【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
夏イベントの報酬配布や受注生産関連も一通り終わり、序でに夏イベ中の名場面珍場面集も編集して販売を始めてしばらく経ち、最奥部への道を閉ざしてるギミックの関係で、どちらか一方はカヲルニキによるギミック破壊が必要との結論に至った事から、カヲルニキが休憩しに来るまでは攻略も一時停止となっている現状。
今出来る事は修業してボス攻略班の地力を上げたり、装備を整えたりコミュでの絆強化を図ったりと言ったところな訳で、レジャー目的で造った宝食島の方もそこそこ賑わっている様子。
「偶にはゆったり海釣り、と言うのも良い物ですねぇ」
「それについては同意するんだが、この船……と言うか島? は一体何なんだ?」
「皇家の樹の始祖となる〝
そんな宝食島や讃命島の在る異界の沖合に浮かべているのは、いずれ色々落ち着いたら宇宙にも行こうって事で造っていた船。
見た目はトップをねらえ!に登場するヱクセリヲン級宇宙戦艦をモデルに、世界樹を削り出して造った全長約7㎞の巨大木造船で、船の内部は天地無用!に登場する皇家の船を参考に、木造船の内部を異界化して居住区画などの安全性を確保し、異界内から船を操作可能にしている。
ちなみに皇家の樹の再現については、私が創り出した生命樹に、破魔ネキやアリスニキネキ、無惨ニキなどがそれぞれ生み出した世界樹系列の概念を組み合わせ、【神樹 イグドラシル】などの悪魔の高位分霊から入手したフォルマや悪魔カードを突っ込んで、高次元エネルギーを扱う光鷹翼までは何とか再現に成功したところ。
この辺は悪魔がそもそも、上位次元の概念情報生命体だから何とかなったって感じもするけど、一応試算した結果では、ブラックホール内でも自由に行動可能な力場を作り出せると出た訳だし、光鷹翼と呼べるだけの物にはなったと判断してる。
後は、始祖の津名魅は元々女神が姿を変えた物で、女神の意志を残してる訳だけど、流石に私が創り出した始祖樹の津名魅には、今のところ意志までは宿っていないため、育っていく間に意志を持ってくれるのを期待する感じ。
それと次世代の皇家の樹に関しては、少し前に津名魅が果実を実らせて種を収穫出来たため、攻略レイドが終われば植えて育ててみる予定。
なお果実に関しては、原作で果実酒のボトル1本が惑星1つ分ぐらいの値段になったとか描写されるぐらい、稀少で美味しいとの話のため、私が創り出した津名魅の果実に関しても極上の味に仕上がっている。
「宇宙船ってマジか……? いや、師匠だしマジなんだろうが」
「まあ
「何それ!? 私聞いてないんだけど??」
「今は地球を離れる訳にもいきませんし、琴音に話したら直ぐにでも宇宙冒険に出掛けようとするでしょう?」
「うぐっ」
「お、ヒットしましたね。――よいしょっ【ノッキング】! ふむ、パントリーホエール*2ですか。そこそこ大きな個体ですし、追加で色々手に入りそうですね」
「この大きさだと、普通に解体するだけでも一苦労だと思うんだけど……?」
海に浮かべた船――津名魅の甲板に椅子やテーブルなどを設置して、適当に雑談しながらの海釣りはそこそこ以上に釣果も出ていて、今釣り上げたパントリーホエール以外にも、カジキマグロやクラーケンにガノトトス、シーサーペントにエレファントホンマグロなんかも釣れてたりして、中々バラエティ豊かな海になっている。
加えてイベントが大成功して讃命島が良い感じに育った事により、弟子達のレベル上げに丁度良い悪魔やシャドウなどが釣れるため、釣り大会と称して弟子達以外も参加可能なプチイベントを開催する事にしたのが今朝の話。
まあ自由参加の上、中央区のターミナルからいつでも出入り可能にしているだけだし、弟子達以外の参加者はそこそこと言った感じだけども。
「フードのベヒモスやリヴァイアサンにジズとか、比喩抜きで山ぐらいに大きいのを解体した事も有りますし、これぐらいはそう手間も掛かりませんよ。序でですし巨体を解体する際の技術周りの教材にしましょうか」
「教えて貰えるのは有り難いけど、使う場面って有るのかな……」
今し方釣り上げたパントリーホエールを始め、巨体の獲物を使った即席の解体教室を開催していると、弟子達以外も多数参加してきた結果、甲板上の一部を解体場として簡易整備する事になったりしたけど、まあこう言うのもお祭騒ぎの一種と考えれば良い物ですね。
そんな感じで一通り弟子達に指導した後は、他の参加者用に解体指導の木分身を1体残し、本体は解体場から離れてまた釣りへと戻る。
まあずっと全員で固まって行動ってのもコミュの輪が広がらないため、それぞれ小グループで分かれて釣り場を探す事にしたため、今は珍しく久遠と2人だけで釣り糸を垂らしてる訳だけども。
「釣れてるかい?」
「おや、大物が掛かりましたね」
波の音に耳を傾けながら糸を垂らしていると、釣果を尋ねる穏やかな男性の声(CV石田彰)が聞こえてくる。
「その言い方だと、掛かったのは僕の方になるのかな」
「カヲルニキは十分に大物でしょう。釣り竿に手応えが来たのも事実ですけどね」
「二重の意味だったか」
カヲルニキから声を掛けられるのと同時ぐらいに竿がしなり、手応えからそこそこ以上に大物だろうって感じだけど、良い感じに針も食い込んでいて、糸もそう易々と切られる程柔な物は使ってないですし、話ながらでも逃がす事は無さそうな程度ですかね。
「まあ集中しなくても釣り上げるのは問題ないぐらいの大物ですけどね。前回の休憩では詰めの近くまで行ってる様子でしたが、間に合いそうですか?」
「ああ、十分に目処が立ったから、最後に掬われない様に調子を整えにね。戻る前に一仕事必要みたいだけど」
「マヨナカテレビの方とメメントスの方で、時間を合わせて攻略しないといけないギミックが最奥部を塞いでましてね。片方だけなら私と琴音でいけるんですが、分かれて同時に、となるとしばらく準備期間が必要な感じでして……」
「なるほど、こっちも大詰めまで来た訳か。そうなると渋谷隠れ家で休憩するのも今回が最後になるかな」
「どうですかねぇ……。カヲルニキの退路確保って意味でも、ペルソナ関連が一通り片付くまでは維持する可能性は高いですし、大詰めが近くなっても認知異界に落ちてくる一般人は増え続けてますから、保護や教育に掛かる時間を考えると、時間加速してる
竿を操作して針が外れない様に注意して順調に糸を巻き上げつつ、カヲルニキと話すのはそれぞれの攻略進捗に関して。
ちなみにカヲルニキが担当してる案件については、蘇ったちょび髭ニャルがドイツ辺りにシバルバー系ダンジョンを造り出してるとかで、恐らくP2系と思われる終末案件の対処でラストバタリオンEXとかを焼いて回ってる状況。
まあ噂システム辺りは注意して対処してるため、いきなり都市が空に浮かび上がって、地球の自転停止からの終末なんて事にはならないだろうけども……。
ともあれ、マヨナカテレビやメメントスと同様に攻略は順調に進んでる様で、横に椅子を置いて釣り竿を振るうカヲルニキからも、心の余裕が感じられる。
「退路か、確かに脱出手段は複数あると安心出来るけど、維持の手間や費用は大丈夫かい?」
「現在の維持に掛かるコストの大部分は襲撃対策ですからね。2つとも攻略が終われば元凶が居なくなる訳ですし、維持に掛かる費用なんて気にする程の物でも無いですよ」
「負担にならないなら、まあいいか」
「こっちとしては、カヲルニキに色々負担を掛けてしまってるって意識の方が大きいんですけどねぇ」
「僕としても装備の修繕や消耗品の補充なんかが出来るし、ギミックを焼いた分の報酬は貰ってるから、負担って程じゃないよ」
「ショタおじ程じゃないですけど、カヲルニキも割と負担に感じる範囲が緩くて、今ひとつ鵜呑みにし難いんですけどね――っと! 思った以上に大物でしたね【ハードノッキング】!」
「巨体なのは兎も角、凄くぬめってるね……」
「リュウナギ*3の一種で大海リュウナギ*4ですね。100m超えの大物ですから、味も期待出来そうです」
糸を巻き上げる時の手応えからそこそこ以上に大きいと判断して、釣り上げる最後に思いっ切り引いて空中へと放り出すと、目測でも100mは優に超える大海リュウナギが甲板に落ちる。
空中に居る間に強めにノッキングを入れて、落ちる時には結界でクッションを入れたため、暴れ回ったり甲板上を滑って反対側から海に落ちたりとかの心配は無いけど、鮮度が落ちると表面の滑りが臭いを放つ様になるため、手早く解体して時間停止の倉庫に収納して行く。
「釣れるかどうかより、何が釣れてしまうかの方が怖いね」
「私が造った関係でウチの食欲界の影響は大きいみたいで、私が生み出した生き物関係やトリコ系、モンハン系は普通に居る感じですね。ただ、そこから派生した生き物やネットミーム関係も認知の影響で発生しているみたいですし、海中は現代でも未発見領域が多いって認識が影響したのか、特に釣りだとランダム要素が発生して、直前まで存在しなかった物が掛かる事も有るんですよね……」
「本当に何が釣れるのかわからないのか……っと」
大海リュウナギの解体をしながら話を続けてると、どうやらカヲルニキの竿もヒットした様で、冷静に竿を操り糸を巻いていく。
竿のしなり方的に結構な大物みたいですが……。
「これは、亀……かな?」
「ふむ……亀球*5ですね。トリコに出てくるキャンピングモンスターですよ」
「確か食寶ペアの後、ブルーグリルに向かう時に使った奴だっけ?」
「それですね。熱気球みたいな物ですから気流に乗るなりしないと速度は出ませんが、安全地帯としての質はかなり高いですし、移動拠点として使ってみます? 封魔管に収納出来ますし、幼女ネキが趣味で作って販売してるモンスターボール*6を改良して、戦闘中には使えない代わりに、レベル10程度有れば誰でも使える様にしたフレンドボールも有りますよ」
取り出したのは、ポケモンシリーズに登場するきのみの一種である〝みどぼんぐり〟*7を原料に、使用条件や安全装置などを組み込んで作成した封魔管の亜種みたいな物で、誰でも封魔管を使える様にするのを目標に、ポケモンシリーズの同名アイテムを模した物。
捕獲したポケモンのなつき度を高くする効果から概念を持ってきて、古式召喚師としての技術が無くてもある程度扱える様には出来た物の、流石に未覚醒やレベル一桁でもとは行かず、最低限でもレベル10程度の力量は必要な道具になった訳だけど、カヲルニキが釣り上げたキャンピングモンスターの亀球みたいに、戦闘中以外で能力を発揮する異界生物を入れておくなら十分でしょう。
メシア教がばらまいてたり、そのカウンターとしてガイア連合や五島陸将がばらまいた事で、一般人でも程度の差はあれCOMP*8を比較的入手し易くなってるため、仲魔を連れ歩くって意味だとフレンドボールの意味はかなり薄れるのが現状ですけどね。
「移動可能で安全な住居、と言うのは確かに……」
「では捕獲したら内部を改装しましょうか。この大きさの亀球なら、十数人が年単位で暮らせるだけの環境を作る事も出来ますね」
「亀の中に何年も籠もる様な生活は勘弁して欲しいかなぁ」
「まあこの手の備えは使わずに済むのが最良の部類ですけどね」
「そう言う割りにはノリノリに見えるけど?」
「物作りは私の趣味でもありますし、それに秘密基地造ってるみたいでワクワクしません?」
「それは否定出来ないね、確かに」
釣り大会の後の事は解体指導してる木分身に任せて渋谷隠れ家に戻り、楽しそうに笑みを溢すカヲルニキと一緒に亀球内部の改装に取り掛かる。
内装のデザインは使用するカヲルニキの好みに合わせて整えるとして、ある程度自給自足可能な様に〝不思議ヶ池〟*9と生命樹から派生させて創り出した〝豊作の樹〟*10、それから調味料にもなるポケモンのきのみ各種に、加工肉植物などを育てる畑などを詰め込んだダイオラマ魔法球を造って設置。
後は星霊神社の物程とはいきませんが、疲労や霊力回復などの効果が有る温泉の湧き出る宝貝に、カヲルニキの仲間に女性もいますから美肌関係の効果も追加して、風呂場に付けておきましょうか。
「生活環境と食べる物に関しては本当にバグレベルだよね。探求ネキって」
「最初はオフ会メンバー同士で必要だったから始めたのが、やってる内に環境整備したりするのも楽しくなって、色々出来る様に学んだ結果ですけどね。食べ物関係も元々は普通に豊穣系のスキル使って栽培してるだけでしたけど、ふとした思い付きから植物を改造出来てしまった所から、気が付いたらライフワークになってた感じですし」
「初期の頃……か」
「星霊神社から動けないショタおじの代わりに動いてたのは皆知ってますし、カヲルニキが気に病むことじゃ無いですよ? まあ足りない物ばかりの状況から、皆で造り上げていく過程に加われなかった、と言う意味での無念についてもどうしようも無いですが」
「お祭に参加出来なかった様なものだし、気持ち的にメインは後者の方だね。まあ、あの頃は全国回って調べられるのが僕だけだったってのも、動いてなかったら後悔してただろうってのも織り込み済みだけどね」
そう言うカヲルニキの表情から窺えるのは、第一回目のオフ会後から始まった、私達の共同生活には殆ど絡まず、独りで全国を飛び回っていた事に対する疎外感と言うか、蚊帳の外にならざるを得なかった寂しさだろうか。
ショタおじとは別ベクトルで私達に甘いと言うか、自身のイベントを走り終わった前作主人公みたいな感じの有るカヲルニキだけに、色々と思う所も有るのでしょうね……。
まあ過去の事はどうしようも無いので横に置いて、それより大事なのはこれからの話。
無事に終末を乗り越えて、カヲルニキにもゆっくり遊ぶ時間を取れる様、人類全体へと影響を及ぼすマヨナカテレビとメメントスの最終決戦に向けて、万全の状態を整えないといけませんからね。
「ふむ……必要そうな設備は一通り設置終わりましたし、セーフエリア強化の結界で隠蔽も重ねましたから、序でに決戦までの段取りも確認しておきましょうか」
「そこまでする必要が有る様な問題でも有ったのかい?」
「確定情報ではないですが、アレの関わってるメメントスの最奥に続く通路のギミック、何も無いと考える方が間違いですからね。少なくともマヨナカテレビの方と結託してるのか、どちらかのギミックが残っていると、もう片方を攻略しても再生する仕掛けがされてますし、同時に攻略するのも不可能な様に、内部時間がランダム変化したり外部と通信出来なくしたりと、いくつも仕掛けがされてるのを確認してますよ」
「そう言えばメメントスはそうだったか。こっちのとは別個体だろうし、アレの性質上他の個体の舞台に直接手を出してくる可能性は低いだろうけど、結果的に邪魔をする形で妨害を入れてくるぐらいは想定しておくべきかな」
「まあそう言う事ですね。雑に簡単な方法ですけど、両方のギミックを同時に解除したら地上に強制帰還、とかされるだけでも現状だと割と致命的ですし」
そんな訳で、最奥部手前のギミックに阻まれてから、カヲルニキが渋谷隠れ家に来るのを待っていた間に調査した資料をまとめて渡し、ギミックを破壊する段取りや改めて事前調査を行うかなどを話し合い、大型認知異界の決戦に向けた準備が進んでいく。
渋谷隠れ家で騒ぎながら攻略して行くのもお祭感覚で楽しい日々だったけど、それもそろそろ終わりにする時が来たと言う事ですね。
後少しですが、最後の最後に足下を掬われない様、準備と対策は確りしておきましょうか。
肉には吸収したMAGにより、様々な食材の旨味が蓄積されているため、大きく成長した個体程より美味しくなる。
体長は成体で1~3m程になり、成長に合わせて川に遡上するのを含め、生態は普通の鰻と大体同じ。
鰻・鳥・牛を足して割った様な肉質をしており、滋養強壮や活力に優れる。
なお、龍の性質を併せ持つからか、鰻とは異なり血液に毒を含まないため、刺身で食べる事も可能。
龍としての性質が強くなったのか、成体の体長は最低でも3m程になり、そこから更に成長すると100mを超える事も有る程。
海流に揉まれて成長する影響か、肉質はリュウナギよりも引き締まっており、新鮮な内に捌いた刺身は極上の味。
セーフティエリアを作り出す能力は高いものの、気球でもある事から移動能力は低めで、動きものんびりしている。
ハード面だけで無く、インストールされているプログラムの質にもバラつきが有るため、戦闘用以外の仲魔も契約して収納出来るかは別の話。
池に入れた魚が1日経過で1匹増え、どんな水域に棲む魚でも生息・混泳が可能と言う代物。
ありとあらゆる果物が実り、どんなに収穫しても翌日には樹一杯に果物が成る。なお、果物の種類と数はランダム。