【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
新人組への教導や弟子組が【呪霊錠】に慣れるまでにも色々と有ったけど、メメントスの最前線に発見された難所、鏡像世界の攻略が本格的に始まってから早数日、時間加速させた電脳異界と接続しているからこそ可能な、新人を鍛えながらの探索も今のところは順調と言えるだろうか。
弟子組の4人は早々に【狂気耐性】を習得して、昨日には【呪霊錠】にもある程度慣れて軽めの探索に動いており、新人組でも特に精神力の高い印象を受ける詩乃(母親の治療関連で知り合いとわかって、敬称を外す事になった)が、昨日に【狂気耐性】を習得したため今日は弟子組と一緒に探索に出ているし、他の新人3人や麻帆良堂の皆も今日明日には習得出来そうな感じ。
この辺は【狂気耐性】鍛練用薬膳料理の種類を増やしたり、複数の料理で刺激に変化を作った結果の観察も捗って、鍛錬効率が上がったのも影響が大きいところ。
鍛練が順調に進んでいる一方で、転送装置を使って攻略組の探索も本格的に始まった事により、ギミックの把握なども進んでいるのだけど、探索が進めばいくつか気になる情報も出てくるもので……。
「CoC系のギミックが多いのはわかってましたが、割と直接的で致命的な仕掛けが出て来ましたね」
「黄泉戸喫を強要してくる感じのだよね、これ……どうする?」
「流石に眷族化する物体を食べる訳にはいきませんし、何とかギミックを騙す方法を考えてみます」
探索組が持ち帰った物――程々に湿り気を帯びた黒々とした物体を調査して判明したのがその1つで、解析して出て来た名称は〝黒い子山羊の肉〟。
他にも、【怪異 インスマス】が居たからか潮の香りのする区画が有ったり、異様に気温の低い区画が有ったりなど、クトゥルフ神話関係の影響が強いのを考えると嫌な感じのする情報が集まって来ている。
ともあれこの肉が見つかったのは、フードを被った姿のシャドウ達が集まり、何かしらの宴をしている様子の場所だったそうで、蹄の付いた四本の足を持ち、黒くて太いロープの様な物が縒り合わさった形状の物体が中央に置かれていたらしい。
そのシャドウ達は、解析結果から黒い子山羊と推定される物体を切り分けて食べていたみたいで、観察している内にシャドウ達が次々と黒い子山羊に変貌していったとの事。
更に面倒なのは、そうして中央に置かれた黒い子山羊が食べ尽くされた後、黒い子山羊が置かれていた場所に紋章みたいな物が浮かび上がり、シャドウから変貌した黒い子山羊たちが紋章の上に乗って何処かへ転移していったが、全員が転移した後に近付いて調べた結果、儀式の参加者にだけ作用する転移陣みたいな物と判明した事。
後は紋章自体もしばらくしたら消えたとの事で、転移する為には毎度黒い子山羊をその場で解体して食べる儀式が必要だろうと推測される事だろうか。
「了解、こりゃ私も瑞樹の木分身や霊夢ちゃんみたいな、ペルソナを使った分身とか身につけるかなぁ」
「鏡像世界の制限はある程度わかりましたし、【呪霊錠】に霊格の封印も組み合わせて49以下にするのは可能ですが、保有しているペルソナを破棄する訳にもいきませんからねぇ……」
「造るのに素材も時間も大量に掛かったもんね。んー……あ、確か先に電脳異界に来て、ディースキャナ創ってたとか言ってたよね?」
「ええコレですね。アルカナコートの派生で、悪魔カードとペルソナカードか自前のペルソナを使って、【魔装術】による変身をする道具ですが…………もしかして、ペルソナカードの代わりに琴音のペルソナを保存する道具にするつもりですか?」
「いけそうな感じがしない? ショタおじや瑞樹みたいにペルソナを核とした分身が造れる訳だし、ペルソナを保管して必要な場面になったらペルソナチェンジする感じで、変身先を変更すればって思ったんだけど」
「琴音専用のディースキャナとして、ペルソナ保管機能を持たせるのはまあ出来ますが……鏡像世界の制限を回避出来るかはわかりませんよ?」
「それなら大丈夫! 検証班の1人に複数のペルソナカードをセットしたディースキャナを持ってた人が居たし、探索中に変身先を切り替えたりも普通に出来たって」
「ペルソナカードと自前のペルソナで反応が同じとは限らないんですがね……。でもまあ、それなら本体の方で検証してみましょうか。琴音が探索に出られるならリターンも大きいですし」
「やったー! ありがとね、瑞樹」
基本率先して動く琴音だけに、弟子組だけでなく新人組にも探索を任せて、自分は待機してるってのが辛かったのだろう。
ギュッと抱きしめてくるスキンシップがいつもより数割増しで激しく、ちょっとご休憩と言いたくなる衝動を抑えるのに苦労したのは別の話。
まあ私の劣情模様は横に置いて、先に基本形がある琴音専用ディースキャナから取り掛かる。
とは言え、琴音の保有する高レベルなペルソナを保管できる様にとなると、レベルを落としている木分身の私では扱い切れない素材も必要になるため、重要部品の方を本体で作成する間に、こっちでプログラムなどを構築する感じになるだろうか。
機能としては鏡像世界の制限をすり抜ける為に、ペルソナ使いからペルソナと精神の繋がりを絶って抜き取る必要がある訳だけど、フィレモン式のペルソナ使いなら、新しいペルソナを作る為に既存のペルソナを破棄する事は良くあり、そのためペルソナを取り出すのにも慣れてる訳で、今回は取り出しつつも破棄せずに保管する機能を持った道具として形作る。
まずは、精神感応金属としてのオリハルコンの性質を利用するため、オリハルコン結晶であるブルーウォーターを、琴音のペルソナレベルに耐えられるだけの概念強度に高めた物を素体にして、ディースキャナを作成。
本体の方でディースキャナの素体を作ってる間に、私の方で所持しているペルソナを読み取って保管する機能を構築、ディースキャナを使う事から名称は〝デジコードスキャン〟としておく。
読み取り回収する機能が出来たら、後はペルソナカードをセットするのと同様に、保管しているペルソナを選択したり確認出来る様にすれば、一先ず試作品が完成。
早速本体の方でペルソナの回収と保管が出来るのを確認したら、折良く拠点に戻って休憩していたジョーカーニキを見つけたので、ワイルドでもペルソナの回収と保管が出来るか試して貰い、序でに転送装置を使って鏡像世界へ移動できるかも試して貰う事に。
「報酬の良さについつい釣られてしまったけど、帰還用のアイテムとかも大量に渡されてたって事は、失敗する可能性も有ったって事だよね?」
「本体の方で【未来視】して、大丈夫だと判断したから頼んではいますよ? 運命力が高いとその未来すら覆る可能性が有るので、念には念を入れただけで」
「ぐっ、それを言われると文句も言えない……!」
「やっほージョーカーニキ、今はメメントスでレベル上げしてるんだっけ? 確か【狂気耐性】はまだだったよね?」
「ああうん、急いで上げてるけどここの制限にはまだ掛からない感じだね。ペルソナ所持数の制限で弾かれてたし……」
「どの道メメントスを攻略していくなら、遅かれ早かれ【狂気耐性】は必要になりますし、序でに訓練していきますか? 新しい修業料理も出来ましたし、これから食材も1つ増える予定ですし」
「え? また食材増えるの??」
「どうやらギミックの1つに、黒い子山羊を食べる儀式が有るみたいなんですよね。もしかしたら他にも似たのが有るかもしれませんが……」
困惑からこの世の終わりみたいな表情へと移り変わっていくジョーカーニキだけど、電脳異界の外は正にこの世の終わりに向かってる途中なので諦めて欲しい。
自由意志(ほぼ強制)でジョーカーニキの【狂気耐性】訓練参加が決まり、今も訓練している皆の部屋へ放り込んだ所で、専用ディースキャナを手に琴音が早速と準備を整え鏡像世界に足を踏み入れる。
ジョーカーニキがこっちへ転送出来た事から大丈夫だとはわかっていたけど、実際に車内から出て周囲を見渡している琴音を見ると、上手く機能していると確認出来て一安心。
そのまま探索へと向かう琴音を見送った後は、黒い子山羊を食べられる食材へ魔改造――と行きたいところだけど、解析するだけなら兎も角、材料とするには持ち帰られた肉片だと量が微妙なところ。
「やっぱり素材を取りに行く所からですね。儀式が行われる間隔がわからないので、どの程度時間が掛かるか判断出来ないのが難点ですが……」
作業を始める前に素材集めと言う事で、向かう先などの情報を書き残して車外に出ると、【圏境】で気配を周囲と同化させて目的地へと向かう。
到着した場所はそこそこ大きな広場と言った感じで、転移陣も消えているため、情報を貰っていなければ素通りしそうな程、一見だと何も無い様に見える。
今のところ儀式の兆候なども無いため、時間潰しも兼ねて広場の調査をしていくと、儀式の場所だろう広場中央の石畳に、近付いてよく観察しないとわからない彫刻が施されているのを発見する。
どうやらこの彫刻に黒い子山羊の血液が流れる事が転移陣を起動させる条件で、転移陣を利用する条件が黒い子山羊の血肉を食べる事なのだろう。
「毎度儀式するのは大変ですから、手間を省く方法が見つかるのは良いですが、これシュブ=ニグラスを召喚する儀式の1つになってますね……」
流石にこの転移陣を起動させるだけで召喚出来たりはしないが、他にも同様の召喚補助になる儀式があるだろうとは予測できる。
恐らくは、知らない内に信者に仕立て上げた上で信仰のMAGを捧げさせ、シュブ=ニグラスが降臨した所で信者を連れて行くと言う想定なのだろう。
で、それがわかった所で本来なら破壊するなりする所だけど、その辺はギミックを用意した側も想定している様で、先に進むための大扉を開くギミックの1つに、組み込まれてもいるってのが面倒な話。
「まだ全体像は見えてないですけど、もしかしたらシュブ=ニグラスとは戦う事になるでしょうね……」
とりあえず解除と言う訳にもいかないのがわかり、次ぎに仕掛けた側の思惑を外すにはどうするのが良いかを考えながら調査を続けることしばらく、ある程度考えが纏まる頃になると相応に時間も経っていた様で、周囲からシャドウが集まってくる気配を感じ取る。
どうやらそろそろ儀式が始まる頃合いと見て、ここに来た元々の目的へと意識を戻す。
「そもそも何処から黒い子山羊が来たのかと思ってましたが、送り込む為の転移陣でもあったと言う事ですか……さっさと回収して戻りますかね」
シャドウが集まってくるのに合わせて黒い子山羊もやって来るのだろうとは予想していたけど、どうやら儀式の食料として送られていた様で、転移陣にマグネタイトが走った次の瞬間には、転移陣の上に死んだばかりと思われる黒い子山羊の死体が出現しており、傷口から流れ出す血液が、石畳に彫刻された転移陣を覆い隠す様に流れ出しているのが見える。
まあ大扉のギミック的に儀式が行われる事自体は必要な様子だけど、シャドウが黒い子山羊に変貌していくのは向こうの思惑通りでしょうから、黒い子山羊の死体を収納バッグに回収して今回の儀式は邪魔をしつつ、広場を監視記録する簡易式神を残して撤収する事にする。
そうして素材回収までにそこそこの時間が掛かった以外は問題無く、拠点に戻り改めて黒い子山羊の魔改造に取り掛かる。
「さて、黒い子山羊はシュブ=ニグラスの落とし子であり眷族、と言う設定が1番認識されていますけど、肉を食べて黒い子山羊に変貌したとの話ですし、黒い子山羊そのままと言う訳では無さそうですが……ふむ、シュブ=ニグラスの乳、ですかね?」
地母神系の神格として描かれるシュブ=ニグラスだけど、その能力としてシュブ=ニグラスの乳を飲んだ崇拝者が怪物に変身するだとか、気に入った崇拝者を丸呑みにして産み直しサテュロスに変身させると言った物がある。
その視点で回収してきた黒い子山羊の死体を改めて詳しく調べると、どうやら正解だった様で、母乳が血液から作られる事を利用して、黒い子山羊の血や肉汁にシュブ=ニグラスの乳としての概念を極僅かに含ませていたらしい。
つまりは、黒い子山羊を食べる儀式に参加する事で、シュブ=ニグラスを崇拝する者にカテゴライズさせ、黒い子山羊を通してシュブ=ニグラスの乳を摂取させる事で眷族化させると言う手口だったと言う話になる。
この情報から、儀式を行う事で出現する転移陣は何度も使う必要があるギミックと確定されるし、大扉のギミックと関連してシュブ=ニグラスと戦うのもほぼ確定と言えそう。
「この仕組みだと存在が曖昧なシャドウなら一度で黒い子山羊に変貌する感じですが、ペルソナ使いなら十数回は耐えられる可能性もありますか。ただまあ、回数を重ねると言う事はシュブ=ニグラスの信者の概念が蓄積されますから、無意識下に利敵行為する可能性も出て来ますし、どの道摂食禁止に代わりは無いですね」
とりあえず調査してきた内容と、追加で判明した情報や推測も合わせて掲示板に書き込んだら、黒い子山羊に変貌する仕組みも判明したと言う事で、次はどんな感じの食材にするかを考える。
黒い子山羊の死体からシュブ=ニグラスの乳の概念を抜く序でに各種概念へと解体した感じでは、シュブ=ニグラス自体が巨大な樹木と形容される関係もあってか植物としての概念も含まれており、私が今までに創ってきた食材の中だと、ベーコンの葉などの肉植物系統が近い感じだろうか、血液が流れていて自発的に動くって違いは有るけども。
「ギミックを騙すのが目的ですから、出来るだけ近付けるとなると血液を含む肉植物で、自発的に動ける様にとなると……食欲界に居るトレント*1を組み込みますかね?」
血液はサクラメント*2をベースにして、血抜きせずに焼いたりしても旨味や香辛料代わりになると良い感じですし、食欲界の主にトリコ層の樹木が変化したトレントなら、美味しい食材としての概念も十分でしょう。
触手が縒り合わさって幹の様になっているとの部分については、蔦植物の形質を用いるとして、束ねた状態は紐で縛ったチャーシューかドネルケバブの肉を積み重ねた肉串辺りが連想されるところ。
「よし、束ねて幹の様になっている状態なら紐で縛ったチャーシューみたいな感じもしますし、丸ごと加熱して美味しいチャーシューになる様な感じにしてみましょうか」
まずは、そのまま使う訳では無いサクラメントからアトリエ式錬金釜で概念を抽出し、チャーシューを作る時にいつも使っているタレをベースに、乾燥させたミ=ゴ茸から取った出汁を加えた物をそれぞれ八卦炉に入れて、不要な概念を燃料に変換しつつ目的の概念へと融合昇華させ、香味血液とでも呼べる物を創り出す。
次ぎに、黒い子山羊の死体を分解して取り出した概念から、シュブ=ニグラスの乳の概念を結晶化させて回収しておき、残した物に蔦植物型のトレントや樹木型のトレント、それからベーコンの葉などの肉植物に加工肉植物の叉焼の実などを八卦炉に投入して、再度概念の融合昇華を行う。
「ふむ……、最初の種は無事に出来ましたね。後は拠点の方で環境整えて増やすとして、回収した概念の方はどうしましょうかねぇ」
試食出来る程度に増やしたりなどは本体の方に任せる事にして、結晶化して回収したシュブ=ニグラスの乳の概念はどうしようかと思案する。
まあシュブ=ニグラスってだけなら、ニグラスニキ *3やアリスニキネキ *4などが居る上、修業場異界の深層にも時々湧くので手に入らないって訳では無い。
とは言えシュブ=ニグラスの乳と言うだけあり、提供して貰うなら母乳を出る様にしてなどの手間も必要な上、向こうの羞恥心的な問題もあって入手難易度は高いだろうし、修業場異界の深層に湧くクトゥルフ系悪魔は、その性質を持っているだけのパターンも多く、分霊としての格を持っていない場合も多い話。
そんな訳で素材自体の入手は他でも可能とは言え、分霊としての格を持ったシュブ=ニグラスの乳となると割と珍しい素材になるし、黒札に素材を提供して貰うとなると用途の説明は必須で好き勝手には使えないため、好き勝手出来る珍しい素材が手元に来たなら、何か作りたくなるのが生産者の性という物。
「転移陣の起動――にシュブ=ニグラスの乳は無くても良さそうでしたし、逆にこの概念を含めた血液で何度も起動する方が向こうの思惑通りだから避けるべきでしょうね。……となると、ギミックとは関係しないお遊び的な物が良いですかね」
そんな方面から考えて思い浮かんだのは、ギリシャ神話においてアマルテイアが幼いゼウスに乳を与えて育てたとされる話。
ただ、アマルテイア自身が牝の山羊とする話もあれば、アマルテイアと言う名前のニュンペーが持ってる牝の山羊とする話もあったりと、認識の揺れがあったりはするが、山羊の乳で後に1つの神話体系の頂点に君臨する神を育てたと言う逸話は共通している。
そしてシュブ=ニグラスも、異名の1つに〝千匹の仔を孕みし森の黒山羊〟と山羊の要素を持っている訳で、山羊繋がりから概念を引っ張ってきて、怪物への変貌を制御可能な変身とし、神々の王を育てた山羊の乳から悪魔を支配する力を持つ者と定義する事で、
「共通項から理屈を付けるのはまあ何とか、と言った所ですかね。無理筋では無さそうですし、試してみるだけ試してみますか」
追加の素材として、アマルテイアの悪魔カードに山羊の乳を取り出し、シュブ=ニグラスの乳の概念結晶と一緒に八卦炉へ投入。
創り出す物のイメージとしては、シュブ=ニグラスの乳の怪物に変貌させる効果による肉体の変質を、魂魄全体の性質変化に置き換え、肉体の変化を制御可能な能力として定着させる仙丹と言った所だろうか。
人ならば誰もが持つ
「名前を付けるとしたら悪魔変身山羊乳になりますかね? 長いですし略してマギミルクにしましょうか。まあ仙丹としての名前は良いとして、魂魄を変質させる訳ですし、普通は一気に変えると精神が変化に耐えられないでしょうから少しずつ変わる様にしましたが、そうなると今有るだけの分量では足りないですね……。霊力を込めればマギミルクが湧く道具でも作りましょうか」
と言う訳で、
まあ霊力を込めて液体を湧かせるぐらいは難しい物でも無いし、湧かせる元となる物が有るならなおの事。
マギミルクのアイテムとしての霊格はそこそこ有るため、その分は道具に使う素材も拘る必要が有るけどそれぐらいで、道具自体はさほど時間も掛からずに出来上がる。
「悪魔変身能力を得る関係で、魂魄が超人系統から顕現者系統に変わるのは仕方ない事ですが、別の存在へと変化し成長すると言う意味でも、儀式的に形状はやっぱりコレが良さそうですね」
出来上がった宝貝の機能に問題が無いのを確認し、概要情報を書き出しておく。
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・悪魔変身能力覚醒宝貝〝魔乳瓶〟
霊力を込める事で、瓶の中に悪魔変身能力を獲得出来る特殊な山羊乳、仙丹〝マギミルク〟が湧く哺乳瓶型宝貝。
最長で半年程、毎日魔乳瓶から直接摂取する事により、摂取者の魂魄を変質させて
なお初期変身悪魔は、摂取者の魂魄から相性が良く、制御可能な悪魔が発現する。
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ちなみに、能力獲得までの期間が最長で半年程なのは、赤子が離乳食に移行するのが生後5ヶ月~6ヶ月頃だからと言うもので、
「出耒たは良いですが、魂魄を変質させる関係から気軽に試す訳にもいきませんし、その内機会があったら試す事にしましょうか。それより本体の方である程度増やし終わって、試食や品種登録まで終わりましたし、後は転移陣を代わりに起動して転移可能かの調査ですね」
本体から送り返されてきた魔改造した黒い子山羊――品種名ブラックシェボントレントを受け取り、登録した概要も確認しておく。
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・ブラックシェボントレント
黒い子山羊を【狂気耐性】の訓練食材として、美味しく魔改造した植物獣類であり、一種のフード悪魔。
小枝の様な無数の触手で獲物を捕らえ、幹に相当する束ねた触手部分にある口で捕食するほか、地中の栄養や周囲のマグネタイトを吸収する事で育ち、一定以上に育つと種を実らせる。
サクラメントから派生させた香味血液により、血抜きしないことでより美味しく熟成される特徴が有り、刺身でも美味しく食べられる。
また、加熱する事で香味血液が香りと旨味を増幅させるため、丸ごと加熱するだけでも極上のチャーシューになる。
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【狂気耐性】訓練用の薬膳としては今夜にでも出すとして、広場に置いておいた簡易式神を回収する序でに、転移陣を起動できるか試してきますかね。