登板するのは11番   作:つきくん

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練習試合。何故か強豪加賀美高からの突然の申し出。蒼名達はチームとしてのまとまりがままならないまま整列した


2話 何km出てんだ?

 

「プレイボール!!」

 

先行は尺小高の攻撃。先頭バッターは3年生レフト市立、意気揚々と右バッターボックスにはいる。「お願いします!!」審判に深深と頭を下げ、バットを構える。

 

相手ピッチャー、紗良 亮二(さら りょうじ)1年、帽子を少し斜め深く被り、鋭い眼光が市立を睨む。ゆっくりと腕を大きく上げ、左足を真っ直ぐ伸ばし地面スレスレになるまで姿勢を低くして投げる。

 

「超変則低ポイント」

 

バッターから右腕が見にくいフォームで、軸足を極限まで低くして放たれるスリークォーター。急に現れた白球は、市立に向かって飛んで行った

 

市立「あ、当たるっ!!」 【キュルゥゥーーーッ!!!】

 

『ズバァーーーンッ!!』

 

市立に向かっていった球は、右に大きく曲がってミットに入る。

【138km】スライダー。尺小高一同は、スコアボードに叩き出された球速に驚きを隠せなかった

 

「な、なんだあの球?!クネクネしながらミットに行ったぞ!!」

 

ベンチの皆は度肝を抜かれていた。決して遊びに来たわけではないのだが、選手皆相手ピッチャーに、少し憧れを抱いていた

そして1番驚いていたのは間違いなく市立である。目を大きく開け、固まってしまった。打席から見たあの球は、まさに『刃物』のような切れ味の弾丸、市立は体感140km後半位に感じていた。

 

息つく間もなく、第2球目。また大きく振りかぶる…

 

 

 

 

ーーーアウト!!スリーアウト、チェンジッ

 

 

 

 

三者三振。圧巻のピッチングで、勢いは完全に持っていかれた。

特にまずかったのが、最後の一球。伸びのある145kmの直球でしとめられた…三球でしとめられた3人は、空いた口が塞がらなかった。

 

「何してんすか、早く守備位置着いてください」

 

だが、1人だけ…なんとも思っていない者がいた。ピッチャーグローブを着け、帽子を斜め深く被り、揺れる後ろ髪。そう…蒼名である。

 

市立「…蒼名のゆう通りじゃ!早く準備しろ!!」

 

一同「ッ!!は、はい!!!」

 

まだまだ三者三振は頭に残ってはいるが、1年に遅れを取っているのは死ぬほど嫌だと、負けず嫌いの集まりの二三年生。そして蒼名のあとを走っていく同級生…その背中を見つめていた山元 雫は、

後に「蒼名が光って見えた」の語った。

 

「すばぁーーーーん!!」

 

守川「うん、いいね!蒼名くん。」 シュッ…

 

蒼名「ふぅ、ありがと。」 パシッ…

 

守川(少し流しで投げて貰って感じたけど、余り球は速くない。変化球もなし、少しリードが難しいかな…)

 

後攻、加賀美高の攻撃は、1番 ピッチャー紗良くん…

 

ピッチャーで1番。相当やれるのだろうが、先制点を取られる訳には行かない。少し慎重な滑り出しにしようと守川は考えた

 

守川(まずは、初球…外高め…外す) コクッ…

 

蒼名(初球からボールは好きじゃないんだよな。)

 

腕を高く振り上げ、右足を高く振り上げ体を丸める。そしてオーバースローからふり放たれたストレートは、加賀美高ベンチの勢いを完全に殺した抑止力となった。

 

【ズバァーーーーーーンッ!!!】 キュルゥ…

 

 

守川「ぅ、え…なんだ?この球は!?」

 

紗良「…フフ、やっぱり蒼名は変わらないな…なんて。」

 

守川「え?なんか言った?」 「…」 守川「無視かよ」

 

少し遅れてスコアボードに乗った球速に全員が目を奪われた…

 

 

 

【128km】 ストレート

 

 

守川「ひゃ128しかでてないのか?今の球?!」

 

物凄い唸りをあげてミットに突き刺さった…

両チーム共々どれだけの速球か期待していたが、意外にも128km。

この球速は守川が体感した球速と釣り合わない数値。内野、紗良、守川、加賀美高ベンチ全員がどよめく中、外野だけが「何してんだよ」と言わんばかりに退屈そうにしている。

 

蒼名「もういっちょ…」

 

【ズバァーーーーンッ!!】【ズバァーーーーーンッ!!!】

 

「ストライーーク!スリーアウトチェンジッ」

 

結局誰一人として120kmだいの球に手が出なかった。三者三振である。強豪相手に三振を取っていった蒼名にチームメイトが群がる。

「お前すげーな!」「やるじゃねーかよ」流れがこちらにも来たみたいだ。これで攻撃が少しリラックスして打てるかもしれない。

 

加賀美高監督「…あれが例の球か?紗良…」

 

紗良「はい。昔から変わってませんね、球速も…︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎ノビ︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎も…」

 

そういうと紗良は帽子とグローブを手に取ってマウンドに向かった

監督は少しニヤけた。何回か紗良から蒼名の事を聞いていたからである。噂どうりのピッチャーであった…

 

その後、7回まで投手戦が続いた。紗良は全部三振で仕留め、蒼名は四つの凡退、一つヒットは打たれたものの、その後渾身のピッチングで抑える…試合は8回加賀美高の攻撃に動いた。

 

蒼名「はぁ…さすがにストレートだけはきついな。」

 

そう。紗良はストレート、スライダー、ツーシームの3つを投げ分けて、体力も温存できていた。しかし蒼名はストレートオンリー。流石に体力、精神共にキツくなっていた…

 

8回裏…ツーアウト 打順は紗良に回ってきた。

 

紗良(あの球は使いそうにないな。ストレートだけなら何とかなるね)

 

蒼名「…疲れたかな、いや!弱気はダメだ…」

 

守川もストレートだけじゃそろそろダメだと思い、審判にタイムをお願いした。守川が内野はいいとサインを出すと蒼名に近ずく。

 

守川「…変化球あるか?」 蒼名「…?!」

 

蒼名には心を読まれたかのように感じた。それと、もうストレートだけじゃ無理だと判断されたと同時に感じたのである。

 

蒼名「…ない」 守川「え!?ないのー?」

 

思わず大声で叫んでしまった守川は慌てて口元を塞ぐ。しかし蒼名は守川をギロリと睨む…

 

蒼名「…ひ、一つだけ…ある。」

 

守川がえ、なになに?と期待の眼差しで蒼名を見つめてくる。しかし今投げれる変化球はない。蒼名は少し考え、昔見た漫画の変化球を口に出した。

 

蒼名「だ、大リーグボール…」 守川「…は?」 「いや、嘘嘘冗談」

 

流石にこれはいけなかったか、もう少し投げれそうな変化球…あ、

と閃いた蒼名は守川の肩を叩きこう呟いた。

 

蒼名「…」 守川「…投げれんのか?」 コクッ

 

蒼名に投げれる変化球なのかと少し疑ったが、キャッチャーとして投手の球を受けるのが仕事。これ以上変化球はなさそうだったのでOKとサインをだし背を向ける。

 

バシッーーッ

 

守川「しまっていこぉーーー!!」

 

「プレイ!!」

 

蒼名「投げて見ないと分からないぜ、てか?」

 

蒼名が投球フォームに入ると紗良はバットを握る手に力を込める。

そして…

 

蒼名「これが、俺の︎︎ ︎︎ ︎︎"︎︎新しい︎︎ ︎︎ ︎︎‪”変化球だッ!!」

 

いきよい良く振り抜かれ放たれたホールは、迷いなくド真ん中に向かっていった。

 

紗良(…失球か、ここは確実に真に当てて長打にッ)

 

しかし何故かボールは目の前でピタリと止まり、シュート方向に曲がった。

 

紗良「こ、これは、まさか…!!」

 

守川「そう、変化球、シュートチェンジ。らしいぜ」

 

ボールが来ると思って振ったバットは空を切った。

ノーボールワンストライク、またも加賀美高ベンチをざわつかせた

 

思いもしなかった変化球。これでまた流れが変わったのだ!!

 

しかし、強豪の意地かプライドか、そう甘いものではなかった…

 

守川「よし、このまま押し切るぞ!!」

 

ズバァーーーッ!!と伸びのある直球。しかし、ボールはミットには入らなかった…「カキィーーーンッ!!」と豪快な金属バットの音が響き渡った。それは、待望の一発…そして、敗北の音であった。

 

1-0…

 

これが今回の練習試合の結果である。情報を見た他校の強豪高は、「なかなか相手チームも粘ったものだな。」と思うものの、結局は想定内…当たり前のことがが起きただけである。

 

 

 

ーーーその後ーーー

 

 

 

 

監督「皆さん、良くやりました…強豪相手にたったの1点差。」

 

監督がそういうとチームをそうだよなと皆の顔を見合って笑う。普通に考えればまとまりが無いのにも関わらずここまでやるのは流石に凄いね、俺たちは!!と…

少し笑いあったあと、監督がお食事会を開いてくれるそう。

皆大喜びで上下関係なくラーメン屋にワイワイと向かっていった。

 

一人を除いて…

 

その頃、蒼名は自宅に向かっている最中であった。

家は学校から少し遠く、最近見つけたショートカットを使って帰っている。いつもであればポケットに手を突っ込んで堂々と歩くのであるが、今回ばかりはショックが大きい。投手戦で負けるのがどれだけ悔しくて恥ずかしいかは、中学の時散々経験して来た。

しかし思っているのはそこでは無い…「紗良」という名前に何か引っかかるのであった。

 

その事ばかりうだうだと考えていたら、自宅のマンションに着いた。バックから鍵を取り出し、扉の鍵をガチャリと開ける。少し開けるのに苦戦したが、疲れが溜まっていてクラクラしながら家にはいった。

 

玄関に入ると、電気が既に着いていて、物音がした。もしかすると母さんが帰ってきたのかもしれないと淡い期待をしながらも「ただいま〜」と少し久しぶりに言うフレーズにふっと笑う…

 

しかし、そこに居たのは母ではなく今日対戦した相手監督が座っていた。

 

蒼名「…え?な、なんで監督さんが家に?もしかして副業で窃…」

 

「違う、とりあえず座ってくれ。」

 

いきなりの展開に困惑する。が、ピッチャーは顔に出しては行けないポリシーを貫くため、平然を装い椅子に座る。

 

「まずは名を名乗るべきかな…私は紗良 享樹。知っての通り監督をしているものだ。」

 

蒼名「紗良…紗良さん。え?」

 

少し疑問が浮かぶも冷静を装い、しかし紗良というワードにやはり驚く蒼名。そう、紗良監督は紗良亮二の父であり監督でもあった。

 

紗良「…話を続けさせてもらうよ。」

 

戸惑う蒼名の顔を見ながら、少し寂しそうな顔をする。蒼名が少し落ち着くまで間を開けてから話し始めた…

 

「実は、君のお母さん、家に帰ってこられてなかっただろう?」

 

蒼名「母さんのこと知ってるのか…?」

 

紗良「あぁ、そして…母さんが居る場所も。」

 

蒼名「え、ど、どういう…」

 

紗良が下を向くと何かを飲み込んで蒼名に伝えた。

 

紗良「…蒼名君、着いてきて欲しい場所があるんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー高速道路ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗良「…」 蒼名「…」

 

車に乗せられてはや40分が過ぎただろうか…一体どこに向かっているのやら…蒼名がふと車を外を眺める。外は既に暗く、綺麗な海と夜景だけが永遠と続いている。

 

蒼名「…」

 

紗良「君の横顔は、少しお母さんに似ているね。」

 

紗良さんの発言も耳に通らない。そのぐらい、考え込んでいる。

少しして、高速から抜けると「もう少しで着くよ。」といった、その通りで、だんだんデカイ建物が見えてきた。

 

紗良「ここだよ」

 

紗良が車を止める、そこは、有名な大手の「紗良グループ」が取り締まる岩手改心病院である。

 

「…着いてきてくれ」

 

 

 

 

 

 

ーーー病院内ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

中はしっかり消灯してあり、誰も居ない。暗い道を淡々と進んでいく紗良は、どこか不安げな歩き方をしていた。

 

エレベーターに乗ると、地下5階のボタンを押す。…ガタンッとゆっくり降りていく中で、紗良が思い切って口を開いた。

 

紗良「君のお母さんは、この病院に居るんだ。この病院の地下にね。」

 

蒼名は驚く事も泣くことも無く、ただ胸の鼓動が早まっている事だけで何かを感じ取っていた。それは家族特有のテレパシーなのか、それともただただ「何か」に恐れているだけなのか…

 

「…チンットトト」

 

スタスタと歩いていく、一本道を。その奥に一つ大きな扉がある。

胸の鼓動がさらに早まる…苦しく、辛いぐらいに

 

紗良「…君一人で入るんだ。」

 

蒼名は聞く耳を持たずにそのまま勢いよく扉を開けた。

そこには、大きなベットがガラス越しに見える…よく見るとそこには誰かが寝ている。あの人は母さんじゃない。

 

蒼名「…誰?あの人は。」

 

蒼名は半泣きになりながら、答えを待つ。しかし、この部屋には自分とガラス越しに一つ居るだけ。ベットのある部屋へと繋がる扉の隣にはネームプレートがある…そこには、

 

「蒼名」とだけ書かれてある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ホラーじゃないよ、続くし批判は要らないよ。

改善点、希望のキャラ追加。ストーリー的なあれなど…

  • 字が見にくい
  • 主要キャラ増やせ
  • 挿絵描いてくれ!!
  • 女の子増やせ
  • 男の娘だせ!
  • ストーリー変
  • 面白いよ
  • 面白くない
  • 他の小説書け!
  • アンチです。
  • ファンです。
  • これじゃなくて別の小説書け。
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