推しの子-芸能のルルーシュ-   作:我来也

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 アイは生きててほしいというリクエストが多かったから
ちゃんと生かしたぞ。(無事とは言ってない。)


感想ありがとう。評価もよろしく。

映画グランツーリスモの唯一の納得行かないところはラストのLeMans サルトサーキットが舞台なのになんでちょこちょこハンガリーのハンガロリンクを使用してたのか。


14話

 俺たちはあれから月日が経ち中学3年になっていた。朝ミヤコさんが作ってくれた朝食を頂き、制服に着替えルビーと一緒に登校する。その時必ず玄関前にあるアイの写真に行ってきますの挨拶をするのが日課になってる。

 俺たちは()ルビーとミヤコさんの3人で暮らしてる。元々はこの3人に加えルルーシュの4人で暮らしていたが、去年何も言わずに突然姿を消した。ミヤコさんに聞くと「()()()()()()()。」との事。こう、どうして周りの男は姿を消すのか。ルルーシュが居なくなってルビーは凄く落ち込んでいた。特別ルビーとルルーシュは仲が良かったという訳ではない。ただ彼の作る料理を楽しみにしてたり裁縫なんかを楽しんでいた。傷心してた心の中で数少ない心の癒しの1つだったのだろうし、何よりこれ以上身近の人がいなくなって欲しくなかったのだ。

 

 そろそろ高校受験が始まる、ルビーは自分の夢、アイの望みを叶える為、ミヤコさんに強く訴えた結果、無事苺プロでアイドル活動を再開し、ルビーは苺プロへ所属する事が決まった。

 俺はルルーシュがいない今、放課後や休みの日には監督の家にお邪魔し動画編集の手伝いをしてる。

 最初は役者の道を目指していたが、いざその道を少し進むと自分の才能の無さを実感した。だから今は動画編集や裏方の方に力を入れ芸能界に関わるチャンスを窺ってる。

 気持ち的に芸能界に片足を突っ込んでるからこそ少し分かる。あの男、ルルーシュのプロデューサーとしての凄さが。他の事務所のプロデューサーを見てきたが、プロデューサーが推す当時のアイと同等の認知度のタレントが、あの時のドラマや映画の時のように売れるまでどんだけ月日が掛かってるのか、どれだけ出演してきたか。アイツはそれを僅か1、2回で達成したのだ。しかも何度も思うが事務所の事務作業に俺たちの食事を作り、他の芸能関係者と繋がりを作るためのコネ作り。更にそれらの時間の合間で将棋やチェスの大会に参加…。化け物か、アイツ。体力や運動神経、力仕事は全然ダメだと聞いていたが体力がないは絶対嘘だ。仮に本当だとしたら、相当な覚悟や胆力が必要だ。それ程アイの何かに魅入られてたのだろうか。

 

 

 私立陽東高等学校、ここは日本でも数少ない芸能科のある学校。でも誰でも入れる訳ではなく、芸能事務所に所属している証明書が必要となってくる。

 ルビーは先日苺プロに所属した。俺もまだ苺プロに所属はしてるが芸能科に入る事はせずそのまま一般科を受験した。

 

「どうだった…?」

「多分平気…。そっちは?」

「問題ない、万が一弾かれるとしたら名前のせいだろうな。」

「あははっ!確かに本名アクアマリンだもんね、ルルとかならまだ良かったのにね。」

 

 その時俺たちを横切った女の子が、立ち止まり振り返り尋ねてくる。

 

「アクアマリン…ルル…。アクア!星野アクア!あなた、星野アクア!?」

 

 赤いショートヘアの女子生徒は俺のことを良く知ってるようだったが思い出せない。するとルビーが何かを思い出したようで俺に教えてくれた。曰く”重曹を舐める天才子役“いや訂正して”10秒で泣ける天才子役“。以前映画で共演した女の子だ。確か“有馬かな”だったか。

 すると彼女が俺に向かって近付いてきて、俺の肩に手を添えて言ってきた。

 

「良かった…あなたもあの人もずっと辞めちゃったのかと…。────会えて良かった。」

 

 あの人…それはきっとルルーシュ、彼の事なのだろう。共演後何か色々あって有馬に気に入られたとかで彼女の撮影の時も一緒に同行してたとか。

 だけどアイの死後皆変わった。それはルルーシュも例外ではない。あれから今まで以上にパソコンで何やら作業をしてる事が増えていた。

 そして去年のある日アイツは何も言わずに突然消えた。俺たちを見捨てたのならそれはそれで構わない。だけどせめてルビーには一言何か言って欲しかった。そういえばアイツが消えた日は確か…

 

「そういえば今日だったな…。」

「うん…。そうだね、今日で1年経っちゃったね。どこにいるんだろうね…。」

「え?何?何の話?」

「あの人、ルルーシュが私たちから姿を消して丁度1年経つの。」

「……そっか、そうなんだね…。」

 

 その表情は哀しく寂しいものだった。まるで何と無く分かっていたけど、でもそれでも何かに期待して、でもやっぱり分かっていた…。そんな感じ。

 

「やっぱりそっちにも何も伝えてないっぽいな。」

「うん…。────それよりも入るの!?うちの芸能科!」

 

 有馬が場の雰囲気を変える為、話を変えて尋ねてきた。めちゃくちゃ期待してるかのような声色だが申し訳ない。

 

「いや…一般科受けた。」

「なんでよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 あれから1年経つ。俺はあるモノを見つける為1人で旅を続けてる。あるモノ、それは古い神殿や遺跡を探してる。それもギアスに関するものだ。

 順を追って説明しよう。アイが殺されかけ病院で治療中だったが、実はあれから6年後、アクア達が小3年の頃目を醒ましたという連絡を病院から受けた。まずは容態を確認するため社長やミヤコさんに連絡せず、俺だけ向かった。

 だが結果は『解離性障害』と診断された。だが厳密には何とも言えず、この精神疾患に1番近い為この診断をしたという形だ。

 彼女はまるで心ここに在らずという感じで話しかけてもまるで聞こえてないようでこちらに気づく素振りすらみせない。更に突然フラッシュバックが起きたかのような反応を見せパニックになったりしてる。過酷な記憶や感情を突然思い出したり、何かでストレスを与えると思い出してるようだった。

 これではまるで生き地獄を味あわせてるだけじゃないか。

 

 何とかしないといけない。何年掛かっても良いと思い何年も辛抱強くアイと一緒に頑張ってきた。

 何年も何年も何年も…。だが4年経っても思った改善はみられなかった。逆に言うとそれくらい彼女にとってあの事件はとても強かったという事。

 これでは今後も改善する見込みはないと判断し考える。ふとある出来事を思い出す。それはあの時、C.C.が一度記憶を失い奴隷の頃の少女に戻った時だ。あれも強い刺激がC.C.に起きたことで発症した。だが何がきっかけで記憶が戻った…?確かCの世界に干渉した時だったはず。

 

 Cの世界、それは過去、現在、未来、すべての意識の集合体。もしかするとアイの意識はそちらにあるかもしれない。アイはまだ生きている。ユフィの時とは違い死んだ人と会う訳じゃない。生きている彼女をこちらに呼び戻すんだ。

 この世界にギアスはない。いや正式にはギアスを確認出来ていない。確かにかつて居た世界と異なる世界だが、全てが違うわけではない。地名や統治してる国が異なるだけで根本的な地形は同じ。

 もしかしたら古い神殿や遺跡を探ればギアスに関するモノでCの世界に干渉できるかもしれない。それならそこにアイを連れていけばアイの精神は元に戻るかもしれない。

 無謀で愚かだと思うだろう。だが今はこの考えに、この可能性に賭けるしか無い。そう思い俺は社長とミヤコさんに連絡してこの場所を去った。

 

 それから俺は一番近くそして最も可能性を感じる場所、小笠原諸島の式根島の近くにある、とある島にやってきた。この島に名前はないがあの世界では“神根島”と呼ばれてた場所だ。

 気候も島の雰囲気もあちらと同じ、もしかしたらあるかもしれない。そう期待する気持ちをなんとか抑え島中探した。

 

 だがこの島に神殿はなかった。島を移動して島民にも聞いた、この小笠原諸島のどこかに神殿や遺跡はありませんか?と。すると北硫黄島に“石野遺跡”と呼ばれるものはあるとの情報を得たが、島自体が自衛隊の所有してるものになっており原則禁足地となってる。

 ならこの場所にもう用はないと思い、ネットや図書館で遺跡や神殿に関する物を調べ尽くし、そこから分析し幾つかの候補を決め世界へ渡った。偽装パスポートを作り、入国審査の際にギアスでこのパスポートを本物と思わせるようにかけた。

 なぜ少し手間をかけさせるような事をしたのか、理由はその掛け方の方が偽装パスポートを見せる度にギアスが発動し何度も突破出来るからだ。もしこの国にギアスの遺跡があればアイと再び訪れる必要がある。直接そいつにギアスを掛けてしまえばその時限りしか使えない。

 だから偽装パスポートを作った。

 

 俺はアメリカ、イギリス、ギリシャ、中国、エジプト、トルコ、色々渡った。

 そしてもう時期1年経とうとしてる今日俺はパキスタン周辺のところにきた。ここはあちらの世界では確か“ジルクスタン”と呼ばれる戦士の国で軍事産業が有名だった場所だ。

 このパキスタンの地下水脈が通ってる場所のどこかにかつて神殿だった場所があるのを掴んだ。

 ここで8ヶ所目、ここがダメならあと残す場所はチリとイスラエル。の2カ国だ。そこで一旦区切りをつけて別の方法を探しつつ地道に治療をしていこう。

 

 俺はパキスタンの神殿を探す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 あの後俺は監督の家に用事があった為ルビーと別れの挨拶を済ませたが有馬がしつこく絡んできた為結局一緒に監督の家にお邪魔する事になった。

 監督は久々見る有馬に見ないうちに大きくなったな。とまるで保護者のような気持ちで答えていた。

 いつもの流れで食事をする事になったが有馬も一緒に頂くことになった。その際有馬からとある作品の役者をやらないか?という話が出た。

 俺は演技の才能はない。昔の映像なんか黒歴史過ぎて誰にも見せたくないレベルだ。

 だがそんな中、有馬から興味深い人物の名前が出てきた。それは“鏑木勝也”というプロデューサーの名前。

 

 アイの残した携帯端末は幾つかある。だがアイの死後ルルーシュが全部回収していた。おそらく理由はsnsの書き込みを俺たちに見させない為だと思う。俺たちが良く携帯を使っていたのを知っていたからだ。

 だからアイの死後から1年経ったのち、Wi-Fiは使わないという条件付きで携帯を使う許可が出た。つまりオフライン環境でなら使っていいよ。という誰得だった。

 だが俺としてはありがたかった。俺はアイの携帯端末を調べていたが通信ログは同僚や事務所関係者しかなく思った成果はなかった。というよりアイは抜けているようで思った以上に用心深かった。

 だが問題はもう一つの端末だ。それはアイが妊娠する前から使用していたスマホだ。バッテリーがすでにダメになってるだろう古いタイプだったが何故か普通に電源が入った。お陰でバッテリーを探す手間が省けパスワード突破に時間を費やす事ができた。

 

 俺は4年という時間をかけてようやくパスワードと突破しログや連絡先を調べた。だがログは既に残ってなく10数件の連絡先が入っており、その中の1人が“鏑木勝也”なのだ。

 

 ようやくアイを知る人から情報を得られる。ようやく本格的に芸能界に関われる。このチャンスを何としてでも無駄にする訳にはいかない。そう思い有馬が何か言ってたけど、そんなのは気にせず有馬の誘いに乗る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「もしもし、俺だ。何があった?」

「──────────── 」

「ふむ、そうか。こっちも目処はたった。これからそちらに一度戻る予定だ。」

「──────────── 」

「あぁ、分かった。なら場所の詳細を教えてくれ。直接現場に向かう。フッ、感動の再会になるかな?アクア、有馬。」




アクアがアイの残した携帯端末の話。アニメではガラケーだったが、マンガでは古いスマホとなってます。

話を確認する時にアニメだったりマンガだったりしてたけど、今回マンガで確認してた為古いスマホになってます。
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