【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
秋が深まり、そろそろ冬と言いたくなる様な十一月、先月まで行われていた恐山の大異界攻略が無事に終わり、他地方の大異界攻略に向けた目処もある程度立つようになった。
一方ペルソナ関連の方はと言えば、進展したのはタルタロス四十階の封鎖解除に成功して、次の封鎖階層を確認したぐらいで、マヨナカテレビは相変わらず発生の大本が見つからないし、メメントスは内部の広さも相まって中々探索が進んでいないと言うところ。
ちなみに四十階の封鎖解除条件は、小ボスや大型シャドウを倒していない状態で、月光館学園高等部の建物内から満月の日の影時間に突入し、十六階と四十階の大型シャドウを倒すとか言うもので、どう頑張っても十六階の封鎖解除から次の満月には、達成出来ない条件な辺り、面倒さも増してきているように感じる。
そんな諸々も有って、最低限異界のボスを確認するぐらいはしておこうって事で、今回スーパーうどんマウンテンへと再度威力偵察を行い、可能ならば攻略まで持って行こうって話になり、香川支部まで足を運ぶ事になった。
「おう、俺が大異界攻略のリーダーって間違ってませんかねぇ?!探求ネキさぁん!!?俺ようやくレベル30になった程度何ですけど?下手しなくてもレベル差20以上あるんですけどぉ?!」
「そんなの銀時ニキが香川支部長だからですよ。レベルが高くても私は巌戸台の支部長ですし、娘達が居ますから可能な範囲で手助けしてますけど、流石に音頭を取るのは香川の支部長じゃないと駄目でしょう」
「それに銀時君、レベルで30あるなら立派に超人の域に踏み込んでる訳だし、リーダーをしても文句は出てこないと思うよ?」
「それ言うなら膝ニキの方が俺よりレベル上じゃねぇの……はぁ、愚痴っててもしゃーねぇ、大異界の深部偵察と可能なから攻略っつーことで、今回集まって貰った訳なんだが、現状想定されてる異界のボスは香川で狸系悪魔中心ってところから、〝太三郎狸〟と予想している。まあ四国って事で〝刑部狸〟の可能性も高いんだがな」
まず始まったのは現状わかってる事と推測の共有、まあ憶測にとらわれるのも問題なので軽くですが、前者は大異界の発生場所と出現する悪魔の傾向から、後者は同じく出現悪魔の傾向と、深部近くでの大量出現が〝八百八狸〟関連の可能性からと言う物。
今回はいつもの香川支部組と私達だけって訳じゃ無く、琴音さんや綴さんに秋山夫妻、それから山梨支部にも依頼回して人数を増やしているため、コレまでの調査結果や手順などの確認も行っていく。
ちなみに、秋山夫妻は淫魔の血筋と言う事で才能もそれなりにあったようで、二十台後半ぐらいのレベルが有り、綴さんに至っては琴音さんとタルタロスに潜っている事も有って、レベル32と結構な高レベルになっており、実は依頼出してやって来た山梨組とのレベル差は余りなかったりする。
「んで、話は長くなったがコイツで最後だな、少し前の恐山大異界攻略の時にも出てきたが、メシアン共が湧いてくる可能性は高い、実際他の異界攻略でも横槍を入れてくる事が増えてるらしいからな。つー分けで、対策装備とかも多めに用意してるから、不安ある奴は明日までに確認しとけよ。そんじゃ解散!明日は九時頃に現地集合な」
一通りの説明が終わって一端解散となり、それぞれグループ毎に分かれていく事になった訳だが、私達は巌戸台組って事で、綴さんの両親以外のメンバーで大赦に有る私の部屋にまとめて宿泊、秋山夫妻については流石に外部参加枠と言う事で、今回用に確保されていたホテルへ泊まる事になった。
そして翌日、参加者が揃ったことを確認して攻略が開始され、打ち合わせ通りに悪魔の間引きも兼ねて、山裾を回り込む様に展開して行き、私達巌戸台組と香川組がメインって事で突入地点の反対側を目指して移動し、そろそろ道程の七割ぐらい進んだかと言うところで、予想通りの
「やはりナイ神父の言われたとおり、異教徒共が暗躍していた様ですね天使様!」
「そのようですね。さあ、異教徒共に――」
「邪魔ですね〝呪怨弾*1〟」
とは言えメシアン共に態々時間を割くのも無駄なので、そろそろ【宿命通】の端緒に触れられそうな練度になってきた過去視を使い、現れた連中のやって来た事をざっと確認して、頭メシアンな連中と確定したところでさっくりと討伐し、遺体も焼き払って終わらせる。
「現れた害獣がここだけなら良いんですけど……。銀時ニキはとりあえず、害獣がここに出てきた事を全体連絡しておいて下さい。Gみたいに他にも湧いてる可能性有りますから」
「お、おう……。それはしとくが、探求ネキって問答無用で潰す程にアンチメシアンだったっけか?」
「言葉が通じる事と対話可能な事はイコールじゃ無いんですよ?コレまでに何をしてきたのかは過去視で見れば分かりますし、結論在りきで動いている狂信者には何を言っても意味ないですからね。共存できない相手は害虫や害獣と一緒です。人類社会の中でなら兎も角、異界と言う無法地帯の中なら、出会えば生存闘争ですよ」
一緒に行動している智さんと誾さんの二人以外から、何かドン引きされた様な気配を感じるけど、相手側に対話の余地が無く、下手に時間を与えたら余計なことをされる危険性がある場合、何かされる前にサクッと始末するのが後腐れ無くて一番だと思うんですが……。
まあドン引きされたとしても、リスクを減らすためですから対応を変えようとは思わないんですが、それよりも問題なのは念のため何か変な計画でも立ててないか、流し見程度だった記録情報を見返していると、案の定というか余計なちょっかいを掛けるつもりだったらしく、該当部分を他人にも見える様に、タブレット端末へ情報を移して銀時ニキに手渡す。
「それより銀時ニキ、面倒な情報が見つかりました。どうやら四方から囲む様に楔を打ち込んで、私達が異界を攻略した瞬間に乗っ取りを仕掛けるつもりだったみたいですね。しかも時間を掛ければメシア教に都合が良い様に侵食するおまけ付きだそうで」
「マジか?!くそっ、急いで該当地区に人員を集めねーとな、俺らもこの辺に打ち込まれた楔を対処し終わったら、先にメシアン共を潰しに行くか?」
「メシアンを放置して異界攻略なんて出来ませんし、それで行きましょう。ここの楔を対処したら私は反対側の地点に飛びます」
「オッケー、それじゃ私と綴さんでこのまま進んだ先の地点に行こうかな?」
「連絡終わったぞ、該当地区付近担当には注意するよう言っといたから、無茶はしてねーと思うがな。そんじゃ俺らは引き返した地点の応援に行くか」
「その前に一つ追加情報です」
行動方針を決める間に掘り返した楔を解析したところ、どうやら実行犯に知らされていない細工というか、そもそも実行犯が聞かされていた内容と、実際に発生する事態が乖離していたみたい。
先程〝ナイ神父〟の名称が聞こえたのも聞き間違えでは無かった様で、スーパーうどんマウンテンに関する情報と合わせて楔を渡してきたのがナイ神父こと邪神ニャルラトホテプ。
私達的に言えば一応〝N案件〟と分類される状況になっている訳だけど、ニャルが直接動いて管理している様子は無く、厄介の種を蒔くだけ蒔いて何か面白くなれば良いかぐらいの干渉だったのは、不幸中の幸いと言ったところ。
この楔に関しても、思惑通りに発動したなら異界内部の
「――と言うわけで、下手に壊すと面倒な事態になるため、メシアン共を見つけたら速攻で始末して楔を壊されない様にして下さい。全部集まったところで処分しますから」
「ここに来て更にN案件かよ……」
「うわ~、結果的にも見敵速殺したのが大正解だったのが、笑えない話だよね」
追加された情報にそれぞれゲンナリとした表情を浮かべるが、余り悠長にしている訳にもいかないため、今一度全体へ追加情報を回しつつ急いで各地点へ応援に向かう。
まあ私の場合は転移で移動するため特に時間が掛かったりはしないのだけど、この転移もレベルの壁を越えた事や様々な転移系の術、それから気功系の技術に習熟した影響なのか、最近になって【神足通*2】――所謂〝神通力〟の領域に手が届く様になり、以前なら転移先の指定に目印なりが必要だったところ、今では何かしらの方法で場所が分かっていれば転移可能なレベルになっていたりする。
そんな訳で、【神足通】と【圏境】を重ねる様にして敵の背後を取り、念のための確認をしてからアサシネイトして対処完了、程なくして他の二点でも制圧と楔確保成功の知らせが上がる。
「回収お疲れ様です。改めて精査しましたけど、隠された五つ目なんてのも無いみたいですし、一応の警戒はしつつさっさと壊してしまいましょうか」
「おう、お疲れさんっと、追加のトラップとか無いなら何よりだな」
メシアン共の処理が終わって、間引きを兼ねた他メンバーがそれぞれの担当地区へ戻り、元々の第一目標地点だった山の麓に集合したところで回収した楔を改めて確認する。
念には念を入れての解析だったけど、流石にニャルの干渉が有ったとは言っても、片手間だったからか相応に対処可能なレベルで、さほど苦労なく楔の破壊まで完了することが出来た。
「コレで面倒事は片付いた感じ?」
「まあそうですね。異界攻略としての警戒は依然として必要ですけど、予定外の面倒事については解決と考えても良いかと思いますよ」
「おっし、そんじゃ横槍入ってぐだぐだになった感じも有るが、改めてボスの面、拝みに行くかね」
銀時ニキの仕切り直しに各々頷きを返し、異界の奥地である山頂へと向かって行く。
山に入ってから登ることしばらく、襲撃してくる狸系悪魔を以前と同様に薙ぎ払いながら進んでいると、銀時ニキが微かに訝しげな表情を浮かべる。
「どうしました、銀時ニキ?食べ慣れた団子屋の店主が利き腕怪我して、食感が微妙に変わった団子を食べた様な表情してますけど」
「いや何でそんな具体的なの?!と言うかそんな顔してたか?」
「あ、確かに、師匠が行き付けにしてる和菓子屋さんで、店主さんが怪我したとかで微妙に味が変わってた、とか言ってた時と同じ表情してます」
「あ~、有ったな、んなことも……。つか確かに、そんな微妙なズレっつうか、言わて意識し直せば違和感ってのがしっくりくるな」
「それって山に入ってから出現する悪魔が違ったりとか?」
「出てくる種類は同じだな。そもそも、何がどうなって違和感になってるのか、ってのがわかんねぇんだが……」
何回か調査に入った事のある私の視点では、現状の襲撃や周辺状況から特段変な気配などは無い様に思えるが、私とは異なり普段から間引きも含め、頻繁に入ってる銀時ニキには何か違う感覚があるのか、普段の緩さも程々に周囲への警戒感が増していく。
途中で余計な邪魔が入りはしたけど、大異界の偵察兼攻略としては、概ね順調と言える感じで進み中腹へ差し掛かると、これまでと同じように行く手を阻む悪魔の軍勢が押し寄せてくる。
「相変わらずの出現数と圧力ですけど、銀時ニキが言う様に確かに違和感がありますね。今年の初めに確認した時よりレベルが高いのもありますけど、それ以外にも何か……。攻撃性が増してる?」
「あー、アレだ、探求ネキがクダの湯乃葉を連れてきた時と似てんだよ。いつもより攻撃的になってるって考えれば、ぴったりはまった感じがするな」
「それってつまりボスの対応方針が変わったって事?」
「ボスのメインとなる霊格が変化してる可能性は有りそうです。兎も角ここからが正念場ですから、気を引き締めて行きましょう」
正しく数は力を地で行く軍勢を前に、各々自然回復で賄える範囲での広範囲攻撃を繰り出しながら進み、手応え的にボスと一当てするぐらいなら行ける予想も立ったことで、ボス発見時の行動方針についても具体的な相談をする事に。
と言うのも、銀時ニキが始めに感じ取り、中腹辺りで私も感じた違和感を考えると、事前に考えていた行動方針が何処まで通用するかも妖しい訳で、今一度それぞれの認識を共有する意味も兼ねて、いくつかの可能性とパターンを相談しつつ歩みを進め、しばらくして行動方針もまとまった頃には、異界のボスが居ると予想している山頂付近へと到達する。
「見えましたね【妖怪 刑部狸Lv45】、違和感の予想通り元々は【太三郎狸】だったみたいですけど、メシアン共が侵入してきた事で変化した上に、四国でメシア教に根切りされた霊能者達の怨念と言うか、残留思念が集まって来てるみたいですよ」
「てーことは、交渉の余地も無くボス戦突入って訳か」
「それなら陣形は道中に決めた通りって事で、一番琴音行っきまーす!」
「ちょっと琴音ちゃん?!ああもう、瑞樹さんサポートに入ります!」
「やれやれでありますな。琴音さんの補助と守護は私の役目でありますよ」
「琴音さんの事は綴さんとアイギスに頼みます。メインタンクは久遠、サブタンクは銀時ニキのメガネにお願いします。八百八狸の処理と補助は私がメインで、ボスの耐性は弱点無し、氷結・電撃・破魔・呪殺無効なので、属性攻撃するならそれ以外、各自出来る範囲で削っていって下さい!」
ある程度の予想と行動方針を決めていた事も有り、交渉不可と判断出来た時点で戦闘に突入し、何とか相手の機先を制して先制攻撃する事に成功する。
中腹から戦闘状態をほぼ継続している様な状況だったことも有り、付与し続けている【ラスタキャンディ】を掛け直した後、【ランダマイザ】で全体にデバフを掛けて戦況を整えた頃には、レベル的にボスと対峙するのが難しい大赦組が、退路の確保も兼ねて背後の八百八狸の処理に向かい、久遠を中心に銀時ニキと琴音さんがアタッカー、綴さんが前衛でのサポート兼遊撃として布陣が完了する。
ちなみに、膝ニキは動き回ると膝の爆弾が危険なため、元から中腹付近での囮兼間引きをするグループにいるため、刑部狸と戦うレベル上位はこの七名がメインとなる。
「まさか、ネタで考えてただけの重ね技を使う時が来るとは思いませんでしたね。〝魔弾の旋律*3〟行きますよ!」
補助魔法の効果上昇を目的とした旋律から演奏内容を切り替え、儀式魔法として成立させた旋律を奏でて万能属性の魔法弾を生成し、刑部狸も含めた射程範囲の敵へと撃ち出していく。
誤射防止の事も有って、攻撃目標の設定には意識を割く必要が有るものの、それ以外を演奏で代用可能に出来た事も有り、配下の処理をしつつ単発の魔法ぐらいなら平行して使えるのが、この重ね技の良いところだろうか。
流石にこの数相手に手動で目標設定してると、マルチタスクも鍛えていても大変な事には変わり無いけど、ペルソナ発動による速度上昇や時繋ぎの腕輪による認識時間の加速も有って、多少は思考に余裕をもって行使出来てる辺り、レベル上昇で能力が大きく向上しているのを実感できる。
そうして戦場全体へ魔法弾を放つ間にも刑部狸との戦闘は始まっており、久遠を中心に前衛組が有利に戦況を進めていた。
刑部狸の攻撃を久遠が相殺する様に撃ち落とし、その隙に銀時ニキや琴音さんが切り込んで、アイギスと綴さんが離脱のフォロー、退避が間に合わない場合はメガネがかばう事でダメージを抑える流れが構築され、そこに適宜回復やデバフに魔法弾の攻撃が飛ぶことで順調に削っていく。
「とりあえず、怨念などの影響なのか刑部狸の思考能力が低いのは幸いですね。力は強いですけど搦め手を使ってくる感じが無いですし、パターンが変化するまでは今の流れを維持しましょうか」
「ウチのメガネは一発で半分近く削られてんだがなぁ」
「【メディラマ】っと、格下なんですし回復が間に合うなら問題無いでしょう。銀時ニキもこういう時のために、態々あの式神にしたのでは?」
「まあな、そんじゃもう一踏ん張りしてきますかね」
思考整理も兼ねて独り言呟いてるところに、丁度良いのかどうなのか、カバーに入ったメガネと一緒に銀時ニキが殴り飛ばされてきたため、回復を掛ける序でに刑部狸のパターンが変わるまで現状維持の方針を伝える。
まあ銀時ニキもレベル30の壁を超えたとは言え、刑部狸とは10以上のレベル差があるわけで、壁特化の専用式神が居ることで何とか戦いになってる感じだろうか。
一方の琴音さん達の方は、相手が一体で速度もさほど高くない事も有り、ペルソナ発動による高速移動のおかげで、ヒット&アウェイが上手く回っている様子。
そんな感じで危なげなく安定した戦況になると、相応にDPSも上がる訳で、さほど時間も掛からずパターンの変化というか、一種の狂化状態だった今までとは攻め手が変わり、幻惑系の状態異常スキルや魔法スキルも攻撃に混ざり始める。
流石に武闘派な伝承もある狸の親玉だけ有り、本来の戦闘スタイルだろうと思われる、幻術を織り交ぜた近・中距離戦闘は厄介な様で、上手いこと回っていた琴音さんもミスが増え、一度立て直しも兼ねて戻ってきた。
「耐性装備付けてても微妙にずらされるの、何なのアレッ!」
「影響範囲を限定させる事で、術の効果を高めてる感じですかねぇ?追い詰められて理性が戻ってきた様にも思えますが、近接戦闘の距離と速度で幻術による錯誤を仕掛けてくるのは、流石と言ったところですか」
「ぐぅぅ、厄介な事を……。なんか対処方法って有ったりしない?」
「対処方法ですか、見た感じ視覚系の幻術の様ですし、他の感覚での知覚を強化するのが良いですかね?【光玉の目】スキルでも有れば、本質を見通す霊視の強化で幻術を見破る事も出来るでしょうけど」
「【光玉の目】付与した装備なんて流石に用意してないし、視覚以外の知覚?ん~、ちょっと試して見るね!」
ちょっとしたアドバイスで何かしら思い付いたのか、再度元気に飛び出していく琴音さんと、話している間軽く休憩してた綴さんが再び前線へ戻り、今度は代わりに銀時ニキが後退してくる。
「いや、マジきついわ……」
「格上相手の戦闘経験はいくらあっても良いですから、コレでも飲んで頑張って下さいな」
「探求ネキみたいな修羅勢と一緒にしないでくれませんかねぇ?!って美味っ!コレ何なの??」
「疲労回復効果を高めた乳酸菌飲料で、使った材料的にカルコーク*4と呼ばれる物に似た飲み物ですね」
「コレ購入出来たりしねぇ?効果的にも支部に常備したいんだが」
「原液の方は少し前にガイアグループが本社と業務提携してましたし……、製造部の方にレシピ回して置けばその内生産も始まりますかね?一応銀時ニキの意見も添えて運営に連絡は入れておきますか」
「増産の当てがあるなら俺からも要望出しとくかね。よっし、気力も回復したしもういっちょやってくるか!」
多少消耗していたメガネの回復も終わらせ、銀時ニキが戦線に復帰した頃には、琴音さんの方も何か掴んだのか刑部狸へ攻撃を当てられる様になっており、順調に体力を削っていく。
戦況自体は順調に推移しているとは言え、戦闘時間も結構長くなっており、レベルの低い大赦組は特にだけど、綴さんや銀時ニキの動きも少しずつ悪くなっていってるのを感じる。
まあそんな中で、動きが悪くなるどころか、どんどんキレを増していく琴音さんは、どうなってるのかと不思議に思うところだけど、今は全体として限界が見えてきた事が重要な話。
最も限界が近いのは刑部狸の方も同じみたいで、攻撃を撃ち落とす形で相殺を繰り返していた影響が顕著に出始め、加重状態による鈍化がわかりやすく見て取れる程になっており、刑部狸の攻撃が地面に叩き付けられた際の衝撃音は増していくが、鈍重な動きに捉えられる事も無く、こちらの攻撃が次々と当たるようになっていく。
「もう一押しと言ったところですが、最後の悪足掻きされるのは避けたいところですね。【浸透勁】【シバブー】、久遠!」
「承知!〝乱れ桜*5〟」
「総攻撃!ここで仕留めます!【浸透勁】【マカジャマ】」
そろそろ大詰めと言うところで、このまま削っていくだけでも勝てるだろうとは思うものの、狸の親玉を相手に時間を掛けると、嫌がらせでどんな仕掛けを仕込まれるかと言う懸念から、一気にけりを付ける事にして、八百八狸の対処に回していた処理能力の一部を刑部狸側に振り分ける。
攻勢の手始めとして、【浸透勁】の熟練により可能となった魔法の耐性貫通による緊縛の状態異常と、久遠の連撃による加重状態で身動きを封じ、【マカジャマ】で封技の状態異常まで追加したところで、各々の全力攻撃が刑部狸に叩き込まれる。
私の方も八百八狸の攻撃がこっちへ届くギリギリまで対処を減らし、その分の魔法弾を撃ち込み一気に残り体力を削っていく。
「終わった……?」
「だな、異界の崩壊も始まってるし、取り巻きの狸も追加されないって事は、そう言うこったな」
「とりあえず皆さんお疲れ様です。狸らしく要らない置き土産を準備していたみたいですけど、完成前に潰せたので、一先ず大異界攻略完了って事で良さそうですね。それでは異界掌握とダンジョン構築に入りますので、適当に休憩してて下さい」
「あいよ、そんじゃ間引き組の方には先に戻るよう連絡入れとくぞ」
行動制限系状態異常を重ねたことも有り、最後は割とあっさりとどめを刺せた事から、異界攻略経験の少ない琴音さんや綴さん辺りは今ひとつ実感出来てない様子だけど、悪足掻きもさせずにきっちり討伐出来た様で、大異界〝スーパーうどんマウンテン〟の攻略はこれにて完了。
とは言え、異界ボスを討伐するパターンになってしまったため、私の仕事はもう少し続くことになる。
これに関しては事前協議の時にも出てきた問題点なんだけど、四国を〝死国〟として黄泉の国と関連付ける伝承というか認識もあるらしく、大異界がある内はそこにマグネタイトが集まるため問題無かったが、攻略完了して空白地帯が出来てしまった時に、黄泉関連の大異界が形成される可能性も無いとは言い切れないとのこと。
そんな訳で、可能なら交渉なりでスーパーうどんマウンテンを管理下に置いて維持、無理そうなら厄介な大異界が発生する前に、管理可能な大規模異界を構築して、他の大異界が発生しないようにするってことで、参加者の中でこの手の作業に慣れてる私が担当する事になったと言う話。
「異界の規模はそのままで、コアは香川支部の管理下ですし、ククノチ神と紐付けして既にある異界とリンクさせますか。ダンジョン本体は動かせないですから、香川支部と繋げるにもその方が楽ですね。そうなるとダンジョンの傾向といては植物系で――」
【ダンジョンクリエイト】のスキルも発動させて、大異界管理用のコア作成や基本情報を入力したり、大赦の祭神であるククノチ用の異界とリンクさせて管理の主体を移したり、修行用兼資源回収用のダンジョンとして使い易い様に、香川支部から転移出来る様に設定したりと、作成時点で仕込んだ方がやり易い仕様を組み込む作業を続け、一時間前後かかったが無事に作業が完了する。
「よしっ、ここでの作業は終わりましたから、香川支部に戻りましょうか。間引き組の方はもう異界からの退避終わってます?」
「点呼しての確認も含めて完了済みだな、今残ってるのはここに居る奴だけだ」
「休憩中の荷物とかも片付け終わったから、こっちもいつでも大丈夫!」
「では私達も戻りましょうか」
帰還の用意が調っている事を確認し、異界内部に人が居なくなった時点から、管理ダンジョンとして再構築を開始するように設定し、転移で香川支部へと帰還する。
こうして年末直前の大異界偵察、可能なら攻略の作戦は成功で幕を閉じ、再構築されて植物資源ダンジョンに生まれ変わったスーパーうどんマウンテンは、ガイアポイントで交換出来る様な特殊植物を入手可能な異界として、香川支部を中心に、周辺の黒札や金札の人気を博する事になる。
水面であろうが空中であろうが地面を踏みしめる様に立ち歩くことができ、行動可能な場所であるなら生存可能な場所であると概念を押しつける権能でもある。
旋律に乗せて術を行使することにより、演奏が途切れない間、断続的に万能属性の魔法弾を放ち続ける儀式魔法としてスキルを組み合わせた重ね技。
知覚する敵に向けて放つ部分以外を演奏による動作で実行するセミオートのため、この術を使いながら他の魔法を発動する何てことも可能。
探求ネキのアライメントは多少ライト寄りのニュートラル-カオスと言ったところです。
>現在のステータス
情報量が多いため、スキル関連は028話掲載からの変化点のみ記載
【仙人 瑞樹 Lv38→51】
≪性別≫
両性具有
≪ペルソナ≫
【女教皇 スクナヒコナ】
≪耐性≫
水・氷結耐性、破魔無効
(ペルソナ発動時:呪殺耐性追加)
≪スキル≫
>遠距離攻撃系
追加:【マハサイダイン】【マハンマダイン】【マハムドダイン】【フレイダイン】
【マハグラダイン】【マハフレイダイン】
>補助系
追加:【ラスタキャンディ】【ランダマイザ】
>自動系
追加:【水・氷結ギガプレロマ】【地変ハイブースタ】【魔導の才能】【食没】【浸透勁】
【圏境】【急所撃ち】
変化:【ミドルグロウ】→【ハイグロウ】、【魂魄精錬法】→【魂魄精練大法*1】
>特殊系
追加:【リフトマ】【ライトマ】【エストマ】【神足通】
≪装備≫
三味線型概念武装〝七曜〟、〝道士霊装〟、〝
特製勝負下着・術師タイプ、〝時繋ぎの腕輪〟、〝円環のアミュレット〟
【式神 久遠 Lv37→50】
≪性別≫
女
≪ペルソナ≫
【刑死者 ウロボロス】
≪耐性≫
物理・水・氷結・疾風・電撃耐性、破魔・呪殺無効、精神状態異常無効
(ペルソナ発動時火炎耐性追加、水・氷結無効にランクアップ)
≪スキル≫
>自動系
追加:【物理エンハンス】【浸透勁】
>特殊系
追加:【禹歩】
≪装備≫
黄龍偃月刀〝
特製勝負下着・戦士タイプ、〝時繋ぎの腕輪〟、〝円環のアミュレット〟
【仙狐 湯乃葉 Lv35→49】
≪性別≫
女
≪耐性≫
電撃無効、衝撃弱点
≪スキル≫
>補助系
追加:【ドルミナー】【テンタラフー】【マカジャマ】
>自動系
追加:【地獄のマスク】【浸透勁】
≪装備≫
〝惑乱の雫〟、〝神秘のビスチェ〟、〝紅玉の羽衣〟、
〝
↓幕間で初期のステータス記載のみだったので、別枠
【ペルソナ使い 秋山
≪ペルソナ≫
【剛毅 ヘパイストス】
≪耐性≫
火炎無効、氷結弱点
(装備により氷結無効、破魔・呪殺耐性付与)
≪スキル≫
>近距離攻撃系
【脳天落とし】【スラッシュ】【崩拳】【渾身剣】
>遠距離攻撃系
【アギラオ】【マハラギオン】
>補助系
【チャージ】【軽気功】【硬気功】
>特殊系
【禹歩】【縮地】
>自動系
【火炎ブースタ】【小周天】【魂魄精錬法】【食没】
≪装備≫
霊刀〝影獅子〟*2、女性用装備〝帝国軍服風スーツ〟*3、
山吹の羽衣*4、特製勝負下着・戦士タイプ、無病息災のお守り
霊格における最大限まで身心を練り上げる技法であり、現在のレベルまでに加算されていない余剰能力値分も鍛錬により上昇する。
なお、魂魄に掛かる負担が大きいため、レベルにして50を越えるぐらいの格がなければ身につけることは出来ない。