「えーー…っとこれからルルーシュ様についてお身体の状態を説明していきますが…」
「「はい、ルルーシュさんのこと教えてください。」」
「いやールルーシュさん人気だね♪」
「ルビーここ病院だから静かに」
おい、なんでミヤコさんだけじゃなくて有馬もルビーもアクアもいるんだ…?正直俺1人で、いや俺1人が良かったんだが色々間が悪くアクアが先生を呼びに行ってる間に有馬とルビーを起こすや否やルビーはともかく、有馬も抱きついて泣いてくるとは思わなかった。慰め中に先生が来て説明をするから良いですか?と言われたから別室に行こうとするとみんなも行く気満々だった為、そのまま俺が入院してた部屋で説明を聞くことになってる。診察室に5人も来たら皆に迷惑だし…。
「はぁ…それで先生、俺がまず知りたいのは俺がどういう経緯でここに入院してるのか、なんですが…。」
まず知りたいのは入院するまでの経緯、俺はあの時携帯を取り出したが最終的に救急車にしろ誰かにしろ連絡をする前に意識を失ったのだ。
誰かが俺の倒れてるのを目撃し連絡したってわけだが…。
「帰宅路を歩いていた男性が倒れてる君を発見して電話をしてきてね。それで貴方の携帯の連絡先から1人に連絡してね。」
それがミヤコさんだったってわけか。もしアイに電話を掛けていたら色々ヤバかった。
「それで倒れた原因なのですが、タリウムの大量摂取だと思われます。体内に致死量1gを超える量が検出されました。」
「タ、タリウム…?」
“タリウム”
元素としてはタリウム(Tl 元素番号81)で存在するが、硫酸タリウムという形の化合物で、かつては殺鼠剤や脱毛クリームとして用いられたりして、粉末の形で使用することが多く、「端的に言うと白い粉」で水に溶けやすく無味無臭で人がそれに気付くことはまず出来ないもの。
確か今は一般の人がタリウムを購入して所持する事が困難で取扱業者じゃなければ購入、所持は出来ないもの。
どうやってそれを入手したかは気にはなるが、別に今はそこは問題じゃない。俺を殺そうとした奴が工場等に侵入して入手した可能性だってある。
「はい、タリウムは摂取すると即座に体内への吸収が始まり、3〜8時間ほどで症状が出始めます。成人の致死量に当たる約1グラム以上を投与されれば、短時間で呼吸困難になり重篤な中毒症状に陥り、死亡する場合もあるのですが…。───あの、正直に云いますとルルーシュさんは一度
「「「────えっ…?」」」「────は?」「…。」
そう、問題は俺が一度死んだにも関わらずこうしてほぼ五体満足な状態で生きているということ。そしてそれをこいつらに知られてしまったこと。
だが、これではっきり分かってしまった。俺は“皇帝シャルル‘や”C.C.“のようにコードを引き継いでる為か不老不死な存在であるということが。
適当に誤魔化してもいい。特殊な身体とか体質とか、それこそ“奇跡”とか言って済ませてもいいし、周りの人たちの発言に合わせればいい。
だが…
『ルルーシュが…貴方が私たち日本人を利用していたの…?私のことも…私たちを騙して…。』
『君を信じたかったからッ…だけど君は“嘘”をついたね、僕とユフィに…ナナリーにッ…!』
『よくも私たちをペテンにかけたな。』
『お兄様もスザクさんもずっと私に嘘をついていたのですね。本当のことをずっと黙って。でも、私は知りました。お兄様がゼロだったのですね。』
『…………答えて、ルルーシュ。あなたにとって、私は何?私、あなたとなら……ねぇ…… ねぇ、お願い答えて!!』
俺がギアスを…いや違う。ギアスに関係なく俺が嘘を、人を騙し続けて、秘密を隠し続けてきた結果が俺だけじゃなく周りの皆の人生を心を歪めてしまった。
俺は嘘も秘密も隠すことは否定しない。だがずっとそれを続けてしまえば疑惑を生み自分が大切にしていたものを失う。
『……そう。……さようなら、ルルーシュ。』
同じ轍は踏まない。
全部を話すつもりはまだない。俺が異界の人間である事やギアスのことも…。でも俺の身体が不老不死の存在である事は後で伝えようと思った。
その後の話は、海外では報告のある葬儀中に生き返った人がいるがそれと似た事なのかも知れない、と言われた。
確かカタレプシー(強硬症)という、発作や意識喪失、体の硬直といった症状が現れる病があるがそれが俺も患っていた場合、可能性はゼロではない。
とりあえず念の為に数日入院して身体に異常がなければ退院という方針になり先生はそのまま部屋を出る。
「ミヤコさんこの後の仕事について話がしたいのでお時間頂いてもいいですか?」
ええ、とミヤコさんが了承するとアクアたちは気を使い部屋から出る事に。
「それで、話しておきたいことがあるんでしょ?」
「ああ、ミヤコさんこの後社長に連絡してアイを連れてこちらに来てくれるようにして欲しいんですが。ミヤコさんと3人で話しておこうと思ってた事を話す。」
「ええ、分かったわ。じゃあ子どもたちは一度事務所に送るから。」
「ありがとう。」
スザク、お前がこの光景を見ていたらどう思う?今までずっと嘘を吐き続けた俺がほんの少し本当の事を伝えようとしてるこの俺を。
俺もユフィと一緒に行政特区”日本“についてお互い歩み寄ろうとした選択は間違ってなんかないと今でも思ってる。結果は最悪だったが…。
だからこそ、もう一度誰かに歩み寄ろうと思う。
────────
「失礼します…。お、ルルーシュ大丈夫か??」
「あ、ルル!?大丈夫なの!?何があったの?」
社長とアイが部屋に入るやいなや心配の声をかけてくる。細かな事情を知らなくても、病院に来てくれと言われたなら俺の身に何があったって予想つくか。
少し経つと一度事務所に子どもたちを送ってたミヤコさんが再度病院に到着し3人揃った。
ミヤコさんにとって復活したアイと会うのがこれが初めてになる。本来ならアイの復活ライブの時に再会させてやりたかったが、こんな形で再会するのは申し訳ない。
「アイ…久しぶりね。会いたかったわ。」
「ミヤコさん、会いたかったよー!」
「それで、ルルーシュ俺たちを呼んだ理由も気になるが、まず何でお前入院してんだ?」
「ああ、そうだな…まずはそこから話そうか。」
俺は斉藤社長をはじめ、アイとミヤコさんに俺が他の業務よりも優先して調べてる“恋愛リアリティショー関連が要因で亡くなった出演者”そしてそれらが芸能界の政治的な事件性の高い事。その事件を追っていたが、重要人物の1人に毒を盛られ、やられたことを話した。
「ルルーシュ、お前が以前俺の家にお邪魔した時、最後に尋ねてきたのはそういう理由だったわけか。」
社長はどこか合点したようで納得した。
「───そういう事だ。それで社長、ミヤコさん、アイ。俺はお前たちに話しておきたい事がある。」
ドクドク、と心臓の音がらしくなく身体の中で響いてく。
嘘をついたり、嘘をつかないのとは違う。自分の秘密を他者に打ち明けるのはこんなに勇気や覚悟、度胸がいるものなのか。
俺は胸に手を当てながら、意を決して社長たちに向かって答えた。
「────社長もミヤコさんも気付いてるだろうが、普通タリウムを接種していたら殆どの確率で死ぬ。なのにどうして俺は生きているのか。理由は簡単だ。───俺が、不老不死の存在だからだ。」
────────
「不老不死…?」
アイから発せられたその言葉はその場にいた残り2人からの代弁でもあった。
俺は入院用の衣服の胸元を開き、そこに刻まれた鳥の羽ばたきのような独特の模様“コード”を見せた。
「これは不老不死になった者に刻まれる刺青のようなものだ。この証がある限り例え焼かれたり脳や心臓を撃たれても時間の経過と共に復活する。」
俺が何年経っても容姿に変化が出なかったのはそういう理由だ。と続けて言う。
(あの模様どこかで…あっ。)
アイはルルーシュの胸元の刺青にどこか既視感を覚え、しばらく考えていると思いだした。そう、あの時ルルーシュが私を助けてくれたあの古い遺跡。あの遺跡に酷似していた模様があった。
「あの時私が助かったのは、その模様と関係あるんだよね?あの遺跡にも同じ模様があったし…ルル、教えて?」
「遺跡…?」
社長がどういうことだと問いかける。
「アイのあの事件以降、アイの意識はここじゃない別のところにあると俺はそう判断した。魂やそういった意識はとある世界に必ず存在している。“天国”のようなものだな。俺はその世界に出入り出来る鍵を偶然に手に入れてしまった。」
俺はそう言い分かりやすく胸元の“コード”を今一度見せる。
「その世界にはかつて出入りしたことがあってね、もしかしたらアイの意識がそこにあり、一緒に連れて帰る事ができるなら、と…。」
「なるほどな…そうか…。で、何でお前の大事な秘密を今になって打ち明けた?お前ならたとえ今回の出来事でも上手く嘘をついて誤魔化せたと思うが?」
確かにそうだ。ルルーシュ程の策略家なら誤魔化すことなど容易であり、不老不死といった誰にも言えない秘密、言ったところで誰からも信じられないことを明かさなくても良かったはず、だと。
ルルーシュは昔の記憶を思い出しながら語り始める。
「昔、過程より結果のみを求めた時期があった。結果さえ出せばその他はどうでもいい、と。だが俺のやり方に疑惑や疑問を持つ者が生まれ俺を信じてついて行くものが減り最終的に俺が作った組織なのに俺を追い出され全てを失ってしまった。───結果だけじゃなくその過程も大事にしないといけない。人間誰しも何かしらの秘密はある。それは当たり前のことだが、それでも仲間なら家族ならそれを共有するのも悪くないと思った。」
王の力は人を孤独にする。
かつてC.C.と契約する際に聞こえた言葉だ。
人でありながら人とは違う理に生きる、と。実際その通りだと思う。だけど、違う理であれど人であるならば、人は人を求める。孤独にはなれない。
その言葉を聞くと社長が笑い始めた。
何がおかしい!?と思ったが社長はそうじゃないと。
「いや何、なんだかお前が人間らしいなってね。今までどこか人間の枠を超えた天才だとばかり思ってたんだが、案外年相応な人間らしさがあって良かったよ。」
「はいはい、で、また少し話が変わるが…」
軽く咳払いをし意識を集中させる。
「三瓶をはじめ敵は俺が死んだか、重症の状態だと睨んでる。たとえ回復をしたとしても2、3日で退院できるとは思ってないはず。そしてネズミが彷徨いてる事を黒幕に報告するために密会をするだろう。俺はそこをつく。また迷惑を掛けるがどうか許してほしい。」
ルルーシュは深く頭を下げる。
アイをはじめ社長たちも少し困惑しながらもルルーシュの真剣な表情を見て、彼が本気であることを理解した。アイは静かに頷き、優しい笑みを浮かべた。
「私もルル達にずっと迷惑をかけ続けた。でもその度に皆が助けてくれた。だからルルも迷惑をかけていいんじゃない?」
社長も同じく頷き、手を組んで深く考え込むように見えた。
「まっ、そういうこった。気にすんな。だからルルーシュ、俺らの
ルルーシュは二人の反応に一瞬だけほっとした表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「あぁ、その願い受け取った!」
また別の番外編も書いてるよ。
そっちはまだ時間かかる。