【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく   作:緋咲虚徹

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055:完成と再確認と初心に返る

 色々とあった2001年も残り僅かとなった年の瀬、私達の家族計画に多少の修正が入ったのはご愛敬として、冬季休暇に入った琴音は早速新人教育などに割り振る時間を増やし、綴は妊娠後に備えた準備や両親への報告などに動く事になり、師走らしいのかちょっと疑問な所もある慌ただしい日々を過ごしている一方で、私の方も一つの区切りを迎えようとしていた。

 

「久遠が要望したモビルトレースシステムで動かした感じはどうです?」

「鎧として考えるなら、こちらの方が私に合っているな。まあ()()()()()()にはまだ慣れないが」

「本番は無重力空間ですけどね。数値を見た感じだと生命維持機能は問題無さそうですし、踏み込み用の足場結界展開機能も想定範囲、後は重力操作を入れての動作確認でラストですね」

「了解した。手早く確実に終わらせるとしよう」

 

 久遠と一緒に木分身で転移してきたここは、地球から遠く三十八万㎞程離れた月の裏側。

 【神足通】なら認識していれば転移可能な事から、気配も姿も消して月面へ移動し、地球から観測出来ない裏側に仮拠点を用意。

 その後こうして宇宙空間での稼働実験のためにやって来たと言う訳で、今は簡単な調整で宇宙空間対応も可能だった、モビルトレースシステム搭載型の最終テスト中。

 一方で私は、自分用の機体として建造した人機合一方式型の超機人と合一し、各種術式や武装などが使えるかの確認も並行して行っているのだけど、一時的に機械の体となっているだけに、宇宙空間だろうと行動に問題は無い訳で、問題点としては想定通り元のコンセプトである演奏による増幅が、そのままだと無理がある事が確定した程度。

 私が戦闘の基本にしている三味線演奏での術行使も、あれば低消費高威力に出来るのと、音に載せた必中攻撃が出来るからと言う理由であって、無くても同等の事は可能なため、地上用装備とでもしてしまえば良い話だけど、そこはまあ技術的に何とかなるならするのが技術者というもの。

 とは言っても機体側だけでどうにかする訳では無く、弄るのは超機人に乗り込んでいる状態でも使える様にした〝甲縛式O.S.別天翠呪〟の方で、演奏で生じる音を物理的な振動の伝播から、知覚した対象へ空間を超えて直接響かせる、音の概念を内包した力として発する様に構築し直す形。

 

「んーこれ、だいぶ前から物理的な音より演奏自体の、概念的な影響の方が大きくなってたみたいですね。まあ【天耳通】や【他心通】を体得した辺りから、〝統一言語*1〟みたいに対象問わず意思の疎通が可能になってましたし、改めて認識したなら色々と効率化も可能ですか。久遠、そっちもテスト項目終わったみたいですし、一度拠点に戻ります」

「了解、仮拠点に帰投する」

 

 なお、物理的な音から概念的な物へ変更する過程で気付いた訳だけど、どうやら演奏の旋律を詠唱の代わりとして術の効果を上昇する手順から、旋律がそのままスキルとして術を行使する形になっていて、そこに私自身のスキル発動が重なる事で、概念強化され効果上昇する形になっていた模様。

 つまり旋律による詠唱と言う過程を省いて、対象への術行使をしていた訳で、にもかかわらず補助系を使う時は行使対象を細かく指定しなくても、敵や味方と言った大雑把な認識で、旋律が届く範囲全体へ付与出来てたのを考えるに、演奏しながら発動した術と言う括りで概念化され、知覚範囲全体を対象にするのが可能となった後も、無意識の内に旋律が届く範囲と制限していた感じだろう。

 演奏のみで術行使を完結させられる様になった事は、今までの目的だった増幅だけで無く、複数スキル同時発動による複合術式も、より使い易くなったので良いとして、本題の真空や宇宙空間でも演奏を手段にする方法についてだけど、この手の物は一度認識出来てしまえば簡単な話と言う事で、テスト項目が一通り終わった久遠も回収して拠点に戻れば、早速作業開始。

 まずは、音の概念自体をマグネタイトに載せ、感染呪術的に知覚する事を経由して直接影響を与えるか、霊力操作の及ぶ範囲にマグネタイトを広げることで、隠密系の権能で知覚出来なくても、影響範囲に居るなら効果を及ぼせる様にする。

 次ぎに、機体の方の変更として、音響増幅目的にしていた翼部分を霊力制御用の補助装置として作り直し、機体各所に組み込んでいる術式増幅機能ともリンクさせれば、改修は完了。

 再度月の裏側に移動して動作確認を行い、問題無く動く事を確認して、ついに私専用の超機人〝龍泰樹*2〟が完成する事になる。

 

「これで、一応私の超機人は完成になりますかね。年内に超機人完成まで漕ぎ着けられましたし、皆の分を建造する時はもっと楽に出来そうですね」

「要望も固まってない段階だがな。私の方は護衛として、防御寄りの方針で良いだろう。瑞樹を守るのは私の役目だからな」

「ええ、いつも頼りにしてますよ。久遠」

 

 そんな年の瀬の一幕も有りつつ、ガイア連合としての動きも大きくなった一年がようやく幕を下ろし、年を新たにした2002年。

 年始の一週間程度は各方面に挨拶回りをしたり、綴の両親や大赦へ顔を出したりと、親戚関係や組織関係の各種付き合いで動き回り、その後はいずれ来る終末に向けた拠点の整備やタルタロス攻略に向けた準備、マヨナカテレビやメメントス関連での開発依頼があればそれの対処と、必要な事にやるべき事、やりたい事を熟している内に月も半ばを過ぎた頃。

 昨年末の事も有って、一度初心に立ち返ろうと技術の見直しをしていたところ、途中思い付きで創ってみた簡易結界でも生育可能な植物が完成し、農業部の方で栽培するかを確認した帰りの事。

 修羅勢がよく使っているため普段から割と騒がしい鍛練場の一角から、一際元気な声が聞こえてくる。

 

「こんにちはるるネキ、新人ですか?だいぶ幼いですが……」

「お、探求ネキ。少し前に宮城の方で保護された子で、今七歳だったかな?久しぶりに気合いの入ったデビルシフターだよ」

「初めまして、だな。鵺原リン*3と言う、見ての通り幼女だから、コテハン付けるとしたら当面は幼女で行くつもりだ」

「なるほど幼女ネキですね。私は七倉瑞樹、まあ戸籍名よりコテハンの探求者か、探求ネキの方が通りは良いですけどね」

 

 聞き慣れない声の上、幼い少女のものとなれば気にはなる物で、実戦形式の指導をしていた様子のるるネキが、一息入れたタイミングで声を掛けると、どうやらショタおじみたいな見た目詐欺というわけでも無く、見たままの年齢らしい幼女ネキと挨拶を交わす。

 今は散々地面に転がされたのか砂まみれの様子だが、見た目のボロボロさの割りに元気一杯なのは、子供特有の溢れるスタミナなのか、それとも精神性故なのか。

 そんな考察は兎も角、やる気のある後輩な幼女が頑張っているなら、何かしてあげたくなるのが人情というもの、かといって鍛練の邪魔をするのは本意では無いわけで、るるネキが実戦指導を再開した横で何か無かったかと考えたところに、ついさっき農業部へ行った用事の事を思い出し、収納バッグから取り出した()()()を二人の近くへ転がす。

 

「これなら丁度訓練の役にも立ちますかね?るるネキ!ちょっとこれ殴らせてみて下さい」

「何~?ってマジでなんなのコレ、妙に美味しそうな気配がするんだけど、新作?」

「恐ろしくデカいが、見た目はドングリ……か?」

「今日農業部の方に実と苗木を渡してきた新作の〝首領(ドン)ドングリ*4〟ですね」

「お、と言う事は新作一番乗りかな?なるほど、()()()()だね」

「おおっ首領ドングリと言ったらあれだな!メルクの星屑を取りに行く切っ掛けになった、小松の包丁が折れたエピソードの!にしてもコレは大きすぎないか?記憶が曖昧だが大きいと言っても、一抱え程度だったイメージなんだが」

 

 今回取り出したのは、農業部にサンプルとして見せた物の一つで、直径は1m程、重量にして500kgを超える程まで大きくなった首領ドングリなため、印象的な元ネタのシーンである、まな板に載せられた首領ドングリを考えると、幼女ネキが困惑したのもわからないでも無い話。

 なお、私が再現食材として創り出した首領ドングリは、大きさや重さに比例する様に殻の硬さも増していくため、最小の30cm程度なら一般人でもハンマーを使えば割れるが、直径が50cmを超えた辺りから、一般人では割るのに相当な時間と労力が掛かる様になり、直径が1mを超えるとプレス機を使うぐらいの力が必要になる代物になっていたりする。

 

「漫画に出てきたのは多分、トリコ世界で一般流通している大きさでしょうね。元ネタでも最大で2m程まで大きくなる設定らしいですし。まあそれより、硬い殻を持つ首領ドングリなら、幼女ネキも気兼ねせず全力で殴ってみる事が出来るでしょう?」

「うん?格上相手に加減なんて出来る訳も無いし、私の出せる限りで挑んでいるが?」

「幼女ネキが認識出来てる範囲で全力なのは、間違い無いんだろうけどね~。昨日修行場異界に入って、一気にレベル10以上まで上がったって言ってたでしょ?で、最初の方は特にだけど、レベルが一気に上がると能力が元の何倍にもなるせいで、能力の把握がおかしくなりやすいんだよね」

「ふむ……、つまり私が全力と思ってるのは、全力では無かったと?」

「有り体に言えばね。まあ能力値の急増で力に溺れて、実力を見誤るよりは百倍マシだけど、そのままにしておくわけにも行かないって事で、模擬戦してたんだけどね」

「傍目から見た憶測混じりな上、余り踏み込むような話でも無いですが、制御出来ない力を振るう事に忌避感があるのでは?まあ普通に当たり前の感覚ですけど、無意識の内に力を制限している様にも見えましたので、首領ドングリなら標的として丁度良いかと、殻を割らないと食べられないですからね」

「つまり、コレを割れたなら食べる権利を得られるって事か!」

「とりあえず攻撃しやすいように固定しておくので、自身の限界を図るつもりで頑張って下さい」

「頑張ってね~幼女ネキ」

 

 気勢を上げて攻撃を始める幼女ネキのことは、元々指導をしていたるるネキに任せ、鍛練の邪魔にならない場所に【マグナ(地変術式)】を使って即席の石窯と調理台、食卓用のテーブルや椅子を作り神道式の浄化で祓い清め、序でに料理の匂いが漏れて幼女ネキの集中を乱さないように、結界も張っておく。

 ちなみに料理の準備をしているのは、アニメ版のトリコで、完成した小松の新しい包丁を使い、首領ドングリを具材にしたピザを作るエピソードが追加されていた記憶から、使用する素材とかはそのままじゃないけど、フルーティーな味わいに合わせてデザートピザにでもしようかと思い立ったのが理由。

 まあデビルシフターにそれだけでは足りないだろうし、シモフリトマト*5を使ったトマトソースや角切りトマト、ロースバナナやベーコンの葉と言った肉野菜、牛豚鳥のミルクから作ったチーズや烏骨鶏の卵を使った自家製マヨネーズなど、各種具材を盛り込んだクリスピーピザ*6を、数種類用意して焼き上げ、熱々のまま時間停止させて食卓に並べておく。

 一通り出来上がって、後は首領ドングリを使ったデザートピザ用の準備をしつつ様子を見てみると、レベル相応の力は発揮出来る様になったみたいで、最初に見た時より格段に良い動きをしている幼女ネキの姿があった。

 

「幼女ネキは前世での武術経験とかは無い感じですかね?悪魔変身が【鵺】みたいですし、武神や闘神と言った近接技術持ちの起源って感じもしないですよね」

「だろうね~。まあそこは武術指導担当のショタおじの式鬼に任せれば良いんじゃない?私もそうだったし」

「私が見た感じだとタオ系も適性がありそうなんですよね。変身先を考えると、動物的な動きを取り入れた型もある形意拳とか相性が良さそうですし、亀仙人辺りを紹介してみますかね」

「ああ、あのスケベなとこまでそっくりなリアル亀仙人?まあ幼女相手に手を出したり何てしないだろうし、良いんじゃない?っと、それよりそろそろ体力の限界っぽいかな」

 

 るるネキと話している間に、どうやら体力の限界までいったみたいで、幼女ネキが仰向けに倒れており、位置固定している首領ドングリの方を見ると、殻の一部にひび割れ程度だけど確りと亀裂が入っているのが見える。

 

「くそぉ~、限界までやって亀裂が入る程度か……」

「お疲れ様です幼女ネキ、とりあえず汚れ落としましょうか【浄化】」

「おおすまん、助かる。にしても最後の一撃は良い感じに入った気がしたんだがなぁ」

「レベル10前後辺りで1mサイズに亀裂を入れられるなら、近接系の適正はかなり高いですよ?力だけで割るなら、この大きさだとレベル20ぐらいは要りますし、それ以下なら元ネタ的に専用のハンマーとスキルを合わせるかする必要があるでしょうね」

「私もスキル込みの素手なら、十分な結果だと思うかな~」

「はぁ……、現状の限界って事なら納得するしか無いかぁ」

「まあ本来の目的だったステータスの把握は出来たみたいですし、食事にしましょうか。幼女ネキとるるネキが食べてる間に首領ドングリも調理しますから、楽しみにしてて下さい」

「んん??」

「あ~幼女ネキ幼女ネキ、探求ネキは()()()()()()()()()()()とは言ったけど、()()()()()()()()()()()()()とは言ってないよ?」

「…………確かに?」

「別段不利益になる物でも無いので、幼女ネキが誤解したのをそのままにはしてましたけどね。オカルト界隈だと、些細な思い込みから大問題に発展する事もありますし、気を付けるに越した事は無いですが」

「その辺は、私達ならレベル上げて能力上がってから覚えるでも良いけどね~。記憶力も理解力も段違いだし」

「ぬぅ、やるべき事はまだまだ沢山あるって事だな」

「まあ何はともあれ、沢山動いてお腹も空いたでしょうし、ピザを焼いたのでどうぞ、折角ですし首領ドングリのジュースも用意しましょうか」

 

 1mものサイズがあるだけあって、デザートピザ用に使う分を除いてもかなりの量になるため、手刀に【ガル】(疾風属性)を載せてさっくり切り分けた後、半分はピザ用に取り分け、残り半分を【グライ】(重力術式)で圧搾して果実ジュースにした後、【ブフ】(冷却術式)で適度に冷やして食卓に並べる。

 

「なあるるネキ、あんな簡単に切れる様な硬さじゃ無かった気がするんだが?」

「軽く叩いてみた感じだけど、レベル30超えてればあそこまでじゃなくても、割るなら簡単にできる程度だったし、50以上ならってね。それに単純な力じゃなくて、手刀に霊力を纏わせた上に疾風属性まで付けた一撃だしね」

「結局は技術がまったく足りてないって事か」

「ガイア連合山梨支部に所属して直ぐならそんな物だと思いますよ?例外的な人達もいたりしますが、私も含めた大半の黒札は、何処までコツコツと積み上げられるかの違い程度ですからね。まあ、幼女ネキはどちらかと言うと、例外側な気もしますが」

「そんなもんかねぇ。ま、考えるのは後だな!今は折角だしあの台詞で行くか」

「なるほど確かに?」

「良いね~、それじゃ」

「「「この世の全ての食材に感謝を込めて……いただきます!」」」

 

 唱和が終わると同時に二人が熱々のピザにかぶり付き、恐ろしいほどの速さで食べ進めていく。

 最初の一枚はシモフリトマトのソースをベースに焼いたウィンナースやベーコンの葉を載せた物で、予め焼いておいた事によるカリッとした食感と溢れ出るような肉汁が、蓋をするようにたっぷりと載せて焦げ目の付いたチーズと合わさって、口一杯に旨味が広がる良い焼き上がりだった。

 搾り立ての首領ドングリジュースもメートルサイズまで育った物だけあって、濃い味付けのピザに負けないフルーティーな風味と甘味が舌を楽しませてくれるが、味の系統としてピザの脂っこさを拭える様なタイプじゃないのは、贅沢な話だけどちょっと微妙なところだろうか。

 

「このままでも美味しいですけど、ちょっと重い感じも有りますし、炭酸割りも作りましょうか。水分抜いて濃縮させて、炭酸水と混ぜ合わせてドングリソーダってところですね。うん、口の中がさっぱりして良い感じです」

「ピザも美味いが首領ドングリジュースも思ったより果物っぽい感じで美味い!更にドングリソーダがあれば、いくらでも食えそうだな!」

「こっちのシモフリトマトたっぷりのピザも美味し~!」

「何!?モンハンの食材もあるのか!おおっ、旨味が溢れる!!こっちのホワイトソースとポークポテトのグラタン風も濃厚で美味い!」

 

 そんな感じで次々と消えていくピザを見たところ、デザートの出番が早々にやって来そうな気配がするため、中座して最後の一枚を用意する事に。

 まずは、さっきジュースを作って出た搾り滓を砕いて生地に練り込み、クリームチーズをベースにして首領ドングリの果肉を敷き詰める様に並べて焼き上げ、その上に琥珀楓の葉や焙煎したバタークルミを散らし、メイプルシロップを回し掛けて軽く焼き目が付くまで火を通せば完成。

 

「さ、そろそろお腹もいっぱいになってきた感じでしょうから、最後にデザートピザを焼きましたよ。名前を付けるなら〝木の恵みのピザ〟ってところですかね」

「おお、ガッツリとした首領ドングリの風味と添えられたメイプルがコラボレーションして襲いかかってくる!この胡桃は、トリコ食材ならバタークルミか!アクセント所か主役を奪いそうな濃厚さが、首領ドングリとぶつかり混ざり合い、一口ごとに違う顔を覗かせる!う、美味いぞおぉぉぉぉぉぉ!」

「あ~、このデザートピザだけでも、何枚も行けそう!探求ネキ、コレのレシピも公開はするの?」

 

 某料理アニメの如く霊力を迸らせながらリアクションしている幼女ネキを横に、るるネキが何事も無いかの様に質問してくるのはシュールな感じもするけど、食堂棟だと結構見かける状況なので、慣れきってると言う話でもあるのだろう。

 

「購買部で買える食材だけですし、レシピは公開しますし食堂棟ならその内メニューに並ぶんじゃないですかね」

「やった、楽しみがまた一つ増えた」

「ふぅ……、いやぁ~美味い食事はすんごく有り難いんだが、申し訳ないが私の持ち合わせは殆ど無いぞ?式神製造に突っ込んでるとこだし」

「味の評価を貰っただけで十分ですよ。努力する後輩に何かしてあげたくなるのは、先達の性みたいなものです」

「そう言う事なら、有り難く受け取っておこう」

「序でのお節介と言ってはなんですが、この紹介状も渡しておきます」

「紹介状?」

「ああさっき言ってたリアル亀仙人か、私達黒札の中にもファンや弟子が多い人格者だよ」

「亀仙人?!居るのか!」

「外に出るのは専用式神が出来てからとは思いますが、オカルト業界の生き字引とも言える人物ですし、十四代目葛葉ライドウの友人だった人ですから、技術的な面でもガイア連合以外の視点を得るのにも良いかと。ちなみに今世で刊行されてるDBの作者とも知り合いで、モデルになったらしいので真面目にリアル亀仙人ですよ」

「マジか!そりゃ行けるようになったら、会いに行くしか無いな!」

 

 そうして鍛練場の一角を占拠しての食事会なんてミニイベントも終わり、後始末が終われば鍛練に戻る二人を残して帰宅する事に。

 途中思い浮かぶのは、食事を楽しむデビルシフターの二人、思えばトリコ食材を作ろうとした最初の切っ掛け自体、デビルシフターの食料事情改善のためだった訳で、最近だと食材開発自体が趣味になっているとは言え、これについても初心に返ってみるのは悪く無いだろうとも思う。

 

「ガイア連合員なら、食欲界を探索出来る様に整えてみますかね?拠点エリアと外部の出入り可能なエリアを分けるとして……、終末後にやってみたい事も含めて、計画を練ってみましょうかね」

 

 新しい目標も出来た新年始まりの月、今年も一年忙しくなりそうだ。

*1
ネタとしては、型月に登場する世界そのものと会話可能な言語であり、元ネタは旧約聖書におけるバベルの塔崩壊前に人類が使っていた言語の事。

*2
龍と樹木をモチーフとして作成したオリジナル超機人、動力炉に五行器を使用した50メートル級の機体で、装甲護符による外殻と結晶筋肉により各部の動作を行う仕組みだが、元ネタとは異なり自意識は搭載していないため自律性は無い。

装甲材には、合金樹に翡翠と霊鉄を混ぜ合わせた〝翠木鋼〟を使い、結晶筋肉には合金樹皮と結晶仙人掌にミスリルを混ぜ合わせた物、骨格には〝アダマントス合金木〟を使用し、冥府と死の概念への耐性を強化している。

外見イメージは、FFのバハムートみたいな人型の龍と言った形状に、樹木的な特徴を合わせた感じの機体で、操作方法は人機合一方式を採用。

機体性能としては、搭乗者の術式増幅と拡大による対巨体攻撃性能向上を基本に、翼には霊力制御の補助機能を搭載しており、単体精密操作から広範囲大規模まで場面に応じた術行使を可能とし、近接戦闘能力として、格闘や武器の使用も可能となっている。

*3
『【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策』様の主人公である幼女ネキ、時期としては星霊神社での修行を初めて少ししたぐらいの頃。

*4
トリコの食材再現シリーズの一つであり、ドングリの王様と謳われる巨大なクヌギの実で、殻の硬さはドングリの中でも指折りであり、割るために専用のハンマーが必要になる程。

実の大きさは30cm程から最大で2m程まで大きくなり、30cm程でも15kgぐらいの重さになる。中の果汁はフルーティーな味で、果汁ジュースとして人気が高い。

*5
モンハンの食材再現シリーズの一つであり、一日に必要な緑黄色野菜の摂取量がこれ一つで満たせる程の栄養価を持つとてもジューシーなトマト。

ガイア連合農業部で栽培されている他、食欲界のモンハン大陸でも自生している。

*6
ニューヨーク風ピザとも言われるタイプで、日本の宅配ピザでイメージされる形状の物。




原作様の幼女ネキの鋼メンタルとレベルアップ速度的に、宮城へ戻るまでの数ヶ月の修行でレベル20前後までしか上がってないのを考えると、修行場異界にひたすら籠もるよりも、依頼や技術習得に時間を掛けてたのでは?と思い、ある程度技術習得に意識を向けるエピソードを差し込んで見ました。
拙作世界線での幼女ネキは、探求ネキからの紹介で亀仙人の弟子になり、体術や業界の知識に細かな技術を学ぶ感じです。
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