11話からアニメストーリーに進むと思うので…
学校中の皆は全校集会の後、心が浮ついていた。
それもそうだ。この学校に最近ドラマで人気に火がついたアイドル『B小町』のセンター、アイが来て、しかもなんかイベントをやるのだから。
しかしそれだけじゃない。アイとMEMが計画したこの『ラブ・アタック』がそれを後押ししてた。
「えと、このラブ・アタックは男性はこの青のハートの帽子、女性はこの赤のハートの帽子を被って下さい。えと、そして好きな人の帽子を奪って被ると最低1週間強制的にカップルになります!」
「そしてー!私アイの帽子を奪った人は、その人の所属してる部費を10倍に増やすのと、最後に私とのツーショット写真を撮りまーす!」
うぉぉぉぉぉ!!!きゃーーーーーーーっ!
という感じで、思春期で恋人が出来るチャンスとアイドル『アイ』とのツーショットと部費が増えるチャンスでそれぞれの思惑があり浮ついてるのだ。
────────
今回のイベントで俺はとある一室で耳にインカムを付けモニターを見つめてる。
俺が参加?んなバカな。女装したやつを捕まえたい奴がいる訳ない。つまり参加する必要はない。
なら俺は何をするかというと、
「アイ、声は聞こえてるか?」
「うん、聞こえてるよー!ちゃんと私が捕まらないようにナビゲートしてね?写真撮るなら私はアクアとルビーか、ルルーシュとじゃないと嫌だしー♪」
「なっ…俺を揶揄うのはよせ。もうすぐ始まる。準備しとけ。」
「ふふっ、はーい!」
という形で俺はアイをインカムを通じてサポートすることにした。
理由はなぜか?幾つかあるが教員達からの要望が強かったのが大きいだろう。というのもアイがステージ前で発表した内容のうち、部費を10倍に増やすとアイが言っていたが、あれは教員達には知らされてない。
当然教員達は慌てる。部費10倍はどういうことか!?そんなのは無理だ。と、部費増額なんてそもそもないと訂正してみろ。暴動が起きかねない。ならばどうするか?
アイを何がなんでも捕まらせない、という方法しかない。そこで俺が名乗り出た。俺ならばアイを捕まえらせることはしないと。それでこの一室を借りてる。教員達にカメラを装着することで監視カメラの役割を果たしてもらうようにしてる。
フフフッ、これで俺の走らない、参加しなくて済む作戦が上手くいった。上手くアイを焚き付けることが出来てよかった。
────────
イベントが始まり数十分経過したがイベントは今のところ大盛り上がり。好きな人の帽子を取るために走って取ろうとする人もいれば背後から隙をついて取ろうとする者。様々だが決して好きな人のために帽子を取ろうとする者しかいないとは限らない。
そう、青春を恋愛だけじゃなく部活に捧げてる人だっている。部活の予算が増えればそれだけで環境が変わる。良い道具や場合によっては良い外部コーチを招き入れることだって出来るかもしれない。
高校を部活の特待生として行きたい学生は同じ志を持つ同志を見つけ部活毎にチームを組んでアイを捕まえようとあの手この手の作戦でアイを見つけようとするが中々巡り会わない。
「よし、アイはこのまま校舎に入り2-2の教室に入れ、今なら誰もいない。休めるうちに休め。」
「はーい!ありがと♪────にしても皆凄いよー!?まるでうさぎを見つけた狼みたいで。」
「貴重な体験だからな、楽しいだろ?」
「ふふふっ、まぁそうかもね?」
にしてもあの時校舎内を一周歩いて確認してよかった。あのおかげで校舎内の全体像の把握が出来た。
しかしまだ始まって数十分、このままだとアイの体力を考えると場合によっては捕まるか。
今は上手いこと極力出会わないようにしてるがそれも時間の問題。そろそろ作戦を第二段階に移行するか。アイを狙って探してる奴らもそろそろ痺れを焦らす頃か。
「アイ作戦を第二段階へ移行する。俺のいるところへ来い。」
「了解!なんか今のやり取りドラマみたいでワクワクするんだけど!」
「いいから周りに気をつけながら来い。」
────────
少しするとアイがやってきた。そこまで相手に追われたりしないよう誘導はしてきたが、緊張もあるのだろう。予想以上に疲れが溜まってるようだ。
そこで俺は用意していたものを手渡した。アイはそれを見ても意味が分からなかったようで口に出す。
「えと、コレでどうしたらいいのかな?」
「ん?計略だよ。」
「計略…?」
「あぁ。まぁみてろ。」
俺は教員の1人に連絡をする。
「…俺だ。あぁ、作戦を第2フェイズに移行する。教員達も準備を頼む。」
アイは何の事だか分からないという形だったが少しずつ分かっていくことになる。
少し待つと放送のアナウンスが鳴る。
『えー、沢山の生徒たちからアイさんが見つからないという声を頂いた為、今からアイさんには黒い仮面の騎士のような格好に着替えて貰いました。皆さん、黒い仮面の騎士です。以上で放送を終わります。皆さん頑張って。』
「えっと、黒い仮面の騎士ってこれのこと…?」
そう、俺がアイに渡したのは先程放送で伝えていたものだ。俺がアイの問いに答えると
「それだと余計に見つかっちゃうじゃん!流石の私も残りの時間を考えると捕まっちゃうよー!」
そうだ、放送でアイの衣装が変わりかなり目立つ服装になった。それにより遠くにいる相手でも衣装で見てアイかどうかの判断が容易になった。アイが言っていたように捕まるリスクは高まった。
だから私の勝ちだ。
────────
だけどなかなか見つからない。服装も私たちの制服と一緒にしたからなのか、目立たないようにしてるのかわからないけどアイを目当てにしてる人は苦戦してる。
そんな状態を先生達も察して先程の放送をしたのだろうか。
『黒い仮面の騎士』…アイさんをその格好に着替えさせた。これにより遠くから見てもかなり目立つため見つけやすくなった。
そんな時1人の男子生徒が大きな声をあげて言ってきた。
「アイを見つけたぞー!皆ー!こっちだ!」
皆その声を聞き私を含め皆が黒い仮面の騎士こと彼女を追いかける。
まるで怪人二十面相を追いかける警察官みたい。
私たちは人海戦術で彼女の周りを囲い込むことに成功して後は仮面をとり帽子を奪うだけ。
実は、あれから部活目的でアイをゲットしたい人たち同士が集まり、協力した部活動は10倍の部費から何%か分けよう。と話をしていたらしい。でないと見つからない上に帽子をゲットなんて出来ないからだ。
皆少しずつ囲いを徐々に狭めて追い詰めていく。仮面の騎士ことアイも周りをキョロキョロして一瞬の隙を狙おうと考えてるが流石に20人以上いる人数だ。無理がある。
そして最初に大声をあげた男子生徒が今だ!という言葉で皆が一斉に詰め寄りその男子生徒が仮面を取った。
するとその場にいた皆が驚愕の表情を浮かべた。
そう、仮面を取るとそこには女性の教員だったのだ。
「せ、先生!?なんで先生が黒い仮面の騎士の格好してるんですか!?その格好はアイじゃないんですか!?」
生徒の1人が質問すると捕まった教員は答える。
「黒い仮面の騎士と言ってもアイと私の仮面の形は違うわよ?そしてこの格好をしてるのは私だけじゃないからね?皆頑張って探してね?」
確かに放送では『黒い仮面の騎士』との情報を聴いていたが、それがどんな格好でどんな形の仮面なのかは分からない。皆それぞれのイメージを持つだろうし、言葉だけの情報で探してる中で目の前にそれらしき人がいたのなら人は思わずこの人がそうだ、と思い込む。
「そもそもですけど…先生ってこのイベント参加してたんですか?」
「ええ、一応。」
「え…嘘…そんなの最初のルール説明の時言ってないじゃん!」
確かに最初のルール説明の時は言ってない。確かルール説明の時は
『このラブ・アタックは
だったはず。
ん?何か違和感がある。普通生徒を対象にしてたらこう言うのでは…?“男子生徒”“女子生徒”って。
それが男性、女性って言い方をしてたのは生徒だけじゃなく先生達も対象だったから…?
最初から対象に含まれてたから言う必要もないってこと…?単に私たちが勝手に思い込みをしてたということ…?
────────
先程の出来事があってからそれが生徒中に拡散されてよりアイを見つけ捕まえる事が難しくなった。どの黒仮面がアイなのか分からない。最初に捕まった仮面が女性の教員だったが、男性の教員もいる可能性だってある。アイは背丈は低いから男性との判別くらい分かるんじゃないか?と思うだろうが仮面の頭頂部あたりが装飾してたり靴も厚底してたりと身長を誤魔化す小細工…いや小さな工夫をしてるのだ。
くぅ〜〜〜アイさんどこ〜〜〜〜!?
────────
『残り時間10分だ。体力は問題ないか?』
『うん!大丈夫だよー!ルルの作戦のおかげで!』
『そうか、ならこれより作戦を最終局面に移行。───余程なことがない限り俺は指示を出さん。アイ、あとは自由に楽しめ。仮面を取っても構わん。ちょっとした学生イベントを楽しめ。』
『え…良いの…?』
『あぁ。捕まりそうとかそういう危ない時は指示を出す。が、複数人いる仮面の騎士がいるおかげで生徒が分散されてる。問題はないだろう。』
『……分かった!じゃあ捕まらないように後は自由にするね!』
そういって彼女は自由に走り出した。
────────
楽しい。なんで楽しいんだろう。“学校”という場所にいながら非日常なことをしてるからだろうか。
それとも…彼が学生の頃してたことを今自分も“同じ”体験をしてるから…?
…わかんないや。
さて私は残り少ない時間をどう楽しもうかな。
楽しむ…そういえば私は楽しいけど、皆は楽しめてるのかな?楽しいって何だろう…?勝負に勝てば楽しいのかな?じゃあ負ければ楽しくないの?
違う。負ければ悔しいけど楽しくない訳じゃない。
その場に、そのゲームに参加していないのが楽しくないと思う。
先生たちも参加してる。生徒たち皆も参加してる…。
あ…そういえば1人いた。
最初から参加する気はないのは分かるけど、それは『皆が主役になれるイベント』に反すると思った。
なら直前に会いに行って帽子を奪おう。そっちの方が番組としても良い撮れ高になれるだろうしね。きっと彼はイベントの成功を確信してイスにふんぞり返ってるだろうから、驚いた顔を見れるかと思うとワクワクするっ‼︎
「ねぇルル、あと残り何分で終わる?」
「残り5分だ。そこからだと中庭に行けば人は少ない。」
「分かったー!ありがとう!」
残り5分なら今から彼のところに行こう。
────────
本当ならこっそり行って脅かしてやろう、って思ったけど、よくよく考えると現在位置が分かるようにしてたから今私がどこにいるのかバレバレだったことを思い出した為脅かすサプライズは白紙になった。
それなら堂々と会いに行こうと思い彼のいる教室に向かい引き戸をスライドする。
「ん?どうしたアイ?中庭に向かうんじゃないのか?」
「うん、私大事な事を思い出してね。それを伝えようと思って。」
「大事なこと?」
「そ、何だと思う?」
────────
「そ、何だと思う?」
そう言われ俺は考える。大事な事…伝える…。
物事を大きく考えて人生において大事な事って何だろう、仕事、健康や病気、恋愛、友人関係だろうか。その中で今ここで言うと言う事をふまえると、仕事か身体に関することだろうか。だがその先が推測出来ない。
「さぁ、そこまでは…。仕事の事?」
「まぁ仕事といえば仕事の事だね。あのね…今回の企画で彼女が言ってた依頼を思い出してね、MEMさん“皆が主役になれるイベントがしたい“って、でも1人その中に入ってない人がいたなーって。」
そう言って彼女が歩を進めて行き俺の前に来る。
何か嫌な予感がする。
「俺は十分このイベントを楽しんでる。アイや教師陣を指揮し参加していたからな。」
俺はその中に入ってない1人ではないということをアイにアピールした。そうしないとコイツが何か企んでることに巻き込まれると思ったからだ。
しかし彼女は既に”オレ“という相手に何かをするのは決めていたそうで既に俺は手遅れだった。
よいしょ
そんな感じで彼女は俺の帽子を奪い自分の頭に被り始めた。
「ふふっ、これで写真の撮る相手はルルと2人きりで良いんだよね?」
「はぁ!?何を言ってる?おい帽子を返せ。」
「それは出来ないよー!だってもう時間切れなんだしー!」
何ィ!?急いで時計を確認する。時計の針は確かに終了の刻を刻んでいた。
コイツに振り回されてる感じが癪にさわるが、番組的には彼女が誰かの帽子を取る、取られるというのはまぁ悪くないのか?それにアッシュフォード学園と違ってカップルになる訳ではない。ただ写真を撮るだけ。
ならこの結果はまぁ許しても良いのかもしれない。
「はぁ…まぁ写真撮るだけだしな、さっさと撮るぞ。」
「あー!それはちょっと待って、どうせなら私が撮りたいって思った時で良い?」
「保留にしてくれと?…分かった。」
ついでにそのまま保留してたのを忘れてくれ。
そう切に願う。
今回のイベントを含め番組の企画としては悪くなく上出来だったとのこと。
今までにないイベント内容に加え某ハンターが追いかけてくるような観ていてワクワクドキドキする展開は好評とのこと。それに皆が主役なだけあって部活の為、推しの為にアイを追いかける人もいれば好きな人の帽子を奪うという各々のドラマ性があった。
アイは俺の帽子を取ったが、皆には帽子を取ったことを隠してる。故にイベント閉会の挨拶の際はそう学校全体に伝えてる。
最後に今回の相談者のMEMを中心に俺とアイが挟み先生や生徒たち皆で写真を取り今回のイベントが幕を閉じた。
────────
本当に楽しかった。結局アイの帽子を取ることは出来なかったけど一緒にイベントを楽しめたこの事実が大事。
もう中学生生活に悔いはない。いや私の学生生活に…かな。
高校行きたくても家族のことを考えると最悪中卒で働かないとだね…。
また会えるかな…?
関係ない話やけど
尖閣諸島などを擬人化した作品かくのもおもろそうだなと勝手に思ってました。
尖閣ちゃん・
日本くん(顔が幼く優しい)
中国くん(背が大きく細目でワガママなやつ。)←花男で言う道明寺
これの恋愛小説書くのも悪くないな。
*F1日本GPが先日終わりました。レッドブルコンストチャンピオンおめでとう。
角田の予選の走りは素晴らしかったです。