「あぁ?リベンジはもうちょっと待ってほしいだぁ?」
“うん、今ゲーム開発部がその、修羅場なんだ、気迫で人を殺せそうなくらいには”
先生の言う通り、今絶賛ゲーム開発部では新作のゲームである【TSC2】の開発の真っ只中であり文字通り遊んでいる暇がないのだ。
「マジか……まぁあたしも鬼じゃねえ、開発が終わるまで待ってはやるが……問題のアイツは何処いったんだよ」
問題のアイツ、つまるところマコラがこの場に居ないと言う点をネルは指摘する。
“あぁ、なんか誰かに呼ばれて行ったかな、あの子の単独行動は今に始まったわけじゃないんだけどね”
「アイツを直接呼び出せる人物ってなると相当絞られるな、どうせリオかヒマリだろ」
ネルのその判断は間違いではなかった、今現在神将マコラはミレニアムサイエンススクールの
「……今回の一件で何か申し開きはあるかしら」
「まあ元々言い訳なんてするつもりはないが…。って言うかなんなら直しただろ建物」
「ふざけないでちょうだい、あの子があのまま暴れていたら最悪キヴォトスが消えていたかもしれないのよ?」
「無論そうなりゃ
「……アリスの処遇は
「
そう言い残しマコラは部屋を後にする、残されたリオはただ一人、今回の一件の報告書類に目を通し、天童アリスの項目で手が止まり、一人愚痴る。
「やはり……敵対は避けられないわね、
◆
六日後……
「間に合ったああぁぁあ!」
「ギリギリ……心臓が止まるかと思った……」
「あとは……3日後の発表を待つだけ、だね」
ゲーム制作が完了して応募作品として提出を敢えて後は結果を待つばかり、緊張が走っていたゲーム開発部に落ち着いた空気が流れ始める、いや本当にやり遂げるとは思わなかった。
「うんとりあえずは間に合ったけど、まだ結果が出たわけじゃない、3日後には…このままこの部室にいられるのか、そうじゃないのかが決まる……でも3日って結構長いじゃん?そこで提案なんだけどさ、先に、web版の【テイルズ・サガ・クロニクル2】をアップロードしてみるのはどう?」
「ど、どうして?」
「3日間も待てないよ!それに、審査員の評価より先に、ユーザーの反応を見たくない⁉︎」
「早くしてくれ!こっちは待ちくたびれてるんだ!なんのために6日も此処に近づかなかったと思ってる⁉︎」
“極限までネタバレを避けるために開発部の部室に近寄らなかったからね、君”
「ほらマコラさんもこう言ってるし」
マコラェ……すっかりゲームに染まっちまったな。
「うーん、でもちょっと怖いかも……低評価コメントも心配だし」
「何言ってるのさ!そもそも、ミレニアムプライスに出品するためだけに作ったゲームじゃないでしょ!自信を持って、見てもらおうよ!私たちはベストを尽くしたんだから!」
「そ、それはそうだけど……」
「……うん、アップしよう」
「え?」
「作品っていうのは……見てくれる人、遊んでくれる人がいてこそ、完成されるものだと思うから、わたしは……わたしてちのゲームを、きちんと“完成”させたい」
「ユズちゃん……」
「大丈夫、もし前みたいに、低評価のオンパレードになったとしても……全力で頑張ったから、それに……みんなが一緒に居てくれて、何より
「それじゃあ今すぐアップロードー!」
「ああっ!ま、待って!心の準備が…‼︎…」
「転送完了!プレイして感想が貰えるまで少なくとも2、3時間はかかるだろうし、後はしばしの休憩ってことで!」
「……はあ、そうだね」
「OK、ソフトゲット」
“流石だよなマコラ”
「即ダウンロードしてるし、本当に楽しみだったんだ……」
◆
アップロードしてから数時間が経った、マコラは夢中になってプレイをしておりその様子を開発部の面々は見守っていた、定期的に方陣が回っているという事はつまりそういう事なんだろう。
「ん、アリス?なんでコンピューターの前に座ってるの?」
「マコラに続きみなさんがダウンロードを始めたようです、気になります」
「これからゲームをプレイするのにまた時間がかかるだろうし、待っててもそんなにすぐは来ないと思うよ?」
「はい、それでも待ちます」
「わ、わたしも……どっちにしろ、緊張で眠れないし、わたしも、待ってる」
「ぬう……ここはどう攻略すれば……」
“うーん……この場面ならこうして見るのは……”
「……うん、いつの間にか先生も楽しんでるし、わたしも緊張してきた……」
「私は心配でドキドキが止まらないよ……うぅっ、自分で言い出したのに緊張でおかしくなりそう!」
うーん、まさかこの歳になってまたゲームに熱中する事になるとは……思い返せば最後に誰かと一緒にゲームを楽しんだのっていつだったかな……
「あっ、初コメ」
「何て⁉︎何て⁉︎」
〈hermet021:わお、これ前回クソゲーランキング1位を取った、あれの続編?もうゲーム作りはやめたと思ってたけど、懲りないねえ〉
「おうおうおう、特定してやるぞこの野郎、先ずは本編をプレイしろ!」
“ステイ、ステイ、落ち着いて落ち着いて、アリスも武器を下ろして”
「ふ、2人とも、こう言うのはあんまり気にせず……」
「マコラ、まずはマキに連絡を入れましょう、その後該当IPアドレスの方角に対して、最大出力のグラニテブラストを食らわせます」
「「本当にやめて⁉︎」」
おぉ、息ぴったりだ、流石は姉妹と言った所か。
「……大丈夫、マコラさんが言った通りゲームをやってもいない人の発言だから……気にしないで、ね?」
〈Kiyohara0507:前回の【TSC】は確かに、手放しで賞賛できる作品ではなかったかもしれません、ですが新鮮味があり、少なくともありふれた作品ではありませんでした、今回の2ではどんな目新しさを見せてくれるのか、楽しみです〉
「おっ、徐々にちゃんとした反応が……」
〈QueenC:さて、鬼が出るか蛇が出るか……せっかくだから中庸なんかじゃなくて、たとえどっち側だったとしても、振り切った体験を期待したいね〉
〈kirakiraNo1:前作はやったけど、良い思い出としては残ってない、それどころか苦い記憶がいくつも鮮明に思い出せるくらい、どうしてかな……続編だって知ってるのに、ついダウンロードしちゃった〉
「す、すごい!なんか私たちのゲーム、めちゃくちゃ期待されてない⁉︎」
「全体的になんか、【時限爆弾を楽しそうに解除しようとしてる】感じっていうか……」
「怖いもの見たさ、みたいな……」
〈cat0808:2時間後に補修でテストがあるんだけど……そんなことより今はこのゲームがやりたい気分〉
〈You-me: テストなんてこれから先、いくらでもあるじゃん、これを遊ぶ最高のタイミングは、アップされたばっかりの今だけなんだよ!〉
「そうだそうだ、初手ダウンロードして即プレイ、これに尽きる」
“プレイしながらコメントを読むとか器用が過ぎるだろ”
「えっと、それはできれば……テストを受けに行ってほしいかも……」
「だ、ダウンロードがもう2000を超えてる⁉︎さすがにおかしくない⁉︎」
「あ……有名なポータルサイトに、私たちのゲームが発表されたって記事が載ったみたい」
「うわあぁぁ……!無関心じゃなければ良いな、くらいに思ってたのに!ここまで数が増えると急に怖くなってきた!」
「……ドキドキします」
「うぅっ!期待と不安で、心臓が爆発しそう!」
「まぁもしそんな事が起きても
「え?どうかした?」
「いや、ちょっと忘れてた事が……」
「お、全員揃ってんな、再戦しに来たぜ、全員表に出な」
「うえぇぇえ!?ネル先輩⁉︎なんでここに⁉︎」
「あ?マコラと先生から聞いてねえのかよ、再戦申し込むって言ったろ」
「……聞いてないです」
“だって皆マジで忙しそうだったから、伝える暇が無かった”
「
「あのな……仮にもそれなりの立場の人間が報連相を忘れるってそれはどうなんだよ」
「“返す言葉も無い”」
「アリスの知識によればこれは……突発的な戦闘イベントですね、経験値の大量獲得チャンスです!」
「えぇ⁉︎アリス本当にやるの⁉︎相手はネル先輩だよ⁉︎勝てないって!」
「
「……へぇ、中々良い事言うじゃねぇか、それで?他の3人はどうすんだ?あたしはそいつとタイマンでもいいんだが」
「うぅっ……ネル先輩と戦いたくは無い……でもアリスちゃんを1人で向かわせるのも出来ない……」
「だ、だったらせめてネル先輩1人だけにして⁉︎他の先輩たちも来ると本当に勝ち目がないんだから!いや正直ネル先輩1人だけなら勝てるとかそんな事は思ってないんだけど!」
「それで良いぞ、元々そのつもりだったしな、一対四でやってやるよ、先生って奴の指揮込みでどれだけ強くなるのか興味がある」
“マジか”
「残りの3人はマコラと対面な、言うまでも無いがあいつらは全員“使って”来るぞ、入念に準備してたからな」
「ククッ、
「じゃあ付いて来な、リオの奴がここでなら暴れて良いって場所を指定したからよ」
そう言われて私たちはネルに連れられてミレニアムの旧校舎と呼ばれる建物に向かって行った、マコラの発言によるならネルはキヴォトス最速の異名を持ってるらしいから……それ込みの戦術を組まないとダメかな、頭が痛い事だ。
原作で襲撃されてる所が悉く扉を開けてこんにちはになってるな、この世界線……
【最終決定】IF世界線のマコラ
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アビドスIF
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ゲヘナIF
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トリニティIF
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ミレニアムIF
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アリウスIF
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ゲマトリアIF