本当はいくつか話数のストックをつくってから投稿していく予定でしたが、あまり進んでいないのと期間が空きすぎるのもなんだかなぁと思って一旦投稿します。
関係ない話ですが、書くこと自体はやめておらず、BanGDream×のだめの二次創作を少し書いてたりしてました。
伊井野ミコという小島の上司なる人物なら、もしかしたら特別に見せてくれるかもしれない。そう小島が言ってきた。
「その伊井野という人と連絡を取って会う事はできないか?」
「えぇ、少しお待ち下さい。」
小島は席を離れていき伊井野をこちらに呼びに向かった。
伊井野ミコ、名前から察するに女性であり堅実そうな小島の上司である事から、彼女も真面目な性格のはず。それならば部外者に資料を見せるような事はしないのでは…?それなのに彼女なら特別に見せてもらえるかも知れないと言ってきた。という事は規律を重んじるより感情の訴えに弱いのか?
ふと考え込んでるうちに「お待たせしました」と小島と1人の女性が入ってきた。
「紹介します。こちら伊井野ミコ巡査部長です。で、こちらが黒川あかねさんとアッシュフォード探偵事務所のルルーシュ・ランペルージさんです。」
「初めまして、ご紹介に
「いえ、それよりご用件を伺ってもよろしいですか?」
「はい、ご用件というのは…」
先日黒川の起きた自殺未遂事件のこと、そしてその時に感じた違和感、それらを確認するために過去の出演者の自殺の詳細(情報)を知りたい事を伝えた。
「無理ですっ!!幾ら探偵でも外部の人に事件の捜査情報を漏らす訳にはいきません!」
帰ってきた返答は、まぁある程度予想してたものだ。だが小島が言ってたようにこの伊井野ミコなら捜査資料を見る事ができるかもしれない。
「だったら、どうしたら特別に見せてもらうことができる?
お金で解決出来るなら幾らでも渡すつもりだ。俺が本気で資金稼ぎに集中すれば数日あれば一生暮らしていけるだけの金なんて手に入れられる。
だがおそらく彼女はそういう人じゃない。だから何でも良い、どうにかして交渉できる材料が欲しい。
「この捜査が終わった後、機密情報を盗んだ罪として捕まえたって良い。俺もそのくらいの覚悟はしてる。だが、この問題をしっかり解決しないと未来の役者の命を殺してしまうんだ。俺は役者の、芸能界の未来の為にっ…頼むっ…!」
「……っ!」
つい伊井野との距離を詰めて言う。側から見れば距離を詰め強迫してるようにみえるだろう。
実際俺は伊井野との物理的距離を詰めている。俺らしくもない完全に勢いで伊井野に根負けしてもらうしかない。
「……ちょっと、だけですよ…?」
「お…本当か?」
「はい…!」
────────
押しに弱い伊井野を無事丸め込めることができた俺たちはとある1冊のファイルを伊井野から渡された。
「これがあなた達が求めてる資料よ。」
それは通常の自殺ならそこまで分厚くはならないだろう、びっしり丸々使われてる1冊のファイルだ。
なぜこんなに分厚いんだ?と思ってると、そんな考えを予想してたのか伊井野が話し始める。
「開けてみれば判るわ。自殺として処理してるけど、本当は何かしら関係性のある事件なんじゃないかなって。それに、ちょっと奇妙な死に方をしてるし…。だからいくつもある捜査資料をその1冊にまとめてるの。」
どういう事かと思いそのファイルを開けてみる。
死体や現場の写真、そして事件のあった現場の見取り図、様々な情報が記載されてる。
だが誰しもがその捜査資料を開くと興味深い写真に目がいくだろう。
それは…
「ダイイング・メッセージと…これはなんだ?」
それは亡くなった死体の人差し指の先に『killer』と書かれた血の血痕が残されていたこと。それと亡くなった人たちは揃って顔が火傷か自分で引っ掻いたのか顔の判別が正直分からない状態だった。
それでも身元を特定出来たのはDNA検査か何かをしたからだろう。
そして驚くことに、そのダイイング・メッセージは他の亡くなった方々にも同様に書かれてる。
一連の事件の最後の方は頭が悪かったのだろうか平仮名で『キラア』と書かれてる。
「このダイイング・メッセージについて君たち警察の最終的な結論は何だ?犯人の犯行なのか、それともこの子たちが自分の意志で書いたのか?」
「亡くなった方の身体や衣服類に犯人の指紋や付着物を探したけどそれらしい物はなかった。だからこれは犯人が書いたという線は低いわ。」
限りなく低い。だが完全に犯人の犯行を捨てたわけじゃないか…。確かにそうだ。犯人の犯行じゃなかったら何で亡くなったコイツらが揃いも揃って同じメッセージを書く?
仮に本当に自殺だとしたらちゃんとした遺言くらい書けば良いはずだ。
だがそれをしなかったということは出来る状況じゃなかったということ。
つまり、この顔の状態は死ぬ前に既にこの状態に近く遺言を書けるだけの文章は書けなかったということ。
「ただ、私たちなりにこれが殺害事件だとして捜査しても犯人や犯行の糸口が掴めませんでした。ダイイング・メッセージがあったとしても、それを無視すればただの自殺でしかないので、そう処理しました。悔しいですが…」
確かにこの捜査資料から見てもそう思う。
だがこれは他殺だ。俺の勘がそう訴えてる。
「これは鑑識に回したのか?結果は?」
「死因はそれぞれだけど、飛び降り自殺や消化性潰瘍等に使われる薬を大量接種や、毒が殆どです。」
「一個一個確認話を聞いて確認するとするか。担当した鑑識の先生の所在ってわかりますか?」
────────
捜査資料のコピーを取り俺達は一度署を出た。本来ならコピーや写真を撮って保存など言語道断だが、特別に許してくれた。だがもしこの資料が世の中に出回ったら容赦なく「殺す。」と釘を刺された。
インターネットでは出てなかった貴重な情報やまだはっきりと分からなかった事も判明した。
さて結構な時間向こうに滞在してたし、黒川も地味に疲れただろう。休憩を兼ねて近くのcafeにでも行こう。
「黒川、あっちにcafeがあるみたいだ。良かったらひと休憩しないか?」
「あ、はい。ありがとうございます!」
俺たちは一度最寄りのcafeに行き、黒川と他愛のない雑談をした。
「あの、色々とありがとうございます。私なんかの為に色々助けてくれて。」
「いやなに、あのまま死なれてはこっちも色々困るからな。」
「うふふ。────あの、ルルーシュさん!私も手伝わせて下さい!芸能界の闇を暴こうとしてるんですよね?」
そう言ってきた黒川の瞳は恐怖や不安を感じつつも、どこか強い意志を持った瞳をしていた。
俺自身、使える駒はあった方がいいと思ってる。黒川の役者としての能力の高さは知っている。有馬達にはない人脈を黒川は持っている可能性だってある。何より今回の騒動の中心人物だ。本人もやる気なら問題はない。
が、心のどこかでそれを否定してる。誰かを巻き込んでしまったばっかりにシャーリーやユフィは殺され、ロロも命を落としてしまった。
もし黒川が巻き込まれ命を落としてしまったら、俺は今まで死んでいった奴らを無駄死ににしてしまう。
「いや…気持ちだけ受け取っておこう。」
故に俺は黒川の協力する気持ちだけ受け取る。
「お前たちのような若い奴らに危険な目に合わせる訳にはいかんからな。でも、色々と情報が足りなさすぎるからいざという時は頼りにさせて貰う。」
「はい!」
さて、これからどうしようか。一応検死を担当した医者の情報は入手した。そいつから情報を再度確認するか?それとも亡くなった者の知人から色々と情報を得られないか行動するか…。
「黒川は亡くなった人たちと交友関係はあるか?」
「あ、いえ。何度か仕事で関わったくらいですかね?でも、もしかしたら先輩なら知ってるかもしれません。」
「先輩って…?」
「はい、“姫川大輝”ていう方です。先輩ならもしかしたら何か知ってるかも…!」
姫川大輝、確か黒川と同じ劇団ララライに所属してるヤツか。劇団の看板役者で俺もあまり調べてないが、帝国演劇賞最優秀男優賞受賞してたりドラマ主演経験もあるんだっけか。
劇団とテレビドラマ、2つの世界を少しでも知ってるならありがたい。
「黒川、良かったら姫川と会いたいんだが、良いだろうか?」
「はい!ちょっと連絡してみます!」
黒川が連絡してる間に俺もある人に折角だから連絡をしよう。そう思い俺は携帯を取り出しある人に電話をかける。
『あぁ俺だ。社長、この後そちらに伺ってもよろしいですか?』
『おぉ、ルルーシュか?どうs『ルル!?あたしあたし!もう何やってるのー!?早く会いに来てよ!』
社長の電話を奪いアイが電話をし始める。社長とアイが今どこにいるのか分からないが、もし外に居るのなら少し大人しくしてくれって思うが、数日アイの事を放ったらかしにしてた為我慢が出来なくなったのだろう。
元々、社長たちの所に伺うのも放置してたアイのご機嫌取りの為だったし丁度ご本人が電話に出たのなら手間が省けるし良いか。
『あぁ、分かったよ(笑)今から社長の家に行くから大人しく待っててくれ。』
『ホント!?分かった!大人しくって…あれ?もう通話切れてる…(´・ω・`)』
目の前の事件に着いては早く何とかした方が良い。なるべく最速最短で決着は着けたいが、どう考えても1週間程度は最低でもかかる。そっちに注力してアイの事を放置していたら、後に面倒な事になるのは目に見えている。なら一度社長たちの所に行きアイを満足させてから事件を追った方が良い。
通話を切った時には黒川も通話を切っていた。
「すまないな、それで姫川はなんて?」
「先輩に話を伺ったら何度か仕事で一緒になった事があるみたいで事情を伺ったら良いって事で。」
「そうか、それは良かった。日程についてだが、後日希望日を黒川に伝えるから都合の良い日を聞いてくれ。一応これが俺の連絡先だ。」
そして俺は紙に記した自分の電話番号を彼女に渡す。が、
「ちょ、ちょっと待ってください。わざわざ渡さなくても、電話番号が映ってる画面を見せてくれたらここで登録するので…!何かの拍子でその紙がなくなった方が困っちゃうので…!」
「あぁ、そうだな…。」
言われればそうだ。メールとかで情報が漏れるのは極力避けたいからアナログの紙という媒体で渡したが、今その場にいるのなら直接見せた方が楽で確実だ。
黒川が電話番号を登録し終えて、俺たちは一度ここで別れた。