VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ   作:なみん

11 / 21
前回のあらすじ

とりあえず、善行はつむべしだと思いまして


もう男でもいいや

 

「それにしても、今日中に再会出来たのはすごいっすよね」

 

「はい!! ナイスバッティングでした!!」

 

「奇跡だね本当に。てかバッティングて」

 

 ナイスバッティングって相当ヤバいけどねもにょさん。なんなら蹴ったからシュートなんじゃないかな。

何にしても合流できたのは何より。

 

 

「にしてもお腹空いたー、食事はどうしよう」

 

「それなんだが、今日はここで野宿をしながら食料を探すしかないと思う。本当はこのまま帝国以外の国に行こうと思っていたんだが皆疲れているし、マリアちゃんの件もあるだろ?」

 

 

 独り言のつもりだったがフィーエに聞かれていたらしい。

 

 

「ま、そうなっちゃうよね」

 

「煮付けには食べられそうな木の実とかが無いか探してもらって、もにょには女性達の様子を見てもらいながら、周辺の警戒をしてもらっている」

 

「なるほどなぁ」

 

「……悪いけど、僕は能力の使いすぎであまり動けないから、もにょと一緒に女性達の様子を見させてもらう事にした」

 

 

「そっか。疲れてるならしょうがないよ。俺は肉とか食べたいし、一狩り行ってくるよ。日が暮れる前には戻ってくるから」

 

 

「……すまん」

 

「良いってそんな謝らなくても。まあ地球と全く一緒なのか分からないし、もしかすると一年後に日が暮れたりするかもだけどね。期待して待ってなさいや」

 

 

 さて、帝国とあの村では無双状態だったけど、今後もそうとは限らない。あまり無茶はしないでおこう。ただでさえ力任せの戦い方しかできないんだから

 

 今は多分山の麓だから、行くとしたら山かな? 山って動物しかいないイメージだし

 そうと決まれば山に突撃だ。待ってろよお肉……今晩の食卓に並んだぞテメー

 

 

     *

 

 

「よっしゃ5匹目~」

 

 

 日も暮れてきた頃だが、何とか肉を手に入れた。俺ってサバイバル能力高すぎ……?

 多分女性達の分も調達出来た。まあ問題があるとすれば、獲物の見た目がどれも見たことない生き物ばかりくらいだ。焼けば大体何とかなるなる

 

 あ、あと二つくらい問題あるな。獲物が多すぎて持つのに苦労するってのと、迷ったって事くらい。でもこれを解決する方法が一つあるんだな

 まずは腰を落とします。次に、右手を大きく引いて、引いた拳を地面に叩きつけます

 

 

「よいしょお!!」

 

 

 ドォォン!! ドォォン!!

 

 するとどうでしょう。音を聞いた人が、様子を見に来ます。頼む見に来てくれ

 

 

「セクマ、セクマー!!」

 

 これ以上は山が壊れそうなので、地面を叩くのを止めて待つ事にした。それからしばらくすると、俺を呼ぶフィーエの声が遠くから聞こえてきた

 

 

「お、フィーエ。こっちこっち」

 

「セクマ、無事か!? 何だったんださっきの音は!!」

 

「道に迷ったのでSOSしたんだけど、来てくれてよかったよ」

 

「は、はぁ!? こんな恐ろしいSOSあってたまるかーー!! 心臓止まるかと思ったんだぞ!!」

 

「でも来てくれたし結果オーライだよ」

 

「そりゃあ見に来るわ!! お前が山に行ったの見てたから!!」

 

 

 それってつまり心配してくれたって事? かわいいとこあんじゃんフィーエ

 

 

「……言っておくが、音の原因を調べに来ただけだからな」

 

「えー、そこは嘘でも心配だったって言えば好感度上がったのに」

 

「……上がってもうれしくないから!!」

 

 

 まったく、とんだツンデレさんだよ

 

 

     *

 

 

 フィーエと二人で山を降り、迷子になる事も無く無事に戻ってきた。これで二人とも迷子になってたら割とシャレになってなかったね

 

 

「お、帰ってきたっすか? ってなんすかその生き物!?」

 

「煮付けさんただいま。これは肉です」

 

「英語の直訳かよ……煮付けはそういう意味で聞いたんじゃないと思うぞ」

 

 

 そうだったのか!? てっきり肉か肉じゃないかで聞いているのかと思ってた

 

 

「そう言えば、聞いてくれよ煮付け。さっきの轟音はコイツの仕業だったんだぞ」

 

 

 なんとなくだけど、フィーエの怒り方ってぷんぷんと怒っているような気がする

 

 

「あ、そうだったんすね!!」

 

「まったく呆れたよ僕は」

 

「ごめんて」

 

 

 腕を組んで、目を瞑りながら怒るその姿は、ツンデレを思わせるような仕草だった。男のくせにかわいいを熟知しすぎている。いや、男だからか?

 

 

「セクマさんセクマさん、フィーエさんはああ言ってるっすけど、あの音を聞いて真っ先に心配してたのはセクマさんの事なんすよ!! 『アイツが山にいるんだ!! もし何かあったら大変だろ!!』って」

 

「な、おい煮付け!?」

 

「しかも、疲れている体に鞭打ってまで行ったんすから!! いやぁ果報者っすよセクマさんは!!」

 

 

 え、じゃあ心配して来てくれてたのか。それを聞くと、何だか本気で可愛く見えてくるじゃないか

 

 

「かわいいな……」

 

「っすよね? かわいいっすよね!!」

 

「んなっ……!?」

 

 

 気付いたらね、本音が出ていました。それを聞いたフィーエの顔が赤くなる

 

 

「煮付けさん、俺は思うんだけど」

 

「なんすか?」

 

「VRってさ、大体中身が男じゃん?」

 

「あー、そうっすね?」

 

 

 なるほど? みたいな感じで同調してくる煮付け。どういう感情だ

 

 

「だからあまり皆の事かわいいとは思わなかったんだけど、今その気持ちが覆ったよ。これはかわいい」

 

「かわいいっすよねぇ!!」

 

「~~~!!」

 

 

 どんどん顔が赤くなってら。何このピュアボーイ? もう男でもいいや

 

 

「良いからとっととご飯の準備するぞーー!!」

 

 

 叫びながらそうまくしたてるフィーエ。なんかもうね、ご飯って言うのすらかわいいいよねみたいなとこある

 




一人称の書き方を少し調べてみました。
結構なタブーを犯してました。



                                      完
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。