いや〜かっこいい。
*無事届いた。カッコいい
8話
ルルーシュは激怒した。いやルルーシュは頭を抱えていた。それは己の保身を優先するべきかアイや事務所の為の選択を取るためか。
昨夜のTwitterでドラマのバズり及び話題になったのと、それに出演した謎の可愛い脇役アイが界隈で人気になり一部の芸能関係から早速事務所にオファーなどの話が入ってきている。
それだけでなくアクアが電話をした相手、五反田監督がアクアのどういう才能を見抜いたのか分からないがある映画をアイと一緒に主演しないか?と誘ってきたそうだ。アクアは出るかどうかは悩んでるが、コイツもなんだかんだでアイの事が好きなのは分かってるから恐らく出演するだろう。
順調に事が運んでいた。俺も今朝制作会社に電話をし今回の事を話していた。相手もここまで話題になるとは思ってもいなかった様で一緒に手を組んで良かったと言っている。アイだけでなくそもそものドラマでも話題になっており向こうが最初に目論んでた主演女優のこともしっかりと話題になっており制作会社やあちらの事務所は満足のいく結果だ。誰も損はしていないのだ。
「ルルーシュさんのお話を聞き貴方の提案に乗って本当に良かった。」
「いえいえ、こちらも貴方達の協力がなければここまで話題にはならなかった。感謝します。」
これでこの制作会社と良い繋がりが出来た。アイがどんどん人気になっていけば行くほどアイの出演権をめぐり色々な放送局や制作会社が争うが、先に繋がりが出来たこの制作会社は争うことなく優遇措置を取ることが出来る。そういうのが大人の世界だ。
しかしこの関係にもデメリットは存在する。それは図々しくなる事があるという事だ。
「ルルーシュさん、君の手腕見込んで一つ頼みたい事がある。悪い話じゃないと思うが…。」
その話の内容は『ゲストの出演者とそのゲストの関係者と一緒に相談依頼主の学生と一つの企画をする。』というものだ。
例えば文化祭に学生とプロのアーティストで一緒にバンドを組んで生ライブをする。とかだ。そのスペシャル番組にアイをゲストとして依頼してるのだ。それだけなら何の問題もないが、問題はその関係者として俺に出演依頼をしたいらしい。
理由はいくつかあるらしい。1番は俺の手腕を見込み、面白い企画をアイと学生と一緒に作ってくれそうだから。それ以外では顔が整っててテレビ映えするからだそうだ。
俺は一度電話を切り、頭を抱える。
どうする?ゼロの時の様に仮面を被るか?確かに俺は事務員でありつつプロデューサーという肩書きだ。顔を隠しても良い。しかしそれでアイの評価がおかしくなるのではないか?折角アイの人気が上昇中だ。詰まらないことで流れを止める訳にはいかない。じゃあどうする?こういう時、咲世子がいれば簡単な変装術を教えてもらって変装が出来るんだが…モデルはそうだな、玉城かリヴァルにでもしとこうか。
いやそんな、たらればの事を考えてる場合じゃない。どうする?どうする?どうする?
俺は消沈した気持ちのまま制作会社へ電話をした。理由は先程の出演依頼を受けるためだ。
「ありがとう!いやぁ〜助かったよ!」
「こちらこそ、しかしアイに関しては問題ありませんが私に関しては出演に関して少しお願いを聞いてもらっても良いですか?」
────────
この僅かな期間でアイを中心に事務所が動き始めた。アイの仕事がどんどん増え多忙になった。俺も事務員の仕事をこなしつつプロデューサーの仕事、そしてアクアが近々アイと一緒に映画の出演をするということ。
悪い事じゃない。良い事だ。なのにどうして俺はこうも気持ちが沈んでいるのだろうか……。
某日俺とアイはとある学校に向かっている。理由はシンプル、スペシャル番組の撮影だからだ。今回依頼したのは中2の女子中生だが内容は『他の中学ではしないような学校行事を一度はやってみたい』というもの。まぁこの番組の内容上相談内容は大体似た様なものが多い。それ故に主演者に合わせたやり方で企画内容が決まっていくが、マンネリ化が進んでる。というのもアーティストなら生ライブ、お笑い芸人なら学生と漫才、アスリート選手ならちょっとした試合をする。などしか出来ないからだ。つまりはワンパターン化が進んでる。
そこで俺とアイの出番という事。アイはアイドルだが、クイズ番組やトーク番組で魅せる常人にはない魅力と俺の手腕を発揮してこの流れに終止符を打ってくれということ。
「わー!中学だよ、中学!へぇー。」
「お前学校行ってなかったのか?」
「んーそうだねー。私中学から芸能界入りしたし、それに私、あまり学校には馴染めなかったから。でも今は十分楽しんでるよー!」
そう言って変なステップでアイは進んで行く。ライブの時のステップ踏むのは上手いのに、こういう時は壊滅的に下手だな。
俺たちと撮影スタッフが校内に入り校長たちと打ち合わせ前の挨拶をする。
俺は少し溜息を吐き覚悟を決め撮影スタッフに例のモノを持ってくるように頼む。
「依頼主の学生に会う前に少し更衣室を借りても良いですか?」
「あ、はい。大丈夫ですよ。こちらです。」
「ありがとうございます。あの出来れば着替え終わるまで絶対に誰も入れさせないようにお願いします。」
「はい。分かりました。」
これで誰も入る事はないはずだ。しかしこの俺が会長やC.C.のくだらん悪戯に関係なくこれをしなくてはいけないとは…何という体たらく!
そう悪態を吐きながら慣れない服装に着替え始めた。
────────
着替え終わり更衣室から出て打ち合わせの為応接室へ向かう。本当なら撮影ギリギリのタイミングで着替えたかったがこういう時は最初からそういうキャラ付けとして印象に残してた方がいいだろう。俺の趣味なんかじゃなく、あくまで全体のためだ。
そうあれこれ自己満足の言い訳を作り中へ入る。
「あ、もう遅いよ!一体…何……え?……と誰さん……?」
「はぁ……俺だ、アイ。これは理由があってこういう服装をしてるのであって決してそういうのが趣味とかじゃないからな?」
「え…?もしかして、ルル!?プッ、あははははっ!えぇ!?何その格好、凄く綺麗なんですけど!」
「やめろ、恥ずかしい。」
そう俺は今女装をしてる。学校ということもありスザクがかつて男女逆転祭りで着てたセーラー服だ。
何故女装か?それは彼女達と最初に関わりを持つことになったきっかけである、議員とのチェスが原因だ。俺はあれで議員に顔を覚えられてる。議員だけじゃない、裏社会の賭チェスを見てた奴ら全員が俺の顔を見てる。そいつが今回のゴールデン番組で出演して見ろ。ネットや何かを通じて暴露されたら俺はともかくアイや事務所関係の皆が被害に遭う。
しかし制作会社の意向では俺の顔は映したい、というのを考えた結果『女装』という苦肉の策で行くしかないと思った。俺が恥辱に耐えるだけでそれで皆がwin-winになれるのなら俺はこの程度我慢してやる。
校長をはじめ依頼主であろう女子生徒も撮影スタッフ達も皆あまりの情報量の多さに頭が追いついてないようだ。それもそうだ、校長やスタッフ達はアイのプロデューサーが少し席を外したかと思えばいきなりセーラー服を着た美しい人が入ってきて少し見惚れてたが声を聞くと凄く低く力強い声でアイと話すのだから。男→美女!?→女装!?って2段階モーションで驚いてしまう。
女子中生は元々の彼の姿を知らないから美女が来たかと思えば完成度の高い女装をした男性だったと。
少しでも流れを変えたく俺は一度咳払いをし話を始める。
「改めて俺はアイのプロデューサー、ルルーシュ・ランペルージだ。が、今回はそうだな、ルル子でいかせて貰う。よろしく。」
「はーい、じゃあ私はそのルル子がプロデュースしてるアイです!よろしくお願いします♪」
「あ、あぁ、私はこの学校の校長とこの子が今回の依頼主であります、えとプライバシーの保護の為失礼ながら匿名で紹介させて頂きますMEMさんです。」
「初めまして、依頼主の中学2年のMEMです。よろしくお願いします。」
この時限りの出会いだと思っていた。
がまさか12年後に再びめぐり逢うことになるとはこの時誰も思わなかっただろう。
何も考えず当初はMEMを高2の設定で書いてたけど設定矛盾に気づいて、強引に中2にしました。
Liellaの名古屋ライブ良かった。