VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ 作:なみん
時はX年の夏、日本は記録的な猛暑な猛暑に襲われた
海も枯れてないし、地も裂けてないし、全ての生物も死に絶えてないが、少なくとも日本に住む人は毎日死ぬ位の勢いで過ごしていた
「だが、娯楽は死滅していなかった……!」
暑さで頭がちょっとアレだが、要は新作のゲームVRオンラインゲームが出たのだ。名を世界を
タイトルは変だが、ベータテストの評判は良好で、事前登録者もまあまあな数字だったと思う
俺はこの日のために3連休取りました。こんな脳内でモノローグしてる暇あったらさっさとやるんだよ
事前インストールは済ませてあるのでささっとVRマシンの上に寝そべり、ヘッドセットの側面にある電源ボタンを押す。数秒も経たぬ内に意識が暗転し、ゲームのタイトル画面が視界に表示された
この間僅か1秒。最新型のVRマシンだからね、馬力が違いますよ
草原のような景色に変わっていく。目の前には男性が立っていて、その周囲には顔のマークやら目のマークがずらっと並べられている。いわゆるキャラクリ画面だ。
迷うことなく操作し、事前に作っておいたクリエイトデータを反映させる。1週間かけて作ったとても可愛い女の子だが、現実では男である。ゲームでくらい可愛くいさせろ
無事データが反映されたようで、目の前に立っていた男性アバターが女の子のアバターに変わっていた。
最初に目を引くのは髪。眩しいくらいに輝かしい金色の髪が肩にかからない程の長さに切り揃えられている。
吊り上がった目は気が強く、クールな印象を覚える。瞳は血を連想する程赤く、ずっと見ていると吸い込まれそうだ。
表情テストの項目から笑顔を選択する。ニヤリと笑えば、ギザギザの八重歯のお出ましだ。
顔から下を見れば、スラッとした体型だが女性らしさを感じる丸みを帯びた体型。身長も高いのでモデルのような出で立ち
纏めると、気が強そうなツンデレ系お姉ちゃんだ。すみませんすみません性癖なんです。あまりに好きなのでもう一回顔頭から爪先までジロジロ眺める。……やはりかわいい
ついでに微調整を施し、ついに完璧で究極な女の子が出来上がった
「よし、これで終わり」
キャラクリを終えると、完璧で究極な女の子がクルッと180度回転し、俺の方に近づいてくる
完全に重なると、今まで白で表示されていた自分の腕が、その女の子と同じ色になっていた。スキン貼り付けってこと? なかなかユニークだ。仮面ライダーかよ
辺りを見渡すと鏡があることに気付いたので、鏡に向かって色んなポーズをしてみる
うーん、どんな動きをしてもかわいいな。気合を入れて作った甲斐があったというもの。金髪、赤目、白い肌、八重歯、つるぺた、高身長。天国に至る為の6つの要素だ。
かわいいかわいい自分を眺めながら
「ようこそ、私の世界へ」
出会って2秒だけど変な人だとおもいました。なんだよ私の世界へって? 毒使ってきそうで怖い
しかしその姿には妙に説得力があった。ピンク色の髪を腰まで伸ばし、服装はベール、あるいはローブ、もしくは布だった。顔に至ってはフードで目元が見えず、頭には地味に冠を載せていた。典型的な女神様ってな見た目だなおい
「私は貴女を作りし存在、しかし私は貴女を縛らない。行きなさい、全てを終えたのち、この場所で再び会いましょう」
なるほど、事前トレーラーではなんでも出来るって言ってたな。ここでもう1回言う事で余程自由なゲームなんだと言いたいんだろう。ごめん適当
俺を作りし存在とやらはもう言うことも無いのか、スゥーっと徐々に消えながら青空に吸い込まれていった。いや、この子を作ったのは俺なんですけどね? そこ訂正してから消えろや
俺の抗議も虚しく、段々と意識が遠のいていく。ふと我に返り、目が覚めるとそこは──
「えっ」
「えっ」
「あ?」
「ん?」
──やたら顔の良い女達が、向かい合った状態で椅子に座ってました。しかも3人も