【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
儀式舞台を急いで用意する事になるなんてのは予想してなかったけど、拠点の地上部分を装甲護符で構築してたおかげで、建物の強度計算や儀式的要素の配置を含めて設計図を引き直して貰ったら、数分もかからず再構築出来るのが有り難い話。
いざ儀式を始めたら全体の指揮を執れるかはわからないため、一応やり取りは出来る様にして置くけど、基本的には裕奈達に引き継いで貰う事にして、流れ星が着弾するまでの間に何とか準備を間に合わせる。
「ミュージックシェルの設置と設定は完了したし、いつでも行けるよ~」
「ちょっと悪い情報追加よ。日が隠れ始めた辺りからサメが急に増えて来たって」
「うげっ、流れ星の撃墜に加えてサメの漸減も必要って事?! あ゛~もうっ! やってやろーじゃん! 亜子も何時までも蹲ってないで、確り胸張る! 【魂魄精練法】のおかげでメリハリ付けた理想体型になってんだから、見られても恥ずかしく無いでしょ!」
「理想の体型に成れたのと、見られて恥ずかしく無いかは別やって!!」
そう言って蹲る亜子だけど、恥ずかしさで顔から手足まで赤く火照らせていて、恥じらう姿が余計に扇情的になってる事に気付いてないんだろうねぇ……。
私達の今の格好は、儀式による戦闘力向上を目的とした一式装備で、瑞樹さんは決踏衣装って言ってたっけ?
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・決踏衣装
胸部下部から腰、太股の付け根辺りまでを覆う、決気布を使用した薄手のスーツをベースに、決気布と決命石から鍛造した刀身を組み合わせたスカートなどで構成されるダンス用のドレス。
舞い踊る動きに合わせて丹田の気を練り上げ、決命石の力を解放して戦う舞踊闘法に使用する武器でもある。
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【アナライズ】で確認出来る基本情報はこんな感じで、衣装としてはピッチリとした体のラインがくっきりと出る様な薄いスーツに、決命石を合金樹などと混ぜた合金木で作られたパーツを取り付けた、結構露出の多いドレスって所。
決命石の特性関係だかで、胸の下半分までしか無い所為で上半分は丸出しになってるし、ピッタリと覆う為に食い込みがキツいから下着を履けないしで、ぶっちゃけノーパンノーブラなのは、亜子じゃ無いけどどうにかならなかったのかとは言いたくなる所なんだよね。
一応合金木パーツがブラの代わりに胸を支えてくれてたり、スカートもそこそこ長いから我慢出来てるし、腰に巻く長い帯の模様だったり、ドレスの各所に取り付けられたパーツと併せてデザインが良いから、衣装としては気に入ってはいるんだけどね……。
ちなみにこの帯も決気布って奴で作られてるらしくて、【アナライズ】で見れる基本情報はこんな感じ。
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・
決命石を糸に加工して織り上げた金属布で、丹田から発される気に反応して強大な力を発揮する代わりに、丹田からの距離が一定以上離れると反応しなくなる。
そのため決気布を使用する場合は、胸部のした半分ぐらいから太股の付け根ぐらいの範囲に、身につける必要が有る点に注意する事。
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これらの基本性能に、アルカナコートの機能など装備としてのアレコレを搭載した物が、私達に渡された決踏衣装〝ハーベスター〟で、豊穣や収穫をイメージして黄色や黄緑とか明るい配色だからマシだけど、これでピンクとかの情欲を煽る配色だったらそっちの服だよねぇ。
まあ魔女の2人に言わせると、収穫祭とかで踊る為の衣装って男性を誘う目的だから、扇情的なのが正しいっぽいし、デザインの元になったのがベリーダンスの衣装、って言われたら納得するしかないけど。
「ほらほらミュージックシェルの設定も終わったし、踊り始めたら恥ずかしさとか感じてる暇もなくなるんだから、配置について! 隕石の落下もサメの増加も待ってはくれないよ!」
「くっ、チアで慣れてるからって……。ううぅ、やればいいんやろ!」
「亜子も腹をくくった訳だし、私達も確り踊らないといけないわね?」
「だね~精一杯楽しむよガッちゃん!」
「ええ、マルゴット」
全員が配置に着いたところで、ミュージックシェルに録音した私達の演奏が流れ出し、儀式舞踏が始まる。
まあ儀式用とは言っても、専用の特殊な曲って訳でも無い普通の流行曲で、ダンス向きなアップテンポのポップスを呪曲としてアレンジした物。
特殊さとしては踊りの方が比重が大きくて、決踏衣装〝ハーベスター〟のデザイン元であるベリーダンスを基礎とし、円運動をメインとして舞台上を回り続ける事で、陰陽の循環を促して決命石の力を発揮させる動きにしてると言われたっけ。
後、ベリーダンスには世界で最も古い踊りの1つと言われるぐらいに歴史が有るらしく、積み重ねられた概念も組み込む事で、儀式としての質も高めてるとか。
ともあれ、曲に併せて気息を整え、ステップ踏んで腰をくねらせ円を描き、丹田で陰陽の気を循環・増幅して放出。
踊り廻る舞台に陰陽の気を満たし、6人の気を同調させて循環を加速させる。
『
まずは儀式効果の最初の1つであり、決踏衣装〝ハーベスター〟を使った儀式舞踏のベースとなる【百花繚乱】、結界などの範囲内において、10秒間隔で味方に【ラスタキャンディ】を掛け続けるバフ領域を展開し、
続いてステップなどはそのままに、丹田で高まった陰陽の気により励起した決気布の帯を手に取り、より大きく扇情的な踊りへと変化させ、舞踊闘法の動きに移行する。
視界の端に表示させてるウィンドウでは、今も山頂を覆う黒雲の更に上空で、マリッサを筆頭にした観測・解析・迎撃班による隕石の観測映像と、予測軌道に迎撃状況が映し出されていて、映像で見える範囲だけでも、最初に気付いた時と比べものにならない程の数に増えており、流星群と呼ぶのが相応しい程の数が落ちてきてるのがわかる。
私達がこうして儀式してるのも、恐らくマリッサ達だけでは迎撃しきれないだろうって感じたからだけど、表示される軌道予測的に間違いは無かったみたい。
何か普通に岩が降ってくる隕石群に混じって、巨大な金平糖だったり、文字通りに拳の形をしたげんこつ煎餅、星形のビスケットなんかも降ってきてるけど、コレまでを考えれば今更かな……。
「うーん、迎撃ラインを超えて直撃コースの隕石が来るまでもう少しありそうだね~」
「それなら本格的に数が可笑しくなってるサメを減らすよ!」
「ならまずは桜子と美砂と私で広範囲?」
「オッケ~【不幸のフラダンス】*1!」
「相変わらず酷いスキルよねそれ、【トラフーリ】」
「タイミング合わせて……【ムド】!」
『二種合体【ワンダーストーリー】*2――』
「更に重ねるよ!」
『二重合体【マッカドリーム】*3!』
合体スキルに更にスキルを重ねて発動した【マッカドリーム】の光が通り過ぎると、空を埋め尽くす程に増えていたサメが次々と即死して落ちていき、抵抗に成功したサメは弾かれる様に遠くの海へと帰って行く。
そうしてサメの消えた空間には、花火のように弾けて輝きを放つマッカが出現し、夜空を黄金色に染め上げる。
「相変わらず酷い即死スキルよねぇ……」
「酷いって言ったら、ハーベスターに搭載されてる【マッカロンダリング】*4も名前からして酷いと思うけどね~」
「あはは……、否定する要素も無いけど、ハーベスターのコンセプトとしては必要だから仕方無い……かなぁ?」
「そこは考えていても私達にはどうしようも無い所よ。それより迎撃ラインがそろそろ処理限界になるわね。私達も隕石の迎撃に移るわよ!」
「どれだけ落ちてくるか読めないし、順に撃って補充しながら対処ね!」
「ホイホイっと、それじゃナイちゃんから行くよ~」
マルゴットがステップに合わせて帯を翻して放ったのは、ハーベスターに組み込まれている瑞樹さん謹製の装備スキル【マッカストライク】。
帯の端に組み込まれてる金属パーツから、【マッカロンダリング】で装填されたマッカが射出され、黒雲に穴を開けながら落ちてきた隕石に真っ向から激突し、ばらまかれるマッカと言う黄金の花を咲かせながら隕石を粉砕する。
ちなみにこの装備スキルは、ポケモンから概念を引っ張ってきて再現したって言う技【ネコにこばん】*5と、これまたFFから概念を引っ張って再現したって言う【ぜになげ】*6の効果をマッカに付与し、そこに威力は低いけど相性を無視して貫通して、必ずクリティカルが発生するとか言うトンデモ射撃スキル【ヤブサメショット】の要訣を組み込んで、投擲すると言う技になるらしい。
なお、【マッカストライク】で投げつけたマッカが対象に当たると、【ネコにこばん】要素で周囲にマッカが散らばるため、それを【マッカロンダリング】で回収して次弾を装填するため、最初の一撃分さえ確保出来れば無限ループも可能との事。
今回は合体スキルの【マッカドリーム】で最初のマッカを用意したけど、ハーベスターの装備スキルには【マッカビーム】*7も有るから、何気に普段使いも出来なくはないんだよね。
まあ普段から使うには流石に恥ずかしい衣装だし、【マッカストライク】で周囲に散らばる金額は発動者の幸運値に依存しているらしく、今みたいに儀式でリンクさせてでも居なければ、桜子以外は真面に使えるスキルとは言い難いんだけども……。
「命中一撃! 準備の手間暇が掛かるだけ有って、装備性能もスキル威力も凄いよね~」
「決命石で発揮される力も有るんでしょうけど、ね!」
「上手く隕石に当たって壊せてるのは良いけど……後どれだけ落ちてきてるん?」
「追加で降ってきてるっぽい情報も入ってきてるから……明日の昼まで?」
「サメの方もまた数が増えてきてるみたいだし、隕石処理の合間に削らないとね」
「結界範囲内なら【百花繚乱】の効果で全能力強化のバフが掛かるんだし、経験の浅い組でも対処出来たりしない?」
「残念ながら、その辺のボリュームゾーンは最初の地形変化と津波で退場してるわよ」
淡い希望をバッサリと切り捨てるマルガの言葉に溜息を返し、改めて次の正午――天候ダイスが切り替わる時間まで踊り続ける必要が有ることを認識し、流れる音楽と踊り、打ち払う脅威に意識を集中する。
ステップを踏んで腰をくねらせて陰陽の気を練り上げ、ステップを踏んで帯をひらめかせてマッカ投げで隕石を砕き、またステップを踏む。
空から落ちてくる隕石の軌道は不規則で、落ちてくる間隔も数もバラバラで、その代わりとでも言うのか1つ1つが結構な大きさをしていて、外す心配はしなくても破壊出来る威力を出すためには狙う場所も考え無いといけなくて……。
そうして知覚する情報が増え、考える事が増えていくと、次第に不必要な思考は無意識の段階へと進み、ステップを踏む足の動きは何時しか、意識しなくても無駄な力を込めずに大地(舞台)を踏みしめ、ステップと連動して陰陽の気を練り上げる腰の動きは何時しか、淀みなく滑らかに蕩ける様な艶めかしさを描いて、最適な動きを出来る様になっていた。
踊り出してからどれだけの時間が経っただろうか、何時しか隕石の迎撃に意識が集中し、サメの漸減すら無意識に行える様になっていた中で、何度もループするミュージックシェルの音に乗って舞う内に、自分達の姿を俯瞰して眺めている様な、肉体という枠を飛び越え、6人の魂が直接繋がり合った様な意識の拡大を感じ取る。
それはまるで、何かがカチリと嵌まったかの如く――
「あー、何かすっごくハイに成ってる気がする!」
「これってアレだよね~、覚醒した時みたいな!」
「確かに何でも出来そうな、万能感が湧いてくるね」
「前はそれで黒歴史作ったんだから、また瑞樹さんに弄られるよ?」
「あの時の4人は、確かに弾けてた物ね」
「ん~でも、気が大きくなっちゃうのはナイちゃんもわかるかな~。多分コレって、レベル30の壁を超えて覚醒段階が上がったって事だろうし」
讃命島の上空は、隕石によって何度も穴が空けられているにも関わらず、未だに根強く雷嵐と暴風雨が吹き荒れる大山嵐に分厚く閉ざされ、儀式により活性化した霊力で淡く照らされている結界内以外は、一寸先を見通すのも苦労する様な暗闇が、今もなお広がっている。
そんな闇の中で、ついさっきまでは近くに表示してるウィンドウ経由で黒雲の向こう側の状況を見て、拠点に向かってくる数と雲に突入するタイミングだけ確認したら、隕石で雲に穴が空く瞬間に合わせて反射的に叩き落とす綱渡りを続けていた訳だけど、それも急激に広がった霊感により、黒雲に遮られた向こう側すら知覚出来る様になって、弾道予測からの迎撃も可能になっていた。
存在としての
「あれっ? もう昼前な感じ?!」
『おっ、どうやらトランス状態から戻ってきたみたいだな』
『6人ともだいぶ集中してたもんねぇ。でも、おかげで隕石も全部撃ち落として、拠点の被害ゼロだから良い感じじゃない?』
「予想してたのとはちょっと違うけど、指揮を執れなくなるって結果は同じだったし、それぞれの現場に判断をお願いしたのは正解だったか……」
『そうこう言ってる内に、ラストの隕石群が落ちてきたぜ』
『こっちも暴風雨の強さが増してるけど、それよりサメが合体し始めたね! B級サメ映画のクライマックスかな?』
時間感覚が無くなってた事に気が付いて、表示してるウィンドウの時刻を確認すると、時刻はもう既に11時50分を過ぎた所で、マリッサ達から送られてくる弾道予測には、正午までに到達する残りの隕石状況が表示され、裕奈達の方へ視線を向けると、〝超融合! 呑み込み喰らえ
「ミズガルズって北欧神話で言うところの人間界の事で、その大蛇って言ったらヨルムンガンドの事……だよね? 何で鮫が合体して蛇になっとるん?」
「認知世界で鮫と言う概念に疑問を持っても意味ないでしょ。鮫はサメよ」
「マルガの割り切りもどうかと思うけどねぇ……」
「まあサメの方は裕奈何とかするだろうし、私達は最後まで隕石の迎撃を確りと、だね~」
そうして、スーパーファンブルな1日目のラスト10分と言う、映画のクライマックスみたいなVS巨大鮫の絵面に彩りを添える様に、暗雲を切り裂いて現れる隕石に【マッカストライク】を叩き込んで黄金色の花を咲かせ、雲の切れ間から差し込む光の中で、チェーンソーによって頭から真っ二つにされた
サメのMAGが爆発する様に噴き出すと、讃命島を覆い続けていた黒雲と大山嵐も晴れ、中天に昇った太陽が島を照らし、天変地異から始まった怒濤の24時間が幕を下ろした。
「おお~! 見渡す限り嵐の後どころじゃないレベルで酷いことになってるけど、何とか乗り切れたね~。1日目だけど」
「ああ……そうよね。何かすんごい大変立ったけど、まだイベントの1日目なのよね……」
「ま、今は晴れ渡る青空に勝利を叫んでも良いんじゃない? あちこちから歓声も上がってるし」
「ウチはそんな事より、役目が終わったんならさっさと着替えたいんやけど……」
「2日目の天気ダイスは、確か31だったからそんな酷い事にはならないだろうし、着替えて拠点の維持管理関係整理したら、ちょっと休憩しよっか」
「ナイちゃんもさんせ~い! っと? 何か霧が出て来たけど、2日目の天候変化かな?」
「なら、休憩は変化した天候についても少し調べてからだね。マリッサ達や裕奈達も拠点内に戻ってくるでしょ」
なお、2日目に発生した霧が高濃度のアルコールを含む酒の霧で、讃命島全体がこの酒霧に包まれていると判明したのが大体30分程調査した後の事。
酩酊対策の1つでもしてなければ、一呼吸でむせて酔いが回り、どれだけ酒に強くても動き回る内にアルコール中毒を起こすのは必定な訳で……。
「コレでダイスの出目31とか、殺意高すぎない?」
「いや、入った直後なら動き回る前に退場して、酩酊対策装備を買ってきてから再度入場すれば良いだけなんだし、ギミックを軽んじて動き回った連中が阿呆なだけだろ」
「んー……、まあそれもそっか」
即死した敵のMAGを全てマッカへと変換し、抵抗に成功した敵は戦闘範囲から強制退去させる。
トラフーリ+闇系魔法のワンダーストーリーに、不幸のフラダンスを加えたオリジナル合体スキル。
なお、拙作世界線だとそこそこ世代が進んだ所まで発売されている。
ちなみに夏イベントは、讃命島に人が生き残っている限り現在の異界が維持されますが、全滅して人が一人も居なくなると、滞在時間や島の状況などがリセットされ、最初からのリスタートに成ります。
なお非公開情報として、夏イベ自体を1つの儀式として構築しているため、讃命島で生き延びてる人の滞在時間が長い程、讃命島に襲い掛かる脅威レベルが高い程、最終的な島の質が向上する仕組みになっており、イベント報酬は最終日を乗り越えて、儀式を完了させた讃命島から探求ネキが収穫するなりして用意するため、イベント結果で報酬内容が上下する事になる。
つまり、高い出目の回数やファンブルの数だけ質が上昇し、低い出目により種類が増えたり、クリティカルで種類に加えて島面積ごと量が増加する感じ。
・天候変化ダイス
低い程良い結果(対策が楽)で、高い程悪い結果となる。
スーパークリティカル:1 クリティカル:2~10
ファンブル:96~99 スーパーファンブル:100
ゾロ目だと……
1週目:100,31,44,7,31,7,85
2週目:62,78,94,5,12,71,74
3週目:54,29,98,78,51,73,94
4週目:79,27,64,94,37,99,3
なお、ダイス内容は7D100を4回振った結果ですが、何で初手100ファンで、4週目の6日目に99のゾロ目ファンブル出してるんでしょうね……。
ファンブルもクリティカルと同じ割合にしておけば良かったかな? まあ今の割合でもクリティカル4回でファンブル3回と、酷いファンブル率なんですがw