布瑠部の方陣は透き通る世界で循環する   作:Another2

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前話投稿してすげぇ伸び方してて笑う、みんな東堂好き過ぎだろ。
水を差す様で申し訳ないが別にマコラの性格は東堂固定ではないです、書きやすいのはそうなんだけどね。

今回はギャグ要素多めだった前から打って変わり例の奴とマコラの話、本編軸から二年前のお話です。


ガコンッ(4回転目)

 キヴォトスの街道の一筋、人通りが少ないを通り越して最早居ない領域にまであるその道を歩む一つの姿、頭には舵輪を思わせるヘイローを浮かべ、目の位置から二対の羽を生やした奇抜な仮面を被り素顔は見えない、紺色の和服に身を包んでいる所から恐らくは百鬼夜行の生徒だろう、そんな彼女の前にもう一つの人影が現れる。

 

 その人物は黒いスーツに身を包み如何にもなく会社員と言った制服だ、しかしその人物、とても黒い、比喩表現ではなく頭のてっぺんから足の爪先に至るまで真っ黒である、唯一顔と思わしき部分、詳しくは右目にあたる位置から罅が入り顔全体にまで至っておりその罅はやや発光していた。

 

「お初にお目に掛かります、神将マコラさん…ですよね?」

 

「…如何にも私がマコラだが、お前は誰だ?私が潰した不良グループや暴力団グループにお前みたいな奴は居なかったと思うが…?」

 

 口があるのかないのかも分からない目の前の大人から声が発せられる、どうやら相手はマコラの事を知っているらしいが生憎とマコラ自身には目の前の大人の事は記憶に無かった。

 

「えぇ、ですので“お初にお目に掛かる”と、申したのです、尤も貴女の情報はこのキヴォトス全体に知られていますが…成程確かに噂以上の実力者と見受けます」

 

「…何だ?喧嘩でもしたいのか?それに私の質問には答えてくれないのか?私は“お前は誰だ”と聞いたんだが」

 

 マコラの問いに対しての返答、どうやらこの人物はマコラの事を事前に集めた情報と噂で知り得たらしい、そしてそれを確かめる為にマコラに会いに来たようだ、マコラとしてもそう言った理由で会いに来る奴はキヴォトス中にいる、潰した相手の復讐から名を上げるのが目的の馬鹿、そんな奴の相手はしょっちゅうだったのだ、マコラは気怠げながらも戦闘態勢に入るがそこに待ったをかけたのは目の前の人物である。

 

「いやいやとんでもない、ヘイローの持たない私が貴女と争いに来る訳がないじゃないですか、それと…そうですね、私の事はご自由にお呼びください、固有名詞は特にございませんので、最近は黒服と呼ばれることが多いですが」

 

「黒服ね…見たまんまだがシンプル故に覚えやすい、なら私もそう呼ぶとするが…それで?何の用だ態々噂の確認の為だけに来たんじゃ無いんだろ?」

 

 どうやらこの人物…黒服はマコラに喧嘩を吹っ掛けに来たわけではないらしくマコラの思いは杞憂に終わった、では何の用で黒服はマコラの前に姿を現したと言うのか?

 

「えぇ確かにその通りです、ですが私の目的を話す前に復習がてら、私が得た情報を貴女に伝えても?情報の差異があってはいけないので」

 

「…好きにしろ」

 

「えぇでは…──神将マコラさん16歳、元百鬼夜行連合学院の生徒であり現在は謹慎処分により休学中、その理由は様々ですが、一番な要因は先程述べた複数の不良グループや暴力団組織の()()()()、その際に行った不正な銃器や戦車等の使用を見受けられた為にこの処分を言い渡された…ここまでは合ってます?」

 

 黒服がマコラに会いに来た理由は争いとは別の目的があるらしく、その説明の為にも本人の復習がてらマコラの過去を開示していく、するとマコラの壮絶な武勇伝から個人情報まで正確に仕入れられており余程念入りに情報収集に励んだらしい。

 

「…まぁな、だが不正な火器兵器の類じゃない、私のオリジナルの武器達だ、この世界や私達の肉体には“神秘”って奴が蔓延してるだろ?それを用いて出してるだけだ」

 

「素晴らしい…‼︎そこまでご存じだったとは…‼︎えぇその通りです、そして貴女は何も悪くない、然しそれでも無知なる者はその様な得体の知れない物を恐れるのです、そして知ろうとせずに遠ざける、全く嘆かわしい」

 

「ふん…それで?アンタが知り得た情報はそれだけか?」

 

「あぁいえ、まだありますよ…例えば──出生の場所…とか」

 

「──ッ‼︎お前…まさかッ‼︎」

 

 黒服の話を興味なさげに聞いていたマコラだったが、己の出生場所、その事を挙げられた途端な彼女の雰囲気が変わったのだ、マコラにとって余程な事であるらしい、つまりは黒服は札を一枚切ったのだ。

 

「ご心配なく、私は無関係ですよ、偶々知り得ただけですので、どうしますか?不快でしたらここで打ち止めに──「構わん、続けろ」ではその様に──貴女はあの組織が発足した例の計画によって生み出された唯一の成功例、ですが性能が高過ぎて制御に難があった為に制御可能とする為に性能を落として何とか制御下に置かれた…筈だった、性能を落とした際に組織にとって不具合が生じた…それが“()()()()()()”、完全な兵器として運用したかった組織としては不要な人格は目障りでしかなかった…そして案の定貴女は組織に反発、本来より格段に性能は落ちたとは言え元々のプロジェクトの対象規模を考えれば今でも十分過ぎる強さを兼ね備えている…結果組織は碌に抵抗できず壊滅…貴女は自由の身を得ました」

 

()()()()()()?私が本当に自由な身であると、本当にそう見えるか?」

 

()()()()()()()、貴女を縛る鎖は貴女自身が打ち砕いた、にも関わらず貴女は大変窮屈そうだ、何も無い空間で生まれ夥しい実験の数々という縛りから解放された、にも関わらず貴女は窮屈な思いをしている、それは周りとの知識の差、考えの違い、そして──」

 

「私自身の強さ…か」

 

「…えぇ、仰る通りです、貴女は強すぎる、強すぎるが故に誰からも理解されない、寄り添えられない、然し貴女の強さを利用しようと模索する者は後を絶たない、それもその筈、幾らかグレードダウンしたとは言え貴女の強さはこのキヴォトスを支配、統一するには十分過ぎる程だ」

 

「お前もそのクチか?」ガチャ

 

 マコラは強い、強過ぎるが故にその強さを利用しようと、何とか己の下に懐柔しようとしてくる大人が多かったのだ、生徒からは名を売る為に、大人からは自身の勢力を上げる為に、手段方法は異なれどマコラが出会ってきた人物は等しくマコラを駒として扱おうとした人物のみ、そしてマコラはそんな奴らを総じて返り討ちにしてきた、その結果が謹慎処分だ。

 マコラは黒服の目的その類であろうと推察し武器を構えるが、黒服が発した言葉はマコラの思想と異なる物だった。

 

「いいえ?私はそう言った野蛮な事には興味がないのです、今の私の興味は…先程貴女が申した“神秘”の探求及び研究が目的といった所でしょうか」

 

「何の為に?」

 

「“理解(わか)らないから”ですよ、私にとって神秘は未だ分からない、判らない故に探求し、追求し、研究して“()()”したいのです‼︎解き明かしたいのです‼︎この謎を‼︎知りたいのですよ‼︎この(神秘)を‼︎…失礼少々興奮し過ぎてしまいました、ですが御理解頂きたい、私も必死なのですよ、例えるならそう…目の前にご馳走を、それも自分の大好物を用意されて待てと、まだ食べるなと言われた時の気分…と言えば御理解頂けますか?」

 

 先程マコラが言った神秘の探求が黒服の目的なのだという、理由は己にも分からないから、“知らないからこそ知りたい”と言う単純かつ明確な目的だ。

 

「まぁ何となくは…たしかにそれは辛いな、私なら耐えられない」

 

「そうでしょうとも、そしてマコラさん、貴方の御力があれば私の神秘の探求は大幅に前進するのです‼︎貴女の身に秘められた神秘の量は計り知れない、今現在私が目に付けた人物は二名…一人は言うまでもなく貴女ですが内片方の神秘の量も凄まじい、それこそ“純粋な”生徒の中では最大の神秘を秘めています、然し貴女はそれ以上の物を持っている、しかも貴女はその神秘を使いこなしている‼︎己の能力として‼︎だからこうして貴女に会いに来たのです」

 

「成程な、つまりは神秘の探求に私の身を使いたいから協力しろって事ね」

 

「えぇ、御理解が早くて助かります、如何です?ご協力願えますか?」

 

「その前に私の質問に一つ答えろ」

 

「えぇ、答えられる範囲でしたら何でも」

 

(まぁ大凡実験内容とか危険は及ばないのかと言った辺りでしょう、その程度でしたら何も問題は──)

 

 黒服は目的を話しマコラに対して協力を申し出る、その際にマコラからの質問があるらしい、その内容に幾つか当たりを付けて質問に備えるが、黒服のその思惑は裏切られる事になる。

 

お前の好みの動物(タイプ)は何だ?

 

は?

 

(──は?今、何と?好みのタイプを聞いたのか?何故?今?何か意味があるのか?それとも何かのテスト?それとも──)

 

「だからお前の好みの動物(タイプ)を聞いてるんだよ、好きな動物(タイプ)はそいつ自身の考えの現れにもなるからな、是非聞かせて欲しいんだ」

 

「え、えぇと…すみません、其方の方の知識には疎い物でして…“お答えできません”」

 

「そうか、“それ”がお前の答えが、黒服」

 

「そうなりますね」

 

(さて…どうなる?)

 

「がっかりだ、“心底”退屈だよ、黒服」ゴォッ

 

(──ッ失敗った‼︎如何やら私は彼女の地雷を──)

 

 黒服が答えた問いによってマコラの圧が上がった、黒服は答えをミスったのだ、尤もマコラの問いに一発でクリアできる奴はこのキヴォトスに今は居ないのだが、後にこの問答をクリアした傑物が現れる事を今は誰も知らない、しかし上がったのは一瞬、マコラはすぐに落ち着きを取り戻し冷静に戻った。

 

「お前は心底つまらん、だがまだ知らないだけと見た、だから見逃す、次会うまでに答えを出せる様精進しておけ、私はつまらん奴に興味はないからな」

 

「…てっきり攻撃してくる物だとばかり…それに探求や実験の事は聞かないのですね」

 

「未知な物を知る為に実験をするのはどこもやってる事だ、今更私が言えることじゃないし何より私自身がそんな実験で生み出された身だ、とやかく言える立場じゃないんだよ、そもそもな」

 

「──ッ貴女はもしや既に…」

 

「私は既に人に諦めが付いてる、どんな人に遭おうとも真に私の事を理解できる奴はいないってな、だからこそだ、お前が私が使う神秘…周りが言うには得体の知れない力を知りたいと言った時は…ほんのちょっとだが、救われた気がした。そこだけは感謝する、じゃあな、また逢えると良いが」

 

「──えぇ、今度会う時は貴女の納得の行く答えを出せる様にしておきますよ」

 

(その性質から異性のタイプを聞いているわけでは無さそうですしね、彼女の行動から察するに動物の種類とかでしょうか?如何にしても今の私には理解できない)

 

「あぁ、待ってる、その時は実験でも何でも付き合ってやるよ」

 

 二人はこうして別れた、本来なら子供を実験の為に利用する事しかしない悪い大人である黒服は様々な打算はあれど己の目的のために行動しマコラに接触した、結果黒服が得られた物は何もなかったがそれでもこの行動には確かな意味があったのだ、諦観の体勢に入っていたマコラの心は誰にも理解される事はない、マコラは既にあの問答で自分が納得出来る答えを出せる奴は殆どいないとわかっている、それでも問いを投げるのは最後の希望だ、黒服は答える事はなかったがそれでもマコラがまだ他人に興味を示さなくなる最後の一歩を踏み留まらせたのも事実、とは言え崖っぷちなのに変わりはない。

 それが連邦生徒会が設立したシャーレという組織に新しく先生が配属される二年前の事であった。




マコラが秘めてる神秘=十種影法術

黒服はマコラの性能を全て理解している、なので九種の戦法も知っているし本人も知覚してない十種目の戦法も知ってる、だから引き込もうとした。

因みに黒服はまだホシノおじさんとは出会ってないです、あくまでまだ目を付けただけ、そしてホシノと出会う前にマコラに出会った為本人の心象がほんのちょっぴり変わりつつある、描写するかはさておき。

【最終決定】IF世界線のマコラ

  • アビドスIF
  • ゲヘナIF
  • トリニティIF
  • ミレニアムIF
  • アリウスIF
  • ゲマトリアIF
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