推しの子-芸能のルルーシュ-   作:我来也

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明日liellaのライブ2日間参戦します。

金ない


7話

 1ヶ月後の土曜日。予定通りならこの放送がアイのドラマ主演デビューとなってる。アイも双子の子ども達も当たり前のように彼女の家で過ごしていた。

 俺はあれから色々あった…。社長にアイが何やかんや理由をつけて俺を泊まらせようとするからどうにかしてくれと。社長という地位があれば注意をするだけで無事に済むと思っていたが、社長がアイに甘いのは想定外だ。注意はしても結局社長はアイに負けた。何やってんだ。

 でもアイドルが事務所で働いてる男と一緒に家に入るのを見られると流石にまずい為、週末の金土日だけ泊まりを許したらしい。ただし俺だけでなくミヤコさんも一緒にいるのが条件らしい。

 アイはこれを快諾し現在に至る。

 俺は適当にご飯を作ってる。アイを始め皆はテレビをつけて今か今かと待ち望んでる。

 

「さっ!オンエアーだよ!」

「結構撮ったからね」

()()の演技楽しみ!」

 

 ん?ママ?今ママと言わなかったか?お前達のママはミヤコさんじゃなかったか?

 いやこの年齢なら親しい大人の女性を「ママ」男性のことを「パパ」と呼ぶ可能性もあるし気にすることはないか。

 

 

「あっこのシーンだ!」

 

 ドラマの中盤に差し掛かったところでアイの出番だ。

 

「あっママ!」

 

 ルビーが高揚した声で言う。余程待ち望んでいたのだろう。きっとルビーは彼女の事が相当好きなのだろう。

 さて俺も料理をしながら気付かれないようにアイの携帯で作業を始める。

 

「あはぁ〜ママ可愛い!!」

「アイが大きく映ってる…カメラマンも編集の人も分かってんじゃん。」

「ふふーん、さすが私!」

 

 俺もテレビを少し観て確認する。フッ、ちゃんと約束通り主演女優だけでなくアイも脇役というポジションを維持しながらも目立つところは目立つようにしてる。上出来だ。

 アイが脇役のポジションを超えてしまっては作品の根幹がぶれてしまって作品の全体評価・質に影響が出る。

 

 

 

 

 

 

「脇役だったのに中盤以降結構映ってたね。」

「そうでしょ?アクア。頑張ってたでしょ?」

「ここまで出演するとはね…驚いたわ。」

 

 皆で作品の感想よりアイの主演シーン等の感想を言い合ってる。時間にしても数分。それでも脇役という役柄の事を考えてもこの主演シーンの長さは皆満足していた。

 ただルビーはアイを主役にしろ。と不満だったが…。

 

 俺はスマホでしてたある作業を無事に終えTwitterを開き投稿する。

 よし、これで想定通り事が動けば…!先程Twitterを開き確認したところ順調に作戦は進んでる。うまく結果が出るかどうかは30分から遅くて1時間後とみた。

 料理も丁度作り終えたし後はゆっくり食べて感想を言い合えば丁度30分くらい経つだろう。

 

 

「皆お待たせ。料理ができたよ。」

「わーい!週末の楽しみだー!」

「今日の料理は何ですか?ルルさん♪」

「大した料理じゃないですよ。ハンバーグにベシャメルソースのマカロニグラタンですよ。ルビーもアクアも熱いから火傷には気をつけるんだよ?────にしてもアイ、お前は普段どんな料理を作ってるんだ?」

「えー普段?弁当屋さんで買ったりとかインスタント食品とかかな?」

「それは料理とは言わないだろ…?今度簡単な作り方を教えてやるよ。」

「作り方を教えてもらうのは嬉しいけど、それより毎週末ルルさんが作ってくれた方が良くなーい?」

 

 これだ、いつもこれだ。コイツ俺を便利な駒だと思っていやがる。今にみてろ、少しずつ飼い慣らしてやる。

 

「はぁ…。まぁそれより早く頂こう。」

 

 皆で美味しく頂きました。

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 食事が済み俺が食器類を洗い、アイとミヤコさんが子ども達をみてると電話が鳴る。

 アイのスマホだが、彼女は幾つか携帯やスマホを持ってる。そのうちの1台が俺も使っても良いモノがあるが、それが鳴ってる。

 画面を開くと社長からだ。なら俺が出ても問題はない。この時間帯からのメールやチャットではなく電話という事は、そうか順調に計画が進んだということか?

 とりあえず出ることにした。

 

「もしもし、ルルーシュです。どうかしましたか?社長。」

「お、ルルーシュか、Twitter、Twitterを開いてみろよ!今Twitterのトレンドにさっきのドラマの奴とアイに付いてすげー話題になってるぞ!」

「本当ですか!?それは良かった。アイに代わりますね。」

 

 そう言って俺はアイにスマホを渡し、アイと社長が話してる。

 よし、結果は上々だな。

 

 

 俺がした作戦は実にシンプル。Twitter日本支社に行き、ドラマの放送時間帯で働いてるであろうスタッフ全員にギアスを掛けた。内容は「Twitterのトレンドを操作しアイの出演ドラマとアイについてのハッシュタグをトレンド入りするようにしろ」ということだ。基本的にトレンド入りはそのハッシュタグについて呟いてるツイートの多さ。話題性がなければトレンド入りしないが、全く話題になってないものがトレンド入りしたら流石に運営の操作とバレかねないが、ドラマは普通に話題にはなるし、アイのキャラクター性を持ってすれば別に運営の不正が働いたとしてもバレはしない。

 そしてより人から人への拡散を狙うため俺は今日のドラマで彼女が出演したシーンを画像や動画として切り取りそれをまとめてTwitterで投稿した。

 ただ投稿しただけでなく勿論、運営の操作で俺のツイートが検索上位にくること、スタッフ全員でリツイートやいいねを押して皆に知ってもらいやすくした。

 本当ならTikTokなどで切り取り職人の力を借りてより拡散力を上げたかったが、こればかりは俺の力不足。

 だが今回だけでもこれだけ話題になってる。翌朝の情報番組かなんかで少しだけ紹介されるかもしれないし次からは嗅覚が鋭い奴が勝手に切り抜いて拡散させてるかもな。

 

 テレビからsnsを始めとしたインターネット社会になった。だが手段が変わっただけで根本的には情報社会であることに変わりない。

 しかしその情報は誰が発信してる?どうやって知った?直接その情報を見て知ったのならともかく、基本的に誰かが記事としてまとめたものを見て知った気になってるんだ。情報を発信してるサイトだってそれを取捨選択して目立ちやすく発信したり消す事だって可能だ。

 つまりそれらを操作すればそれを盲信してる奴らは簡単に操る事が出来るんだよ。

 特に日本人はそれがしやすい。

 

 

 因みにだがTwitter社員にかけたギアスの期間はアイが出演した幾つかのうち最初の3話分だけだ。それ以降はギアスの効果が切れるようにした。

 

 

 電話を終えたアイはアクアやルビーに先程の内容を伝えてる。ルビーは大喜びをしアクアも喜びつつも、懐からあるものを出して電話をかけてる。それはあの撮影の時の監督の名刺だ。あいついつの間にアクアに渡してたんだ…?

 きっと御礼の電話なのだろう。俺も制作会社の人たちにも電話を掛けようと思ったが時間も時間だし翌朝にしよう。

 

 

 今はこの光景を目に焼き付けておきたい。だってそれはきっと、『幸せ』というものだと思うから。

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