死ぬ予定の夏油傑になった凡人   作:nyasu

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メカ丸ってメカ丸がメカ丸使って作ってないとダムにいるのバレるんじゃね?

汚職などにより、世界各国の企業が株価を下げていた。

前倒しになったコロナによる貿易の低迷により、開催予定だったリオオリンピックは延期となった。

中東ではイスラム国なるテロリスト集団もいたのだが、突如現れた謎の集団によって壊滅させられた。

世間ではフェイクニュースとされていたが、超能力者が現れたのだ。

 

「世間はすごいことになってるね」

 

大規模な世界恐慌の荒波を、菅田カンパニーは見事な経営手腕で乗り切っていた。

一時インサイダー取引を疑われたが、調査された結果は事実無根であった。

海外では汚職の告発による経営不振の企業を買収しては立て直していることから称賛する声も聞こえるほどである。

 

「誰も予想できないよね、内部告発なんて。懐かしいなぁ、桃鉄100年みたいだ」

「私よ!だから、公安をどうにかしろって言ってんのよ!手が回らないなら執行部を派遣させなさい!」

 

流石に呪術界も勘付いたのか、ちょくちょく嫌がらせや圧力を掛けたりしてきていた。

まぁ、政治家を通して喧嘩を売ってたからな。

 

「上層部も邪魔になってきたな。手が必要かい?」

「夏油様が出るほどではありません。猿共も直にリコ様になるんですから。ただ、こちらの事業の邪魔なのは確かですね」

「日本では半分くらいしか非術師は感染してないんだろ。時間が掛かるんじゃないか?」

「食品業界に販路を広げてから感染速度は増えてます。時間の問題でしょ」

 

今じゃ、大企業となった菅田カンパニー。

そこで、俺は社員として雇われていた。

まぁ、社員証はあっても非合法の仕事ばかりする部署だから他の社員と関わらないけどな。

 

「これから先のシナリオも書き上げた。リコちゃんによる集団的無意識への干渉による行動の誘導、大規模な円安への仕込みもやってるだろ」

「0号機の作成も順調です。全ては夏油様のシナリオの通りに」

「あっ、エヴァでも見たの?やってること、似てるもんね」

「装甲傀儡究極メカ丸試作0号なんてまんまじゃないですか」

 

メカ丸くん、昔見たアニメが好きでモデルにしたらしいからね。

縛りの確認をしたけどちゃんと忘れていたし、ウチの営業が資材搬入の際にデータを仕込んで秘密裏に接触出来たから色々と聞けた。

いやぁ、呪術規定に則り呪術界に身を置く者だけで作業してるかと思ったら、メカ丸が全部手作りだとは知らなかった。

最初の肉体はロボットを購入すればいいけど、その後の呪力をエネルギーにした機体は一般人には秘密だから自分一人で機械工学を学びながら生み出していたからな。

オーバーテクノロジーだもんな、未来のメカ丸。

呪力のエネルギー利用という点においては第一人者と言っても過言じゃないだろ。

呪術界って呪いのノウハウはあっても現代兵器は見下してるのか理解がないしな。

 

「自然災害や事故扱いで誤魔化してますが、物流は隠せないですからね」

「数年掛かる研究を短縮出来たと彼も喜んでたし、私達もそのノウハウを学べたからね。執行部の装備も強化出来てウィン・ウィンだよ」

 

まぁ、本来の業務が出来てないんだけどね。

やはり、特級過呪怨霊リカを手に入れるしかないのか。

抑えていたが、やはり必要に感じるのは補正のせいか運命なのだろう。

乙骨くんには関わらずに死ぬつもりだったんだが、やはり欲しいな。

運命が俺と乙骨を戦わせることを定めているようだったから軽く戦って、悟に痛みもなく殺してもらうつもりだったんだけどな。

 

「まったく、嫌になるよ。娘の好きな人を甚振る気はなかったのにね」

 

俺は自分の携帯に来る、美々子と菜々子達のメッセージアプリの報告を見ながら呼び出した執行部のもとに行くのだった。

 

 

 

執行部は菅田カンパニーの邪魔となる組織や呪霊、非術師の排除や新しい術師の捜索を目的としている。

そして、本来の業務は特級呪霊の発見だ。

 

「あっ、夏油さん!お疲れ様です!」

「黙れ灰原、俺は喋っていいなんて言ってないぞ」

「なんか怒ってます?」

「一応上司なんだ、距離感をだな……」

 

会議室には、執行部として働いている奴らが集まっていた。

回収していた死体の一部とリコちゃんが使ったオガミ婆の術式で復活した灰原。

 

「オイオイ、喧嘩ヨクナイゼ。夏油パワハラダゾ」

 

五条悟を足止めすることが出来る、宿儺にも足止め出来そうなポテンシャルを秘めた男、ミゲル。

 

「んもぅ、仲良くしなさいよ。私達は家族でしょ」

 

オカマ、ラルゥ。

 

「おい、来てやったんだからボーナスよこせ」

 

天与の暴君、ギャンブル狂いの伏黒甚爾。

 

「集まったのは4人だけか、他の奴らはどうした」

「まだ仕事です!海外だから、来れないそうです」

「オォ……ソノ手ガアッタカ」

「馬鹿が、ミゲルが来てんだ嘘に決まってんだろ」

 

やれやれ、ある程度自由行動は許しているが元呪詛師は我が強くて仕方ない。

まぁいいさ、使うのは数年後だからな。

 

「来てないやつは今回は使わない。全く、せっかく生かしてやってるのに」

「夏油さん、やっぱりやめません?俺、七海とかと戦いたくないですよ」

「何度も言ってるだろ灰原、これは大義のためだよ」

「大義ねぇ、ただの我儘だろ」

「2人共。これは命令だ、黙って終わるまで話を聞け」

 

術式によって再現された灰原と伏黒甚爾の情報をコピーした彼らがその言葉を境に口を閉じる。

オガミ婆は命令方法を間違えて殺され、そしてバグってしまったが術式を行使しているリコちゃん。

そして、リコちゃんでもある俺の命令には従う。

まぁ、下手な命令で端末である肉体を何回か失ったりしたけど。

 

「高専へと乗り込み、そして宣戦布告する。目的は呪術界の転覆。京都、そして渋谷で我々は百鬼夜行を行う」

「例ノ計画カ、死ンダラ祟ルゼ夏油」

「安心しろ、お前は死なない。私が死ぬからだ」

「んもぉ、そこは守るからじゃないの?まぁ、死なないのは分かってるけど、それより計画が成功したら分身体の一人、くれるのよねぇ」

「……あぁ、但し私とソイツは見た目が一緒なだけの別人だからな。現実の人物と混同するなよ、いいな」

 

まぁ、その前に噂の乙骨くんとリカちゃんの姿を確認するんだけどね。

 

「さぁ話は終わりだ」

「了解です、まだ納得してないですけどね」

「……あぁ、喋れるようになったのか」

「どうでもいいけどよ、お前本気で五条悟に勝てると思ってんのかよ」

「あぁ、無限の呪力であるリカちゃんが手に入れば私は無敵さ」

 

本当の目的は別にあるけどな。

その為に、パパ黒を復活させたんだ。

 

「お前には薨星宮本殿へ続く道を見つけてもらう」

「いいけどよ。前回と違って匂いで特定出来ねぇぞ」

「神社仏閣の配置を変えて扉も弄ってるからね。まぁ、繋がる扉以外を壊せば嫌でも繋がるさ」

「面倒な。ちゃんと金は用意しろ」

「ボートより馬にしろよ、馬はいいぞ」

「やらねぇ、メスガキにしやがって。調べようとするとテメェのせいで馬が出てこねぇんだよ」

 

それは俺ではなく検索エンジンのせいだから仕方ない。

まぁ、ちゃんと反抗しないように金は振り込むけど。

 

「ソレヨリ夏油、例ノ物ダ」

「あぁ、見つけてくれたのか。最悪、忌庫から取ろうと思ってたんだ」

「ソレ、食ベルノカ?」

「まさか、劇物だよ」

 

解散しようとした最後、俺はミゲルから厳重に封印された木箱を渡された。

探すように命じた特級呪霊とは別の特級呪物。

 

「宿儺の指から呪力を吸い取るんだよ」

「そんなことできるのか」

 

あぁ、こんな風に……あれ、私が居る?

 

『俺の魂に触れるか、痴れ者が。失せろ』

「カハッ!?」

「何ガ起キタンダ!?」

 

込み上げる血液が口から出てくる。

肩から腹までに裂傷が発生し、致命傷を受けた。

 

「あ、安心しろ……致命傷だ」

「安心出来ナイゾ!」

 

は、反転術式で何とかなるから……魂に触った真人みたいになっちまう。

この指は呪霊に飲ませて放逐するときに使おう。

 

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