【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
「やはり安全性と保険を考えると、ロボを作るべきですかね……」
「いきなりどうしたん、探求ネキ」
「いえ久しぶりにブーストニキ*1を見かけて、一人連想ゲーム起こしただけですね。タルタロスのラストを考えると、月サイズのニュクスと戦う可能性もあるかと思ってた所で」
「ああ、リアルACと連想してロボットか。良いんじゃないか?シャドウ異界なら電脳異界と似た感じである程度無茶出来るだろ」
ガイア連合山梨第一支部の食堂棟で久しぶりに食事していると、活動範囲の違いで遭遇する機会の少ないブーストニキと偶然相席する事になり、その際にふと思い付きの言葉が漏れたのが先の話。
八月恒例の各種お祭り騒ぎも終わって、そろそろ秋の気配もし始めて来た頃、タルタロスの攻略はシャドウのレベルがついに私も超える様になってきた以外は、特に新しい問題も無く順調にレベル上げしながら探索を進められており、そろそろ最終局面を見据えた準備も進める頃合い、と考えていた結果の誤爆みたいな物だけども。
「まあ実際どうなるか分からないですけど、可能性の一つとして検討は続けてみます。場合によってはリアルACの電脳異界使ってシミュレートさせて貰っても?」
「筐体自前で接続するなら好きにやって貰って構わんよ。ロボ部とかやってる奴らも多いしな」
「ではその時はこっちで筐体用意してアカウント作りますか。お先失礼しますね」
「おう、お疲れさん」
混雑する時間帯と言う事も有り会話もそこそこに辞去して、ニュクス関連の情報探しも兼ねた星霊神社書庫迷宮*2の探索へと舞い戻る。
なお、最初期の頃は普通の書庫でしかなかった場所だけど、表裏問わずかき集められた書籍やショタおじが執筆した各種書籍、私や他の有志が執筆した本を持ち寄ったりした経緯もあって、収容場所の拡張や区画分けしたりなんだりしている内に、何時しか書庫迷宮などと呼ばれる様になり、慣れない者が真面目に迷って出られなくなったと言う笑えない話もあったりする。
まあその人は書庫迷宮で司書のバイトをしている〝読書クラブ*3〟の会員に救出された訳だけど、書庫迷宮が迷宮と呼ばれる所以はもう一つあって、それが読書クラブ会員でもまともに踏み込む事が出来ない、危険区画が存在するからだったりする。
「まあ危険区画と言っても、本を読むための力量を確認するギミックが、神主によって仕掛けられてるだけなんですけどね――っと、この本も複写していきますか」
「読む側にも相応の霊格や適正が求められる書籍と言うだけでも、納められている場所が危険区画と呼ばれるのは当然だと思うがね。そろそろ時間になるぞ瑞樹」
「では今日のところはここまでにしておきましょうか。一応ニュクス封印用の取っ掛かりは出来そうですし、しばらくは色々と物作りですね」
満足いく成果も得られたところで良い時間になったので巌戸台支部へと戻り、琴音達と合流した後はいつものタルタロス攻略と日常業務や日課を熟して翌日。
思い付きで呟いたロボ作成について、改めて検討してみるため各種情報を引っ張り出して確認していく。
「動力炉や装甲は以前に船を作った時*4の〝五行器〟と〝装甲護符〟を使えば良いとして、まずは骨格の素材と駆動系の二つ……。それ以前に、そもそもどんなロボットをイメージして検討するのか、と言う話が先ですね」
実際の設計も含めて問題点はいくらでもあるけど、そもそも作成の見込みを出せるかと言う点を検討するとしても、どんなロボをイメージしてるのかと言う点が不明だと、考えようも無い話。
思考の出発点が月サイズのニュクスと戦う事になった場合を想定している訳だし、最低でも乗り込んで操縦するタイプで相応の大きさが欲しいけど、大きすぎたら仮に作れたとしてもまともに動かせるか分からないとなると、やっぱり五行器から連想して超機人って事になるだろうか。
「仮に超機人を作るとしても、龍虎王はクスハとブリットのイメージが強くて、作って動かしたいと言う気にならないんですよね。龍王機や虎王機の自意識も含めてと言う感じも有りますし、他の機体も……あれ?超機人ってそもそも特機型半生体兵器の総称でしたっけ、それならオリジナルの超機人を作るつもりで考えて見るのも良いですかね」
どの道内部構造含めて不明点も多く、仮に作れたとしても超機人っぽい物になってしまう訳で、それなら初めから元ネタの設定を借りたオリジナル機体として検討する方が気持ち的にもマシと言ったところ。
そう言う前提で、改めて作成可能なのか検討してみる事にして、素材の強度や重量に駆動系の出力、制御方法などを考えていくと、骨格素材はアトリエ式錬金釜で合金作る事で何とかなりそうだし、五行器の機械制御が可能なのを考えるとプログラムを組む方向が良さそうな感じ。
とりあえず素材と制御系は当てがあるとして、駆動系をどうするかと言うところに頭を悩ませる。
超機人が半生体兵器と設定されていて、構成素材に弾性があり柔軟な素材が含まれているらしい事から、駆動系には人工筋肉的な物を使うのが良いんだろうけど、想定50メートルの巨大ロボットを動かせる有機素材を用意出来るかと考えると、正直無理があるのでは?と思う訳で……。
「厳密に同じ物を作ろうと言うわけでもないですし、有機素材に拘らなくても良いんですが、そうなると無機素材での人工筋肉?何か引っかかる様な……
無機素材の人工筋肉で連想され思い出したのは、ナイツ&マジックに登場する巨大ロボット
元ネタでは10メートル前後のロボットを動かしている人工筋肉であり、作中で魔法を行使する為に必要な触媒結晶と呼ばれる物質を、錬金術で加工した物だったはず。
序でに、魔力を貯蔵する機能も併せ持つ素材と考えると、仮に実用化出来るなら、機体全体でマグネタイトを保有する事で五行器の出力向上も見込める。
「……ふむ、駆動系の結晶筋肉が実現出来るかが不明ですけど、それ以外は何とかなりそうですかね?となると、結晶筋肉の作成に挑戦してみますか」
色々と検討した結果、確実とはまったく言えないものの、不可能とも言い切れない感じには可能性が見えた事も有り、当面研究開発して行く項目として追加する事にして、早速結晶筋肉の試作に取りかかる。
素材として候補に挙がるのは性質も含めて考えると、マグネタイトを蓄える結晶化植物の〝結晶仙人掌〟が順当だろうか。
人工筋肉へ加工するに辺り、考える点は伸縮機能と筋肉構造を模倣した可動域の構築。
量産性に関しては物が出来ていれば、アトリエ式錬金釜での大量生産も可能と言う事で一旦置いておく事にして、まずは十分な性能を発揮する結晶筋肉の成立を目指していく。
とまあ研究を開始したのは良いけど、コレにばかり時間を掛ける訳にはいかないのが実際の話で、合間にちまちまと研究して、物として最低限形になったのはそれから一ヶ月程後の事、理論の方も技術部に投げては居るけども、10メートル級のロボットでも動かすには足りない程度の出力しか無い有様で、巨大ロボットの駆動装置として使用するには更なる研究が必要というのが現状の話。
「こう言った経緯で結晶筋肉*5の基礎理論までは出来た感じですね。後は結晶仙人掌以外の素材比率で、出力や耐久力などがどう変わるかを細かく検証していくので、相応に時間が掛かりそうです。骨格用の素材検討や制御用プログラムを書いたりも必要ですし」
「おう、何かしれっと論文上がってたせいで、ロボ部のスレ*6とか凄い事になってんぞ。まあ話を聞く限り、元ネタ通りの巨大ロボットに使える代物には程遠いみたいだが」
「使用する素材の比率などの研究が進めば可能性は有りそうって所ですね。タルタロスの攻略とペルソナ関連の技術開発がメインで、あくまでも他の研究は趣味の範囲ですから、ロボ部とかから要望されても対応出来ないですけどね」
オリジナル超機人を作ろうかと思い立ち細々と研究を始めてしばらく、技術部の技術開発班に顔を出したところ、丁度一息入れていたエドニキと軽く話す内に、最近上げた論文の話が出てきた訳だけど、エドニキの元ネタが義手義足のキャラと言うだけあって、多少は興味がある様子。
エドニキ自身が義手義足と言う訳では無いけども、
私の方も本来の目的である、技術開発室からしか閲覧出来ない様に設定されているデータベースを確認し、個人研究を含めて使用したい研究資料の使用料を振り込み、データをコピーしていく。
ちなみにこのデータベースは、技術系黒札が個人研究して資金調達用に登録した物や、技術開発班として研究した成果をまとめた物で、閲覧や研究資料の使用料金、登録された資料を使用した商品の販売益などが、登録した個人や技術部に入る仕組みになっていて、ガイア連合内での特許制度みたいな扱いをされていたりもする。
今回コピーしたデータは主に素材系の検証結果と、デモニカやリアルACで使われている動作関連で、後者は超機人関係の個人的な物だけど、前者はペルソナ関連の装備開発にも使う情報。
特に高レベル帯ともなると、各種合金を作ったり性質確認したりするための素材を集めるのも一苦労なわけで、持ち寄って検証した結果をマッカ払いで得られるなら安いと言う話。
「前回購入した時からだいぶ検証が進んでますね。差分の金額だけでも前回の三倍掛かったのも頷ける内容ですし、コレならそろそろ私のメイン武器も新調しましょうかね」
「ようやく自分の装備を新調する気になったのか、私や湯乃葉の装備より長い事更新してなかっただろうに」
「ぶつけ合うタイプの武器でも無いですし、内部術式の属性部分を更新しただけでも十分に強化出来てましたからね。それに新調するなら組み込みたい機能も有るんですが、あと一歩技術か素材かが足りない感じもしていて、先延ばしにしていたと言うのもあります。兎も角、ピースが揃った感じも有りますし、ちょっと特殊な素材も使うので取りに行きましょうか」
山梨第一支部の食堂棟でコピーしてきた資料を確認しつつ久遠とお茶をしていると、見つけた検証結果から必要なピースが揃った様な閃きにしたがい、必要な素材を揃えて拠点へと戻る。
さて、私のメイン武器であり術式補助具でも有る三味線を新しく作る訳だけど、本体に使用する木材は前のと同じ樹木ではあるが、今回は以前作る時に調べた中で物が無くて入手できず、更に言えば時間的に用意するのも難しかった物を使おうと思ってる。
と言うのも、霊的な意味合いだと最上位に近いのでは?と思われる木材が、一般的にも認識されている素材として存在する訳だけど、その木材の条件が〝千年以上地中に埋もれており、朽ちずに形を保っている木材〟と言う物で、〝
ただ物として造り出すだけなら、壺中天地の地面をそれ用にして、時間加速かければ良いかとも思いはしたけど、霊的な意味を考えると、素材としてはだいぶ落ちる可能性も考えられるため、その当時にショタおじやセツニキ*7に相談したところ、意図的に作り出せるなら使い道はいくらでもあるからと言う事で、富士山の地脈を利用して富士山内部に時間加速付き地中異界が構築され、製造実験が行われていたりする。
ちなみに、壺中天地でも実験自体はしているんだけど、条件が上手く噛み合わないのか、神代木と言える様な材木は未だに出来ていない状況。
そんな訳で今回用意した木材は、富士山地中異界を構築した時に埋めて、内部時間で千年以上経過し、神代木と呼べるだけの木材に変化した物の一本。
正直なところこの木材で木刀でも作ったなら、それだけでレベル1がレベル20前後の悪魔に手傷を負わせられるぐらいには強力な霊木になっており、神代木製造の目論見は成功したと言えるだろう。
そんな木材で三味線の本体を作り、今使っている三味線〝七曜〟の術式を発展させた陰と陽の循環により、各種属性や術式の効果を増幅する機能を組み込んだら、先程データベースから引っ張ってきた情報を元に素材を組み合わせて術式を定着させる。
その後は、検証資料の情報から皮素材を組み合わせて三味線の胴体に張り、同様に良さそうな素材を選んで弦なども取り付ければ、新しいメイン武器の完成となる。
「音も前のより良く響きますし、術の増幅率なども格段に上がってますね。名称は、増幅の術式的に〝太極*8〟がわかりやすくて良いですかね」
出来上がった三味線の慣らしも兼ねて自宅の一室、陽当たりが良く主に寛ぐ為の場所になってる和室から続く縁側に腰掛け弦を弾く。
奏でるのは長い旅の先で幸せを見つける希望の歌、家族の幸せを願う歌、そして先逝く者に心配は要らないと、今を精一杯楽しく生きていると告げる歌。
それは視界の片隅に映る一つの位牌を通して、輪廻へと還った
曲を奏でながら思い出すのは去年の事、カズフサニキに連れられて彼らの本拠地に案内されて、対面した一つの位牌。
一目見て分かる縁で繋がった、名も無き水子霊となった魂が納められたそれは、カズフサニキ、スカリエッティニキ、ジュンニキによって救われた結果の一つであり、私に絡まる因果の影響を受けかねない守るべき者。
受け取った位牌は瑞琴が生まれて体調を戻した後に水子供養を行い、その後はショタおじの助けを借りて泰山府君との契約を交わし、その上で輪廻へと還した事により、私からの縁を辿られない様にしているため、ここに置いてある位牌はもはや只の置物でしか無い。
もう縁が繋がる事は無いけれど、それでも偶にはこうして、出会う事も出来なかった家族へと歌う、そんな日があっても良いだろうと高らかに歌い紡ぐ、〝来世が幸せである様に〟と。
結晶仙人掌のマグネタイト保有能力を持たせたまま、筋肉と同様の積層スライド構造を持たせ、電気信号式とマグネタイト操作式の、それぞれに対応する伸縮を可能にした。
なお、結晶仙人掌と各種素材を混ぜ合わせることで、素材に応じた剛性や靱性などを獲得する事も出来る。
ラスト部分は『【R-18】アビャゲイルの投下所【カオス転生ごちゃまぜサマナーN次創作】』様より、探求ネキの妊娠期間中前後のネタを頂いたので、アンサーも兼ねたちょっとした後日談風味です。
>現在のステータス
情報量が多いため、スキル関連は036話掲載からの変化点のみ記載
※魔法の威力と言うか等級的なものに関して、【サイコキネシス】等のように原作で〝特大威力〟分類の物や原作などに登場していない系統の物を含め〝特大〟に当たるランクを【○○バリオン】で統一しています。
【仙人 瑞樹 Lv51→74】
≪性別≫
両性具有
≪ペルソナ≫
【女教皇 スクナヒコナ】→【世界 タカミムスビ】
≪耐性≫
水・氷結耐性、破魔無効
(ペルソナ発動時:呪殺耐性追加)
↓
水・氷結耐性、破魔無効
(ペルソナ発動時:全門耐性、水・氷結・地変・破魔・呪殺無効)
≪スキル≫
>遠距離攻撃系
習得:【メギドラオン】【アクアバリオン】【マグナバリオン】【ヤブサメショット】
>補助系
習得:【テトラカーン】【マカラカーン】【テトラブレイク】【マカラブレイク】
>自動系
習得:【電撃強化】【火炎激化】【疾風高揚】【初段の強運】【獣の眼光】
変化:【地獄のマスク】→【奈落のマスク】、【三分の活泉】→【大活脈】、【三分の魔脈】→【大魔脈】
>特殊系
変化:【五行相克】→【五行循環*1】
習得:【天耳通*2】【他心通*3】
≪装備≫
三味線型概念武装〝太極〟、〝道士霊装〟、〝
〝時繋ぎの腕輪〟、〝円環のアミュレット〟〝カグツチの御守り〟
【式神 久遠 Lv50→74】
≪性別≫
女
≪ペルソナ≫
【刑死者 ウロボロス】
≪耐性≫
物理・水・氷結・疾風・電撃耐性、破魔・呪殺無効、精神状態異常無効
(ペルソナ発動時火炎耐性追加、水・氷結無効にランクアップ)
≪スキル≫
>攻撃系
追加:【朧一閃】
変更:【五月雨斬り】→【刹那五月雨斬り】
>補助系
追加:【テトラブレイク】
>自動系
追加:【物理高揚】
変更:【地獄のマスク】→【奈落のマスク】、【三分の活泉】→【大活脈】
【三分の魔脈】→【大魔脈】、【獣の眼光】→【龍の眼光】
≪装備≫
黄龍偃月刀〝
特製勝負下着・戦士タイプ、〝時繋ぎの腕輪〟、〝円環のアミュレット〟
【仙狐 湯乃葉 Lv49→74】
≪性別≫
女
≪耐性≫
電撃無効、衝撃弱点
≪スキル≫
>回復系
追加:【ディアラハン】
変更:【メディラマ】→【メディアラハン】
>補助系
追加:【まどろみの渦】【テトラカーン】【マカラカーン】【マカラブレイク】
>自動系
変更:【地獄のマスク】→【奈落のマスク】、【三分の魔脈】→【大魔脈】
≪装備≫
〝惑乱の雫〟、〝神秘のビスチェ〟、〝紅玉の羽衣〟、
〝
【ペルソナ使い 秋山
≪ペルソナ≫
【剛毅 ヘパイストス】→【剛毅 プロメテウス】
≪耐性≫
火炎無効、氷結弱点
(装備により氷結無効、破魔・呪殺耐性付与)
↓
物理・破魔・呪殺耐性、火炎無効、電撃弱点
(装備により電撃無効)
≪スキル≫
>近距離攻撃系
習得:【ヒートウェイブ】
>遠距離攻撃系
習得:【アギダイン】【マハラギダイン】
>補助系
習得:【浸透勁】
>自動系
習得:【火炎ハイブースタ】【物理ブースタ】
≪装備≫
メイン:
山吹の羽衣→白銀の羽衣*4、特製勝負下着・戦士タイプ、〝カグツチの御守り〟
〝時繋ぎの腕輪〟、〝円環のアミュレット〟
一つ前に発動した属性の相生関係に在る属性に対して習得している全ての属性系自動発動スキルの効果が適用される。
五行を循環した時点で弱点が無くなり破魔と呪殺に対して習得している全ての属性系自動発動スキルの効果が適用される。
世界に満ちるあらゆる声を違えず聞き取り理解する力であり、理解した物を受け止める心の権能でもある。
【天耳通】による理解を通し、他者を己として洞察する存在の在り方を問う権能でもある。