【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
量産武器の素材を栽培したり新しく作ったりしつつ、地方異界巡りや修行場異界探索にも精を出していると、時が経つのは早い物で九月も半ば、残暑はまだ厳しいけど秋の訪れを感じ始める頃、ついにレベル30の壁を突破する事になった。
「いや、ついにとか感慨深げに言ってるが、お前さんの場合技術習得の方に注力してただけだろ」
「うるさいですよ槍ニキ、レベル上げた方が色々と習得しやすいのは事実ですけど、レベルにあった技術を習得していくのも必要だと感じたからってだけです。おかげで【魂魄精錬法】と言う成長系スキルも構築出来ましたからね」
「俺もその節はだいぶ世話になったからな、技術書のおかげで仙術関連のスキルもいくつか習得出来たしな」
「ああ、そいつは俺も世話になったなぁ。贅沢いやルーン系の術とかも使える様になりたいとこだが……」
「確かマルマインニキ*1のチームに居る式神の一体が【女神スカアハ】の悪魔カード使ってるとかで、本霊通信も可能らしいですよ?」
「影の国は流石にNG、それに余所チームの式神借りるのはな」
「いっそのこと、魔術系を教えて貰う目的で式神を作ると言うのも手じゃ無いか?」
「レベル帯的に、上手く行けばオーディンやヘカーテ辺りの悪魔カードを得ることも出来そうですし、有りかもですね」
実際少し前に、技術部で技術指導用式神として〝エレナ先生*2〟が作られたし、書庫に数の少ない西洋系や北欧、ケルト等の魔術系統をまとめて教えてくれる式神ってのが居ても良いかもしれない。
「まあ槍ニキが後衛戦力も兼ねて作るってのなら手伝いますよ?代わりに時間が空いてる時に魔術の指導して貰えるなら」
「確かに、最近の探索範囲だと、対応力的に厳しい感じはあるからな……」
「俺とレイン*3も基本共に探索しているが、魔法攻撃支援があるのは助かるだろう」
「だな、レオニダスも含めて前衛に固まり過ぎてっからな。となると、流石に二体目ぐらいは女性型にしたいとこだが、どうすっかな……」
「女性で魔術系ですよね。んー、元ネタ的には微妙ですけど、神格的に考えるとマナナン・マクリルがケルト関連の魔術系ですし、どうです?」
ケルト神話に出てくるティル・ナ・ノーグ、海の果てや海底、地の底にあるとされる妖精の国の王であり海の神、数多の魔術道具を保有する魔術と治癒の神でもあり、神話的には英雄へ様々なモノを与える神であることを考えると、この神格を本霊として、近い文化圏の魔術魔法知識を統合するのがベターな気がする。
「なるほど、元ネタでは依り代が不器用だったから、拳の強化に振り切る結果になったとかの説明を見た気がするな。式神を依り代として魔術系特化とするなら不足は無さそうだ」
「良いな、見た目的には好みだし基本方針としてはそれで行くとして、悪魔カードとかどうすっか。つーか、そもそも前世のメガテンでマナナンとか出てたか?」
「えーと、前世知識を持ち寄って資料をまとめた時に聞いた覚えが……そうだ思い出した、P2で魔術師のアルカナで登場した事はあったはず」
「ちなみにレベルは?」
「確か49だったかと、まあアルカナカードは悪魔カードに作り替えるのも可能とは言え、流石に無理ですね。別の方法考えましょうか」
「となると、素直にショタおじに頼むか、要素を掛け合わせて目的の方向へ寄せるかだな」
「それならどの道式神作る時には話す訳ですから、最初から相談しながら行動した方が無駄が少ないですね」
「「……だな」」
色々と話した結果、結局目的レベルの式神作るならショタおじの協力は不可欠って事で、相談に向かうとマナナンのアルカナカードがサッと出てきた時にはどうした物かと思ったものだけど。
まあそれは兎も角、最大の懸念点が解消されたため、その他の魔術知識とフォルマを集めるためにしばらく修行場異界へ籠もることになったわけで――。
「【アナライズ】完了、【魔神 オーディンLv38】衝撃弱点、電撃無効、氷と魔力耐性なのでバステは無理ですね。運良くデビサバ系を引けたみたいです【ガルダイン】!」
「続く、〝乱れ桜*4〟!」
「速さで負けてらんねぇな!〝偽ゲイ・ボルグ*5〟!」
「衝撃弱点なら!〝ストームフィンガー*6〟!」
見敵からの先制弱点属性*7魔法で機先を制し、【軽気功】で機動力と速度を上げた前衛三人による連続斬撃、分裂する投げ槍による刺突の雨、その合間を縫って近付いたドモンニキが衝撃属性の気を込めた掌底を打ち込み弾き飛ばす。
「む、レベル38とは言え流石はオーディン、これだけの連続攻撃を受けても耐えておりますな」
「なら止めと行きましょうか。【コンセントレイト】【ガルダイン】」
打ち上がったオーディンへ叩き付けるように追撃の風塊を打ち下ろすと、流石に止めとなった様で吹き散らされた地面にはフォルマとマッカが残っているだけだった。
「先制取れて一体なら問題無いか」
「ま、メガテンの基本は弱点付いて封殺だからな。にしても一発で悪魔カードとはいかねぇか」
「魔術系のフォルマみたいですし、素材としては良い感じですよ。それよりそろそろ追加来ます」
通路の奥側に漂っていた土煙が薄れてきたところで複数の敵影がうっすらと見えてくる。
『『『貴様ら!縊り殺してくれる!!』』』
「わらわらと出てきましたね。と言うか主神が群れて出てくると言うのもおかしな状況ですが〝鎧砕きの大嵐*8*9〟」
「補助かけ直すわ!【マハタルカジャ】【マハラクカジャ】【マハスクカジャ】」
「数が居るならばこちらだな〝剛波斬*10〟!」
「この数を先制のみで落とすのは無理でしょうな〝ウォークライ*11〟!」
散開しながらこちらへ向かってくるオーディン達の機先を潰す様に、弱点を突く全体魔法で動きを鈍らせる序でに防御低下も試して見たけど、こっちは流石に不発。
そこに久遠の斬撃波が飛んで行ったところで流石に押し切れないと判断した槍ニキの式神レオニダスが盾として引きつけ、乱戦へ突入、前衛アタッカー三人が一体ずつ屠る間、三人へ当たらない様に軌道を調節した【マハガルダイン】でオーディンの動きを牽制しつつ、合間に音の打撃での援護も重ねる。
「これで止めだ!……ふぅ。同格複数体だと流石にダメージがデカいな」
「【メディラマ】っと、今回は防御の高いレオニダスと久遠の二人がいるだけマシよね。いつもなら【サマリカーム】が必要な所だし」
「手数のことを考えると、槍ニキだけで無く俺も二体目を作るべきか?」
「お、悪魔カード出ましたね。ドモンニキの二体目となると悩ましいところですよね、レインさんは補助回復特化で、ドモンニキ自身は前衛よりのオールラウンドですし、後衛よりのオールラウンドにするか、ドモンニキと同じポジションにするかって所ですかね」
「瑞樹、いずれにしろココで続ける話題でも無いだろう」
「だな、そろそろ帰還点あるだろうし、仕様詰めるのも帰ってからだ」
「そうですね。後は、帰還までに良さそうなフォルマやカードをもう少し確保出来れば良いんですけど」
その後十数回ほど戦闘になり、それぞれ何度かミスって死亡したり手足が何度か飛んだりはしたけど、無事に帰還点まで到達し転移可能ポイントを更新してから脱出。
まあこのレベル帯で同格程度だと一回のミスで即死なんて良くあることで、どちらかと言うと手足が飛んだ際の回収や後始末の方が面倒――ヘタに残すと悪魔に持ってかれて面倒になる可能性があるため――だったりするが。
「ふぃー、お疲れー。いやぁ、今日も何度かミスっちまったな……」
「ああ、まだまだ修練が足りんと感じるな」
「二人は敵との距離も近いから余計にシビアですよね。私も後になってもっと良い動きがあったと気付く場面がいくつもありましたし」
修行場異界の近くに置かれている個室の一つに入り、適当に茶菓子やお茶を用意して反省会兼戦利品の分配を始めてしばらく、手足が飛ぶ傷を受けた場面や即死した状況で何がミスになっていたか、それとも前提として力量不足なだけなのかなど、戦闘状況を振り返って互いの視点からの情報と式神から見た情報とを擦り合わせて考察していく。
「まあ反省会としてはこの辺で良いですかね。とりあえず手に入ったフォルマやカードの分配をしますか、ドモンニキの式神二体目についてもありますし」
粗方認識の擦り合わせも終わって力量不足に寄る状況に対する愚痴っぽくなってきた辺りで反省会は切り上げ、次の話題へとシフトさせる。
「おう、これ以上は愚痴っぽくなっていけねぇわな。んで、結果的にどんだけ集まったよ」
「フォルマとマッカ、カードはこんな感じですね。戦闘中に負傷して発生した血肉についてはこんな所ですか、時間凍結して保存してますので、後で医療部辺りに行って式神の素材として使える様加工しますかね」
「思ったよりも手に入ってたな。……もしや、採取分も含めているか?」
「それも含めて探索の成果ですよ。道中で見つけた物は全て回収しましたし」
「抜け目ねぇな相変わらず。ま、多い分には文句なしだろ、それよりまずはカードだな。結局オーディンは3枚出たし1枚ずつでいいか、他は……」
「オーディンを見つけるまでも結構戦いましたからね。えっと、ヴァルキリーが5枚、クロトが1枚、ブリジットが2枚、スクーグスローが1枚、それと……スカアハが1枚ですね」
今回の修行場異界探索では、オーディンのカードが主目的という事も有り、西欧や北欧方面一帯の悪魔が出現し易い区画を進んだため、ギリシャ神話や北欧神話、一部ケルト系の悪魔カードも手に入っている。
「意外と手に入っていたな。俺としてはヴァルキリーとクロト、スクーグスローを1枚ずつ貰いたいが、良いだろうか?」
「式神関連ですよね?私は良いと思いますが……ああ、スクーグスローはスウェーデンの方でしたね」
「確かアレンビーはネオスウェーデンだっけか。んで後二枚は……モイライ三姉妹をヴァルキリーとオーディンでノルン三姉妹に寄せる感じか?」
「ああ、そんなイメージだな。本来ならラケシスとアトロポスもあった方が良いのだろうが、そこはヘカーテのカードを入手するまでに確保出来ればと言ったところか」
「今回のオーディンと同じようにデビサバ系ならレベル42辺りまで行けば遭遇出来そうですし、ラケシスなら可能性ありそうですかね。それじゃ私はヴァルキリー2枚とブリジットを1枚貰いますかね」
「おい探求ネキ、しれっとスカアハを俺に押しつけんじゃねぇよ!」
「いやいや、いつもゲイ・ボルグが模倣止まりなのを悔しがってたじゃ無いですか。本霊にマナナンを据えた式神ならいくらスカアハでも主導権は握れないでしょうし、技術伝授の一環ですよ」
「ぐぬぅ……ちっ、わぁーったよ」
そんなこんな騒がしくも戦利品の分配を終わらせてこの日は解散し、翌日には早速レベル40以上の西欧や北欧方面の悪魔が出現する区画へと向かう。
「今回は40以上のレベル帯だからな、基本格上のつもりで行くぞ」
「二人のパーティは元々42以上だから良いですけど、私的にはここのところずっと格上相手なのですが?おかげでレベルも上がって33になりましたし」
「探求ネキは技術で格上殺し可能なレベル詐欺な上、ペルソナ能力持ちの後衛だから問題ないだろう。久遠も【獣の眼光】やペルソナ能力のおかげで近接戦闘について来れてるからな」
そんな軽口を叩き合いながらも警戒は怠らずに異界内を進んでいく。
「本日最初は【妖獣 ピアレイLv40】と【妖精 ヴィヴィアンLv40】の混成ですか。【アナライズ】結果はピアレイのみ火炎電撃弱点、どっちも氷結耐性でヴィヴィアンは破魔呪殺耐性もありますから火炎と電撃中心で行きますか。」
「ならその前に補助行くわ、昨日習得したばかりだから上昇割合はまだ低いけど【ラスタキャンディ】!」
「おおついに全能力上昇ですか、良いですね。では先制行きますよ木生火の合成〝雷火絢爛*12〟!」
木行に属する【マハジオダイン】で火行の【マハラギダイン】を増幅する様な術へと構築した紅雷が敵に降り注ぎ、轟音を立てながら炎上する。
「それって電撃と火炎の二重属性だっけか?ピアレイほぼ全滅してるじゃねぇか、っとオラァ!」
「これだけの成果を出して置いて、格下などと言われてはこちらの立場が無いと言う物だな!」
ヴィヴィアンの方も弱点こそ突けていないものの感電状態になっていた様で、危なげなく二人に屠られあっさりと戦闘終了し、素材を回収しながら奥へと進んでいく。
道中、ディオニュソスやらプロメテウスやらヘル等とも戦闘になりながら探索を続け、そろそろ一旦撤退しようかと言うところでついに目的の【魔王 ヘカーテLv42】と遭遇する事に成功する。
「【アナライズ】完了、想定通り【全門耐性】持ちです!デビサバ系なので望み薄ですが〝身竦みの魔弾*13*14〟」
〝七曜〟の弦を弾いて【スクンダ】を乗せた【ニードルショット】をヘカーテに撃ち込むが、予想通りデバフが効いた様子は無く、高速でこちらへ向かってくる。
「魔力耐性持ちは厄介ね、【ラスタキャンディ】!」
「俺らはいつも通り殴り倒すだけだな、【軽気功】【チャージ】【地獄突き】!」
「槍ニキは【物理貫通】持ちだから言えることだな、俺も浸透勁の鍛錬を増やすか?【硬気功】【軽気功】【チャージ】【崩拳】」
「物理主体としては貫通持ちは羨ましい物だ【軽気功】【チャージ】【パワースラッシュ】!」
「確か真5に【貫く闘気】とか言う貫通補助スキルがあったと聞きましたし、技術として再現出来ないか試して見ましょうか〝万魔弾*15〟」
「激戦の中でも変わらぬ精神は頼もしい限りですな!【硬気功】【覚悟の挑発】」
弱点を狙っての怯みを期待出来ない事もあり、隙の少ない小技を重ねてダメージを稼ぐ傍ら、レオニダスが盾としてヘカーテの注意を引きつける。
『殺してからゆっくり喰らってくれる【マハムドオン】!ちぃ、耐性持ちか』
「おら、隙だらけだぜ〝偽ゲイ・ボルグ〟!」
『舐めるな!【マハブフダイン】』
接敵直後に全体呪殺とか対策無しならそのまま全滅もあり得た行動だけど、まあ装備含めて耐性すら無いメンバーなど居ないわけで、逆に隙有りとばかりに槍ニキが仕掛けたが猛烈な吹雪を発生させる事で大部分を逸らされてしまう。
「まあ私には関係無いんですけどね〝万魔弾〟」
「補助重ねるより先に回復かしら【メディラマ】、全体魔法ばかりはどうしようも無いわね」
『ぐぅ?!貴様!ならば【マカラカーン】』
三味線の弦を弾き鳴らしながら魔法行使していれば流石に分かる物で、未だ継続されている吹雪の中でも届いた魔法を防ぐために魔法反射の結界を張られてしまう。
「私達は物理型の方が多いのだがな〝霞桜〟」
「だが、この吹雪を抜けていくのもそう簡単な事では無いからな。【チャージ】【光輝唸掌弾】」
ペルソナを召喚している事で水・氷結無効となった久遠が吹雪を気にせず突入し、青龍偃月刀による連続攻撃がヒットしたことで制御に乱れの出た吹雪の隙間を縫う様に、【光輝唸掌】で集めた気を弾丸として放つ物理属性物理攻撃である【光輝唸掌弾】でドモンニキが追撃する。
「私の三味線は物理属性魔法攻撃分類ですし、遠距離物理攻撃も別に用意するべきですかねぇ」
「そこは役割分担なんだし、戦況確認と周辺警戒で良いんじゃないかしら【ラスタキャンディ】、やっぱり何度も重ね掛けが必要なのは効率悪いわね」
『鬱陶しい!【マハラギダイン】!』
「そこは練度上げるしか無いですね【メディラマ】、元々三つそれぞれ使ってたわけですし」
レオニダスと激しく打ち合う本体とは別に、左右の頭がそれぞれ別の全体魔法を発動してくるという状況は確実にこちらへダメージを与えてくるけど、それも全体回復で賄える範囲なら問題も無く、どちらかと言うと魔法発動中は場所移動しないパターンの悪魔が多いことから、魔法をくらいながらも攻撃出来る精神力があるなら逆にチャンスになったりもする。
「そこだ!【軽気功】【チャージ】【地獄突き】」
「これで決める〝酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ*16〟!」
吹き荒れる火炎のを突き抜けた槍ニキの一撃が縫い止めた隙に、高めた気を全身に纏ったドモンニキが突撃して残像が生じる程の速度で連撃を叩き込む。
『があぁァァ!オノレコウ――』
「爆発!」
最後のあがきをしようとしたヘカーテの行動を、叩き込んだ気の爆発で防いだのが止めになった様で、ようやく撃破に成功しMAGへ分解されていく中に一枚のカードが落ちているのが目に入る。
「周囲確認での敵影無し、戦闘終了お疲れー。運良く悪魔カードも出たみたいだし、無理せず帰還する?」
「おう、お疲れさん。このレベルだと鍛錬にはなるが連戦出来る程の力量はまだ無いからな」
「落ち着いて話すためにも一度戻ろうか」
「では集まって下さいね。【トラエスト】」
目当ての悪魔カードが入手出来た事を確認し、周囲からも回収出来る範囲の素材を回収してから脱出して、昨日と同じように小部屋を確保して寛ぐことに。
「改めてお疲れさんっと、思ったよりすんなり集まったな」
「ヘカーテとは何度も戦うぐらいを予想していたからな。途中でラケシスも一枚だがカードを得られたのも良かった」
「ならこのプロメテウスのカードは私が貰いますね。今回はレベル帯の事も有って探索時間が短かったですし、分配の方から先にしますか」
まあ手に入った悪魔カードは話にでた三枚だけなので、残りはフォルマをそれぞれ当分して終わり、戦闘を振り返っての反省は正直単純なレベル差と後衛戦力の不足を改めて感じたってところで、式神作成のためにショタおじの所へ向かう事に。
「お、納得いくだけの素材が集まった感じ?」
「まぁな、つってもめぼしいのはヘカーテとオーディン、後一応スカアハぐらいか」
「スカアハ避けてると思ってたけど、入れるんだ」
「探索中に手に入っちまったからな、それに探求ネキにも言われたが何時までも模倣のままってのもな……」
「本霊と言うか、メインがマナナン・マクリルなら大丈夫じゃ無いかって話ですね。英雄に力を与える話の多い神格ですし」
「それと、槍ニキの式神が終わった後で俺の二体目について相談したいのだが、大丈夫か?」
「そっちは次の依頼が入ってるからその次になるけど、それでいいなら聞いておくよ。序でに探求ネキの方も何かあったりする?」
「私は今のところ特に?ああでも、後々手数が欲しくなった辺りから戦力補充に動くより、今から育てていった方が良いですかね。と言っても式神となると二体目ぐらいは自分でペルソナカードを手に入れたい所ですが」
「それなら、多少制限は掛かるかも知れないけど、管狐と契約する?」
戦力補充の話って事でショタおじから提示された管狐は、確か譲渡の条件がレベル25以上って話の仲魔だっけ、悪魔ならシャドウ異界でもある程度動けるだろうし、夢魔とかの精神系を得意としてるなら更に可能性も高くなるから選択肢としては有りかも?
「確かに、シャドウ異界の事も考えると、管狐と契約するのも良さそうですね。スキルカード入れるのは私も出来ますし」
「それじゃ決まりかな。まあまずは槍ニキの式神二体目を作製するけど、参加してく?」
「もちろん!」
そんなわけで技術部にも連絡入れて、見学したい連中と造形班を引っ張ってきて槍ニキの式神二体目の作製は恙なく行われ、槍ニキの後方支援担当兼西欧から北欧にケルトまでの様々な魔法技術を教授してくれるバゼット・マクリールさんが誕生することになった。
ちなみにこの日以降、槍ニキが探索を終えた後の夜中などに、私の分身式神を含めた西洋系技術研究をメインにしている技術部員が足繁く通う事になるのは、然もありなんと言ったところ。
まあ槍ニキの式神作製も終わりドモンニキの方は相談段階って事で、今回の探索パーティは解散することにしてそれぞれやりたいことにばらけ、私は管狐との契約を行うために星霊神社の一角にある魔獣寮*17と呼ばれている建物へ足を運ぶ。
ここはショタおじが管理する管狐たちの住処であり、同時に獣系仲魔の訓練所も兼ねている施設で、現在も数は少ないけど一部連合員が契約しているイヌガミも様々な技能訓練をしている様で、ここの教官もしているらしい美玖さんの叱咤する声が聞こえてくる。
「聞こえてくる感じからして、管狐寮はこっちですね」
騒がしく訓練している様子の場所から離れた先へ向かうと、狐耳と尻尾をピコピコと揺らしながら建物周辺の掃除をしている女性と視線が合う。
「おや、いらっしゃい。管狐寮に来たっちゅうことは、許可証貰ってるんやろ?」
「これですね、確認どうぞ」
「確かに、ほんならあがって行き。大概適当にフラついとるさかい、あんさんと波長合うんおったら寄ってくるやろ」
何というか似非関西弁に狐目まで完備したいっそ態とらしいほどに狐っぽさを強調した女性に促され、ここへ来る前にショタおじから渡された許可証を見せると、軽く確認して中に入る許可を出したらさっさと掃除へと戻っていく。
「なるほど、嫌うほどじゃないけど波長は合わないって事ですかね」
「気まぐれというわけでは無いのだろうが、合う合わないの境界線がはっきりとしているタイプかもしれんな」
管狐という悪魔の性質について考えつつ建物へ入ると、玄関と言うより交流用の広間としての意味合いが強いのか、広く取られた土間で獣姿のままごろ寝しているのも居れば、土間の先にある中庭で走り回っている者、或いは上がり框の一角でお茶をしているものなど、実に自由な空間が広がっていた。
「いらっしゃ~い。外に一人居たはずだし、入って来れたってことは許可持ちって事よね?」
「ええ、神主から許可は貰ってますよ。見て回っても?」
「構わないわよ。序でに案内してあげるわね」
入って直ぐに声を掛けて来たのは、見た目的には某封神ではピンク色だった髪を黄金色に変えた感じの女性で、手に持っていたお茶をくいっと飲み干し立ち上がると、こちらを手招きしてくる。
特に断る理由も無いため付いていくと、管狐寮内での共有スペースというか、契約を結びに来た相手と交流するための施設を案内してくれた後、中庭を望む喫茶スペースへと案内される。
「こんな感じね~、今は仕事の無い子も多いから、基本的に何処でもそれなりにいるわ」
「なるほどね、基本は一緒に遊んだり食事したりで相性を確かめるって訳か。それで、普通じゃ無い貴女の気持ちについて聞いても?」
「そんなにあからさまだったかしら?まあ単純に良い出会いが有りそうな予感がしたから玄関広間でお茶してたの」
「そして瑞樹を見つけて、案内の名目で他の管狐を牽制した、と……」
「ええそうよん。そんな女狐はどうかしら?」
そう言って艶然と微笑む目の前の管狐、まあ最初から他の管狐がこっちを見るだけで近付いてこようとしなかったのを考えると、そう言うことなのだろう。
まあ霊視で見た限りでも霊能的な相性は良さそうだし、契約すること自体に問題は無いかな?
「色々と相性は良さそうだし、後は契約の条件次第かな?」
「もちろん、確りと話し合って決めましょう?」
見た目的な印象もあるんだろうけど、実際に交渉を始めると細かな言葉の含みで地味に要望を通してくる知略に舌を巻く程だけど、それでもやはり力を持つと言うことはこういう交渉毎では有利に働くもので――。
「――ではこの条件で契約成立としましょう。この神酒〝蓬莱山*18〟と〝霜降り豆腐*19〟から作った油揚げを使った稲荷寿司を自由に食べる権利は貴女の、〝湯乃葉*20〟の物です」
「くうぅっ――こ、コンゴトモヨロシク、お願いするわね……」
実に悔しそうな表情を浮かべながら、稲荷寿司を頬張り、尻尾をパタパタと振る湯乃葉を見やりながら、勝ち取った交渉の結果に満面の笑みを浮かべる。
「交渉の結果と言うより、物欲で一本釣りしただけでは無いだろうか……」
「結果良しならそれでいいんですよ。こういうのは*21」
瞑想による集中と同時に観の目の様に広く見渡す相反する状態を常とするもので有り、修練が進む毎に知と精神に応じて効果も上昇する独自設定スキル。
物としては純粋に神話レベルの美味い酒で、これ自体に特別な薬効などは無い。
しかし、神酒としての概念を保持した酒であるため、飲むだけで大抵の病は癒える上、最上級のアルコール系素材でもある。
修行場異界で出現する悪魔の系統を偏らせた区画というのは今作での独自設定です。
後、複数のスキルを組み合わせて一連の動作にした〝技〟については、固有スキルの半歩手前ぐらいをイメージしてます。
【超人 瑞樹 Lv36】
≪性別≫
両性具有
≪ペルソナ≫
【女教皇 スクナヒコナ】
≪耐性≫
水・氷結耐性、破魔無効
(ペルソナ発動時:呪殺耐性追加)
≪スキル≫
>近距離攻撃系
【崩拳】【火中天津甘栗拳】
>遠距離攻撃系
【アクアダイン】【ブフダイン】【ジオダイン】【アギダイン】【マグナダイン】【ガルダイン】
【ニードルショット】【サイダイン】【ハマダイン】【ムドダイン】【グラダイン】【フレイラ】
【マハアクアダイン】【マハブフダイン】【マハジオダイン】【マハラギダイン】
【マハマグナダイン】【マハガルダイン】【ラピッドニードル】【マハサイオ】【マハンマオン】
【マハムドオン】【マハグライバ】【マハフレイラ】【メギドラ】
>回復系
【ディアラハン】【メディアラマ】【パトラ】【メパトラ】【リカーム】【サマリカーム】
>補助系
【タルカジャ】【タルンダ】【ラクカジャ】【ラクンダ】【スクカジャ】【スクンダ】
【マハタルカジャ】【マハタルンダ】【マハラクカジャ】【マハラクンダ】【マハスクカジャ】
【マハスクンダ】
【ポイズマ】【パララアイ】【ドルミナー】【シバブー】【プリンパ】【マリンカリン】【ダストマ】
【コンセントレイト】【アナライズ】【硬気功】【軽気功】
>自動系
【水・氷結プレロマ】【電撃バッデス】【火炎エンハンス】【地変ブースタ】
【疾風アボイド】【破魔アクセラ】【呪殺サバイバ】【食いしばり】【地獄のマスク】【不動心】
【精密射撃】【三分の活泉】【三分の魔脈】【魂魄精練法】【ミドルグロウ】
【魔術の素養】【三昧常】【小周天】
>生産系
【魔法道具作成】【霊薬作成】【豊穣の祈り】【降霊術(式神コア製作)】
【低級式神製作】【式神パーツ製作】【魔晶変化】
>特殊系
【トラポート】【トラエスト】【分身式神】【神道系召喚術】【結界術】【植物改変】
【契約術式】【地脈干渉技術】【異界作成技術】【霊質強化術】
>汎用系
【房中術】【料理】【酒の宴】【絵画】【造形】【演技】【演奏】【歌】【舞踊】【解体】【農業】【醸造】【言語学】
≪装備≫
三味線型概念武装〝七曜〟、女性用装備〝大正ロマン〟
特製勝負下着・術師タイプ、無病息災のお守り
【式神 久遠 Lv35】
≪性別≫
女
≪ペルソナ≫
【刑死者 ウロボロス】
≪耐性≫
物理・水・氷結・疾風・電撃耐性、破魔・呪殺無効、精神状態異常無効
(ペルソナ発動時火炎耐性追加、水・氷結無効にランクアップ)
≪スキル≫
>攻撃系
【パワースラッシュ】【五月雨斬り】【ソニックパンチ】【崩拳】【火中天津甘栗拳】【会心波】【夢見針】
【麻痺針】
>回復系
【ディア】【リカーム】
>補助系
【覚悟の挑発】【かばう】【チャージ】【硬気功】【軽気功】
>自動系
【物理プレロマ】【物理ブースタ】【物理アクセラ】【物理サバイバ】【物理バッデス】【物理強化】
【地獄のマスク】【獣の眼光】
【食いしばり】【不屈の闘志】【三分の活泉】【三分の魔脈】【魂魄精練法】【武道の素養】【小周天】
>汎用系
【会話】【交渉】【食事】【酒の宴】【房中術】【料理】【解体】【家事】【騎乗】【武芸百般】【植物学】
【鉱物学】
≪装備≫
青龍偃月刀〝守天二式〟、女性用装備〝帝国軍服風スーツ〟
特製勝負下着・戦士タイプ、無病息災のお守り
【管狐 湯乃葉 LV24】
≪性別≫
女
≪耐性≫
電撃無効、衝撃弱点
≪スキル≫
>攻撃系
【アギラオ】【ジオンガ】【マハジオンガ】
>回復系
【ディアラマ】【ポズムディ】【パララディ】【チャームディ】
>補助系
【マリンカリン】【セクシーダンス】【テトラジャ】
>特殊系
【変化】
>汎用系
【交渉】