仮面ライダーディナイト〜ヤンデレストーカーの見聞録〜 作:鐘楼卿(ベル卿)ベルフェスティフ
次の日、寝坊をした私は特に急ぐこともなく歩いていた。
ガラッ!
「おはようございます」
「おはよう。遅刻だな。あとで反省文五枚だ」
「分かった」
そしてそのまま自分の席に着席する。
「「「…もうちょっと気にしないの⁉⁉」」」
「五月蠅い。先生が話す」
「「「お前のせいだがぁ⁉」」」
全く…五月蠅いことこの上ないな。
「さて、神代のせいで遅れたが…今日のヒーロー情報学はちょっと特殊だぞ」
ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…
教室でひそひそと話す声が上がる。
皆緊張し、中には抜き打ちテストの心配をする者もいるようだ。
「コードネーム、ヒーロー名の考案だ」
「「「胸膨らむヤツきたああああ!!」」」
皆が騒ぎ始めるが、先生がにらんだことで静まる。
「というのも先日話した"プロからのドラフト指名"に関係してくる。指名を本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2年、3年から……つまり今回来た"指名"は将来性に対する"興味"に近い。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくあることだ」
「大人は勝手だ!」
「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」
峰田は叫び、葉隠が冷静な意見を出す。
「そう。で、その指名結果がこれだ」
~~~
神代
6025件
轟
4375件
爆轟
4368件
八百万
1102件
飯田
301件
常闇
300件
上鳴
272件
切島
68件
麗日
20件
以下一桁。もしくは無し
~~~
「例年はもっとばらけるが…今回は三人。特に神代に偏った」
「神代ヤベーよ!!」
誰かが私が一人だけ突出していることに驚いて声を出す。
「ってか爆轟が一位とは言えこんな来るとは…性格終わってんのに…」
「だぁれの性格が終わってるだクソがッ!!」
「爆轟もまだ今はましになってきているから問題ないと思うぞ」
「神代さんは大量の姿を持っているから汎用性が評価されたんでしょうね」
「ってことはヴィランに対してしか使えない爆轟に来たのはかなり多いってことか!」
「ゥルセェ!!」
全員思い思いのことを喋りまくり、爆轟が叫んでそこからだんだんと落ち着いていく。
「これを踏まえ、指名の有無に関係なく職場体験に行ってもらう。プロの活動を実際に体験して、より実りある訓練にしようってこった。職場体験っつってもヒーロー社会に出ることには違いない。つまり、お前らにもヒーロー名が必要になってくる。まぁ、仮ではあるが適当なもんを付けたら――」
「地獄を見ちゃうよ!この時の名が世に認知されてそのままプロ名になってる人は多いからね!」
「ミッドナイト先生!!」
ミッドナイト先生が教室へ飛び込んできて、その瞬間に相澤先生が寝袋を出して寝る準備を開始する。
「まぁそういうことだ。その辺のセンスはミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」
そして相澤先生は寝袋のジッパーを閉じ始める。
「将来自分がどうなるのか。名をつけることでイメージが固まり、そこに近づいてく。それが"名は体を表す"ってことだ。"」
そして完全にジッパーが閉じられて、ミッドナイト先生がボードを配る。
が、私は受け取らずに、そのまま宣言する。
「先生。私は決まってるのでいりません」
「あらそう?でも名前はこれに書いて発表してもらうし…そうだ!もうあなただけ発表しちゃいましょうか!」
「分かりました」
そういって受け取ったボードに適当に私は【ディナイト】の名を書き込み、仮面ライダーと上に付け加える。
そして教卓の場所に行き、
「私は、仮面ライダー。ディナイトだ」
そういうと教室の空気が固まる。
「え、えーっと…それ、●●ヒーローとかにできない?」
「私はヒーローではない。仮面ライダーだ」
「過去の英霊たち*1にかけて、その名は捨てられない」
その言葉に覚悟を感じたのか、先生はそこからは特に質問せず認めてくれる。
そうして、私は自分の席に戻って微睡む。
ああ…昨日戦闘分析で夜更かしをしなければよかった…
そう、思いながら。
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