【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
「何と言うか、ダンジョン学園都市みたいな感じ?」
一月の出来事から計画を練り始めた食欲界の外部解放だけど、私達の生活エリアと外部解放エリアを分ける形で区画を作り、終末を乗り越えた後の日常として考えていた案も提案してみたところ、返ってきたのが先の台詞。
最初に考えた外部解放区画の構想としては、食欲界に出入りするための施設に、本土と行き来するための転移施設の二つだけだったけど、折角外部解放するなら他にも何かしたいと考え追加したのが、終末後の技術復興や発展のための、学術都市を作るという物。
ガイア連合では、終末後も可能な限り現代文明を残し、維持出来るようにするのが最大目標となっている訳だけど、終末に対して何処まで抗えるのかと言う話もあり、そこから私なりの対策として準備しているのが、知識や技術の収集。
壊れる事が分かっているなら作り直せる様に、或いはより発展させて創り出せる様にすれば良いと考え、古今様々な書物を買い集めたり、習得した技術を学べるように執筆したりとしている訳で、いずれそう言った知識を学べる施設を何処かに作り、終末後の世界を発展させていけるようにしたいとは思っていたのもあり、この際だからと外部解放区画の構想に混ぜ込んでみた感じ。
とりあえずとして、星霊神社の図書館迷宮みたいに、知識や技術を得るための試練も含めた教育施設型異界として〝
いずれは住み着く人も出てくるだろう事を考えて、土地を拡張するための方法と、一時住まいとしての集合住宅ぐらいまでは用意して、実際に住みたい人が出てきてから後は考える予定と言ったところ。
「最終的に学術研究などで、私に無い発想とかが見られる様になればってところですね。【超越者】に至った事で、私達の人生はかなり長い物になるでしょうから、人生を楽しむための投資と考えれば、外部解放区画を整備するのも有りかな、と」
「そう言われると、何だか終末への対処がゴール地点のように思ってましたが、乗り越える事が目標なら、乗り越えた後の事も、考えないといけないですよね……」
「私はまだ終末後のやりたい事ってのが思い付いてないけどさ、瑞樹がやりたいって事なら良いんじゃない?その、家族としてここに住んでるけど、この島を開拓して拠点にしたのは瑞樹なんだし、家の周辺は個人区画として立ち入れないようにするって話みたいだしね」
「プライベートの確保は当然として、所有者と管理者としての最終権限は保持、普段は組織運営とかを学びたい人達に任せて、学びの場とするのが理想ですね。ここに滞在中は、全員学生の身分として扱うとかのルールを決めた方が良いんでしょうけど、来る人がどれだけ居るかもわからないので、後回しですね」
「そうなると、いずれ人が増えてきたら、教育学部卒としては何か教える側に回りたいですね。終末後に生まれた子達とか、瑞琴やこれから生まれてくる私達の子にも、色々な事を教えてあげたいですから」
それぞれ思う事はあれ、外部解放区画については了解も得られたと言う事で、各種素材を採集可能にするための期間が必要な、素材迷宮の構築から取りかかる事にして、他の作業や研究の合間にコツコツと進める事になったのが二月の初め頃。
一方で、タルタロス攻略再開に向けた準備の方も、各人の要望を反映させた超機人の設計が進み、ある程度データが揃った所でシミュレータを使った動作確認を行い、実際の運用に向けた変更点の洗い出しなどをする段階に入っていたが、実際に建造したり実機での動作テストや操作訓練などもある事を考えると、占術の結果通り子作りのタイミングとしては丁度良かった感じだろう。
色々な用事と並行しての作業と言う事もあって、異界の構築と施設の建築に一区切りが付いたのは、月が変わった三月も上旬の事。
それも素材迷宮と、拠点内の異界へ転移する施設の箱が出来ただけで、中身の設備や各異界で死んだ場合の確実な蘇生手段構築、学びの園で知識や技術を得るための試験基準など、まだまだ完成には程遠い状況と言ったところだけど、これ自体趣味の一環なことを考えれば、DIY感覚でゆっくり進める程度でも十分だろう。
まあ自己裁量で良い個人研究や趣味の話はおいといて、転生者互助会であるガイア連合山梨支部に所属する関係上、時には様々な理由による協力依頼が届く事も有る訳で……。
「宝貝や消耗品の作成じゃなくて、設備の共同開発ですか?」
「ええ、KSJ研究所でシェルターとなる拠点の一つぐらいは確保しておこうって話になりましてね。ただ、終末後を考えると食糧自給率の不安と、土地関係の問題も有りますから、その流れでベジタブルスカイ計画*1を思い付いた感じでして*2」
「なるほど、そこの連想から私ですか、面白そうですし新しい試みは大歓迎ですよ」
「おお、ありがとうございます。では現在の進捗は送って起きますので、具体的な計画は日程決めて改めて話し合う感じで、空いてる予定の方は――」
普段は装備関係の開発依頼や宝貝の作成依頼と言った、個人研究の延長で済む話の方が多いのだけど、今回の依頼は珍しく共同開発であり、大規模設備の建造を目標にしているとの事で、何故私に依頼してきたのかと、どんな設備を作りたいのかについては、計画名の〝ベジタブルスカイ〟で簡潔にまとめて来た辺り、トリコ食材と言えば私と関連付いているのが良くわかる。
電話の後送られてきた進捗状況を見る限りだと、雲型の式神に【浮足玉の脚】のスキルを入れる事で、上空に持ち上げようとしているらしい。
実際のところ何処までの高度を目標としているのか不明だけど、ベジタブルスカイの再現を視野に入れているなら、高度は航空機が飛ぶ対流圏よりも更に上、成層圏のオゾン層がある高度二万メートルもの高さまで持ち上げる事になる訳で、まあ終末後なら兎も角、今だと航空機と接触する可能性を排除出来ると考えれば、オゾン層辺りに設置するのは有りと言えそうな気もする話。
こうして依頼というか、共同開発の話が持ちかけられたと言う事は、天空に作る農園で育つ植物を創り出したり、或いは高高度に式神を固定する技術の共同研究も有るかもしれない。
幾つか想定される状況を考えて資料を用意したところで、会議の日になり山梨第一支部の一室へと集まる。
「お待たせしました、探求ネキ」
「予定時刻前ですし、問題無いですよ。話し合いの前にお茶でも入れましょうか、最近ようやく茶葉の発酵が安定して、納得いく物が出来ましてね」
「へぇ、お茶も作ってたんですか。発酵って事は、烏龍茶か紅茶ですか?」
「お茶も薬の一種ですから、丹薬作りの一環みたいな物ですよ。プーアル茶の熟茶と呼ばれる物で、1970年代に製法が誕生した比較的新しいお茶ですね。日本でプーアル茶と言えば基本このタイプですし。とは言え、丹薬として茶葉以外も混ぜ合わせてるので、プーアル茶その物と言う訳でも無いですが」
「名前は聞いた事有りますが、飲んだ事は無かったですね。香りはドライフルーツや蜂蜜の匂いって所ですか」
「多少甘い香りが強くなりましたけど、上手く熟成されたプーアル茶も蜜や果物のような甘い香りに変化していきますから、香りとしては近い物があると思いますよ。プーアル生茶と呼ばれている昔から有るプーアル茶だと、経年熟成で香りや味わいが変化していきますから、そう言う面での愛好家も多いお茶らしいですね」
ちなみに、生茶の方は緑茶とほぼ同じ工程で製茶されるが、緑茶だと省略される事も有る
プーアル生茶の製茶工程だと、殺青でも酵素が完全には失活しないため、天日乾しをする間にも発酵が起っているらしく、機械乾燥だと酵素が完全に失活してしまい、プーアル茶にはならず緑茶になってしまうのが注意点。
こうして出来上がったプーアル生茶は、経年熟成により味わいや香りが変化していくため、専門業者として取り扱うのでも無ければ量産に向いているとは言い難い事から、元々量産するための製法である熟茶を研究して、丹薬のレシピを開発し完成したのが、カズフサニキに供した〝蓬莱熟茶*5〟と命名した茶葉だったりする。
一口飲めば甘く華やかな香りが口腔に広がり、甘味と旨味が舌の上を滑らかに踊った後は、飲み込んだ後の甘く柔らかな後味が、ほっと一息付ける幸福感を引き立てる。
「……ふぅ、お茶の一杯に拘る人が居るのを理解出来る美味さですね」
「お酒や煙草もそうですが、嗜好品に拘ると言うのは古今普遍の物ですからねぇ。とりあえず、少しは精神的な疲労も回復出来たと思いますが、どうです?」
「はい?」
「私も含めて気付かない内に無理していたり、心に淀みが出来ていたりしますから、そう言った物含めて、害ある物を取り除く丹薬を研究した成果が、この〝蓬莱熟茶〟と言ったところです。序でに私が拠点としている島を〝蓬莱島〟と呼ぶ事にしました。茶葉の銘柄って生産地の名前を付ける事が多いですし」
「言われて見つめ直せば確かに、と言った感じですね。心が軽くなった様に感じたのは、美味しいお茶を飲んだからってだけじゃ無かったのか……。それにしても、蓬莱島とは正に仙人らしい感じですね」
「まあ見た目の事もあって意識はしてますね。ああそれと、カズフサニキ達三人がやってる事的に、結構ストレスが掛かってると思いますし、保存用の茶筒に1㎏分入れてますから、スカリエッティニキとジュンニキにも入れてあげて下さい」
「えっ?!」
「流石に全て把握している訳では無いですけどね。三人とも相応に覚悟を持って行動してるのと、ガイア連合山梨支部全体に波及するような問題になってないので、今のところ何か言うつもりはないですが、見て見ぬ振りしてる事務方も、ちひろさん含めて何人か居ますよ?」
「ハハハ……」
KSJ研究所の三人が後ろ暗い事もしているのは、これまでの付き合いからある程度は察しているし、カズフサニキに関しては加入した直後辺りの頃に、指導の関連で性癖関連を知っているのもあって、後ろ暗い活動もそこまで大きな負担になっている訳では無いだろうと予想してはいるけど、知り合った時の私の年齢とかも有って、余り関わらせたくないのだろうと言うのもわかるため、私が出来るのは今回みたいに支援するぐらいだろうけども。
まあきっちり隠せているつもりだったのか、微妙に引きつった表情と乾いた声が漏れている辺り、やっている事は兎も角として、詰めの甘さというか根の善良さが感じられる。
「まあ無理だけはしない様にってところです。それじゃ、そろそろ盛り込みたい仕様や最低限の目標などを擦り合わせましょうか」
「了解です。では最低限の目標からですけど、今は移動拠点使ってますが、終末後の事を考えると何処かに、腰を落ち着けられる拠点も必要だろうと言う話になりまして、いざ拠点を確保しても食糧を自給出来ないのは問題、ってのが出発点なので、ある程度以上余裕を持って生産可能にしたいところです」
「ふむふむ、上空なら気温の問題をクリア出来れば、日照時間不足になる事も無いですし影は作れば良く、水分の塊である雲なら干ばつの恐れも無いですから、私も良い考えだと思いますが、どの程度まで高度を上げる予定です?」
「ジュンニキが月読尊様から加護をいただいたのもあって、拠点の上空を常に曇り空にする感じを想定してます。夜ほどじゃなくても、暗い方が効果の大きい加護なので」
「なるほど、そうなると高度二千から五千メートル辺りですか。航空機のルートにぶつかったりすると問題になりそうですし、そこの対策も追加になりますね」
「あっ!そうか、飛行機がありましたか。やっぱりベジタブルスカイの計画名通り、オゾン層辺りまで高度を上げるのを検討した方が良いですかね?」
「今は兎も角、いずれ終末が来た後なら一部を除いて、空を飛ぶのは悪魔ぐらいでしょうし、そこまで気にする必要は無いと思いますよ。どの道、終末より前に建造する事を考えると、衛星写真を含めて一般人から見つからない様にしないといけませんし」
今の時代において、オカルト的な拠点などの用意が大変な理由の一つは、やはり技術の発展により人の目に触れる可能性が爆発的に増えた事だろう。
今世では情報産業に力を入れた〝俺ら〟による技術進歩も有り、前世より何年も早くスマホが普及する事にもなった訳だけど、誰でも手軽に撮影が出来ると言う環境が、そもそも総監視社会を形成している以上、一般の目を避ける必要があるオカルト界隈において、それと知られない様に擬態し隠蔽しなければいけない訳である。
「人里離れた場所にシェルターを作るなら、常に雲がかかっていてもある程度なら怪しまれませんが、町中だとそうも行かないですもんね。終末後なら一般人の目を気にする必要も薄くなるでしょうけど、それまでを考えるなら、視認の阻害なりも最低限必要ですか」
「ふむ……、GPもだいぶ上昇してますし、認識阻害や簡易異界の結界などを一纏めにして、ベジタブルスカイ自体を仙境にしてしまうのが楽ですかね」
「それは楽と言えるのだろうか……」
「私の拠点の島に掛けている結界の術式をベースに弄るだけですし、楽は楽ですよ。それに雲の式神を使い、山より上に仮初めの大地を作る訳で、仙境としての条件を考えると難易度もかなり下がりますからね。【神足通】は体得出来た訳ですし、いっそのことカズフサニキの仙境にするのも有りな気がしますね?元々私が期待されていたのは、栽培する植物の方だと思いますし」
「ですよねー、まあ何とか頑張ってみます。外から見えなくするのは何とかなるとして、飛行機の方……も仙境なら何とかなる感じだったりします?」
「構築の仕方によって変わりますけど、今回は雲の上と言う事で実空間から位相のずれた異界にして、特定の方法か許可証などの条件を満たさないと到達出来ないタイプにすれば、対外的な物は丸っと解決すると思いますよ」
「ああなるほど、確かにその手の伝承は良くありますね。となると、土台側として後は、万一の場合の迎撃能力ですが、これはこっちで追加改良していくところでしょう」
「なら次は、私に声が掛かったメインの植物関係ですね。一応予想される環境に合わせた資料を持ってきてますから、まずはそれを確認して下さい」
とりあえずで持ってきたのは、オカルト業界的には異界内で採取可能な霊草や魔界植物などの、農業部では特殊農作物に分類している物で、私が今までに創り出して、農業部に種苗を渡し、栽培環境の情報も登録している作物達。
他にも農業部で品種改良している、一般流通にも乗せられる作物の各種データを用意したので、参考資料としては十分だろう。
「思っていた以上に種類がありますね……。それにしても、この酒のマークが付いてる作物は何です?」
「酒造りに使用出来る作物に付けてるマークですね。ガイア酒造や農業部――と言うか主に、年々増加している〝呑兵衛の会*6〟からの増産依頼に対処するため、農業関連に新規参入する人へ資料を渡す場合に、追加するようになった情報です。基本的に簡易でも結界張って環境を整えますから、最低限の品質は確約出来るので確実に売れますし」
「あ、確かにどれも酒の原料ばかりですね。そうか、普通は販売も考えて作物を選びますよね」
「目標に合わせて栽培するのも普通な話ですし、参考情報程度ですけどね。まあいずれシェルターを作った際、食糧をある程度自給出来る様に、との話でしたし、酒や甘味などの嗜好品系を栽培可能にしておくのも良いと思いますが」
「ターミナルでの転移も含めて、流通を確保する手段は検討されてますが、万一孤立した場合と考えると、嗜好品の有る無しは死活問題になりますか……」
一口お茶を啜り、考え込むカズフサニキの思考を邪魔しない様に待つ間、お茶請けにお菓子を追加する。
今回取り出したのはお茶に合わせた点心で、日本では中華風蒸しパンとも呼ばれる
蓬莱島で飼育している烏骨鶏の卵と牛豚鳥のミルクに、琥珀楓のメイプルシュガーとマグロ豚のラードを使い、風味付けに大トロ大豆から作った醤油を加え、もっちりとしてふんわりと柔らかい食感に、甘さを引き立てる塩味と芳ばしい醤油の香りが漂う、一口サイズの蒸しパンに仕上げた物。
ラードを使う事による微かな脂っこさも、蓬莱熟茶ですっと流れ、ついもう一個と手を伸ばしたくなる、味のコラボレーションが良い感じ。
「よしっ、大変かもだが、多少規模が大きくなっても嗜好品を含める方向で行こう。って、えぇ……」
「あ、方針決まりました?お茶請けの方もどうぞ」
「あっはい、イタダキマス」
「一応は、一度持ち帰ってスカリエッティニキやジュンニキと相談してから後日、ぐらいのつもりでしたけど、カズフサニキの決定で良いんです?」
「基本方針は俺に一任されてますので、それにいただいた資料のデータは、拠点の方に送ってますので意見があればメールでも来ますよ」
「なるほど、ではその想定で続けましょうか。嗜好品もある程度となると、現在有る中で楽なのは〝サンドリアン〟ですね。完熟した後しばらく放置するだけで、アルコール度数50程度のフルーツワインになりますから、加水するなりジュース割りするなりで、度数を抑えながら嵩増しも可能です。天空の農園と言う事なら、地上よりも十分な日光を得られて味が良くなる可能性も有りますし、星祭神社*7への立ち入り許可があるなら〝
「星祭神社?と言うと、上位修羅勢の巣窟と呼ばれてるあそこですか、何故にそこの立ち入り許可が?」
「立ち入り許可が必要な神社の奥にある〝星の水〟と呼んでる湧き水が〝プラネットウォーター*9〟だからですね。以前に太陽酒を飲みたいと依頼されたんですが、プラネットウォーターその物はどうしようも無いので、代わりとして富士山の地下水脈と地脈を使うのを思い付き、ショタおじを巻き込んで概念付与する術式も組んで、星の力が込められた水として出来た訳です。場所が星祭神社なのは、星霊神社だとショタおじの火炎属性が強いのと、生産系黒札にぶら下げる人参の役割を期待してってところですね」
「あれってそんな経緯で湧くようになったんだ……」
「その場のノリと勢いで、何か出来上がったり消えたりするのはいつもの事ですし」
「まあノリと勢いってのは、こっちも覚えがあるので何とも言えないですね。兎も角、手間が少なくて済むならサンドリアンは良さそうです。そうなると土台の方も、樹木の栽培に耐えられるかも考えないといけないですが」
「今のところ、雲型の式神に【浮足玉の脚】スキルを付与しただけですし、元ネタ準拠だと厳しいところもありますか……。そうだ、それならいっそのこと――」
お茶を飲んで一息吐いて、お茶請けに舌鼓を打ちながらの話し合いは、時に脱線しながら、時に閃きに任せたアイディアを載せて進んで行く。
計画の行き先がどうなるのかは、今は当事者達すらも知り得ない――どうせその内思い付きで変更されるから。
まろやかな口当たりと深い甘味、ドライフルーツのような熟成香が特徴で、お茶として煎じて飲む他、抹茶の様に細かく砕いて粉薬にしたり、食材として使用する事も可能。
デトックス作用が高く、肉体的な有害物質の排出を促すだけで無く、精神的・霊的な有害影響(各種状態異常を含む)の解除・低減効果を持つ。
原作ではどんな酒豪の大男でも必ず酔いつぶれるため、成人でもよほどの酒豪でない限り、飲酒は禁じられていると説明される程で、サンドリアンとプラネットウォーターを混ぜて3週間寝かせて作られる。
なお、ウィスキーの名称が付いているが、原作では果実と水のみを使用している事から、分類としては果実酒となるため、拙作ではサンドリアンに穀物と同様の成分をした中果皮を持たせ、蒸留の工程を挟む事で、一応ウィスキーの分類としている。
なお、星祭神社の奥には、この水が湧き出る泉が設置されていおり、ガイア連合で物作りに携わる者にとっては垂涎の水と言う事も有って、星祭神社への立ち入り許可を得ようとする生産系黒札のモチベーションの一つになっている。
サンドリアンの注釈が長くなったので、後書きに記載。
『【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』様の方で、
・サンドリアン
トリコの食材再現シリーズの一つであるが、原作では詳しい描写がされておらず、〝太陽酒〟の原料として紹介され、〝太陽の恵み〟と呼ばれるとの記載がされているだけの食材なため、名称からドリアンの一種と想定し、降り注ぐ太陽の力を一つの果実に凝縮させ、果実自体が小さな太陽の如く光り輝く、直径1m程の球体果実をつける果樹として、創り出されたドリアンの品種。
実が熟していく毎に果実自体が熱を放つ様になり、それに伴いドリアン特有の不快臭も強くなっていくが、完熟した時点で不快臭が消えて、官能的とも言える甘く濃厚な香りを放つ様になる。
完熟したサンドリアンは、橙色をした硬い外果皮は35℃前後、スポンジのような白い繊維質の中果皮は40℃前後、燃えるような朱色をしたクリーム状の内果皮(果肉)は50℃前後の熱を放っており、食べるためには火炎耐性が必要となるが、何層にも重なり溶け合わさった濃厚な甘味が広がる極上の果物。
スポンジ状の中果皮は、穀物と同様のデンプン質を主体とした成分で構成されており、内果皮と一緒に食べるとフルーツクリームを塗ったホットケーキのような味わいになる。
またサンドリアンが完熟する事で、自身の発する熱が種子の酵素を活性化させるため、内果皮や中果皮と反応して発酵し、アルコール度数50度程の天然のフルーツワインになる。
外果皮は、液体が漏れ出ない程に緻密な棘を持った硬い殻になっており、内果皮や中果皮がアルコールへ変化する過程で棘が落ち、中身が種子とアルコールのみへと変化する頃には綺麗な球体となり、枝から自切する事で樹木から離れた位置へ移動し、種子を芽吹かせる。