高専でバイトすることになり、高専に頼んでなんやかんやしてもらって株取引も出来るようになった。
謎の入金が発生するために、他人の名前の銀行口座を作るついでに証券口座も作ったのだ。
どこが上がるかなんて分からなくても有名なとこ買っとけばええやろの精神で日本の株からアメリカの株までいっぱい買った。
知ってるゲームが発売される会社から、アマゾンやフェイスブックなど有名なとこなどだ。
勿論、違法である。
「ウェーイ!ほら本気出してみろよ、背脂」
「くっ、俺に寄るな!俺の封印されし力でどうなっても知らんぞ!」
「その封印解いてみろよ、エグゾディアかよ」
「これだから、猿どもは……」
「あぁ?」
なお、中学校では絶賛イジメられてた。
謎の欠席やらが目立つのに、成績は優秀な俺は不良グループに目を付けられているのだ。
何が彼らを嫌悪させるのか、俺が取り込んだ呪霊の影響かもしれない。
「おい、先生来たぞ」
「チッ……行くぞ」
去っていくクソガキ共を横目に、俺は両手両足で立ち上がる。
ふぅ……立ち上がるのも一苦労だ。デブの俺が言うのだから間違いない。
まぁ、成長期が来たら痩せるから平気平気。
「あぁ~闇堕ちの音がするんじゃ〜」
術式も持たない猿どもが、お前ら嫌い。それが俺の本音。
だが、その沸々とした負の感情で呪力が増していく。
ちっさい感情を爆発とかよく分かんねぇけど、嫌な思い出とか思い出すの余裕になってきた。
もう俺の居場所は呪霊と戦う戦場だけだ。
放課後、今日は何もない平日なので家に帰って修行である。
呪霊狩りで偶にミスって怪我しても、両親は学校でイジメられてるとスルーしてる。
いや、学校楽しいとか聞いてくるからスルーはしてないか。
今日は帳について研究することにした。
高専の方から資料を取り寄せて、読みながら色々やるのだ。
そもそも帳とは少しの呪力で努力すれば一定レベルの結界を作れる技術だ。
もしかしたら天元の強化があるからかもしれないけど。
さらに、レベルが高いやつは色々な効果を付与出来る。
降ろすと表現するだけあって、傘みたいに広がって半球状を形成する結界だ。
まぁ本来は球体なんだろうが、結界って区切りって意味合いだろうからドーム状でも実質区切った認定で形成出来るんだろ。
そもそも帳に効果を付与というのが感覚的な物だから難しい。
しかし、なんとか後世に残したかったのか、こういう理念の基にこういう考えでこんな風にやった。
みたいな日記形式で書いてある資料が手元にあった。
まぁ野球で例えたら、球速を上げたかったらこのフォームで、捕球はこういう体勢の方がしやすいよとか。その程度の内容だ。
「帳の重ね掛けか」
帳に関しては、既に遮蔽効果と隠蔽効果が盛り込んでいるようだった。
最初は周りの術者が見えないように黒くなる効果。
音や衝撃などの外部が気付く要因になるような物を遮断する効果。
負の感情を拡散し、負の感情から生まれる呪霊を際立たせる効果。
それが今では1つになっている。
これは全て、呪詞……詠唱によって自動化されている。
神への奉納の言葉、祝詞とは違う呪うための言葉。
霊的に悪意のある現象を起こすことと世間では解釈されるけど、正確には負の感情という強いエネルギーを用いて対象に影響を与えるのが正しい。
たまたま、負の感情から生み出される呪力の影響が悪影響なだけだ。
そして、言葉というのは本質的には似ている。
意思や感情を出力し、聞いた相手に影響を与える。
帳という結界術に、影響の方向性を定める言葉、その効果を強くするエネルギーである呪力。
これが、最近の帳のプロセス……だと思う。
「あと、詠唱を必ずする縛りというか。ルールも使っているから簡易な結界術として成立し、呪力がある人間なら誰でも出来るようになったわけか」
逆に言えば、詠唱を必要とせずに結界術を発動できるほどに呪力操作が出来る呪術師は、詠唱しなくても帳を成立させることが出来る。
何なら、その工程を詠唱で自動的に成立することが出来るなら、その分の作業を好きな効果の付与に出来るのだ。
「おっ、出来た」
何度かの挑戦の末、薄いグレーの結界が出来る。
周りからは見えるだろうし、呪術師からは中の様子は薄っすらだが見える。
物音とかはするし、呪霊の炙りだしもない。
なんの意味もないよね、みたいな結界だ。
恐らく、帳って天元に強化されるとも聞くし下ろすこと自体は難しくないんだろう。
「あっ……」
少し動いた途端に崩れる帳。
うーん、一定の呪力を流さないといけないのかな。
手から水を一定量でチョロチョロ流しているようなイメージだ。
動くと多く流したりしちゃうのに近い、俺には動きながらが難しい。
色々な効果を付けたり、戦闘中に防御技として使いたいのだが、1日で出来るわけもなくまだまだ課題は多そうだ。
ただ、普通の帳よりも必要な要素を省いていけば出来る気がする。
ワンピース読者である俺は信じればできると知っている、覇気はそうやって習うからな!なお、まだ現在は空島辺りである。
もしかしたら帳から引き算しまくったのが、シン陰流簡易領域なのかもしれない。
結界術に手を出すと、領域への理解が深まりそうだ。
「シン陰流は居合の形をしてたな」
簡易領域、俺が覚えてる限りだとみんなが構えていた。
いや、ロボの中にいたメカ丸と姉の代わりに……なんか弟が使ってたときは、指で印を結んでたはず。
特定動作がトリガーってことだろうか。
「領域展開は掌印やってたな」
領域展開とか言いながら顔がドアップの五条悟の記憶がある。
あと、俺が死ぬ直前で歌姫先生が色々やってた。
呪詞、掌印、舞、楽。
呪術的儀式、普段省かれてるやつを全部やることで普段よりもパワーアップさせるみたいなのだ。
あと、先生の術式がバフ系だったはず。
そもそも、あの行為に何の意味があるんだろうか。
この世界にいる神は、邪神の類である。
神として出ても呪霊として出てきたからだ。
そもそも現代における儀式とはなんなのか。
「インターネットに相談だ」
神楽舞、そういうのもあるのか。
ほーん、結構儀式として踊ることもあるのか。
「なるほど、縛りか」
儀式は特定の作法やルールである仕来りを守る行為。
普段しない特別な動きに意味を見出し、それを人は神様に対しての奉納扱いとして扱ったようだ。
他にも踊ったり歌ったりしてゾーンに入るとか、神様を楽しませるためとか、神との交信しているという演出のためとか。
全部はこういうことしてるんだから、何か苦労に見合った見返りがあるだろうに帰結するのだろう。
丑三つ時に藁人形なんて打つ苦労をするんだから呪われろとか、お百度参りしたんだから願い事叶えてとか、お祓いしたんだから健康になれますようにとか。
「そこに呪力」
呪力というエネルギー、それがどういうものかは計測できないし経験則でしか分からない。
いや、メカ丸みたいに機械に詳しいと分かるのかもしれないけど。
ただ、あの感情から生み出される謎エネルギーは、そういう人の思いに影響を受ける……はずだ。
つまり、あの儀式はゾーンに入ることや、それを行うという事に意味合いを持たせ、それによって望む結果を手に入れるのだ。
「つまり、帳や簡易領域は特定の行動をするという儀式を縛りとして色々出来るのでは?」
帳と簡易領域は今後研究していくとしよう。