布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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同時進行バトルって難しいと思いました、まる


再戦─弍─

「──んじゃあ、そろそろおっ始めようか、時間は有限だしな」

 

 マコラのその発言──と同時に踏み出したのは“キヴォトス最速”美甘ネル、彼女はその異名に嘘偽り無い速度でアリス達に肉薄する、常人ならば反応するのが精一杯、されどその速度は……常人が反応出来る程度の速度では“キヴォトス最強”には止まって見えるほどの速度でしか無い。

 

「ハッ、やっぱり使()()()()と追いつかれるな、まぁ分かってたが」

 

「随分舐められたものだな、このままお前と戦っても良いが……今はお前じゃ無い“満象”放水、()()()()蕩蘊平線(たううんへいせん)

 

「「ッ‼︎」」

 

 マコラが繰り出す満象の最大出力による放水の威力は放水車等のそれを遥かに超えその水量は大津波を彷彿とさせる水量だった。

 

「アリス‼︎ソイツは滅茶苦茶に強え、全身全霊でやっていいぞ」

 

「ッ‼︎はい!」

 

 マコラはそう言い残し水で押し流してネル以外のC&Cのメンバーの元へと向かっていった。

 

「……まぁそりゃ無事だよな、最大出力つってもただの放水、言っちまえば少し流れが強い流水プールみたいなものだからな、楽しんで貰えたなら光栄だが」

 

「いやー、それは……」

 

「すっごく楽しかった‼︎ねぇさっきのもう一回やってよ!」

 

「アスナ先輩……」

 

 マコラの軽口に対して三者三様の反応をとる、アスナ・アカネ・カリン、3人に大放水によるダメージはなく既に陣形を組んで戦闘態勢は整っている様子だ。

 

──アスナが前衛、アカネが中衛、カリンが後衛……それぞれタンク・援護・火力と言った割振りか?如何にしろコイツらの手持ちが割れてない以上下手に攻めるのは悪手か?

 

 マコラは先日のゲーム開発部とC&Cとの戦闘の詳細を、何一つ聞いておらず、そして先生側にもそれを伝えていない、つまりこの第二ラウンドは、お互いが初見での戦闘開始となる、その事を向こうはまだ知らない。

 

──相手は部長と互角以上に戦える“キヴォトス最強”……一手でも誤れば即座にこちらは崩れるでしょう、()()()()()()()()ものの、要はアスナ先輩の当たり時の状態、その状態で押し切るのが唯一の勝機‼︎

 

 対してアカネは冷静にマコラの戦力を分析する、自分たちの優位性、それはマコラの能力がある程度割れていると言う事、十種の戦法を使いこなし且つその応用幅も広い、更にはマコラの頭上にて鎮座するあの方陣……これこそが神将マコラを最強たらしめている存在でありその象徴。

 

「さて、どう攻めましょうか……」

 

 アカネが思考を走らせる中マコラは怪奇そうな顔をして、()()()()()()()()()()()()()*1

 

「いやいや、互いの能力が煙たいのに術式を使用しないのは、自分の術式に自信がないって言ってるようなもんだろ」

 

【艤装展開:布留部由良由良】

 

「悪いが後がつっかえてるんでな、早めに切り上げさせてもらう」

 

 此方の戦いの火蓋を切ったのは“最強”神将マコラ、開幕からフルスロットルをかます勢いだ。

 

「ッ‼︎アスナ先輩!」

 

「もうやってるよぉ!」

 

【術式展開:坐殺博徒】

 

 ──1()0()()、アスナの選出とマコラの変身が終わる時間は奇しくも同じであり、即ちマコラの変身が終わると同時に──

 

「きた‼︎」

 

──アスナの当たり状態(ラウンド)が始まる。

 

『成程な、あの時に感じた気配はお前の術式によるものだったのか、確かにそれだけのブーストがあれば闘いにはなるだろうが……まだ足りんな』

 

「そうかな⁉︎うーん、確かにその通りかも!でもさ、わたし1人だけじゃないんだよね!」

 

 アスナの語りが終わるより先に一筋の弾丸がマコラに向かう、鎧を纏った今のマコラに通常の弾丸は通用する筈もない、そう高を括るも、マコラは左腕でその弾丸を念のためガードする、すると襲い掛かるのはマコラの想定以上の威力と衝撃が迸る。

 

──この弾丸は……カリンが撃った物か、如何に対物ライフルとはいえ内部にまで衝撃を寄越すとは、十中八九何かしらの術式の効果だろう、生身で受けていたら肉体が飛んでいたかもしれん。

 

『悪くないが……良くもない』

 

ドゥッ‼︎

 

 アカネとカリンの視界からマコラが消える、2メートルを超え3メートルに迫る図体を有しておきながら2人の視界から姿を消し去ったのだ、しかしそのマコラの軌道をその目でしっかりと捉えている存在が後1人だけ残っている。

 

「もう一回言おうか⁉︎1()()()()()()()()()()()()‼︎」

 

 マコラの動きに追随し鎧の頭部に激しい蹴りを見舞ったのは一ノ瀬アスナ、彼女にとってこの程度の動きは、ミレニアムに在学して1年目からずっと見慣れて来た物だ。

 

『ククッ、なら三人がかりで掛かって来い、それで漸く戦いの形になる』

 

──アスナのラウンド終了まで残り、3分半。

 

 一応マコラからネルは速いと言う情報は貰ってたけど……‼︎

 

“……まさかここまでとはね、ちょっと速すぎない?”

 

 しかも勘だけどネルはまだ術式を使ってない、使ってなくて尚此方が圧倒的に押されている、いや、押されてると言うレベルではない、蹂躙と言って差し支えないな。

 

「そうか?そんなに速く動いたつもりはねぇんだが……こっちとしては正直言って期待外れだ、アイツが珍しく褒め倒してたからどんなものかと気になってたんだが……これならあっちに行ったほうがよかったかもな」

 

「うぅ……」

 

「つ、強すぎる……」

 

「……まだ、まだです、アリスはまだ戦えます‼︎」

 

 アリスが光の剣を支えにして立ち上がる、4人の中じゃ特に集中して攻撃されてたけどそれでもまだ動けるのはアリス元来の耐久性故だろう、いやそもそもの話なぜマコラはこちら側にネルを一任した?何かしらの意図があるのだろうか、単純に経験値を積ませるためだけとは思えない。

 

「マコラの行動に疑問があるか?」

 

“……正直に言うとね”

 

「アイツはアイツなりに色々考えてんだろうぜ、アイツはあたし以上に血の気が荒いからな、そんな奴が自分が戦うんじゃなくて他の奴に任せるってんだ、相応の理由があって然るべきだろ」

 

 確かにその通りだ、マコラ……アイツ何を企んでる?

 

「先生よぉ、アンタなら何か分かるんじゃねえのか?あたしは愚か、ミレニアム全体で見てもマコラの事を理解することは出来なかった、アイツとあたし達じゃ見てる世界や視点そのものが違うんだろうな、本当に心当たりはねえのか?」

 

 心当たり……マコラが戦闘を完全に此方に任せたのはアビドスでの分担が一度切りだ、その時に起こった現象は確か……ホシノの“覚醒”……‼︎

 となればその対象は、アリスか……?あり得るな、部屋の天井をぶち抜いて曇天の空に穴を開けた実績の持ち主だ、十二分にあり得る。

 

──生徒の成長曲線は必ずしも緩やかではない、確かな土壌、一握りのセンスと想像力、後は些細なキッカケで人は変わる。

 

「……アリスは……アリスは‼︎モモイを‼︎ミドリを‼︎ユズを‼︎ゲーム開発部のみんなを傷つけたあなたを許しません‼︎」

 

「あぁ?何言って──」

──コイツ、さっきより圧が……だがなんにせよ。

 

「アリスは‼︎皆を守ります‼︎それが“()()”の役目です‼︎」

 

──術式も同様、些細なキッカケで覚醒する事がある。

 

「先生‼︎指揮をお願いします!一緒にチビメイド先輩を倒しますよ‼︎」

 

「おい、あんまりワクワクさせんなよ」

 

 戦いのギアが、上がろうとしていた。

*1
形は伏黒の領域展開のそれ




次回はマコラサイドからです、そっちから先に片付けます

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
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  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
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