【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく 作:緋咲虚徹
突発的な終末食肉闘争に遭遇してから少し経ち、毎年恒例になった星霊神社の夏祭り――星大祭が開催される時期がやってくる。
初期は、ガイア連合山梨支部としての規模が小さかった事もあり、星霊神社周辺で黒札限定の祭だったけど、年々所属人数が増えていったのと、ガイアグループや金札など、企業的・個人的な繋がりを持つ者も増えた事により、今では表向きの施設である星祭神社を中心として、山梨第二支部を含めた覚醒者を対象とする結界内の簡易異界に、一般人向けの城下町全体を使ったイベントになっている。
また、規模の拡大に合わせて、開催日程も一日だけだったところから一週間と拡大しており、世間ではガイアグループ城下町としての、一大イベントと認識されてもいる程。
そんな文字通りのお祭り騒ぎに、ヒーホー系黒札が参加しないはずも無く――
「おや、いらっしゃいカズマニキ。星大祭ブラックマーケットにようこそ」
「は?ブラックマーケット?いや、大通りがごった返してたから、ちょっと路地裏通って迂回してただけなんだが……」
「純粋な幸運によるものか、或いは秘めた思いがあるのかはさて置きますが、ここは星大祭期間中の限定で造られている異界で、何かしらの欲望を持ち覚醒の兆候がある未覚醒者か、覚醒者のみ辿り着ける闇市ですよ」
今回のカズマニキみたいな素養のある迷い込んだご新規向けに、娯楽や性癖の沼に沈めようと活動する者達の市場――闇市何て物も、ヒーホー系黒札の一部主催により、ある意味堂々と町中に用意されていたりする。
まあ表と裏だったりオカルトの秘匿だったりと、色んな意味で境界線上のややブラックな市場と言う意味もあるけど、基本は語感と大々的に宣伝しない場所として闇市と呼んでるだけで、麻薬だったりの黒札視点で駄目だろう、と判定される様なご禁制の品は扱っていないが、一般人は当然として、一般ガイア連合員や非所属の霊能者的にご禁制クラスの品物が購入出来る場所になっている。
「そんな場所も在ったのか、ちなみにいつ頃から?」
「傘下の霊能組織や金札の制度が出来て、ガイアグループの規模が大きくなってきた頃辺りですね。元々祭好きの黒札発案で、星霊神社主催の夏祭りをしてましたけど、黒札以外も参加可能な星祭神社主催の星大祭になって、祭の運営が一般人込みの大規模化したら、素人の黒札が出る幕は減っていった訳です。で、そうなると祭の準備に関われない一部が、星大祭に影響しない範囲で何か出来ないかと言い出して、祭の影で怪しい露天商ムーブするのはどうかとなり、身内の裏祭的に始まったのが、いつの間にか同好の士を誘い込む闇市に発展していった流れとなります」
なお、市場と言っても露天商をしていたのは最初の一回目ぐらいで、参加者が増えて似た系統のをまとめて行ったら、商品数が増えて露天では並べきれなくなったり、同好の士と話し込んだりすると他に迷惑掛けるとかで、今では各員それぞれが店舗を用意して異界内に設置し、条件を満たした客が直接訪れると言う形式になっている。
私の場合、闇市のコンセプトに合わせて店内は薄暗く、壁紙などは古代紫*1色をメインとした、落ち着きがありつつも妖しさが漂う空間になっており、屏風や簾による間仕切りをした半個室もあるため、ゆっくりとカタログから商品を選ぶ事も、カウンターで私と相談しながら選ぶ事も可能なスタイル。
「って事は既に四年ぐらい行われてんのか、これ」
「一番大きくなるのは星大祭の時期ですけど、他の小規模イベントや祭の時も、簡易結界とかで区切って闇市は開催してますね。ニッチな性癖とかの出会いの場にもなってますし」
「え、出会いの場って、マジで?」
「ええ、最近だとニグラスニキ*2に元一般人の恋人が出来たらしいですよ。あの人純愛派な上に、性癖的に式神は対象外らしくて、癖に合う相手が見つかったから、しばらく人体改造系の仕事は休むって言ってましたし」
「人体改造系の仕事って何だよ……。つーか、元一般人って事は、何かオカルトに巻き込まれて覚醒した感じだろ?ニッチと言うかヤバ目な性癖と合わさってこじれたり、変な事になったりしてないのか?」
「改造と言っても、基本は一般連合員向けの式神パーツの移植とか、
「お、おぅ。そっか……グラビティ系なら、うん。っと、それより!探求ネキが店を出してるって事は、食材とか装備関係の店なのか?」
カズマニキ自身は割と真っ当な性癖をしているだけあって、ニッチな性癖界隈にドン引きしている様で、興味本位に聞いた事を後悔してるのか、慌てて話題を変えてきたけど、まあ突っ込む所でも無いので店らしく商品の紹介をする事に。
「闇市で出してるのはスケベ部関連がメインですね。健全な趣味関係は表で可能なのも多いですし、ちょっとコアで霊能的に裏ルートの方が良いものは、ロボ部やホビー部とかの趣味専門が店出してますし」
「そういや探求ネキってスケベ部にも所属してるんだっけ、俺が見かける範囲だと、食材か一部の高レベル装備ぐらいだからなぁ」
「おや、スケベ部の方は利用されて無い感じで?」
「や、最近まで
「なるほど、それなら変わり種も置いている、私の店に迷い込んだのも納得ですね。何か求める物があって、けれどもそれに気付いていない。そんな人が切っ掛けを見つけに来る事も多いですから」
「何か求めるものねぇ……。いまいちピンとこないんだが、そう言うって事は、この店に来る条件の一つになってるって事だろ?」
「あえて細かく設定してないので結果的に、ですけどね。明確に欲しい物が有る場合は、それを扱ってる店に引き寄せられますし、今回私の店に来たと言う事は、新商品関連の可能性が高いですかね?一応カタログの方も渡しておきますが」
「カタログが必要な品数置いてんのかよ。しかも結構な厚さだし」
「画像と説明付きで一頁辺り二つぐらいしか記載してないですけどね。とりあえず、今回新しくカタログに載せた商品の一つはこのシリーズです」
今まで闇市に迷い込まなかったと言う事から、一先ず新商品の紹介として取り出したのは、七つの腕輪。
それぞれ、付与されたスキルの習得補助効果付き装備であり、アクセとしての種類は、腕輪以外にもカフスやネックレスなど複数種類あるけど、オーソドックスなのはやっぱり腕輪だろうと言う事で。
「シリーズって事は七種類か」
「カタログだとスキル鍛練装備の項目のトップに追加してる、〝痴漢の美学〟シリーズになりますね」
「ぶっ!いや痴漢っておい、いきなりぶっ込んできたな。つーか、それが追加された時に初めて迷い込んだの?俺」
「元はエロゲの主人公が持つ技術をスキル化した物なので、名前については気にしないで下さい。別に痴漢を推奨してる訳でも無いですし、痴漢プレイがしたいなら悪魔娼館に専用の異界がありますから、そちらを利用して貰えれば――」
「いやしねぇから!?別に痴漢趣味とかねぇからな!!」
「まあでしょうね。元ネタからのシリーズ名ですけど、スキルの傾向としては、女性の秘められた性癖を掘り起こして開発する感じの物で、ジェンダー的な配慮から、スキル使用者に取っての性欲の対象にも、効果を発揮出来るようにしてます」
装備の名称についてツッコミをしつつも、とりあえずカタログで該当ページを見つけた様で、説明文に目を通していくカズマニキ。
なお、カタログに掲載している説明文については、シリーズ物であるのと、付与するスキルがメインで、装飾品の形状については自由なため、シリーズの概要と各スキルの説明を記載している感じになっている。
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・痴漢の美学シリーズ
最終痴漢電車3の主人公、鷹取迅の痴漢技をスキルとして再現し、使用可能にした装飾品装備。
スキル付与可能な範囲の装備で有れば、形状に融通は利くため、使用状況を想定した上での選択を推奨。
この装備を付けて痴漢技への理解を深める事で、下記のスキル七種を習得する事が可能になる。
なお、あくまでも快楽を与える取っ掛かりの技であり、使用者の技量が低ければ最低限の効果しか無く、相手の性癖に沿わない手法では、著しく効果が低下する場合や、効果が発揮されない場合も有るため、注意が必要。
また、この痴漢技で与える状態異常は、外部からの強制効果では無く、対象自身の意識から来る自発効果で有るため、対象をその気にさせる事で耐性を超えて状態異常にする事が可能。
※元ネタ同様本人の技量が重要なスキル群となるため、習得を目指す場合は下位スキルから技量と練度を高めていく事。
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【ライトニングチャージ】
稲妻と形容出来る様な、強い快感を与える巧みな指捌きによる接触技であり、痴漢の美学シリーズの基礎その一。
対象が〝女性〟か〝使用者の性欲対象〟である場合に発動可能。
接触に成功し、対象が快楽を感じると、対象の性感帯を瞬間的に開き、一時的に
対象が状態異常耐性を持っている場合でも、対象が快楽を感じる事で、耐性を貫通して状態異常に出来る。
また、スキルと指捌きの練度が上がる事で、付与する状態異常の種類を選択する事も可能になる。
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【ギルティプリズン】
使用者と対象のみを、認識時間の流れが異なる空間へ隔離する結界技であり、痴漢の美学シリーズの基礎その二。
対象が〝女性〟か〝使用者の性欲対象〟であり、接触可能な距離である場合に発動可能。
この技を発動後、痴漢技限定で二回程度の行動を可能にするが、対象も同じ認識時間加速状態である事には注意が必要。
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【マインドバースト】
極限まで集中させた意識が、痴漢技の効果を高める補助技。
痴漢技以外では効果を発揮しない代わり、技の効果を三倍まで高める。
※基礎技の二つを習得しているか、装備を含めて使用可能な状態である事が望ましい。
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【ラビリンス】
時の迷宮を造り出す【ギルティプリズン】の上位結界技。
対象が〝女性〟か〝使用者の性欲対象〟であり、接触可能な距離である場合に発動可能。
この技を発動後、痴漢技限定で四回程度の行動を可能にするが、対象も同じ認識時間加速状態である事には注意が必要。
※【ギルティプリズン】を習得している場合に、習得可能となる。
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【デモンズハンド】
悪魔も誑し込む手捌きで、強烈な快楽を与える【ライトニングチャージ】の上位接触技。
対象が〝女性〟か〝使用者の性欲対象〟である場合に発動可能。
接触に成功し、対象が快楽を感じると、対象の性感帯を開発して感度の段階を上げ、一時的に
対象が状態異常耐性を持っている場合でも、対象が快楽を感じる事で、耐性を貫通して状態異常に出来る。
また、スキルと手捌きの練度が上がる事で、付与する状態異常の種類を選択する事も可能になる。
※【ライトニングチャージ】を習得している場合に、習得可能となる。
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【ヘヴンズドア】
数多の技術体系における性魔術を収斂進化させた、スケベ部謹製の【房中術】における極致の一つ。
肉体の接触や交わりを行う〝体交法〟による霊力の循環と、快感の高まりによる霊力の増幅により、与えた快感に応じた霊力を回復する。
なお、このスキルに関しては、元ネタの痴漢技を発動するリソースの回復効果を当て嵌めて、アレンジした効果になりますので、予めご了承下さい。
※スキルの習得には、痴漢技以外にも房中術としての練度も必要になるため注意。
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【デッドマンズビジョン】
無我の境地やフロー状態、或いはゾーンなどと呼ばれる〝限定状況への高度な集中〟を発揮する技。
痴漢技を使用する対象への直感的理解と意識的理解を高め、スキル発動中の痴漢技による効果を二倍にする。
スキルの発動時間は、集中力や各種痴漢技の練度、発動対象への理解度に応じて変化する。
※【ヘヴンズドア】以外の痴漢技五種を習得している場合に、習得可能となる。
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「何つうか、技術の無駄遣いタグでも付けられそうな感じだな」
「【ライトニングチャージ】の方は、接触や対象に快感を与えた時とか、色々制限入れての効果なので、そこまで難しい術式では無いんですけどね。【ギルティプリズン】の方は流石に条件を入れたと言っても、一苦労しましたが」
「苦労で済ませて良い話じゃ無いと思うんだが……。にしても、能力の割りに安くねぇか?」
「お祭り価格ってのもありますけど、スキル習得の補助道具で、能力値や耐性関係が入ってない分安い感じですね。基礎技の方は殆ど術式の技術料ですし、上位技の方でもせいぜい30から40ぐらいのフォルマを少し使う程度ですから」
「ぬぅ…………。まあ状態異常メインのラック型だしな、試しに基礎の二つと【マインドバースト】を買ってみるか」
「毎度~、式神や悪魔も女性だったり性欲の対象なら効果発揮しますから、頑張って下さいな」
「ぶっ、あ、いや、その……」
「スケベ部相手なんですから、気にしないで良いですよ。私も夜の性活で使ってますし」
「Oh……」
「どのアクセに付けるのかは後で悩んで貰うとして、カズマニキ的に多分違うでしょうけど、次の新商品はこれですね。こっちもアクセの種類は自由が効くタイプで、既存のアクセに容量が空いていれば追加出来る、オプション機能みたいな物と言った方がわかり易いでしょうかね。カタログだと、カスタムアクセの項目にある付与一覧の、【ゴッドモザイク】になります」
「痴漢の次は露出かよ!」
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・アクセサリー付与能力:【ゴッドモザイク】
未覚醒者には服を着ている状態、覚醒者には局部がモザイク状態で見える様にする装飾品用能力。
モザイクの種類は通常の他、黒塗り、謎の光、指定した画像など種類を選択可能。
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「そう言う性癖向けに造ったのは事実ですけど、⑨ニキ傘下の霊能組織とか宮城支部のリンクニキ*3みたいに、肌で自然を感じる事で効果を上げる系統も割とありますからね」
「割と実用品?!って、そういや探求ネキの商品は、大体実用込みのが多いんだっけか」
「エロ系の概念を混ぜた方が、使い勝手の良い装備を造りやすいですからねぇ。コスプレ系の見た目重視な装備も、初期の頃は兎も角、概念的な要素の組み込み技術が進んだ後の作品だと、軍隊仕様の防護服を超えるのも普通にありますし、物によっては、装着した際の気分の高揚とか羞恥心だとかの、感情の高ぶりによって活性化するマグネタイトに反応して、性能を高める装備もありますから、修羅勢の中には〝女戦士のビキニアーマー*4〟を愛用してる女性や、〝不撓不屈の赤褌*5〟を愛用している人も居ますよ」
「物理法則に喧嘩売ってる話だよな、まじめに。と言うかエロ概念付ければ何でも有りかよ」
「多少曖昧なのは事実ですけど、それなりに法則や決まりに沿う事で成立している、歴とした技術なんですけどねぇ。そもそも物理法則自体も十分オカルトですよ?まあ私なりの解釈では、ですけど」
「はぁ?いや、物理は物理だろ?オカルトみたいな才能頼りじゃない、誰でも使える確かな技術だろ」
「学者や技術者には相応の才能が求められますし、造り出された道具の原理がわからなくても、使い方さえ知っていれば使えるのは、物理由来の道具も魔法由来の道具も対して変わりません。カズマニキは車の動かし方は知っていても、練習もせずにまともに運転出来ると思います?エンジンの構造や車がどの様にして動くのか、造り出される工程を答えられますか?」
「いや、そう言われるとふわっとしたイメージしかねぇし、免許も持ってないから運転出来る気はしないんだが、普通の道具は霊能関係の道具とは違って、誰が使っても同じ道具なら同じ結果が出るだろ?」
「確かに使用者による変化が無いのは、物理法則概念の特徴ですね。まあ未覚醒者を基準として、マグネタイトの影響を排した現象をまとめた概念なので、当たり前では有るんですが」
「と言うと?」
新商品紹介をしていたはずが、何故か講義じみた事になってしまっているけど、話の流れでそうなってしまったのは仕方ないので、区切りが付くまで説明する事にして、話のお供にお茶を出しておく。
説明する話としては、私が物理法則もオカルト――神秘の一種と見なしている理由に関してになるんだけど、前提の認識として、人には霊能に覚醒可能な素養があり、才能の過多はあっても、ガイア連合基準でのレベル1になる事も出来ない人は居ない事。
これは人として生まれる最低限の条件が、受精卵に魂が宿る事であるため――死産や流産が起こる原因の一つだったりするけど、今は関係無いので置いておく事にする――で、覚醒による霊的知覚と言うのは魂による知覚であり、肉体や意識の殻を超えて発揮出来る様になった状態を指す。
感受性の高い子供や思春期の頃に覚醒が起きやすいのがこのためで、大人になって理性や知識が多くなるほど、〝オカルトなんて有り得ない〟と言う、〝常識と言う名の個人認識〟が覚醒を妨げる要因になるが、これは人が容易に覚醒出来る環境を潰し、覚醒しない方が生き易い様な文明に発展していった結果の話。
それは、神秘混じりで存在していた現象を、神秘を用いない手法のみの結果と同じ物として名前を付け、特別な物を普通の物へと貶めていったと言う事でも有る。
こうした未覚醒者を主体とする文明を発展させる一方で、自分たちは神を信仰し教えに従っているから奇跡を賜る事が出来るなどと言って、文化侵略や他宗教を滅ぼして回ったのが四文字に連なる一神教の連中であり、現在のメシアンやペ天使に繋がる訳で。
「錬金術から科学が発達したのは良く聞くと思いますが、元々は純粋な学問だった錬金術も、ユダヤのカバラなどの影響を受け、中世頃にはヨーロッパ中に広がり、一神教による魔女狩りなどが行われた後、科学として一神教の影響下に置かれる事になり、科学により解明される現象も、一神教の主が創り出した万物の中に含まれる事になった。つまり、物理法則や科学というのは、四文字による他神話の影響力削減策だったんですよ!」
「な、なんだってー!!とつい乗っちまったが、それと物理法則がオカルトってのにどんな関係が?」
「コホン、とまぁ最後に多少ネタに走りましたが、科学万能主義とか科学崇拝なんて呼び方もある様に、科学で証明された事だけが正しく、科学的に証明されない事象は存在しない、或いは見間違いとするのが現代社会の一般的な常識になっています。で、この科学的に証明された物理法則を、どれだけの人間が正しく理解しているかは不明ですが、社会常識から〝物理法則的に起こりえない事を否定する〟と言う概念が構築されているのは事実ですし、一般的な機械類が異界の中で動作しないのは、物理法則とは異なる法則の空間だからです。機械とオカルトの相性が悪いとされているのも、機械は物理的に正しいがオカルトは正しくない物、と思い込んでるからとなります」
「それだと、機械とオカルトの相性は普通か、或いは良い場合も有るって事か?」
「相性はかなり良いですよ。カズマニキも悪魔召喚プログラムの入ったCOMPを持ってるでしょう?」
「そりゃ持ってるが、悪魔召喚プログラムが特別って話じゃ無いのか?」
「んー、間違いじゃ無いんですけど、その特別の理由が
「そういや悪魔召喚プログラムの話が出た頃、掲示板で騒がれてたっけか」
「と言う訳で、物理法則も機械もオカルトの範疇と視点を変えれば、今までオカルト否定概念へ対処するために必要だった分のリソースを、大幅に削減する事も可能になると言う事で、造ったのがこの〝全自動搾乳機〟です」
「ド直球なのが来たな、オイ」
「牛とかの家畜用ですよ?人にも使えますけど」
「小声で言っても聞こえてるからな?やっぱりエロ目的じゃねぇか!」
「ハッハッハ、スケベ部の闇市出店なんですから、エロに絡まないのは極力紹介しませんよ。カタログだとプレイ道具の項目ですね。その項目だともう一つ〝部分変化薬〟も新商品で、式神でも一時変化までなら可能にしてますから、変更したい点とか追加したい機能とか有るなら、本格的に変更する前のお試しにでもどうぞ、改造するより安いですからね」
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・全自動搾乳機
対象に合わせた方法を自動選択し、搾乳してくれる魔導機械。
搾乳したミルクは、水瓢箪を加工した専用の容器に時間凍結状態で保存される。
保存の際には、搾乳対象毎の小分けや一括、ブレンドなどの設定も可能で、衛生面に配慮し、神道系浄化術式による禊ぎ機能も付与しているため、器具・容器共に清潔な状態を維持し、搾乳後のミルクの殺菌も可能。
付属容器の総容量:10,000リットル
より大容量の容器がご入り用の場合は、別途相談下さい。
※搾乳方法の手動変更やお気に入り設定の登録なども可能です。
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・部分変化薬
変化させたい箇所と内容を食用可能な専用のシートとインクで記入し、溶液にシートを溶かす事で、薬品として完成する飲み薬、一本につき一カ所。
薬を飲んだ後浮かび上がるイメージで最終調整をした後、自身の体を変化させ、専用の解除薬を使用するか、24時間経過するまで状態を維持する。
また、本製品は人間・悪魔・式神などの、自身の構造情報を持つ存在で有れば使用可能ですが、武器系の悪魔や式神に関しては、全身変化になるため、通常の【変化】系統スキルを使用する事。
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「部分変化って事は、つまり……」
「出る様にも出来ますね。何が、とは言いませんが、ああそれと、今回の新商品は以上ですね」
「ゴクリ……と、とりあえず、カタログを確り見させて貰おうか、何買うかは他も見てから決めさせてくれ」
「構いませんよ。半個室の方にテーブルやメモ紙もありますし、飲み物や食事が必要なら呼び出しボタン押して貰えば、そこの給仕が伺いに行きますので言って下さい。それでは、ごゆっくりどうぞ」
少しは琴線に触れる物があった様で、時間を掛けても良いか聞いてくるカズマニキを、給仕役として配置している九十九式自動人形に案内させる。
私の店に関しては、置いてる商品の系統がバラバラで種類も多いと言う事も有り、辿り着いた人に関しては、基本的に時間を掛けて商品を吟味する傾向に有り、実状は軽食屋も兼ねた出張販売店みたいな感じになっていたりするため、時折食事メインで来る客もいたりするのがちょっと悩みどころ。
まあ半個室の方でなら、よほど大きな声でも出さないと外に聞こえない様にしているし、お試ししたい人用に完全防音の個室も用意していたりはするんだけども。
そうしてカズマニキを見送ってから少しして、次の来店を知らせる鈴の音が響く。
なお、褌一丁の状態か、上半身にサラシを巻くか法被一枚程度羽織るぐらいの状態でないと、効果を発揮しない。
祭り期間中のみ現れる、路地裏の怪しい店と言う浪漫
なお、物理法則が四文字の影響下にある概念としたり、物理もオカルトの範疇としているのは、拙作世界線での独自解釈となります。
序でのオリキャラ紹介
・ニグラスニキ
シュブ=ニグラスの悪魔変身能力者、性癖は触手・人体改造・孕ませな上、好みは異形と人間の純愛と言うニッチの詰め合わせ。
ニキ自身が異形側のため、恋愛対象は人間の女性のみ。
自身が出店しているブラックマーケットにやって来た女性と波長が合い、恋人と成った上に相手が覚醒もしたため、このまま結婚まで行く予定とか……。