【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
「次の土日に麻帆良堂の人らとオフセ*1? 琴姉の誘いだし行くのは問題無いんだが、随分と急な話だな」
「ほら、瑞樹が秋祭りの企画提案貼り出したでしょ? ほぼ確実に準備で忙しくなるから、時間取れそうなのが意見募集期間の間ぐらいかなって。それにマリッサも、麻帆良堂の皆とは何時か時間作ってセッションするつもりだったみたいだし」
「仲介してくれたのも含めて嬉しいんだけど、シナリオとかどうすんだ?」
「その辺は瑞樹に頼んだから大丈夫。それと、麻帆良堂の四人はいずれ確実に霊能事件に巻き込まれるだろうから、今のうちに霊能関係も説明してしまう予定だから」
「確実にって言えるだけの根拠が有るんだろうなぁ……琴姉だし、まあそれならそのつもりでいるさ、システムはいつもの様に陰日で良いんだよな?」
「うん、色々と説明するのにも丁度良いからね。私は他の準備とかもしてくるから、ペリーヌにも話しといてね」
夕食が終わって一旦自室に戻ってたところ、部屋に訪ねてきた琴姉から告げられたのが、夏の祭典で知り合って意気投合した理沙や桜子の所属するサークル、麻帆良堂とのオフセの誘い。
琴姉の唐突な提案はまあいつもの事だから慣れた事だけど、学校が再開して直ぐに話が来るとは思わなかったし、一般人っぽかった四人に霊能関係の話をするってのも、何故そうなったのかわからんぐらいには驚く話。
とは言え琴姉が関わった結果ってのを考えると、その方が良いと判断した何かがあったんだろうとは思うし、そこを聞いたところで余り意味も無いからスルーだな。
必要な事を伝えたらさっさと出ていった琴姉のことは一先ず横に置き、ペリーヌにオフセの誘いが来た事を伝えに部屋へと向かう。
「霊能関係の説明もするって事は、それなり以上に時間が掛かりそうだが……、つまりは時間が掛かっても良い様に部屋の準備もするって事か。長丁場になりそうだな……」
そんなやり取りがあった日から数日後、葦原荘の今日使う部屋へ向かうと、そこは予想通り高倍率の時間加速が可能なダイオラマ魔法球が設置されている部屋で、扉横の利用予定表には今日一日私らの貸し切りと書かれている。
「おや、マリッサもペリーヌも早いですね。まだ集合時間までありますからお茶でも飲みますか?」
「私としちゃ綴姉さんは兎も角、師匠がゆっくり本読みながらお茶してるのが違和感なんだが? 家でも師匠って常に何かしてるし」
「正直、私としても何時お休みされているのか不思議な感じでしたけれど、今日に併せてお時間を作られたと言う訳でしたのね」
室内に入ると、いつも分身だろうとあれこれ忙しく動いてる師匠が綴姉さんと既に居て、美味しそうな紅茶の香りを漂わせながらゆったりと本を読んでいる姿が目に映る。
正直な所、普段からゆっくりしている姿なんて殆ど見ない師匠のオフの姿みたいな感じで、凄く違和感を感じる光景なんだが、ペリーヌの言う様に師匠だって休みは取ってるはずだし、私らが見たこと無いだけでオフの時だってあるよな。
服装もいつもの道士服っぽい霊装じゃなくて、秋らしい縦縞のセーターにロングスカートと、町中を歩いても服装という意味では目立たない格好だし。
「? ああ、特に言う必要も無いので話してませんでしたけど、全国の食べ歩きとか掲示板の巡回、ゲームや読書などの趣味をするための分身も常に何体か居ますから、仕事が忙しくても遊びに割くリソースは確保してますよ? 家で行ってる研究も基本的には趣味の範疇ですし」
「マジか……」
「金札の間では、色々とお作りになってたり支部長もしていて忙しいはずなのに、全国各地でよく見かけると話になってましたが、そんな絡繰りがあったのですね……」
「瑞樹さんって基本的に楽しく遊ぶ事が第一で、そのために必要な努力を重ねてきっちり仕事を終わらせて置くタイプですからね」
「ってことは、マジでオフの状態の師匠なのか、今は」
「連合としての研究なら技術部やデジタル技術部に行ってる木分身の方で行ってますし、家の工房で研究してるのは個人的な趣味の物ですから、家に居るときもオフはオフですね。今は町歩きしても目立ちすぎない格好にしてるだけですし」
そう軽い調子で言う師匠は、町中に溶け込む事を重視しているのか、普段の高位霊能者的な気配は欠片も感じられず、何つーかそこらのカフェでお茶でもしていたなら、気にもせずに素通りしてしまいそうな、そんな背景に溶け込む様な不自然な自然さと言った印象を受ける。
まあ今は、私らと会うから認識に入る様に気配を出しているだけで、普段の町歩きだとそもそも、師匠を師匠と認識出来る奴がどれだけ居るのかって話になるんだろうが……。
師匠の口ぶりから、恐らくはそんな感じで誰にも騒がれずに、人知れず全国各地を遊び回って居るんだろうな。
そんな知らなかった師匠の一面を聞いたりしている内に、そこそこ時間も経っていた様で、麻帆良堂のメンバーを案内してきたのだろう琴姉達の気配が近付いてくるのに気付く。
「お待たせー、って言ってもまだ集合時間前なんだけど、マリッサとペリーヌも急な予定に答えてくれてありがとね」
「元々時間があったらってのは裕奈にも言ってたし、気にしないで良いさ」
「ええ、私も講義の予定などは入ってませんでしたから、時間の都合を付けるのも問題は有りませんわ」
色々と急に決めたからって事だろうが、琴姉からの改めてのお礼に軽く返答してる間に、続いて麻帆良堂の面々も入ってくる。
祭典で出会った時はペリーヌが居なかったし、主に話してたのは美砂と桜子の二人だったのも有って、一先ずは互いに軽い自己紹介をして行く。
「まずは久しぶりって事で私から挨拶するか、アメリカ出身でマリッサ・ドリズルだ、マリッサと呼んでくれ」
「次は私ですわね。フランス出身のペリーヌ・クロステルマンと申しますわ。一昨年頃に日本へ引っ越してきて、今はこちらの瑞樹様の領地で手伝いをさせて頂いております」
「領地……?」
「所有している島の事ですよ。初めまして、ここ葦原荘の所有者でもある七倉瑞樹です」
「おおぅ、もしかしてかなりのお金持ち……?」
「何か私達場違いだったりしない? 大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫、金持ちって言っても格式とか気にするような家系って訳じゃ無いから、普通にしてたら良いよ」
「後は私ですね、秋山綴と言います。瑞樹さんのところで教師の様な事をしてますね」
「んじゃ次は麻帆良堂の方だね。まずはペリーヌの台詞でちょっと腰が引けてるのが、常識人なくぎみーこと釘宮円」
「くぎみーはやめろって言ってるでしょ!」
「んでギャルっぽい感じでコミュ力高目な柿崎美砂に幸運の申し子な椎名桜子、ちょっと内気だけどしっかり者の和泉亜子にドイツからの留学生で百合カップルなマルゴット・ナイトにマルガ・ナルゼだね」
ペリーヌの台詞に麻帆良堂のメンバーが困惑した表情を浮かべるが、師匠の捕捉で一応は納得しつつも、更に困惑を深めている様子だな。
まあ島を所有しているってのも、考えて見れば普通じゃ無いんだから然もありなんってな。
後、師匠の名前を聞いて、マルゴットとマルガの二人が若干表情を硬くしてるのは、ガイア連合の銀札らしいのを考えると仕方ないか。
ともあれこっちが終わった所で、琴姉が麻帆良堂の六人を順にさらっと紹介し、パンッと一つ柏手を打つ。
「ま、時間も勿体ないし、紹介は軽く終わらせて先に移動しよっか」
「あれ? この部屋でやるんじゃないの?」
「それは見てのお楽しみって事で、瑞樹お願いね」
「自己紹介の間に準備は終わらせてますから、行きますよ」
至極当然な美砂の疑問は琴姉がさらっと受け流し、自己紹介の間に机の上に広げてた物などの片付けを済ませ、ダイオラマ魔法球に移動する準備も整えた師匠が術式を起動させる。
師匠が宣言した直後に一瞬の暗転、転移特有の軽い浮遊感が過ぎた後には、葦原荘の室内から地平線が見える草原と、百人単位で人が住めそうな屋敷が視界に映る。
「「「「ええー!?!?」」」」
「なっ?!」「嘘でしょ!?」
純粋に驚きの声を上げる一般人な四人の横では、覚醒者だからこその衝撃を受けている二人。
師匠を含めて気軽に転移する人らが何人も居たり、葦原荘と蓬莱島の往き来に転移陣を使ってたりで感覚が麻痺してたが、普通は転移自体が超高等技術だし、ダイオラマ魔法球みたいな異界も普通は想像の埒外だよな……。
まあ流石に今居る場所――ダイオラマ魔法球がどんな物かってのはわかってないだろうが、予備動作なんて無く一目で異界とわかる場所に引き込まれれば、驚きもするって話。
「ではでは改めて、ココが今回のオフセ会場として用意した場所になるよ。親睦深めるならキャンペーンの一つでもと思ったけど、皆色々と用事があったりして、時間を合わせて何度も集まるってのも難しいから、時間加速出来るココでガッツリやる予定だね」
「時間……加速……??」
「ちょっ、それマジで言ってんの?! と言うかこの異界自体何なのよ!」
「その辺の話をするにしても、中に入ってからが良いんじゃねぇか?」
「まずはゆっくりとお茶でもしながら説明をしましょうか。今回はその辺も含めて色々と話をするために琴音が集めた訳ですからね」
一般人な四人より驚きの声が大きいのは少しでも理解が出来てしまうからだろうか。
二人の反応は、かつて同じ道を辿った身としては理解もするが、落ち着くまでこの場所――ダイオラマ魔法球の出入り口である石畳の上ってのもどうかって事で、移動を促してちょっと強引に状況を動かしてみる。
魔法球内の光景に理解が追いついていない面々を促して屋敷へと入り、談話室へと移動したら、師匠が手早く人数分のお茶を入れて話し合う場を整える。
ただまあ、場所は移動したと言っても混乱は続いてるみたいだし、説明が出来るまでしばらく掛かりそうだな……。
「お茶も飲んで落ち着いてきたみたいだし、そろそろ説明してくよ~」
結局落ち着くまで十数分ほど掛かったが、そこからは琴姉の話術によるものか、説明自体はスムーズに進んで行く。
覚醒者の二人についてもそこは予め話してたのか、霊能関係者って部分の暴露には動揺してなかったが、二人が元々所属している魔女集団、
「――っと、これで一応は一通り説明出来たかな。質問とかある?」
「オカルトって本当にあったんだ……」
「ビックリだよね~」
「いや桜子の幸運とか殆どオカルトみたいな物じゃないの」
「えっと、もしかして美砂と桜子と円と私以外の皆は、その覚醒者って奴だったり?」
「うん、そうだよ。この間ボドゲ部の部室に行ったのも、オカルト関係の立ち位置を確認するってのも理由にあったからね。まあ琴音がパパッと方針決めたから、今こうしてる訳だけどさ」
「へぇーそうだったんだ」
琴姉の説明が一通り終わって一般人な四人の様子はと言うと、この手の説明でよくある否定的な感じは無く、そこそこ納得したって所だろうか。
初手でダイオラマ魔法球――異界に連れてきた不思議体験があって、更には陰陽寮の日常関連での啓蒙が上手く作用したって部分も大きそうだが。
特に麻帆良堂は、陰日TRPGのシナリオ集を作るぐらいにはプレイ回数も多いし、確定的では無くても〝もしかして?〟と感じる事ぐらいはあったのかもしれんしな。
「信じがたいけど証拠も体感させられたし、オカルトが実在するってのは納得するとして、琴音が態々私達に説明したのは何故なのか、聞いても良い? 裕奈と私達が元クラスメイトで友達だったから?」
「切っ掛けが裕奈の友達だからってのは事実かな。元々は終末に向けた準備の確認中に話題にでたからだし」
「つっても、その時は時期が来たらシェルターに誘導するぐらいな感じだったけど、実際に会いに行ったら霊能関係の説明もするって言われて、私も疑問だったんだよね。理由説明されたら納得しかなかったけどさ」
「運命力的な流れが見えたからねぇ。これまでは何とかなってたみたいだけど、去年にドイツから来た二人と繋がりを得て、今の時期にマリッサと知り合って裕奈とも一緒に遭遇するって状況、偶然で片付ける訳にはいかないよねって」
「そう順序立てて説明されますと、運命力が低い私でも霊感に引っ掛かる所が有りますわね」
「えっ、そう言うもん?」
「オカルト的な感覚って言っちまえばそれまでだけどな」
疑問の声を上げた美砂を始めとして、未覚醒の四人は同じ様に疑問符を浮かべているし、銀札でレベルは10前後ぐらいだろう二人も、今ひとつ実感は出来ていない感じか。
まあこの感覚はよほど運命力が高いか、ある程度以上
「恐らくだけど、六十日前後の間にオカルト事件に巻き込まれて、死ぬかそれよりも酷い状態になってただろうね。具体的には陰日の邪教がやってるアレコレみたいな感じに」
「ああ、桜子の幸運は手段を選ばない連中が目を付けるには十分だよねぇ……。って事は、ただの幸運では覆せないナニかが関与する事件になるって訳か」
「うげっマジ? って言うか陰日の邪教みたいな事する奴らってホントに居るの??」
「陰日の邪教はメシア教がモデルで、作中の描写はアレでも事実に比べてマイルドにしてるんですけどね」
陰日の邪教の所業でも、一般的にはドン引きな内容ってのは掲示板とかでよく見る話で、麻帆良堂の面々もドイツからの二人を除けば、ネタとしか思ってなかった感じだろうな。
「えっ、陰日の邪教でもまだマシと言われる様な奴が居るの……?」
「メシア教ならやるでしょうね。欧州だと魔女狩りで捉えた人間を道具に加工するなんて事も普通にしてた連中だもの」
「実感が籠もっているで御座るな」
「まーナイちゃんたち魔女だからねぇ。付き合いの有った他の魔女の里がメシア教に滅ぼされたりなんてのもあったし、ナイちゃんたちが日本へ逃げてきたのも、メシア教の襲撃で主力の多くが殺されたからだし」
「「「「うわぁ……」」」」
当事者が語る殺伐としたオカルト界隈の事情にドン引きしてるみたいだし、流石に私の経緯――
それから陰日の邪教をフックにして、メシア教についての確認されている事実を話てると、一区切りした辺りで円が何か思い出した様に、ドイツ組の二人へ声を掛ける。
「メシア教についての話は一区切りしたみたいだし、ちょっと気になったと言うか思い出した事有るんだけど、マルガとマルゴットが〝智慧の刻印〟*2とか〝深緑の指導者〟*3を読み込んでたのって、魔女だからだったりする感じ?」
「その二冊だけじゃ無くて全部読み込んでるわよ。系統違いでも参考に出来る技術が有ったりするしね」
「くぎみーの挙げた二冊を重点的に読んでるってのはその通りだけどね~」
「あれ? 邪教がメシア教をモデルにしていて、オカルトが実際に有るって事は、陰日のオカルト技術も創作の設定じゃなくて本物だったりする?」
「するわね。と言うか、普通は組織で秘匿してる様な技術書をその辺の書店で買えるってのが可笑しいのよ! 陰日のルルブを初めて見せられた時、どれだけ驚いた事か……」
「読んで試してみたら使えるし、流石に目を疑ったよね~。あっ、そうだ黒札の琴ちゃんなら知ってるかな? 陰日TRPGのルルブ出してる所もガイアグループの傘下らしいけど、制作にガイア連合が関係してたりする?」
「元々陰陽寮の日常自体、オカルト関係を一般に啓蒙する目的でガイアニと協力して制作したアニメだし、公式で出してるのは基本的に黒札が関わってるかな。そもそも設定資料とかTRPGのルルブやサプリを書いてるの、そこの瑞樹だし」
「「「「「「えっ??」」」」」」
麻帆良堂の皆の動きが見事に一致して、師匠の方へと視線が集まる。
そりゃまあ、普段遊んでるTRPGの制作者の一人が居るって言われたら驚くよな。
「アニメの方は霊能を受け入れる土台作りの一環で、TRPGの方は覚醒者の底上げ目的で制作した物ですからね。まあ書いてる内容は、基本的にガイア連合の基準でレベル20以下の内容で、上級で多少30前後の内容を扱ってる程度ですが」
「えっと、琴音が言ってるだけじゃ無くてマジ話……?」
「嘘偽り無く本当の事ですね。アニメ第一期の頃は私もまだ知識不足な点が多かったので、ガイア連合の盟主に協力して貰ってでしたが、以降に公式で出した資料などは全部私が書いてますよ」
「あれ? って事はもしかして、陰日の師匠のモデルになった人?」
「今んとこ陰日で描写されてる能力は、瑞樹からだいぶナーフした物だけどね。設定で実際を超えてる部分は年齢ぐらいじゃないかな」
「アレで? 本領がタオな仙人なのに、神道・修験道・陰陽道に精通していて、術者タイプなのに戦士系技能も一流で生産系も出来るとか言う、設定盛り盛りなのに?」
「そりゃ瑞樹はペルソナ使いでもあるし、練度の差はあるけど既存の術は一通り覚えていて使えるからねぇ。
「自分の事棚に上げて好き勝手言ってますけど、出来る事の幅で言えば琴音もそう劣る物じゃないでしょう。まあ生産系と戦闘系の違いは有りますけどね」
私からしたら雲の上な超越者の時点でどっちもどっちって感じなんだがなぁ……。
まあ二人のじゃれ合いは兎も角、霊能関連の話に結構な時間も掛かったが、四人からの質問も尽きてきた様で、漸く今日集まった目的の方へと話が移る。
「んじゃ質問も終わったみたいだし、今回やるキャンペーンセッションの話に移るね」
「あ、セッションの方もするんだ。てっきりさっきの話をするための口実かと思ってた」
「いや主目的はこっちだからね? 霊能関係の説明したのはその方が良いと感じたってのもあるけど、ダイオラマ魔法球を使えるからってのもあるし」
「ダイオラマ魔法球ってのが、この異界の名称なのかな?」
「異界型魔導具って所かな。内部の時間を加速する事が可能な瑞樹が作った道具の一つで、今は百倍に設定してるね」
「えっ百倍? 時間の流れが異なる異界を管理出来てるってだけでも可笑しいのに??」
「ナルゼさんが混乱するのも無理はありませんわね。私も最初に聞いた時は自分の常識が揺らぎましたもの」
「でもまあコレがあるから、一日でキャンペーンを終わらせるなんつー予定も立てられるんだがな」
麻帆良堂の一同揃って疑念の表情を浮かべるが、コレばっかりは一度時間の経過を体験して貰わないと実感もわかんよな。
「ま、時間を気にせず存分にセッション出来ると思ってくれれば良いよ。それより今回のキャンペーンで使用するルルブとサプリだけど、基本の教練書*4と上級の秘伝書*5は当然として、〝霊魂の目覚め〟*6〝星の占事略决〟*7〝大和神奉録〟*8〝峻厳たる霊山〟*9〝悠久なる
「メンバーに魔女が居るって話でしたから、キャンペーンのレギュレーションに絡める形で追加サプリを書いてきました。タイトルは〝
「新規サプリ!?」
「コレって公式の案件って事に成るんじゃ……」
「と言うか師匠、態々キャンペーン用に書いてきたのか……」
「瑞樹さんは他のサプリも似た感じで執筆してましたし、キャンペーンをプレイしながらの修正もいつもの事ですよ」
「そうそう、悠久なる
「「「ぶっ!?」」」
「そういや瑞琴以外の五人は去年の九月に生まれたんだっけか」
「一日を一年に加速させた異界を使ったとの事ですわね」
琴姉の唐突なカミングアウトでまたしても大混乱に陥り、TRPGキャンペーンの話に戻れたのは更に数十分もした後になるんだが……。
まあ時間はいくらでもあるんだし、先に渡されたサプリとサマリーでも読んでおくかな。
基本的な業界情報と
オカルト銃火器や属性弾、オカルトパワードスーツなどの情報が詳しく掲載されているサプリメントになっている。
また、アニメ三期の舞台裏を補強する形で、都市に潜む犯罪者集団〝フロンティア〟や都市に潜む邪教徒たちの情報、名家に対する情報も載っている。
陰日TRPGのサプリ関係を振り返ってみたら、アニメ一期の三人の内、修験道関係が抜けてた事に気付いたので、最初に登場した〝078:束の間?の休息〟の方にも追記して、作中の昨年(2002年)の夏頃にルルブと合わせて発売されたことにしてます。
ちなみに、拙作世界線でのルルブとサプリの発売時期は、現在のところ以下の感じになっています。
・2002年の七月頃(半終末突入後の夏頃)
陰陽寮の教練書、霊魂の目覚め、星の占事略决、大和神奉録、峻厳たる霊山
・2002年の十一月頃
悠久なる
・2003年の三月頃
戦士の誓い、深緑の指導者
・2003年の六月頃
陰陽寮の秘伝書、鉄火の文明、性命の系統樹
・2003年の七月頃
囚獄司
・終末後