【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく   作:緋咲虚徹

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071:食肉の闘い

「これもある意味終末案件になりますかね……?いえ、終末が来たら争う訳ですし、半終末で微妙な状態になったのが影響しましたか」

 

 伝承通りに互いを打ち倒さんと暴れ回る【地母神/フード ティアマト/レヴィアタン】と、【神獣/フード グガランナ/ベヒモス】。

 調べてわかったのは、レヴィアタンとしての情報が集まって居たところに、種々様々な食材を創り出し、拠点には食欲界と名付けた食材豊富な異界を持つ私が居た事、地上では終末一歩手前な状態になっている事の二つから、どうやら〝終末後のために神が用意した食物〟との概念が強まり、種族フードとして固定されかかったところ、レヴィアタンとしての関連と、これまた私の起源である【エンキ/エア】の関連から、メソポタミア神話の概念を強化して、表面上はティアマトとして存在固定した、と言うのが最初に出現した時の経緯。

 まあフードと言う〝食物になる獣〟の概念が強くなっているなら、ティアマトの情報()を纏っていても、まともに言語を操れないのはわかるし、レヴィアタンとしても、食材を分霊認定なんてしたくないだろうと言う話。

 そのまま表面上ティアマトとして倒されていたなら、認識されていないのを良いことに、フードとしてのレヴィアタンはそもそも居なかった事にして消滅していたんだろうけど、ここで地上が半終末になってる事が更に影響した様で、食物としてのレヴィアタンが争っているなら、その相手は二者一対である食物としてのベヒモスだろうとの概念が働き、追加で出現した模様。

 これで戦闘中にベヒモスが乱入してきて、巨大悪魔同士で戦い続けている現状の整理が付いた訳だけど、二体の戦況に関して言えば、先に戦っていて各種耐性も下がっているレヴィアタンの方が、押され気味と言ったところだろうか。

 

「さて、フード種族も含んだ二重存在になってる事を認識したのは良いとして、そうなると一番良いのは二体が相打ちで倒れる事、ですかね?」

 

 見た感じ一度認識した事で、普通に倒してもフード種族としてのフォルマは確保出来そうだけど、所謂伝承再現による概念強化を狙う事により、上手く行けばこの巨体全てを、食肉や素材として確保出来る可能性が見えた事も有り、放っておいても互いに削り合ってくれると言うのもあって、多少手間でも上質な素材のため、ダメージ調整する事に。

 

「とりあえず相打ち狙いで調整するなら、修羅勢が介入しない様に説明とかも必要ですね」

 

 説明役として木分身を一体出して、後の事を分担したら戦場へと舞い戻り、手始めにベヒモスの耐性下げから始める。

 

「さあ鍛練の再開と行きましょうか、【須佐能乎】からの〝掌底破*1〟!」

『■■■■――!?』

『■■■■――!!』

 

 再度展開した【須佐能乎】でベヒモスに奇襲の一撃を入れ、物理耐性を弱点まで下げたところ、流石に割って入ればこちらも攻撃対象となるのか、即座に巨大な氷塊を叩き付けてきたレヴィアタンの攻撃をいなして、反撃で突撃してきたベヒモスに叩き付けると、メインの攻撃対象だからか、レヴィアタンが追撃で噛みついていく。

 その直後には、噛みついたレヴィアタンごと【ぶちかまし】て【暴れまくり】するベヒモスに、カウンターで【発勁】込みの打撃を入れて、水撃耐性や氷結耐性などを下げ、二体の体力や戦況を互角へと戻す事に注力する。

 基本的には対となる相手をメインターゲットにしているものの、ちょっかいを掛ければ反撃も巻き込みもしてくる二体を相手に、しばらく殴り合ってようやく体力が残り三割程まで削れた頃。

 巨大な悪魔二体とそれに匹敵する【須佐能乎】と言う、三つ巴の闘いを肴に酒盛りしている修羅勢の対応をしている木分身から、上空注意の情報が届く。

 

「上と言うことは、やっぱりジズですか!旧約に載ってない後付けでしょうに!」

 

 鳥らしく甲高い鳴き声を響かせながら三つ巴の闘いに乱入してきたのは、天を覆うと表現するのに遜色ない、巨大な鷲の様な姿の悪魔で、それと当たりを付けて見れば解析も早く、判明した情報は【霊鳥/フード アンズー/ジズ】と言う二重存在の三体目。

 【霊鳥 アンズー】としての情報()については、わかり易くメソポタミア繋がりだろうけど、エンリルに反逆した後の凶鳥でなく、随獣として仕えていた頃の霊鳥な辺りは、神が用意した食物の概念が働いた事による部分だろうか。

 なお、この〝ジズ〟と言う存在については、海のレヴィアタン、陸のベヒモス、空のジズで三頭一鼎(さんとういってい)とされ、レヴィアタンやベヒモスと同様に、終末後の食物として供されると記述されている存在である。

 ただ、そんな記述がされている聖書も存在はするが、そもそもの旧約聖書には登場しない存在で、後世において、聖書の解釈間違いにより生み出された、と言うのが有力なぐらいには、知名度が低い存在だったりする。

 まあだからこそ、今回の様な事態で関連する概念に引っ張られて、食材として追加登場する事になったのだろうとも思いはするが、それはそれとして体力調整が上手く行ってるところに乱入され、手間どころかジズの調整もしないと、先の二体の品質が落ちるとなると、いい加減色々と面倒にもなってくる訳で……。

 

「流石にこれ以上の乱入は無いでしょうけど、時間掛けて何が起きるかわからなくなりましたし、ちょっと本気でしばきますか。領域構築【木遁仙術・樹界沼境(じゅかいしょうきょう)】!」

 

 練り上げた霊力に術式を込めて、展開するのは広大な湖沼と生い茂る樹海、レヴィアタンの大海もベヒモスの荒野も飲み込んで、現れたばかりのジズを木々が絡め取る。

 術式としては異界構築系であり、元ネタは〝木遁秘術・樹界降誕〟だが、根幹にあるのはレヴィアタン達が展開していた権能領域と同じく、霊的起源から生じる領域によるもの。

 元々権能をメインで扱い出す様になると、霊的起源の活性もあって、霊力制御しなければ自然と自身にとって有利な異界を周囲に広げてしまうのだけど、それを術式として制御して、周囲の権能領域を侵食しながら展開するのが、〝木遁仙術・樹界沼境〟と名付けた術式。

 特に、相手の領域が海や陸に空など、自然界に存在する概念を主軸にしている程、侵食速度も構築強度も上がるため、こうして展開が完了してしまえば、レベル的に格上だろうと、私に有利な環境は早々覆らなくなる。

 

「サクサクと行きましょうか、【木遁・木人の術】【威装・須佐能乎】」

 

 【須佐能乎】で構築していたのと同じ様な木人形を造り出し、それに【須佐能乎】を纏わせる威装で能力を更に上昇させ、手始めに出現したばかりで体力が有り余っているジズの上空へ跳び、打ち下ろしの一撃で沼へ叩き落とす。

 ジズからの反撃は【須佐能乎】を纏った木人の耐久力に任せ、とりあえず体力量を大体同じにするために耐性下げつつコンボを決め、途中横槍を入れてくるレヴィアタンとベヒモスの攻撃をジズに誘導し、派手に樹木や泥を撒き散らしながら、四つ巴の乱闘を繰り広げる。

 

「空を飛べば何とかなると思わないことですね!」

『■■■■――?!?!』

 

 集中的にジズを削り、そろそろ五割に届こうかと言った頃、空に逃げて体勢を立て直そうとしたジズを追いかけ、格ゲーよろしく足場結界も使ってのエアリアルコンボを決め、再度沼へと叩き落とせば、チャンスとばかりに残りの二体が大技を繰り出してくる。

 片や大津波、片や大地の隆起で自身以外を吹き飛ばそうとしてくるが、転移で避ければ直撃するのはジズぐらいで、レヴィアタンとベヒモスは自身の技で互いの攻撃を軽減して終わり、また肉弾戦へと戻っていく。

 何だかんだ互いにぶつかり合って、先に戦っていた二体はそろそろ一割を切りそうなぐらいに動きが鈍っていて、積極的に削ったとは言え、ジズは残り三割と言った様子。

 

「自然回復込みで考えても、物理耐性を下げてるのもあって、このままの削り合いだと二体が先に落ちますか」

 

 ジズの参戦により概念変化が発生して、最初は二体一対が相打ちするだけで良かったところ、三頭一鼎が同時に相打ちしないと品質が劣化する様になったのは、やはり面倒なところ。

 逆に言えば条件が揃えばより上質な食材と素材が手に入ると言う訳で、特殊調理食材かとも言いたくなるけど、ギミック戦闘しかり、特定の手順や手法が必要な悪魔なんてのはよくあるもので、そう言う意味では未だ簡単な方だろう、それぞれが山ほどもある巨体でなければ、だけども。

 更にジズを削りながら、レヴィアタンとベヒモスが互いの攻撃で先に落ちない様、射線上にジズを放り込んだり、樹木を生やして軌道を逸らしたりと綱渡りを繰り返し、ようやく闘いの終わりが見えてくる。

 

「場所調節して、行動誘発して……〝ザ・ワールド〟!」

 

 三体の位置関係や攻撃行動を誘い込み、三体の攻撃がそれぞれ同時に着弾する様、最後に時間停止して微調整を行えば、討伐完了。

 断末魔を上げながら三体が同時に倒れ伏し、マグネタイトに還る事無く肉体が残っているのを確認して、収納用に急いで作った、時間停止と容量拡張に全振りした壺中天地へ回収し、ちょっと予想外が連鎖した食肉との闘いが終わりを告げる。

 

「乙~探求ネキ、大怪獣決戦だったな」

「と言うかアレって須佐能乎?いつからうちはになったん?」

「木人使ってたし千住だろ!いや、千住でうちはだしマダラか」

「【写輪眼】についてはいつも通りデータベースや掲示板に流してますし、気になるなら詳細は医療班か技術部にでも聞いて下さい。それより戦闘終わったんですから、片付けますよ」

 

 巨大悪魔との戦闘というお祭りを独り占めする代わりとして、観戦席や料理などの提供をしていた宴席で話されていたのは、さっきまで戦っていたフード種族で出現した三体や、その際に使用していた魔眼についてなど。

 まあ懇切丁寧に解説するより、自分たちで見抜く方が楽しい連中なので、聞かれたら答える程度でしかないけど、レヴィアタン程の知名度を持つ悪魔でも、食材の概念に負けてフード種族化すると言うのは、なかなかに驚いた様で、解体や調査などが終わったら、ジャンニキに卸すことになったのは、また別の話。

 兎も角、戦闘は終わったので宴席の方はさっさと片付けて解散、それぞれ獲物を求めて探索に戻り、私の方は大物を拠点へ運ぶのと、代わりにここで鍛練を続ける木分身とに別れることに。

 そんな訳で、さっさと拠点へと戻ってきた後は、それぞれの解体に取りかかる。

 

「凄い大きさですねぇ……」

「タルタロス二百五十階に出てくるシャドウも巨大だけど、これは更に大きいわね」

「影時間の事が無ければ、私も深層探索に着いていくのだがな……」

「今回の探索は鍛練目的ですから、影時間優先は仕方ないですね」

 

 流石に屋内で解体可能なサイズでは無いため、外部解放区画とは反対側に構築している平地に、認識阻害の結界など諸々を展開して、解体場所を用意。

 血の一滴でもどんな影響が出るかわからないため、全て回収するための用意も整えて、水の権能で血液に干渉して一滴残さず血抜きするところから始める。

 

「レベルは120程有りましたけど、倒した後と言うか相打ちで倒れた後なら、レベル50程度も有れば解体は可能な感じですね」

「だいぶレベルが落ちてるみたいですけど、やっぱり倒し方による変化ですか?」

「見える情報的にそうでしょうね。普通に倒せば一部がフォルマとして残るだけですし、その素材も扱うには最低90以上は必要でしょうけど、素材としては120のままで、簡単な調理が10、加工で30程度あれば可能と言ったところですね。まあ素材の性能をきっちり引き出すなら、最低50は必要なところは解体と同じですが、それでもこのクラスをそのレベルで十全に扱える様になる性質は、滅多に無いですよ」

「そこは出典に合わせた、人が扱える範囲と言う事か」

「肉質は蛇っぽいけど、魚みたいでも有るし、海の生物を詰め込んだって感じねぇ」

 

 大きさが大きさなので多少時間が掛かったけど、血液を別途保存し終わったところで、次は切り分けるために【須佐能乎】を展開、装甲護符を変形させて解体用の包丁を構築し、解析系や解体関連のスキルをフル稼働させて切り分けていく。

 まあ普通の人間サイズで作業していた場合、どれだけ掛かるかわかったものじゃ無い作業量になっていたけど、同等サイズの自由に動かせる作業道具があるなら何とかなる物で、念動系術式で動かしたり支えたりしつつ部位毎に切り取ったら、人の手で扱える範囲に小分けして保存していき、およそ三十分程で一体目の解体が終了する。

 

「便利ですけど、こう言う作業に使う物でしたっけ?」

「どうかしらねぇ、瑞樹的には使えるものは使うってところでしょうけど」

「黒札でも特に高位霊能者は似たり寄ったりだろう。概ねその場のノリと勢いで動いて居るな」

「その辺の感覚は、未だになれませんね……」

「黒札の大半がヒーホー族なのは、別に隠してないんですけどねぇ。表と関わる仕事の出来る人は、相応に取り繕えるってだけで」

 

 次の解体を始める前の小休止といった感じに、水分補給しながら軽く話していると、不意に思い浮かんだのか、分身式神で参加している綴から素朴な疑問が飛び出してきた。

 まあ普通に歴史を重ねた霊能家系だったりすると、家伝の秘術を便利使いとかしなさそうに思えるし、霊能を悪用する者はいても活用する者は少ない――と言うか、一度メシア教に情報断絶させられた影響で、最低限の復活が出来たかどうか程度だったのも、関連している感じだろうか。

 

「後はまあ、基本的に一般人だった時の事を手放せなかったり、忘れないようにしているとかで、意図的に箍を外して遊んでる節もあったりはしますが」

「あー、そっちなら多少はわかります。四年間色々あって、今だと分身すら作れる様になりましたけど、それ以前までは普通の高校生もしてましたし」

「それが今ではもう、仙女と呼べる程にまでなったものねぇ。ガイア連合基準のレベルで、そろそろ90になるんだったかしら?」

「確か琴音との子を妊娠したのと、瑞樹を孕ませた事で、少しずつ霊格が上がって来ているのだったか」

「去年の十二月の時点で、琴音のレベルは私より上になってましたからね。超越者二人と子作りするのは、神話的な意味合いも強くなりますから、霊格への影響も相応に大きくなりますよね」

「その影響で、本体の私は基本的に、【霊質強化術*2】と【魂魄精練大法】を繰り返して、存在強化に集中する事になってますけどね」

 

 これに関しても、ある意味琴音の運命力に寄るものかと感じる話だけど、攻略を一時中断して準備期間に入った去年の十二月時点だと、私が104で綴が83のところ、琴音は110までレベルが上がっており、その後も順調にレベルアップして、最近だと130が見えてきたとか言っている程。

 まあ概念領域以上とそれ以前の段階みたいに、相性を塗りつぶせる霊格の差がある段階なら兎も角、同じ段階であれば霊格より相性の方が重要なため、タルタロスでの戦闘だけなら特に問題も無かった話。

 なんだけど、二百五十階へ到達した直後に、準備が足りないと琴音が言っていた通り、後々調査を繰り返す事でわかったのが、宇宙空間のようにも思えるタルタロスの最奥部が、二百四十九階までの静謐とした世界とは反対に、死にまつわる様々な負の想念が渦巻く、奔流のような力に満ちた空間だったと言う事。

 それまでの階層と同じく、ダークゾーンによる知覚阻害もあってわかり難いけど、問題だったのは常に精神汚染――所謂SAN値が常に削られる様な性質が階層自体に有り、それがギミックでは無く()()()()()()()()()()()で、集合的無意識から力を引っ張ってくるペルソナ能力の関係上、ペルソナを使う限り装備では精神汚染を防ぐ事が出来ず、二百五十階に居るシャドウはペルソナ能力を伴った攻撃しかダメージを与えられないと言う点。

 比喩の例としては、某運命に出てくる〝聖杯の泥〟が近いだろうか、半終末で大幅に減ったとは言え、数十億人に及ぶ世界人口の、より根源的な無意識領域その物が敵となっている訳で、言ってしまえば装備耐性無視の呪殺属性攻撃を常に受けている様な物。

 探索中は常に自殺をそそのかされていると言うか、死を受け入れる事が正しいと誘惑し、死に怯えるのは自我何て物があるからだと、自己境界線を侵食して呑み込み、同化しようとしてくる。

 そんなCoCの狂気じみた状態になっているため、二百四十九階の篝火の影響が辛うじて届いている二百五十階の入り口付近以外では、自己を強固に保つ意思、例えるなら某奇妙な冒険で語られる〝黄金の精神〟に準じるような、己を見失わないための依って立つ信念が必要な環境になっている。

 これが仲魔ならそもそも人の範疇に無いため、【呪殺無効】のスキルを入れるだけで済む話だし、ペルソナが使える式神に関しても、集合的無意識と繋がってはいても本質的に悪魔側である上、ショタおじ謹製の契約術式による保護がされているため、【呪殺耐性】以上と【精神状態異常無効】が有れば問題なく活動出来る。

 更に言えば、自身の在り方を定義して、生物の域を超えてなお人で在り続ける、超越者に至った私と琴音は、精神干渉で揺れたりしない程度には強固な存在になっているため、パーティー内で問題があったのは綴だけで、精神力のみで耐え続けるのも無理があっただろうってのが、準備期間中の調査で出た結論。

 

「あの時、時間的に何とかなるから綴とも子作りしたい、と琴音が言い出したのも、今にして思えば運命力的な直感が引き寄せたのかもしれないですね」

「調査結果の内容的に、私は途中でリタイアになってた可能性が高いですよね……。今は鍛練に割く時間が増えたおかげで、生物の限界と言われているところが朧気ですけど見えてきましたけど、思えば本当に遠くまで来たものです」

「その様子なら大丈夫そうですね。さて、休憩はここまでにして残りの解体を進めていきましょうか」

 

 ささっと休憩を終わらせて、ベヒモスとジズの解体を進める事一時間、大量に確保された食肉に関しては、予定通りジャンニキの食堂棟へ各部位をトン単位で送りつけ、残りの大部分は巨体を入れていた壺中天地に戻して保存する事に。

 後、三体の肉をそれぞれ夕食時に実食してみた感じだと、霊格相応の概念が籠もった効果の高い素材では在るけど、味的には上質で美味しい肉と言ったところで、味のみで言うなら、美味しさに重点が置かれている、トリコ食材の方が上といったところだろうか。

 

「何と言うか、とても美味しいけど、感動するほどでも無いってのが、何か残念な感じがするよね」

「私は食べただけで霊格まで上がりましたし、凄い食材だと思いますけど……」

「効果が凄いのは私も頷くけどさ、味の感想じゃないよね?」

「ハハハ……」

「神話に語られる肉なら美味しいのでは?と、期待してたのは私も同じですけど、神話が編纂された時代の美食と、現代の美食では基準も違いますし、味を追求した存在でも無いですから、ある意味こんなものではないかとも思いますけどね」

「んーそうなると、大量に入手した肉は加工して購買に流す感じ?」

「それもしますけど、まずはより美味しく改良する研究と、レヴィアタンは食欲界のモンハン階層、ベヒモスはトリコ階層の方で思い付いたのがありますから、そっちの研究用ですかね?ジズを元にするのはその内思い付いたらですが」

「あ、やっぱりフード悪魔でも味の改良はするんですね……」

 

 分身から昼間の情報を統合したのもあるんだろうけど、若干諦めに近いジト眼を綴から向けられているのは、これもまたいつも通りの事だろうか。

*1
【天津甕星】+【発勁】+【アカシャアーツ】

*2
房中術から派生して成立させた肉体的・霊体的な器を拡張する術式であり、特殊技能。

被術者の霊力と同調して才能という器の構造を把握し、継ぎ目を広げて隙間を埋める形で拡張する。

所謂、神の祝福や加護を受けて人が限界を超え英雄となる神話伝承に類する術式。

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