エリス様と戯れるのが世界で一番の喜び   作:糖分ピーチ

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 やっとやりたいことができる。人肌の安心感に勝るものはありません。この気持ちがわかる人はこの小説をとっても楽しんでいただきたい。
感想・評価よろしく。


第二部 人肌の安心感に勝るものはない
第6話 女神様の包容力


 

 「それで……………どうしましょうカズマさん!!」

 

 「空から落ちてきた女の子設定というのは………」

 

 「却下です!!」

 

 俺とエリス様は現在大きな壁にぶち当たっている。エリス様は国教になるほどの超有名人、気軽に正体は明かせない。

 

 「もういっそ話してしまうというのは………」

 

 「いや、それだと絶対にいつかバレる。あいつらを信用しちゃいけません。どうせあいつら酒の席では口軽いんですから」

 

 ダグネスはいいとして、アクアとめぐみんの口の軽さと言ったら信用に値するわけが無い。シラフでもいつかボロが出るレベルだ。そんなヤツらが酒なんて飲んだら言いたくなって言いふらすに決まってる。

 

 「やっぱり私は宿にでも泊まりますよ………皆さんに迷惑かける訳にはいきませんし……」

 

 自分だっていきなり下界に下ろされてなんの準備もないくせに、周りの心配をしてしまうなんて、あぁ、これは国教になるわけだ。

 

 「お金、あるんですか?」

 

 「い、いやそれは………信者から頂く?」

 

 「大騒ぎになりますよ!!絶対にやめてください!エリス様が美術館に展示されるルートには絶対させません!」

 

 「私の信者をアクア先輩の信者さん達と一緒にしないでください!!」

 

 今エリス様アクシズ教のヤツらを無意識にすごい批判してたぞ?やっぱりエリス様もあのヤバさには忌避感があるってことか。なら尚更アクアたちに正直になんて言えない。そうとなれば………

 

 「エリス様、やっぱりアレでいきましょう」

 

 「えぇ…………でも嘘をつくのは………」

 

 「俺も異世界から来たことあいつらに言ってませんし、なんとかなりますよ!そうと決まればほら行きましょう!」

 

 「あっ、カズマさん!待ってくださいまだ心の準備がぁ!!」

 

 

 ◇◇カズマ邸 広間◇◇

 

 グツグツと鍋で何かが煮える音が聞こえてくる。皿の音を立てながらいい匂いが玄関先からずっと漂っていた。テーブルに座ってガヤガヤと談笑する声も聞こえてきて、これから話す内容を落ち着いて考えさせてはくれない。

 

 「おっ、カズマ一日中どこに行っておったのだ。みんな心配していたぞ。………ん?そちらの方は?」

 

 一人料理を運んでいるダグネスがこちらへと気づき、エリス様にも当然目を向けた。

 

 アクアとめぐみんも座りながら不思議そうにこちらをじろじろと観察している。

 

 「あーダグネス、みんなに話があるんだけど………もう一皿出せるか?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 「で?どなたなんです?その女性は?」

 

 めぐみんがぐちゃぐちゃと飯を平らげながら申し訳程度の質問だけしてまた食事に戻る。アクアに関してはじっとガン見しながら何も言葉を発さない。

 

 「あーエリスって言うだけど…………今日俺がたまたまさらわれそうになってたところを見てな?それで今日そこを助けたんだけど………身寄りがないって言うもんだから、ここに住まわせてもらいたいんだよ」

 

 単刀直入にただただ先程考えたシナリオ通りの言葉を並べていく。女神どうこうの話はこちらからは完全に出していかないことにした。

 

 「私は別に構いませんよ?一応カズマがリーダーですし」

 

 「私もそれは特に異論はないが…………そちらのお嬢さんはいいのだろうか?このパーティは正直言って酷いものなんだぞ?」

 

 めぐみん、ダグネスの順に承諾をしてくれた。アクアは未だにガン見体制をやめてくれない。

 

 「えぇ、私としてはカズマさんがいますし………あっ、もちろん皆さんとも仲良くしたいです」

 

 「ほ〜ん?」

 

 めぐみんはすこしうざい反応。対してダグネスはいい反応を返してくれる。

 

 「あぁ、私たちとしても女性は大歓迎だ。よろしく頼む。………ほら、アクアも何か言わないか……」

 

 「えぇ、そうね………」

 

 緊張した空気がエリス様と俺との間だけに流れる。アクアは唯一エリス様とあったことがあるから今まで黙っている方がおかしいのだ。ごくりと硬い唾を飲む。そして、アクアがついに口を開く。

 

 「ねえあなた、もしかしてあのエリスのそっくりさん?随分私の知ってるエリスと似てるんだけど…………それに名前も一緒よね?」

 

 ついに切り込んできた!だが俺たちは負けない!そのために言い訳は既に準備済みだ!

 

 「はい、昔から私は女神様に似てると言われることが多くて………そのせいで先程カズマさんが話された誘拐というのは過激なアクシズ教によるものなんです……名前も似てるって言われ始めた小さいころからみんながエリスって言うもんですから昔の名前すら忘れてしまいまして………」

 

 「そ、そう……あの子達がね……ま、まぁそれも仕方ないわね!!それもこれも女神のエリスが悪いのよ!あなたは悪くないよね!!エリスは悪くないわ!!エリスが悪いのよ!」

 

 「そうですね、私も名前ではなぜか困ることが多いので少し気持ちも分かります。」

 

 「あぁ、少なくともここにいる者は無為に君を傷つけるようなことはしない。ひとまずゆっくりするといい」

 

 名前が同じせいでよく分からないことになってるが、作戦は成功した。アクシズ教のヤツらを出せばアクアは黙る。そして、なんか辛い感じの過去をこんな儚げな美少女が出せばどうなるか、守りたくなるに決まってるよなぁ!!

 

 と、このように、エリス様は意外とあっさりパーティーに受け入れて貰うことが出来た。エリス教徒であるダグネスがエリス様の容姿について何か言及すると思っていたが、辛い過去もあったため引き下がったようだ。ダグネスとめぐみんはアクアが女神(笑)だということもアクアの戯言だと思っているらしいし、そのアクアよりも大きな存在のエリス様が目の前にいるなど言われたとしても信じられないことなのだろう。

 

 しかし、やはり異世界、ハプニング無しにはこの世界を過ごさせてはくれないらしい。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 俺は広間に座布団を三枚並べ、掛け布団に身を包む。なぜそんなところで寝てるかって?エリス様は今日ここに住むことになっただろ?じゃあ寝床は必要になる。もう分かると思う。そう、エリス様が今俺のベッドを使っているのだ。一緒に寝ると言ったがダグネスに一瞬で却下された。ダグネス曰く、

 

 「お前がエリスと?何をふざけている。どうせ何か変なことをするに決まっているだろう」

 

 だとさ、ダグネスはエリス様のことをもう呼び捨てにしている。エリス様徒のダグネスが呼び捨てにしている所を見ると違和感があるが、ダグネスもエリス様に気を使って接しているようだ。変態の癖にこういうところはお嬢様している。変態の癖に。俺も呼び捨ての方がいいのだろうか。

 

 それはさておき、布団。布団を被るという行為に俺は他の意味を見出してしまう。原因は言わずもがなエリス様だ。あの天界で肌と肌で触れ合ったあの思い出が、俺は忘れるに忘れられない。エリス様はどうやら気の迷いでやらかしてしまったことだと思っていそうだが、俺も男子、考えられずにはいられないのだ。

 

 「っ!………なんだ!?」

 

 そんなことばかり考えにふけっていると、蝋燭の炎が突然消えてしまった。暗闇に突然包まれて近くにあるテーブルの大まかな形ぐらいしか認識することができない。すると、異変はすぐに起こった。

 

 (な、なんだこれ…………誰だ?)

 

 ちょむすけでも来たのかと思ったが、違う。これは猫じゃない。肌だ。人肌の温かみを感じる。誰かが俺の首筋をさすっている。誰かわからない人に触られているのにも関わらず、安心する。声を上げる気にはならない。

 

 (少し様子を見よう………)

 

 俺はそれらしい言い訳をして自分を言い聞かせた。この母親に抱かれているかのような安心感をずっと味わっていたかった。ずっとそう言ったことにご無沙汰だったから。そういう関係の相手なんていなかったし、学校に行かなくなってから親も優しく俺には接してくれなかった。

 

 過去の回想をする時間を与えずその謎の手は俺の被っている布団の左側に入ってきた。その瞬間布団の中の空気が熱くなる。人の体温と密封性が増しただけで、こんなにも暖かくなるのか。

 

 (こいつ………何をする気だ?)

 

 謎の手はその体を完全に布団の中に潜らせて腕に体をまきつけてきた。暗闇に目が慣れてきた。輪郭が見え、目の大きさ、口の形、髪の長さなんて言うものも分かってくる。これは、まさか。

 

 「………エリス様?どうして……」

 

 その影の正体は、エリス様だった。通常だった心臓の鼓動が急激に早くなる。ドクドクと波打って胸が痛い。

 

 「あっ、えっとカズマさん。あの、これは、えっと……違くて……」

 

 バレてしまったと焦っているのか、不倫がバレてしまった妻のような反応をしてくる。最初に俺は声を上げたはずだけど、気づいていなかったのか。それともそれがわからないほど何か他のことを考えていたのか。それは俺には分からない。

 

 (ここでエリス様に追求するのは違うよな……)

 

 左に寄り添っているエリス様を見る。暗くてよくわからないが、不安そうな表情をしているように見える。まず、安心させてあげたい。俺がしてもらったように。

 

 「エリス様、どうしました?寝れませんか?」

 

 あっ、と小さい声を上げるエリス様。ほんの少しの変化だが、落ち着いてくれたのだとわかる。

 

 「はい、あの、天界でしたアレが忘れられなくて……ご迷惑でしたよね。やっぱり戻ります………えっ?」

 

 無意識のうちに手を握っていた。離れたくないと思った。本能でも理性でも今は離れたくなかった。この温かみを離したくなかった。

 

 「エリス様、今日はここで寝ていきませんか?」

 

 「………はい。お願いします。カズマさん」

 

 やった!素直にそう思った。ことんっとエリス様が頭を預けてくる。お風呂に入った後の柔らかい匂いがする。一日中この匂いを吸引していたいと考えてしまうほどの依存性があった。

 

 手を握っていた手を背中に回し、密着して眠る準備を終えた。エリス様と抱き合っているのだと言うのに、不思議とそういった欲は抱かない。エリス様に包まれている感覚に、心が麻痺していたのだろう。少しすると、静かに眠り着くことが出来た。その夜は久しぶりに落ち着いて深い眠りにつくことが出来た。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 「な、なんじゃあゴリゃああ!!??え、エリスが、エリスがカズマに襲われているではありませんか!!」

 

 「なっ、なんだと!?おいめぐみんそれはどういう……………これは……!」

 

 「まっ、まさかカズマさんもここまでやるとはね……さすがに私もドン引きなんですけど………」

 

 ん?なんだ?みんなの叫び声が………襲われる?ここまでやる?ま、まさか魔王軍の襲撃でも……!早く起きねぇと!!

 

 「………はっ!!なんだ!!何が起きた!おいお前ら大丈夫か!!…………なんだ、お前らどうしたんだよ?何も起こってねぇじゃねえか」

 

 素早く起き上がり周囲を確認すると、赤い炎も、崩れた瓦礫の山もそこにはなく、ただただこちらを見下ろしてくる三人がいた。なんだ?本当になんだってこんな……………ん?

 

 原因はそこにいた。横にいた。しっかりと俺の体に手を重ねてよく眠る少女が横にいた。

 

 (これは、ヤバい。かなりマズイ!!)

 

 俺は、再度説明の時間を設けなくてはいけなくなってしまった。

 




 私は人肌の安心感に強い魅力を感じます。この小説はそういう小説なんですねー。私はエリス様に強く母を感じました。よってクリスではなくずっとエリスとして登場することを私は臨みました。人肌フェチが盛んになる日をいつか夢見ています。
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