【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
事の始まりは……確か毎度の如く掲示板で突発的に始まった大喜利だったっけ?
そのネタが面白そうだって事で、スケベ部がガイアニの成人向けレーベル、フラワーバニー*1に出資して作成したのが、バカエロ系OVA『バトルファッカー
この作品、地味に陰陽寮の日常と世界観設定を共有している関係で、真面目に【房中術】の指導をするシュールギャグ担当として、師匠役の声優を陰陽寮の日常と同じく私がしていたり、実践相手役にミナミィネキがモデル&声優するキャラも登場したりと、大分遊んだ作品だったりする。
そんなバカエロ作品の主人公が扱う技術系統が、作品タイトルにもなっているバトルファックこと〝性技対魔契約術〟。
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・性技対魔契約術(通称バトルファック)
悪魔召喚プログラムに契約方法を追加するアプリの一つ。
認識改変フィールド(概念領域)を展開する事で、性的な行為による上下関係が優先される空間を作り出し、屈服させた悪魔と主従関係を結ぶ契約術式。
フィールド内では性技の技量と互いの精神力が優劣を決めるため、上手く行けば術者のレベル以上の悪魔を従える事も可能となる。
これは霊的才能の無い一般人でも、純粋な性技能と体力に精神力が有れば、悪魔に対抗し得る技術である。
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言ってしまえば、悪魔を快楽堕ちさせて奴隷契約させる様な物で、自身のレベル以下しか契約出来ない、ガイア連合製の悪魔召喚プログラムのみの場合とは異なり、格上の悪魔と契約出来る可能性が有るのが特徴と言える。
ただまあヤり合う関係上、失敗すれば搾り取られての腹上死なり、逆に奴隷にされてしまう危険性なども有るため、アプリの追加を推奨したりはしないのだけども。
それは兎も角、色々ネタを盛り込んだアニメが製作されたのが、大体半年ぐらい前の事。
当時はアニメに登場させるなら、実際に使える術式が有った方が良いだろうって話になり、一応は実用に耐えるだけの術構築に成功した事で、アニメ製作に関わった面子も満足して終わった話。
なんだけども、今回こうして当時の記憶を思い返している事から分かる通り、より使い易く改良出来ないか? との話がスケベ部内で持ち上がったのが昨夜の事らしい。
「アニメみたいに才能無くても使えるって程に簡略化するのは難しいわね、やっぱり」
「作中主人公は霊才が微妙な一般人枠と言っても、性魔術系の適性だけは異様に高い、エロサラブレッド仕様で押し通しましたからね」
「だから補助の魔導具作ったって訳だな。まあそれは良いとして、だ。言い出した連中が軒並みダウンしてやがるな」
「酒の入った深夜テンションで、性癖語りながらあれこれしてたみたいですからねぇ。まあおかげでそれなりに上質なマグネタイト――性癖を煮詰めた情念のエネルギーを採取出来ましたから、道具作成の素材を取りに行く手間が省けましたが」
そんな訳で、悪魔しょうかんにあるスケベ部用の一室で行われていた酔っぱらい達のネタを引き継いで、ここの主である美波さんが私とセツニキ――偶に突発的な思い付きでエログッズを作ったりしており、今日もそんな感じでやって来たらしい――を巻き込んで、一応は形になってる術式の改良だったり、補助魔導具の開発で対処出来ないか研究を始めたのが数時間前。
なお、性技対魔契約術に一応と付けているのは、アニメの設定として霊的才能がほぼ無く、辛うじて覚醒――ガイア連合基準でのレベル1に成れるかどうか、程度でも扱える術としているものの、実際には契約ルールを押しつけるための概念領域が必要な事から、どうしてもレベル一桁で扱える様には出来なかったからと言う物。
まあレベル1でも扱える様にって部分は、私が構築した
「そのMAGを使って出来たのが、前の大喜利ネタでも出て来てたフェチメダルってか」
「掲示板見てみたら昨夜にそのネタが再燃してましたね。実際に物が作れるなら、アニメの続編もって話になってましたけど」
「色々な性癖を突っ込むフェチメダルが有れば、ジャンルもネタも好きに出来る訳だし、バトルファッカーをシリーズ物にするのも面白そうよね」
「お、性癖の煮凝りかなんかか?」
セツニキ自身は割と真っ当な性癖をしているのもあって、酔っ払ったスケベ部員――特にニグラスニキ*2――の性癖暴露には引いてたみたいですが……。
それは兎も角、フェチメダルの方は技術部のデータベースから購入した、無惨ニキが登録しているコアメダルの情報*3を参考に開発した物で、使用した素材はスケベ部が所有する色欲界から得られたフォルマとCキューブ。
物としては、結晶仙人掌を主素材に作成するCキューブの製造工程に、色欲界産の性方面に特化したフォルマを混ぜ込み、メダルに封入出来る力を色欲に関連する概念に限定する事で、レベル一桁でも概念域の力を扱える様にした形になる。
ちなみにお試しで封入した力は、酔っ払ったスケベ部員が提供してくれた各々の性癖概念情報で、とりあえずフェチメダル自体は出来たと言っても良さそう。
「煮凝りより闇鍋になりそうな気もしてきますけどねぇ。ま、それはどちらでも良いとして、レベル1でも使える様にと専用魔導具のバトルファッカーと、補助魔導具のフェチメダルが出来上がった訳ですし、テスターの方はどうしましょうか」
「その辺はスケベ部からで依頼出しとくわよ。元々そこに転がってるのが始めた事だし」
「ならそん時は俺にも連絡くれ、レベル1でも【魔装術】*4を使える様にした道具だからどうなるか気になるしな」
「了解よ。それじゃ私は事務の方で依頼出した後、フラワーバニーの方に続編の企画持ち込みでもしてくるわ」
「あ、続編製作は決定ですか」
「色んな性癖ネタが使えるシリーズになりそうだしね。それじゃ留守の間よろしくね~」
とりあえず物が出来上がって、後は実地テストの結果次第って所まで進んだ事で、美波さんとしてはアニメ続編の構想が思い付いたのか、意気揚々と部屋を出て行くのを見送り、改めて作った物に視線を向ける。
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・性技対魔契約術展開魔道具〝バトルファッカー〟
一般人でも性技対魔契約術を行使可能にするため、スケベ部により製作された魔導具。
認識改変フィールド(概念領域)の展開機能と、装着したフェチメダルを用いた【魔装術】により、対峙した悪魔に〝勝ち得る存在〟へと使用者を転じる機能を持つ。
基本的にフェチメダルを三枚までセット可能で、術式を展開するためにCキューブなどの演算装置を組み込んでいれば、後の形状は自由なため、ネックレス型やリストバンド型などバリエーションは様々。
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・性技対魔契約術用補助魔導具〝フェチメダル〟
スケベ部謹製の様々な性癖概念を封入したメダル型魔道具。
メダルには『ケモ耳』や『髪』など適応範囲の広い性癖から、『金毛の狐耳』や『泣き黒子』の様なピンポイントな性癖まで多種多様に在る。
このメダルは最大三枚まで同時使用可能で、使用する事によりメダルに込められた性癖概念が使用者の認識を改変し、好みの相手とのバトルファックにおいて精力と体力の回復力を跳ね上げる効果を持つ。
また、バトルファッカーと組み合わせる事で発動される【魔装術】により、相手の属性分析と組み合わせるメダルの性癖が合致していれば、相手悪魔の(性的な)弱点を突き、悪魔に勝ち得る存在へと、使用者を一時的に転じる事も可能となる。
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今回作り出した道具の説明としてはこんな感じだけど、作成に当たって一番問題となったのは、【魔装術】の仕組みを利用する事にしたメダルによる性癖を追加する部分。
レベル1でも対峙した悪魔に通用するぐらいに、性癖の概念情報を高めるのが作成目標だったのもあり、普通に付与するだけでは出力が足りないって事で、より強力に概念情報を組み込むために【魔装術】を採用した訳だけど……。
実のところこの【魔装術】と言うスキル、同じ名前で二種類存在しており、一つは第一人者である黒死ネキが使用する、ペルソナ能力や悪魔変身能力を呼び水に、意思の力で自身の潜在能力を引き出し制御する技術。
もう一つが、契約した悪魔の力を霊力で制御して身に纏い、驚異的な攻撃力や防御力を得たり、権能に近い力を振るえる様になったりすると言う技術。
二つ目の方は、セツニキが星霊神社の書庫*5で見つけていた術式で、使用し続けると肉体が契約している悪魔の物に変容していくデメリットも有る事から、恐らく過去に居た悪魔変身能力の適性を持たない者が、擬似的にでも再現しようとして出来た術式なのではないかと思うところ。
多分技術系統としては、悪魔変身能力→魔装術(契約悪魔の力使用)→魔装術(悪魔の姿を象った
アプローチの仕方の違いと言えばそこまでだけど、P5の叛逆フォームを認知異界以外でも使える様にしたと言うか、
まあ概念的に上の領域へと進めば、下位領域の概念を複数含むのは良くある事ですし、同じ事象に複数の呼び名や到達経路が有るのも可笑しくは無い話ですね。
っと、思考が横に逸れましたが、バトルファッカーに用いた【魔装術】は、先に挙げた二つの中間辺りになりそうな仕組みの物になっていて、性癖概念は人の欲望の一側面である事からペルソナに近い性質ですが、一方で使用者当人が持ち合わせていない性癖を植え付ける事になるため、こちらは悪魔との契約に似た部分になると言う訳で。
結果的に出来上がったのは、使用者とは異なるペルソナを契約により一時的に霊格へと纏わせ、意思の力で潜在能力を引き出し制御する感じの術式。
悪魔と契約している訳では無いため、肉体が悪魔に変容していくデメリットは無いものの、代わりに使用し続けると使用したフェチメダルの性癖が、徐々に魂へ侵食する副作用が出て来た訳ですが……、まあ性癖の幅が広がるぐらいなら対した問題でも無いですね。
「さってと、区切りも付いたし煙草でも行ってくっかね」
「お疲れ様ですセツニキ。色欲界関連のフォルマで何か必要なのが有れば、スケベ部からって事でいくらか融通出来ますから、遠慮無く声かけて下さいね」
「そん時は頼むわ、じゃあな」
製作途中のあれこれを思い返しつつデータベースへ上げる仕様書などを作成していたところ、美波さんが出て行った辺りからスマホを弄ってたセツニキも区切りが付いたのか、席を立ち部屋から出て行くのを見送る。
室内が私と、まだ床に転がったままのスケベ部員のみになったところで、今の気分に合わせて刻み煙草用に使ってる煙管を取り出し、蓬莱島で製造している煙草を詰めて一服吹かす。
「この部屋、別に禁煙でも無いし灰皿もテーブルに置いてあるんですけどねぇ。まあ昨夜から掲示板でも騒いでたみたいですから、モブニキ*6辺りですかね? 新しい性癖を布教される度にセツニキへ相談してるみたいですし」
私としては、スタンクニキみたいに普通に相談してくれても構わないのですが、今世の見た目としては女性な私に、下の話を躊躇う気持ち自体は前世男の身として理解出来るため、態々突っつくつもりは無いけども。
それはそれとして、最近ネット上の創作で見かけた、煙草を吸う時に煙を気で包み、有害物質が体内へ流れ無い様にしつつ呼気と共に吐き出し、煙を包んだ気の制御と遠隔操作の鍛練をするとのネタから、実際に鍛錬法として何処まで参考に出来そうか、一服する序でに分析したりしつつ作業していると、酔い潰れて寝転がっていたスケベ部員が起き出して来た頃に端末へと連絡が届く。
「パラニキ*7、連絡の有った依頼者はそちらの二人ですか?」
「来てくれてありがとう御座います。今の私だと彼の要望を叶えるのは無理ですし、転生者同士の改造は割とグレーゾーンですからね」
「男の体のままで妊娠と出産を可能にする方法に関する研究もしてましたから、構いませんよ。それじゃ観させて貰いますね」
端末へ届いた相談内容から、面白そうと言うのも有ってやって来たのは、山梨第一支部にある医療棟の一室。
室内に居たのは、連絡をくれたFGOのパラケルススと似た容姿のパラニキ――パラケルススニキだと長くて呼びにくいため、基本的に短縮して呼ばれてる――と、スケベ部的には悪魔しょうかんのハードコース並の事を、天然でやってる業の者と評判の三好ノアニキ*8と、その弟で専用式神枠の金札として山梨第一支部への立ち入りも許可されているナナシ君の三人。
依頼者の二人については、当時未覚醒だった三好ノアニキが自身の専用式神枠を使い、悪魔に襲われて瀕死だった弟に、ドタキャンで安く流れてた専用式神ボディを式神移植して助け、三好ノアニキ視点では奴隷契約みたいな感じで扱き使う関係。
まあ三好ノアニキ視点では、と注釈を入れる必要が有るぐらいには思考にガバが入っており、ある程度以上内情を知っていれば、愛されるバカぐらいの認識になりますし、ナナシ君がレベル30前後に到達して三好ノアニキが覚醒するに至った現状だと、傍目にはただのバカップルですけども。
ちなみにナナシ君へ移植された式神ボディは、別の黒札が専用式神としてオーダーしていた
なお、式神ボディでの妊娠可能機能に関しては、人工子宮を埋め込んでの代理妊娠が可能と言う程度の物で、式神移植をした後の現状だと、人の肉と魂が入っている事から、魔術などでの儀式や準備をすれば、入り口は違っても体内に子宮が出来るため、妊娠自体は出来る状態らしい。
後、色々拗らせている兄弟だけど、塩漬け案件を積極的に熟してくれているのもあって、事務方としては割と評価していたりするし、BL好きの一部黒札にも応援されている二人だったり。
今回私が呼ばれた理由は、三好ノアニキを男のままで弟さんの子を妊娠出来る様にして欲しいとの要望*9から、パラニキのレベルだと無理な話なため、以前に男性でも妊娠可能になる方法の研究*10をしていた事もあり、お鉢が回って来たと言うところでしょう。
まあ三好ノアニキが覚醒に至った経緯――低級の神ぐらいのレベルに上がった【房中術】スキル持ちの親族(弟)式神と、契約的繋がりも有る状態で性交する強引な覚醒法――とか、覚醒後に式神ボディを移植した弟さんを専用式神枠とするため、レベル差が30前後もあるナナシ君と、専用式神と同等まで霊的な繋がりを互いに強化する契約――覚醒時よりも更にハードな房中術を含む儀式――をしたり、その状態で式神遠征みたいなレベルの上げ方をしたのもあって、既に無計画に自己改造した様な歪みまくった霊質になっているのが現状。
そんな歪んだ状態を維持したまま、妊娠出来る様に体を改造してくれとの要望は、パラニキが無茶が過ぎると言うのも然もありなん。
霊質の歪み度合いで言えば、TS魔神ニキネキ以上*11ですからねぇ……。
「あんたも医者系の俺らなのか? なんか研究してたとか言ってたが……」
「魂魄関連と生命改造の専門家って所ですかね。とりあえず結論から言うと、多少時間は掛かりますが妊娠と出産が出来る体にするのは可能ですよ」
「やったね兄貴!」
「あ、うん……」
満面の笑みで三好ノアニキに抱きつくナナシ君と言う状景を見る分には、美少女同士の抱擁と言った感じで微笑ましいワンシーンですが、内情は女装兄と男の娘な弟と言うのが業の深い話ですよねぇ。
スケベ部員が言える台詞では無いですが……。
「探求ネキの事ですから、何とかなるだろうとは思ってましたが、どんな方法になる予定ですか?」
「霊質と肉体の状況を見た感じだと、弟さんとの愛情による繋がりが大きいですから、三好ノアニキの体を直接変化させるより、弟さんを経由して同じ肉体的特徴を持つ種へと変化させる手順を踏むのが、三好ノアニキの負担が少なく確実な方法かと思います」
「って、弟の方に何かするのか?」
「弟さんのスキルを共有する程の霊的な繋がりが有る上に、覚醒した経緯が弟さんの愛による物ですからね。影響の流れ的に、弟さんから三好ノアニキに伝わる形だと、一番負荷が少ないんですよ」
「それって具体的にどんな事をするんだ?」
「まずは子宮や卵巣に産道を作って肛門と繋げるなどの改造を行い、移植された式神ボディの目的だった妊娠可能な男の娘の概念を補強し、弟さん自身を妊娠と出産が可能な体にします」
言葉だけだとわかりにくいため、断面イメージ図なども表示して説明を進めていく。
最初の工程では、鳥類や哺乳類だとカモノハシが持つ身体構造である総排泄腔を参考に、男性器の機能はそのまま残しつつ、子宮と卵巣を追加して産道を肛門まで繋げ、排泄物による汚れが残らない様にする体液の分泌と、出産時に赤子の頭部が通り抜けられる大きさに広がる柔軟性、それから元の状態まで戻る再生力を組み込む予定。
「続いて妊娠と出産が可能な体を正常な状態――生物の進化によって得た機能とするために、魂魄へ情報をフィードバックさせます」
この辺は欠損してからの時間が経ち過ぎて、【ディア】などで回復出来ない古傷となった場合の、式神パーツ移植と同じ過程となるけど、そもそも回復や蘇生で欠損部位も再生出来るのは、魂魄に人体構造情報が在り、肉体の方は欠損していても魂魄の情報を元に再生しているため。
なので式神パーツを移植する際には、魂魄の方にも繋ぎ合わせて欠損しても再生出来る様にする必要があるし、魂魄に追加した物が定着して馴染むまでには、多少の時間が掛かると言う話。
今回の妊娠と出産が可能な体への改造については、式神パーツでは無くナナシ君の細胞から作る人工臓器を移植して、遺伝子的にも〝そう言う身体構造として進化した人間〟となる様に、権能も使って定義し定着させる形になる。
「弟さんの方で魂魄への定着が完了した後は、これまでの契約時と同様に房中術で情報をやり取りし、三好ノアニキが弟さんと同じ体となって妊娠する事を受け入れれば、次第に身体が変化して妊娠と出産が可能になると言う流れですね」
ナナシ君の肉体改造と魂魄への定着まで完了すれば、後は上位存在の力で変異するのと同じ原理で、ナナシ君が三好ノアニキに愛を注ぐ事により、同種の存在へと変化させる力が自然と働き、三好ノアニキも妊娠や出産が可能な体になる感じ。
そのため、ナナシ君の肉体を改造した情報が魂魄の人体構造情報に定着するまでの時間と、ナナシ君から情報を注がれて三好ノアニキの人体構造情報が上書きされ、魂魄に定着して肉体の変化が生じる様になるまでの時間がそれぞれ必要になるため、多少時間が掛かるとの話になる。
「説明としては以上となりますが、何か質問とかは有りますか?」
「方法については何をするのかぐらいしか分からなかったが、それで兄貴と子作り出来るなら俺を改造するのは構わない。ただ、臓器が出来るまではどれぐらい掛かるんだ? こうして提案してるって事は、作るのは確実に出来るんだろうとは思うが……」
「細胞を採取して、目的の臓器になる様に培養して行きますが、時間の加速なども出来るので数分もあれば作れますよ。移植の方はパラニキが出来ますから、定着後に行う房中術で使う儀式道具の準備も含めて、まあ30分も有れば手術まで終わりますね」
「やれないとは言いませんが、30分で終わらせろと言うのは中々厳しいのですがね……」
「それで出来るってんならそれで良いんじゃないか?」
「では準備してきましょうか。費用の方はまあ技術料と多少の材料費ぐらいですから、弟さんのレベルなら直ぐに稼げる程度ですし、細かいところはパラニキと話して置いて下さい」
と言う事で、私の方はナナシ君の口腔内から細胞を採取したら工房に送り、木分身の方で子宮や卵巣に産道の培養を行う間、先に手術室へと移動して儀式場としての準備も進めて置く。
まあトリコの食材関連の研究で臓器の培養なんかも慣れている訳で、見学の三好ノアニキを含めた三人が手術室へとやってくる頃には、諸々の準備も終わり、パラニキと手術手順の確認を済ませば、後は問題なども無くささっと手術も完了。
定着状況の確認はパラニキが問題無く出来ますし、次の段階で使う儀式道具――房中術を行う部屋の四隅に貼る霊符――を渡せば、私の手が必要な部分は終わりですかね。
なお余談だけど、三好ノアニキが無事に妊娠出来たとの事で、パラニキが出産の手伝いまでする事になったりもするが、それは少し先の話。
ペルソナや悪魔の写し身を人の霊格に纏わせ、意思の力で潜在能力を引き出し制御する技術。