄だ、アイツは(わたし)とは別方向で規格外だからな』

 

 マコラが直々に規格外と宣うアスナの詳細も気になるが……問題はカリンとアカネか。

 

『アカネは積極的に中の警護にあたる筈だ、持っている得物的にもな、カリンは……まぁ何発かなら弾けるから、その間に取り押さえてくれ』

 

『だったら私とマキちゃんがアカネ先輩を担当致します!』

 

『だったら私とヒビキでカリンの方を担当しようか、新しい発明品を試せると良いのだけどね』

 

『可能であればアスナとその他を止めるのに(わたし)が出張れたら良いんだがな、まず間違いなくそこに辿り着くまでにネルが戻ってくる、悪いな』

 

『いやいや、ネル先輩を止めれるのマコラさんしか居ないんですし……』

 

“私が指揮を取るから、なんとかしてみせるよ”

 

『ククッ頼もしい限りだ』

 

 そうしてそれぞれの担当が決まり遂に作戦は決行された。


 

「そろそろ、録画映像だってことがバレた頃かな」

 

「今さらだけど、平和な状態の映像でも流しておいて、こっそり【鏡】を取りに行った方が良かったんじゃないの?」

 

「それだと逆効果だ、アイツらも馬鹿じゃない、ましてや今は(わたし)達が襲撃してる最中だ、渦中の人物を写した映像を流す方がある程度信憑性はあるのさ」

 

 今頃はモモイとミドリが潜入している最中の映像に釣られたアカネがマキとコトリによって足止めを喰らってる筈、通常ならばバレた瞬間にその足止めは意味を成さない、だからこそその足止め時間をこの次の段階で格段と引き延ばす。

 

「あ、エレベーター来た!それじゃ、“本当に”入るとしよっか!」

 

「ちょっと待って……先生、周囲も暗いですし、私たちの手をしっかり握っていてくださいね」

 

“うん、ありがとうね”

 

「ヒューヒュー♪先生はモテモテですなー⭐︎」

 

“しばくぞ”

 

「ごめんて」

 

 案外揶揄うタイミング逃さねえよなコイツ……いや良いけど。

 

「……それでは、行きましょう」

 

「あ、ミドリ照れてるー!」

 

「お姉ちゃんうるさい!早く行くよ!」

 

 エレベーターに乗り込んだ途端にサイレンが鳴り響く、侵入者を検知した音だ、これにより私たちの侵入が向こうにバレる、だが今はそれで良い、何故なら──。

 

『侵入者という分かりやすい異常が発見されたならシャッターはまず下りる、その状態でアカネかアスナを閉じ込める、セキュリティを逆に利用する、当然向こうは開ける為の指紋を持っているが──』

 

『6秒のハッキングの間に向こうの指紋を非登録の物にし且つモモイとミドリの二人の指紋を登録する、そうすれば、自由に動けるのはゲーム開発部だけになる』

 

「先生、お姉ちゃん、ハレ先輩から連絡!アカネ先輩を、閉じ込めるのに成功したって!」

 

「よし、指紋認証システムも正常に作動したね」

 

「この様子だと一部の生徒会の連中も閉じ込められてるな、外敵を防ぐための防御システムが自身を苦しめる檻と化した訳だ、しかし──」

 

“しかし……何?

 

「このままwinning runとは行かんだろうな、気を緩めるなよ、まだ向こうの主力は二人も残ってるんだ、防壁も完璧じゃない、痺れを切らしたアカネなら切り抜ける筈だ、それにいくら仕掛けが効いてるとは言えネルが今この瞬間に帰ってこないとも限らねえ」

 

「確かに……カリン先輩は狙撃ポジとして外にいるとして……結局アスナ先輩は見つからなかったからね」

 

「ハレ先輩が、出来るだけミレニアム全域を調べてくれたけど……見つからなかったみたい、ミレニアムの外にいるんじゃないかな?」

 

「いっつも神出鬼没の先輩だし、簡単には見つからないよね、なんかミッション中に、急にパフェ食べに行ったりする人みたいだし……ま、今のところ計画通りなんだから、気にしない気にしない!」

 

 前々から思ってたけどモモイは事態を案外軽くみがちと言うか何というか……決して楽観視してる訳じゃ無いと思うんだけど、仮にも今作戦中なんだけども

 

「誰⁉︎」

 

「ひゃっ!って、生徒会じゃん!まだいたなんて!」

 

 おっと、幸運にも逃れを得た生徒会の役員がいたのか、いや……この場合は運悪く、かな?

 

「“”」バチィ!

 

「きゃあ!」ドサッ

 

 哀れな生徒会の役員はマコラの鵺による急襲で気絶させられてしまった、これ下手しなくてもトラウマ物だろ、なんで隔壁に閉じ込められてない方が危険なんだよ。

 

「……まぁアスナは基本コール切ってるらしいからな、それであたふたしてるのかも知れん、とは言え神出鬼没なのはマジだからいつ出ても良いようにしておかねえとダメなんだが」

 

“恐ろしく早い電撃……私でなきゃ見逃しちゃうね”

 

「え……えぇ⁉︎もう倒したの⁉︎早過ぎない⁉︎」

 

「止まってる人間なんて的にもならんからな、ヨユーよ、余裕」

 

 本当に襲撃してる側の会話なのかなこれ、余りにも遠足気分が過ぎる。

 

「最後のシャッターを解除!ふふっ、今やこの生徒会専用フロアは私の思うがまま〜♪さて、もう少しで【鏡】がある差押品保管所n「危ねぇ!」んぎゃ⁉︎」

 

(ドカアァン‼︎)

 

 マコラがモモイを引き寄せた瞬間に途轍もない破壊音が響く、クソッ爆撃か⁉︎軽榴弾でもぶち込まれたのか⁉︎

 

「不味ったな、どうやら()()()()()()()()()に入ったらしい」

 

「対物狙撃用の49mm弾⁉︎良かった、お姉ちゃんの背があと5cm高かったら、おでこにクリーンヒットだったよ……」

 

“殺意高いねぇ⁉︎”

 

「これくらいの弾丸じゃ死なん、精々かなり痛い程度だ」

 

“俺が当たったら?”

 

「……この白を基調としたミレニアムの廊下に一輪の柘榴が咲き誇ることになるな」

 

“OK言葉選びご苦労さん”

 

 とは言えマジで不味い、威力で圧倒的に負けてる以上撃ち合いは不利!しかも先程の狙撃を見るに狙いは完璧、なら──

 

「任せなって先生、その為に(わたし)がいる、“大蛇”」

 

 そう言ってマコラが前に出て蛇の影絵を作り武器を取り出す、通常より長いそれは狙撃に適した物であると一目で分からせる、ただ、一つ言いたい事があるとするなら……

 

“モシンナガンとはかなり渋い趣味してるね?”

 

「ククッ、良いだろう、名銃だぞ、かなりの改造を施してある、とっておきの子だ」

 

「あれ、狙撃銃⁉︎マコラさん狙撃とか出来たの⁉︎」

 

「まぁな……コイツはただの狙撃銃じゃねぇぞ、さっきも言ったが相当の改造を施したからな、これでアイツを無力化する」

 


 対岸の建物の屋上、そこにC&Cの狙撃手:カリンが陣取っていた、一撃目はマコラが引き寄せた為に当たらなかったが二発目はない、確実に当てる、そんな強い意志を込めて弾丸を装填しスコープ越しにターゲットを確認する、すると……

 

「マコラさん……?手に持ってるのは、狙撃銃か?私と狙撃勝負をしようというのか……ハハッ、私も随分と高く見られた物だ」

 

 カリンの口角が上がる、それはキヴォトス最強と自分の分野で勝負できる事か、或いは最強がそこまで自分を買ってくれている事への名誉か──どちらにせよ今この瞬間カリンの中に、この場を退くという選択は無くされた。

 

──これは罠だ、視線を集中させて他の三人を狙わせないのが目的だろう、現にあの人ならこっちに飛び移るのは容易な筈、それをしないという事は……

 

 そこまで思考した上でカリンはその思考を中断した、思考の乱れは銃の乱れ、銃の乱れは狙いの乱れだ、心が乱れたら弾は真っ直ぐ飛ばない、精神を統一し、平静を取り戻し狙いを定める──この間僅か0.2秒。

 狙いを定める、キヴォトス最強のマコラであるならば頭に直撃させても問題はない、いや、必ず頭に当てる、その気概でなければならない。

 

──そして機が満ちた。

 

(ズドオォン!)

 

 凶弾が放たれる、真っ直ぐにマコラの元へ、吸い寄せられるように飛んでゆく、そしてカリンが撃ってからコンマ1秒ズレてマコラも撃つ、大型の対物ライフルと対人用の一般的な狙撃銃、銃の大きさと弾丸の大きさは比べるべくもない、矛盾対決なんて起きる筈ない──。

 

──甘えよ。

 

──スコープ越しに見えたマコラの目線が、そう言った気がした、このコースは確実に当たる、なのに嫌な予感が外れない、もしや下手を撃ったのか?

 

 対岸の建物に穴が空く、その位置はマコラ達がいる階層より随分と上だ、自分はあまり頭が良くないと自負しているがこれを意味する事を理解出来ない程自分は落ちぶれてはいない、()()()()()()()()()()()()()()、よりによってだがあの規格外の怪物は──

 

「私の撃った弾丸に弾丸を当て、軌道を僅かにズラしたのか……‼︎」

 

──どんな手品だ、何をどうしたら対戦車ライフルの弾を対人小銃の小さな弾丸で逸らせると言うのか。

 そんな事を考える暇もなく次弾を籠める、大型銃はこう言った時に不便だ、速射性では圧倒的に向こうに劣る──‼︎

 

 カリンのその想いを裏付ける様に次の弾丸が飛来する、しかし狙いはカリンではない、狙いは──。

 

(パリィン)

 

 何かが割れた様な音がした、カリンに弾丸は当たっていない、そもそも狙われていない、では何に当たったと言うのか、それをカリンは直ぐに思い知った。

 

「……‼︎照準器を……‼︎」

 

 マコラが狙ったのはカリンの持つ狙撃銃の照準器、これを撃ち抜く事によりカリンの狙撃を一時的に止める事ができる、無論予備の物と取り換えればまた狙撃は再開できるが、無論それをさせない者も配備されている。

 

「流石の仕事っぷりだね、まさか二発でカリンを無力化させるなんて、まぁ整備すればまた撃ち直すんだろうけど、それを防ぐのが私の役目だからね」

 

「エンジニア部……!成程、あなたたちが、あの【先生】に協力していたのか……やはりヒマリの情報も、私たちを混乱させるための罠だった……?」

 

「さてね?そっちはよく知らないよ、私は“全知”でもなければ“ビッグシスター”でもないからね、知り得る事には限りがある、だけど……私も私なりに“彼女”の悩みを知っているつもりさ」

 

「……どちらでも構わない、だけど私の本気で止めるにはその手持ちの玩具では不足じゃないのか?」

 

「かもね、正直私はインドアだから君たちみたいにバリバリの武闘派とやりあえるだなんて1ミリたりとて思ってないよ、ハッキリ言って今の手持ちじゃ君を止めれる気はしない」

 

「ならそこを──」

 

()()()()()()

 

「なにを言って──」

 

(フォン──)

 

「……この音は⁉︎」

 

 空を切る音が鳴り響く、幾つもの修羅場を潜り抜けてきたカリンだからこそその音の正体に気づき、衝撃に備えることができたのだ。

 

(ドゴオォン!)

 

「やはり、曲射砲か‼︎いったいどこから⁉︎」

 

「うちのヒビキがミレニアムタワーの反対側から、ね、君がヒビキを狙撃するためには、幾つもの壁や天井を貫通させなきゃいけない、君も同じように、曲射でもするか、若しくは、マコラの様に飛翔して物理的に上昇して撃つとかでもしない限りはね、でも君に羽根は愚か飛行装置はない、従って貫通か、曲射の二つに絞られる訳だが……君の言う玩具を備えた私を目の前にしながら、君にそのどちらかが出来るかな?」

 

「くっ……」

 

「あまりこう言った乱暴な言葉を使いたくはないのだけどね……私も伊達にこのミレニアムと言う魔境で3年も過ごしてないんだよ、余り舐めるなよ2年生

 

 ウタハは鋭い眼光でカリンを睨み付ける、2人の闘志は燃え上がるばかりだ。

 


「……狙撃が止んだ、ってことは!」

 

「ウタハ先輩とヒビキちゃんだ!カリン先輩の相手をしてくれてる間に、急ごう!」

 

 どうやら手筈通りマコラが相手の照準器を壊した後にウタハ達がカリンを止めに入った様だ、順調だ、このまま目的地まで──。

 

『緊急連絡!マコラさん!直ぐに外に出てください!』

 

 コタマから緊急の電報が入る、事前に取り決めてたコタマの役割、本来ならもう少し後に起こる筈だったこの連絡が今起きたと言うことは──

 

『想像よりかなり早い!あの30秒もしないうちにここに()()()着く!』

 

「ハァ、思ったよりも早かったな、悪い、(わたし)はここで離脱する、武運を祈る」

 

“うん、こっちは任せて”

 

 マコラは窓を叩き割り飛び去って行った、それと同時に地響きが建物を襲う。

 

「えええっ!な、なに、地震?」

 

「爆発、みたいだけど……まさか⁉︎」

 


 ミレニアムの校舎、その一角には作戦通りにシャッターにて閉じ込められていたアカネ達の姿があった、つい先ほどまでは。

 

「くうっ……講義はまだ、終わって……!」

 

「ひーっ、死ぬかと思った!一体どこにそんな大量の爆弾を隠してたのさ……!」

 

「ふぅ、あまり学校の施設を壊したくないのですが……」

 

 そう、チタン合金で作られたシャッターをアカネは自前の爆薬で無理矢理に突破、これにより檻は破られてしまった。

 

「ユウカ、申し訳ないのですがシャッターは無理やり破壊しました、ゲーム開発部の現在の位置は?」

 

『さっきまでカリンが足止めしてたけど、見失ったわ、けど……どこに向かってるのかは分かる』

 

「【鏡】がある、生徒会の差押品保管所の方ですね、ではすぐに──」

 

『お、やっと繋がったか!おいテメェ等!私抜きで何楽しそうなことしてんだよ!』

 

 すると通信にアカネやユウカの物では声がする、完全な第三者の声だ、しかし二人はこの声をよく知っている、何故ならこの声の主こそがミレニアムが誇る最強の戦力なのだから。

 

『ずっと連絡しても誰も出ねえからよ、最速で戻ってきたんだが、私の出番はあんのか?』

 

「……でしたら()()はマコラさんの相手をお願い致します、此方の現戦力では太刀打ち出来ませんので……」

 

『あー……どうやら向こうも同じこと考えてたみてぇだな、中の援護までは行けねえ、悪いな』

 

 そうして部長という人物の通信が切れる。

 


(ヒュオオオォォォ……)

 

──二人の人物が見合っていた、一人は地上から見上げ、もう一人は羽根を羽ばたかせ空から相手を見下ろしていた。

 地上の者は双手に構えた愛銃を構え、気合いを入れ直す、空の者は指をパキポキと鳴らし電圧を上げていく。

 

──双方はふと目を閉じる、瞬きにも満たない感覚だ、然しその沈黙が永遠の様に感じさせられた、そして互いに目を、瞳孔を鋭く開く、獰猛な笑みを浮かべて。

 

──ッドゥ‼︎

 

 二つの爆撃音が都市内に響く、片方は地を、もう片方は空を蹴ったのだ、その速度は互いに縦断の速度等遥か向こうに置き去りにする程の──それ程の速度を持った二つの物体が真正面からぶつかり合う、片方の物質の名は()()()()、ミレニアムが誇る最強の戦力。

 対するは神将マコラ、こちらもキヴォトスの最強の戦力、互いに比肩すべき存在が他校の最強戦力しか存在しない、ぶっちぎりの最高戦力、誰が呼んだか、()()()()

 現キヴォトスに於いて()()()()しか確認されていない、神秘能力を覚醒させた者達、その総称である。

 

──この日ミレニアムに、二名の特級が相対する。




原作よりネルが早く帰ってきてますが、これ事前に仕込みがないとアカネが閉じ込められた時かそれ以前に戻ってきてます。
 因みに仕込みってのは、まぁ呪術でいう帳みたいな物、電波遮断みたいな膜をミレニアム全体に掛けてた、なのでミレニアム内部では自由に通信は出来たけど外への通信はできなかった、逆も然り。
 まぁそうしなくてもミレニアム陣営はネルへと連絡するつまりはなかったんですが…しかし任務を速攻で終わらせたネルがその連絡のためにミレニアムのセミナーへ連絡、繋がらないんでC&C専用内線で各自に連絡、これもまた繋がらないんで流石に何かおかしいと思い最高速度で帰還、ミレニアム郊内に入った瞬間にコタマがそれを検知、即座にマコラへ連絡、後は本編通り。

ぶっちゃけネルが向こう陣営で誰よりも無理ゲー強いられてる、逆にネルの即時帰還で助けられたのがアスナ、ネルが寄り道で遅くなってたらアカネとユウカが来るまでアスナ単騎でマコラwithゲーム開発部in先生の相手をしなきゃ行けないとこだった。

後は分かるやろ、詰みやで、君。

まぁそうはならなかったんですけどね。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
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