死ぬ予定の夏油傑になった凡人   作:nyasu

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反転術式って、めちゃくちゃ制御してるだけじゃね?

2005年、俺は高専に入学した。

なお、入学前から歌姫パイセンとかナナミンとか会ったりした。

あぁ……まぁ、そうっすよね。俺も中学から働かされたし。

 

で、我らがさしす組とか呼ばれる同級生との邂逅である。

 

「この中に2人、入学式に参加しなかったやつがいる!」

「誰のことか分かんねぇなぁー」

「おい、お前が100年とか言うからだぞ」

「何言ってるんだ、負けたからもう一回とか言ったのはそっちだろ」

 

女の子を挟んで、俺と悟が肘で突き合っていると頭に衝撃が走る。

 

「ガッ、デム!」

「痛ってぇぇぇ!おい暴力だぞ、ガキ使でもビンタだぞ!ビンタ!」

「言葉で説得しろ、これだから猿は……」

「うるさい!クソガキ共が、特級だからって学生なんだからな!」

 

俺達に拳骨を落としたのは、あの夜蛾先生である。

顔はモデルにそっくりだった、そのうち学長になるんだろうなコイツ。

 

「もういい……せめて学友同士自己紹介しろ」

「どうする?」

「お前からしろよ」

「今更する必要なくないか?」

 

男子二人で話し合っていると、黒板を叩きつけるような大きな音がする。

そこには黒板を叩きつける女子の姿があった、家入硝子だ。

 

「めんどくさいな、家入硝子。よろしくね」

「おい、タバコ吸ってるぞ」

「ヤンキーだ、ヤンキーだぞアレ」

「ヤンキーじゃねぇーよ、殺すぞ?」

 

どう見てもヤンキーだった。

えぇ、アニメのときアンニュイな感じだったじゃん。

 

「早くしろ!」

「フッ、俺の名前は五条悟、グレート呪術師五条とは俺のことだ!今度から俺のことはグレート呪術師五条悟様と呼べよ!」

「オッケー、しくよろ、グレート呪術師五条様」

「私は夏油傑。人呼んでオイルサマー傑だ」

「オッケー、今日からお前は酢豚なー」

 

な、なんだコイツ!?

ナチュラルに喧嘩売ってる?

頭おかしいんじゃねぇのか?

 

「もうレクリエーションの時間もない、後は自習だ。明日からの準備してろ」

「よし、飯行こうぜ!マックって知ってるか?」

「マクドナルドはマクドでしょ、グレート呪術師五条様は知らねぇの?ダセェー」

「悟、そういうのは先生が居なくなってからするもんだよ。あと、今はナゲット増量中だ」

「食べることしか考えてねぇのなぁ、昔からグレート呪術師五条様とは仲良いの?あれ、どうしましたグレート呪術師五条様。おーい、もしもーし」

「傑!俺、コイツ嫌い!あと、五条でいいからタダの五条で!」

 

流石にお前が言えって言ったんだろ、と指摘するのは酷だろ。

うんうん、私も仲良く出来そうにない。

 

 

 

マック、またの名をマクドに向かうがてら、俺達は自己紹介以外のことを話したりした。

 

「へぇ、反転術式が使えるのか」

「マジかよ、雑魚のくせにスゲーじゃん。一点特化?馬鹿の一つ覚えじゃん」

「悟。あまり事実を言うのは良くないよ」

「アハハ、分かったお前らクズだろ」

 

ひゅーんとやってひょいだよと言って、実際に俺の身体に触れてくる。

そう言えば、顔とか怪我してたっけな。

 

「ほら、治った。ひゅーんとやってひょいだよ、ひゅーん、分かんない?センスねぇなぁ……」

「難しいね、頭で編む感じかな」

「なんで今の説明で理解しようとしてんだよ」

 

原作でもそういう感じの説明だったからね。

まぁ、かれこれ10年はやってるけど出来る気しないよ。

 

「てかさ、ナゲットってバーベキュー?マスタード?」

「マスタード1択だろ」

「私なら期間限定かな?」

「2択しか聞いてねぇっての……マスタードかー、ないわー」

「はぁ?」

「マスタード派はバーベキューソース使ったことあんの?ないわー」

 

ふむ、キノコやタケノコのような根深い問題だね。

結論は、マックで出すとしよう。

 

「まぁ、マスタード食べたことないんだけどね〜」

「おい、食べてから言えよ!」

「おい、チキンフィレオが出るらしい!そうか、まだなかったのか」

「何それ新メニュー、ヤベェじゃん」

「男子はいいよね、太るでしょ」

 

だから太ってんだろ!

 

 

 

寮生活になるからか、何度か家から通うとして準備をしなくちゃいけない。

家入と悟と別れて、電車で帰路につく。

実はバレないように呪力で強化して、歩いてたりしていた。

筋肉は増えないけど、身体能力は上がるからね。

 

地元に帰るのは憂鬱になる。

俺を知ってるやつがたくさんいるし、俺に絡んでくる猿もいるからだ。

駅からタクシーに乗ろうとして、厄介そうなのに絡まれたのも仕方ないことだろ。

 

「あれ、あれれ?エドモンドじゃん」

「何、知り合い?」

「コイツ、エドモンド夏油とか言って中学で調子乗ってたんですよ」

 

例えばだ。

中学生の頃はビビって絡んでこなかったのに、高校生になった途端に調子に乗る奴とかだ。

チッ、残穢とか面倒だから強化も切らなきゃいけないしダルいんだよな。

 

「へぇ……何、スト好きなん?」

「別に、そこそこですかね」

「俺もさ……ゲーセンでオタクくんから金巻き上げんの大好き」

 

面倒臭そうな奴らだと思ったのか、乗ろうとしていたタクシーを後ろから割り込まれてタクシーが走り去っていく。

余計なことをしやがって、こないだ喧嘩したのに懲りないのか。

やだなぁ、呪力無しでやらなきゃいけないからなぁ。

 

誘導されるがままに人気のない場所に連れ込まれ、殴る蹴るの暴行を受ける。

まぁ、腕とか切ったり折れたりとか良くあるから痛みには耐性がある方だ。

なので当然反撃もするが、数人に対して精々が一人だ。

狙うのは当然、同じ中学だったやつだ。

殴られるのと同時に掴むんだよ、逃げられねぇぞ!

 

「おい、行くぞ……」

「万札だぜ、やべぇー」

「俺ばっか殴りやがって……クソが、覚えてろよ!」

 

当然のように負けたが、どうせ地元には帰ってこない。

まったく、あんなのを守ってると思うと嫌になるよ。

 

「痛たた……捻ると痛いし捻挫してるかな?骨折はしてないようだが、嫌になるよ」

「ネネネ……イタイ?ネネ……カワイソウ、ダネ……」

「失せろ」

 

人気のないということは、なんか嫌な気配がするなと、そんな風に感じるような場所だ。

こうやって呪霊も出るのもおかしくない。

口の中に吸い込まれていく呪霊、アイツらのせいで暫くパクチー味になってしまう。

 

「ままならない物だね……呪霊みたいに簡単に行けばいいのに」

 

だが、俺は原作の夏油ほど二元論で考えられるくらい子供じゃないし、両親は好きだし、嫌いな呪術師だっていたりする。

こういった理不尽には慣れている、小さな理不尽や不幸の積み重ねが大人になるということだからね。

 

 

 

翌日、呪術高専に行ったのを良いことに家入硝子に治療してもらう。

 

「肋骨ヒビ入ってんじゃん、痩せたら?」

「痩せたいんだけどね、君のタバコみたいなもんだよ」

「私は酒も行ける!」

「自慢出来ねぇ……」

 

なかなか独特の感覚だ。

マジで謎エネルギーだな、流れている感じは呪力に似ているが。

掛け合わせるって、普通に倍になってしまうからな。

そもそも頭でやるというが、頭が重要になってくる訳だ。

まず倍になるとは明言されてたし、2倍必要だ。

更に頭部がないと使えなくなることから、考える必要がある。

呪力の制御技術で誰でも出来ることから、恐らく制御の問題だと思う。

呪力のロスが六眼で分かる五条が出来たり、長年生きてるメロンパンや宿儺が出来たり、才能の塊の乙骨ができたりするし。

外部に出力する事も出来る硝子はどうやってるのか。

 

「触れずに出来たりするのかい?」

「んー、出来なくないけど効きは悪いかなぁ」

「ふむ、霧散してしまうのかもな……となると普通の呪力よりデリケートなのか」

 

思いついたのは無理矢理、呪力で強化しまくってパチスロ術式のやつみたいに無意識に反転術式を使うか……いや、身に付かないか。

 

「どうでもいいけど、喧嘩は程々にね。転んだのに擦り傷少なすぎぃ〜」

「おやおや、これは手厳しいね」

 

バレてたか。

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