【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
蜻蛉返りの様に葦原荘へと戻り、救出した8人の女子生徒を預けた後、行動方針と向かう先を琴姉に連絡して、改めて車を走らせて帝都の外へと向かい始めたのが、時間にして大体8時頃。
まだまだ朝と言える時間帯だが、日の出と共に始まったメシア教過激派によるテロ活動は急速に規模を広げているらしい。
「メメントスでなら兎も角、現実でも轢き逃げアタックする事になるとはなぁ……」
「そのメメントスって認知異界って奴だっけ? なんか私も関係するだろうからって説明されたけど」
「メメントスは東京にある大規模認知異界の名称だな。認知異界自体はある程度人が住んでる場所なら何処でも出来る可能性があるし、その所為でペルソナ使いなら大なり小なり関わる事になるからなぁ」
穢教鳥が暴れ始めてGPが上昇し、それによって帝都守護結界の効果を超えて他の悪魔も出現する様になったのか、道路上を彷徨いる餓鬼を轢き殺しながら車を走らせる。
まあ意図的に轢き殺してるってより、走ってる所に真っ正面から襲い掛かって来たからそのまま跳ね飛ばした感じだが、周囲に事故った車の残骸がいくつもあるし、一般人には認識されないのを良いことに、車を襲ってた悪魔なんだろうな。
悪魔によるものだろう破壊痕がある車も、車同士がぶつかった物もそこらに転がっていて、メメントスを走れる様に色々と機能が付いてなければ、移動もままならんぐらいに障害物だらけの道路を進んでいると、今の東京の状態を直接見たいからと助手席に座ってる詩乃が口を開く。
ちなみに口調とか呼び方とかは、私の方が年下だしこっちも丁寧に話すとか面倒だからって事で、一度葦原荘に戻った時に話して、名前で呼ぶことになった感じだな。
最も、裕奈や二代に麻帆良堂の皆と先輩がタメで話してるのに、後輩の詩乃はファミリーネーム&丁寧語ってのが、詩乃的にも据わりが悪かったって所もあるらしいが。
「人の集合的無意識って奴が大本になってる精神世界みたいな物だから、人が多い程影響が強くなるってのは聞いたけど、いまいちピンとこないのよね。私としては今の東京自体が異世界に迷い込んだ様な気分だし」
「気分的な意味でってのも同意するが、ある意味では異世界に迷い込んだってのも間違いとは言い切れないんだよな……」
「……どう言う事?」
「メシア教過激派が穢教鳥――悪魔を大量に喚び出した今の東京みたいな場所だと、悪魔達が本来居る世界とこっちの世界の境目が曖昧になるんだが、その指数を霊能業界の用語でGP、ゲートパワーって呼んでる。そんでこのGPが高くなるとより強い悪魔がこっちの世界に出てこれる様になるんだが、それと同時に元々の物質世界から悪魔のいる世界――魔界に空間ごとズレる事も有って、そうした物質世界からズレた空間を異なる世界と書いて異界って呼んでるんだよ」
「それってつまり、東京がその異界って奴になってるって事?」
「今はまだその途中って所だけどな。つっても地球上だと日本以外は何処も異界に片足突っ込んでる様な状況だし、最終的には地球丸ごと魔界化して物理法則が吹っ飛ぶらしいんだがな」
「はぁ?!」
この辺の話はまだ聞いてなかったのか、声を張り上げる詩乃に半終末とその原因、ドイツ組の二人もメシア教から逃げて日本へ避難してきた事などを話していくと、なんつーか困惑してる様な怒ってる様な、そんな微妙な表情と気配を浮かべていた。
「――てな感じで、まとめるとメシア教が力を持って主流派になった時点で、どんな形であれ既存世界の終わり、終末が来る事は確定してるってのがガイア連合の見解で、少しでも現代文明を維持して終末を乗り越えようとしてる訳だな」
「学生寮でマリッサが殺さないといけないって言った意味が良くわかるわね。少なくとも東京をこんな風にした過激派って連中は、見つけたら確実に殺す事にするわ」
「それなら逃さず殺せる様に強くならんとな。って事で、助手席の屋根開けるから見える範囲の悪魔を撃ってレベル上げしてたらどうだ? メインで使う銃を選ぶ試し撃ちも兼ねてな」
「このバッグに入ってる奴から好きに借りて良いんだっけ、日本で多種多様な銃がいくつも手に入るってのも凄い話よね。とりあえず先輩が貸してくれたのと同じグロックはサブに持っとくとして……何で対物狙撃銃なんてのまであるのよ」
「ああそれはキノ姉――私の師匠も懇意*1にしてる黒札の人が実銃でないと上手く力が使えないってんで、世界中から実物を集めたり、開発者を保護したりしてるからだな。ガイア連合には霊能的に銃が必須な人もそこそこ居るって話で、その関係で銃関連の技術者も結構居るし、製造から新規開発までやってるらしいぞ」
「オカルト組織って聞かされて胡散臭く感じてたけど、こうして聞くとギャングかマフィアみたいね」
「日本的には任侠ってのが近いって師匠は言ってたな。自警団とかから発展した初期ぐらいの、外敵から地域を守る代わりに強い影響力を持ってる感じの奴」
「任侠って割りには、やってる事の規模が大きすぎる気がするけどね。車内からだし、射程を考えるとライフルから試してみましょうか」
話してる内に在る程度目星を付けた様で、補助具を使いペルソナを発動させてルーフから顔を出すと、収納バッグから取り出したライフル*2を構え、進行方向に見えてる餓鬼を狙撃する。
「上手いことヘッショ出来たみたいだが、まだレベル低いし流石に一撃は無理だったな」
「そうね、ペルソナのおかげなのか遠くを狙うのは難しく無い感じだけど、もっと威力が欲しいわね」
「それより威力高いのも入ってるし使ってみたらどうだ? っと、そういや師匠から詩乃と相性が良いだろう狙撃銃があるってメール来てたな」
「会った事も無いのに、何で相性が良いとか分かるのよ」
「何つってたっけか……。確か霊的な素質や能力が高い人らの認識ってのが、集合的無意識に影響を与えるとかで、特に集合的無意識から力を引き出すペルソナ使いは強く影響を受け易いんだとか。そんでもって私も時々見かけたりするんだが、アニメや漫画にゲームとかのキャラと似た容姿の人物だったり、実在の人物をモデルにしたキャラだったり居るだろ? キャラの知名度が高かったり、さっき言った霊能の高い人らに知れ渡ってたりすると、現実でもそのキャラと特徴や性質が似通う場合もあったりするんだと」
「それってまとめると、私に似たキャラが居て、そのキャラが使ってる銃だから私も相性が良いかもしれないって事?」
「ぶっちゃけそう言う話だな。私はまだ読んだ事無いんだが、師匠から電子書籍送られて来てるから時間が出来た時にでも読むか?」
「……余裕が出来たら考えるわ。それよりその銃ってのは?」
「あいよ、リストのPGMヘカートⅡって奴だな。フランスのPGMプレシジョン社が展開してるウルティマ・ラティオシリーズの一つで、.50BMG――12.7x99mm NATO弾を使用するボルトアクションアンチマテリアルライフルだ」
「狙撃銃ってだけでもアレなのに対物って……、ホント良く捕まってないわね」
「基本、異界内とかでしか使って無いし、その収納バッグみたいに隠して持ち運べる方法が出来たからって部分も大きいんじゃねぇかな。ガイア連合の初期頃は木刀とか誤魔化せるのを使ってたし、持ってても問題にならない玩具に偽装したりとかもしてたって師匠は言ってたぜ。まあ、中には玩具とかカードゲームに霊能適性が有る奴なんかも居るっぽくて、そっちのニーズ向けに玩具霊装の研究開発してる部署もあるとか」
「理解しようとするのが間違いっぽいのはわかったわ……」
頭痛でもしてるかの様に眉根をしかめた詩乃が話を切り上げ、師匠が進めたヘカートⅡを取り出して操作を確認、弾丸を装填して構え、引き金を絞る。
「釈然としないけど、本当に使い易いと言うか馴染むわね……」
「さっきの奴から倍以上離れてるのにヘッショ決めて一撃か、狙撃方面の腕なら裕奈以上だなぁ」
「先輩は中から近距離がメインなのに狙撃もそこそこ出来る感じで、私は多分狙撃メインで近距離も少しはって所じゃない? ヘカートⅡを使っての感覚だけど」
「その手の感覚は大事だぞ? ペルソナの元になった那須与一って奴は確か、陸から船の上に置かれた遠くの的を射貫くって伝承があるし、普通は無理と言われるような狙撃も可能な側面がペルソナになったと思えば納得も出来る」
「そう言う物かしらね。まあヘカートⅡが妙に馴染むし、当面はこれを使わせて貰うわ」
「OK、そんじゃ弾薬用の収納ポーチも入ってるから、ヘカートⅡとグロック用の弾丸移して使ってくれ」
「大量に持ち運べる便利な鞄とかゲームのキャラにでも成った気分ね。先輩達が良くやってた陰日TRPGの陰陽寮とか有ったりしない?」
「第二次大戦前にはヤタガラスとか葛葉とかソレっぽい組織は有ったらしいが、残念ながらメシア教が潰した後だとよ。ガイア連合も別に国家機関や護国組織って訳じゃ無いしな。それに陰日は霊能業界が元だし、ゲームキャラっぽいってのもある意味間違いじゃないんだよな。陰日で出来る事は全部実際に可能な事だし」
「話を聞くほどに頭が痛くなるわね……」
流石に詰め込まれる情報量が多かったか、詩乃が話もそこそこにレベル上げに戻ったのを見て、私も運転の方へ意識を戻す。
まあ丁度と言うか、道路に転がってる瓦礫の量が多くなってきたところだしな。
そんな感じで、時々瓦礫の影に隠れてる悪魔ごと瓦礫を跳ね飛ばしたりしつつ、軽快に走らせる事しばらく、いくつかの区を通過して、帝都結界の外縁部も多少は見えてくるかって所で、嫌な物の群れが進む先で蠢いているのを詩乃が発見する。
「ちっ、このまま進むと穢教鳥の群れに突っ込む事になるわよ」
「あれか……、まだ多少距離あるから迂回は出来るがどうすっかねぇ」
「追加情報、襲われてるっぽいのが3人、少なくとも1人は覚醒してるみたいよ」
「襲われてる奴が居るってんなら序でだし助けて行くか、覚醒者も居るなら一旦落ち着ければ近くの支部へ逃げるぐらいはできるだろ。中に連絡しとくから、詩乃は少しでも穢教鳥を撃ち落としといてくれ」
「了解、1匹でも多くぶち殺してやるわよ」
宣言通り直ぐさま穢教鳥の狙撃を始めた詩乃を横に、車内へ連絡するスイッチを入れて状況を説明していると、車内から裕奈の確認が返ってくる。
『ん? マリッサ、襲われてる子らの所ちょっと拡大してくれない?』
「ほい、これで良いか?」
車内の方にも映してる各種記録用に設置してる車載カメラの映像を空間投影して、問題の襲われてる人らの部分を拡大表示させると、どうやら襲われているのは男が2人に女の子が1人で、背格好だけでは断定出来ないが、恐らくは高くても高校生、少なくとも成人はしてないだろうって感じの3人だった。
『あ、やっぱり琴音保護する予定にしてた子じゃん』
「マジでか……」
『琴音がチャリティーバザーで知り合って友達になったかなみって子、私と二代も何度か一緒に遊んだ事有るから間違い無いよ。ちょっと琴音に連絡入れとく』
琴姉が保護するつもりの子が穢教鳥に襲われている場面に遭遇するって時点で、既に偶然とは思えない状況に嫌な予感がしてくる。
が、とは言え見捨てるなんて選択肢はそもそもからして無い訳で、色々と覚悟を決め、突っ込んだ後に何が起きても良い様に心構えと準備をした上で、アクセルを踏み込み加速する。
「1人辛うじて戦えてるのが居るからか思ったより空中に穢教鳥が多いな……、道作って群れの中心ぶち抜くか」
「何? この車空も飛べるの?」
「異界の中だと車が通れない地形なんて珍しく無いからな、進む道を作る機能もオプションに入ってんだよ。つーこって【ウィングロード】*3起動、アクセル全開で突っ込むぜ!」
「ちょっ?! 私が座るまで待ちなさい!」
未覚醒なら兎も角、ペルソナを発動してれば顔を出してても早々怪我なんてしないんだし、そのまま撃ってるかと思ったが、そういや覚醒してから数時間も経ってなかったか。
まあ詩乃が文句言ってる間に距離も縮まって、派手に穢教鳥を弾き飛ばしながら戦場へと乱入し、横滑りしながら停車させる。
「ダイナミックにエントリーってな! 穢教鳥狩りだ!」
「ああもう! カーアクションなんて映画だけにしなさいよ!」
「いやー派手に行ったねぇ、派手な登場序でに一発デカいのぶち込むよ!」
「それRPG-7*4? 良くそんな物まであるね」
「裕奈の御母堂はキノ殿と同じ実銃愛好部の黒札で、裕奈も実銃愛好部主催のサバゲーにはよく参加してる故、個人的にこの手の物を入手する伝手が有るで御座るからなぁ……」
「そんな事より穢教鳥が逃げ出す前に殲滅するわよ」
「日本と言うかガイア連合って、呪殺系のアイテムが大量に有って安く使えるのが良いよね!」
車で吹っ飛ばしてもまだまだ犇めいてる所に裕奈がロケランをぶち込んで、マルガの補助を受けたマルゴットが呪殺系アイテムを触媒にした魔術を放ち、ごっそりと穢教鳥が落ちた所へ、私を含めた近接可能な組が追撃に入る。
以前に二代の槍を私らで作った際、序でに更新したアダマントス合金木製の八角棒を振り回し、呪殺属性の霊力を纏わせる事で当たる端から穢教鳥を即死させる。
そうして一気に数を減らした所で襲われてた人らを確認すると、どうやらメインで戦ってた男性は結構ボロボロだが、全員無事ではある様子。
集ってた穢教鳥に高レベルは居なかったが数だけは多く、戦闘音などに引き寄せられたのか、追加の穢教鳥や漁夫の利でも狙ったか餓鬼にゾンビなど、複数の悪魔が襲ってきた所為で倒し終わるのに時間が掛かったが、一先ず敵影が無くなった所で、襲われてた3人の安否確認とボロボロになるまで戦ってた男性の治療に取り掛かる。
「くそっ、なんで天使が襲って来やがるんだ?」
「アレらは悪魔の一種で御座るよ、カズマ」
「悪魔だぁ? って、二代の姐さんじゃねぇか。あいつら天使って名乗ってたぞ」
「あいつらが自称してるだけで、私らが分類してる種族名は教えを穢す害鳥って意味で穢教鳥だな。一応種族名で天使と呼べる悪魔も極稀に居るが、アレは真っ当な天使と区別するために分類分けする事になった害鳥共だよ」
「あん? 誰だおめぇ」
「二代のチームメイトでマリッサだ。さっきの穢教鳥みたいな悪魔退治とかもやってるガイア連合って霊能組織の人間だな。つーか知り合いなのは女の子の方だけじゃ無かったのか」
「うむ、かなみ経由で知り合ってな、強くなりたいとの事で徒手格闘の基礎を指導した感じで御座る」
辛うじて瀕死じゃない程度までボロボロになってた男性、二代が言うにはカズマって名前らしい男に【ディア】を掛けると、多分この騒ぎで覚醒したばっかだとは思うんだが、傷が癒えて直ぐに悪態付ける辺り、よほどタフなんだろうな。
にしても、裕奈が確認に行った方の2人も大きな怪我は無かったみたいだが、落ち着いて見てみると襲われてた3人共覚醒してるのか……。
カズマは右腕にゴツい籠手みたいなのを付けてたが、力を解除して消えた様子的に、悪魔変身能力ってよりも琴姉達が使うオーバーソウルとか言うのが近い気がするし、もしかしたらペルソナ使いかもな。
「マリッサ! カズマの怪我どんな感じ?」
「【ディア】を2回ほど掛ければ全快したし、見た感じは問題無さそうだぜ、そっちは?」
「少し怪我してたぐらいで誠くんもかなみちゃんも無事だね。覚醒したおかげで即死せずに済んでたみたいだけど、ペルソナ使いだったからカズマ程上手く力を使えなかったのは、運が良いのか悪いのか」
「おいおい、そっちの2人もペルソナ使いなのか?」
「も、って事はカズマもペルソナ使いなの? 右手が変化してたからデビルシフター辺りかと思ってたけど……」
「【アナライズ】はしてないが解除される時の様子からな、ペルソナを武器や鎧に圧縮構築するっての練習してるだろ? アレと似てる感じがしたんだよな」
「マジで? うわっ、何か嫌な予感がする」
「お二人とも新手が来てますわよ。まあレベルは20前後ぐらいですが」
「私達にとってはぐらい、なんて言えないんだけど??」
治療などが一段落して、襲われていた三人――由詑孤児院所属のカズマとかなみに苗木誠の無事が確認され、さてこれから色々説明をしようかって所で、索敵に回ってくれていたペリーヌから敵接近の報告が上がる。
半終末以降、日本内も少しずつGPが上昇しているとは言え、異界内でも無ければ10を超える事もまず無いのに、接近してる悪魔のレベルが20前後ってのは、私が想定していた以上に帝都の異界化が早く進んでるって事だろうか。
まあレベル40超えた私らならちょっと面倒ぐらいだが、師匠が施した【霊質強化術】によりレベル10前後に成っているとは言え、美砂達にとっては格上だし、それ以上に覚醒したばかりな3人だと余波でも致命傷になりかねないって事で、麻帆良堂の皆には3人の護衛を任せていると、自己陶酔した様な神経を逆撫でする耳障りな声が響く。
「全くもって度し難いな黄色い猿は、主のために使ってやろうと言うのに抵抗するなどとは、跪き咽び泣いて主の役に立てる事を感謝して、さっさとその身を差し出せば良い物を」
響いてきた声からも察せられたが、正義を振りかざしてる連中特有の自信過剰な表情と気配を漂わせ、個々人を認識出来てるかも怪しい濁った目をした穢教鳥が仰々しく降りてくる。
「なんだ【穢教鳥 プリンシパリティ】か、そこそこレベルがあるから一応警戒したけど、力量差も感じ取れない鳥頭の雑魚なら問題無かったね」
「キサマァ!!」
こっちの方が20はレベルが上なのに、その辺を感じ取れてない時点で正直脅威とは言えない相手だが、覚醒したての3人に大量の穢教鳥が集ってたり、その後にコレが出て来た事から、何かしら特殊な事情でもあったりするのか? と懸念もあったりするところ。
なんだが、裕奈が
「選民思想してるくせに煽り耐性も無いとか、ホント中身の無い張りぼてだよねぇ。それに――」
「猿共に献身の機会を与えようなどと慈悲を出したのが間違いだったか、もう良い【マリンカ「ダイナミックエントリー!」りぐぇぼらっ!!」
「奇襲への警戒も対策もしてないぼんくらにどうこうされる程落ちぶれちゃ居ないっての、にしても琴音来るの早かったね? 連絡入れてから5分も経ってないよ」
「かなみちゃん達で最後だったからねぇ。霊能関係も隠さなくて良くなったから全力で走ってきたよ!」
「そんじゃ琴姉も合流か、なら一旦車内で情報共有しようぜ。琴姉が保護する予定だった人ら、ペルソナ使いに覚醒したっぽいしな」
後はまあ、ぼんくら穢教鳥の背後から琴姉が空中を高速で走ってくる様子が見えてたし、未覚醒でも無ければ気付くだろう琴姉が近付いてくるのにも反応してなかった時点で、ぼんくら穢教鳥に見る所も聞き出す情報も無いと断定出来るしな。
琴姉の
「へ? かなみちゃん達がペルソナに覚醒した? ――っ!! 全員急いで車内に入って!」
琴姉の言霊とも言える指示に、考えるより先に身体が動き、動きの鈍い麻帆良堂の皆やここで助けた3人を手分けして抱え、車内へ飛び込む。
全員が乗り込み琴姉がドアを閉めた直後、異界化しているにも関わらず室内が激しく揺れ動く。
「異界化してるってのにこんだけ揺れるとか、何が起きた……?」
「帝都が異界化してる関係で、精神世界との境界も薄くなったって事だろうね。まず間違い無く、メメントスの何処かに落ちたってところじゃないかな」
揺れが収まった室内で、いち早く状況把握に動いた琴姉の言葉が響く。
その視線の先、車外の様子を映す窓には、歪な形をした街並み――メメントスで見慣れた光景が広がっていた。
オリキャラ紹介
・苗木 誠
ダンガンロンパの主人公と似た容姿の少年。
事象の±問わず、確率の低い事象を引き寄せる性質を持っており、とんでもない幸運に恵まれたかと思えば、不幸な出来事が立て続けに起きる事もある。
ただ、それらの出来事は本人にのみ影響しているため、周囲への影響が少ないのは幸いなところ。
その性質により、琴音達に助けられると言う低確率を引き寄せたが、同時にメメントスへ墜とされると言う極稀な現象に巻き込まれる事となる。
カズマとは中学からの友人関係で、時々起こる物理的に対処が難しい事態を助けて貰ったり、カズマが起こした問題の解決を手伝ったりと、互いに助け合ってる関係。
また、カズマ関連の問題解決を続けている内に、調査能力や推理能力が高くなっている。
ペルソナは【隠者 シャーロック】
・
スクライドの主人公の1人と似た容姿の少年、名前は養護施設の院長に付けられた物で、名字の不明な子供には由詑育児院の名前から、由詑で戸籍登録されている。
孤児院育ちで原作ほどでは無いけど頭の出来は悪い方だが、苗木誠のおかげで高校に進学出来る程度には勉強も出来る。
短気で喧嘩っ早いが陰口や弱い物いじめなどを嫌い、障害があれば物理的に殴って解決しようとする自分に嘘をつけない一本気な所が有る。
なお、そうした障害沙汰になった際にカズマを擁護し、相手側の罪状を調べ上げて両成敗か、正当防衛の範囲に納めさせるのが苗木誠の役割になっている。
ペルソナは【戦車 セイテンタイセイ】
・
スクライドのヒロインと似た容姿の少女で、カズマと同じ養護施設に暮らしている。
傍目にはカズマをカズくんと呼び懐いている様子だが、かなみ本人は確りと自覚した愛情を持っており、異性としての好意を寄せている。
その一方でそこそこ人見知りが強く、カズマ以外には常に敬語で話しており、それはカズマの親友である苗木誠相手でも変わらない。
ペルソナは【女帝 モルフェウス】