VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ 作:なみん
うえやまとち先生ごめんなさい
「……ハッ!!」
「ん、起きたか?」
目が覚めると、フィーエが俺の隣でぺたんと座っていた。辺りはすっかり真っ暗だが、少し離れた所でパチパチ音を立て明かりを灯していた。焚火かな? 良く火を起こせたな
「もう夜なんだね」
「ああ。随分と寝坊助なんだな?」
フフッ、と笑みを浮かべからかってくるフィーエ。え、男だよな? メス化が進んでないか? 随分とかわいらしいムーヴをかましてきやがって
「その節はどうも。……解体はどうにかなった感じ?」
「とりあえず出来る範囲で処置はした。……まあ、かなり血生臭いけど、お肉はお肉だしな、食べると良い」
「そうしようかな。じゃあ、フィーエも一緒に……おっとっと」
立ち上がろうとしたが足がもつれて転んでしまった。そして受け身も取らずにそのまま地面とキスをしてしまった。きゃ、初きすだよっ
しかしまあ、俺の体も随分と頑丈なのか、予想していたよりも痛みはなかった。これも能力の賜物か……。いや、なら無痛であってほしかったわ。ちょっと痛いわこれ
「大丈夫か!?」
「足がもつれただけなのに大袈裟すぎない?」
「あ……いや、それならいいんだ」
本当に大丈夫か? 俺にはもうフィーエがヒロインにしか見えないんだけど。男なのに
「その……すまない」
「いきなりなんだってのさ」
「……今日一日、皆に迷惑かけっぱなしだ」
そんな落ち込まなくてもいいのに。なんかシリアスな感じだし、倒れっぱなしは締まらないな。俺も座ろう
「それを言い始めたら俺含む三人もふざけ倒してたし、反省するのは俺達の方じゃない?」
割と最初からふざけ倒してたしな……でもフィーエはそう思っていないみたいな感じ?
「それはそうだけど……でも、僕だって途中からまともじゃなかった。今のこの状況を作ったのは間違いなく僕のせいだ」
ちゃんと思ってました。それはそうよ
「……分かっていたんだ。嘘かどうか知らないけど、いきなりこんな所に飛ばされて、僕達四人だけでも先行きが不安な状況なのに、他の人を助ける余裕なんてないって」
「まあ、そうかもね」
「でも、皆が酷いことされてるのかもって思ったら、歯止めがきかなくて……その結果がこれだ。大勢を危険に晒している……」
自分が情けないと思ったのか、言いながら俯くフィーエ。いやあ自分に厳しいんじゃないかなって俺は思う訳。こんなの全部俺達が悪いって考えればいいのに、フィーエちゃんは真面目過ぎるな
「でも、我慢できなかったんでしょ?」
「……え?」
ポカンとした表情でこちらに顔を向けるフィーエ
「あの状況を見て許せないって思ったから、フィーエは衝動的に行動したんだよね?」
「それはそうだけど……でも、それで皆が」
「良いんじゃないかな。好き勝手やってるのはみんな一緒だよ、きっと」
そう、好き勝手のボーダー通り越して暴虐の限りを尽くしている人物が二人いますよね? セクマと煮付けと言う人物がよ。もう少し大人しくしろ。……あ、俺か
「俺はゲーム気分が抜けてないからさ、正直あれを見ても何とも思わなかったよ。でも仮に現実なら、正しい判断なんじゃない? なら良い事してるじゃん。誰も責めないよ」
「そう、かな」
「そうそう。だから気にしない気にしない。ノリで生きてる方が楽だって」
逆にノリが無かったら煮付けとかいなくなってそう。勘だけど、あの子は多分楽しければ大体は許せちゃうタイプだ
「でも、たまたま力を持っていたから良かったものの、もし持ってなかったらあのまま……」
「あー、たらればは無し無し。一生自己嫌悪に陥るよそれ」
良いって言ってるんだから良いの!! 何事も諦めが肝心だ。往生せいや……
「そんなに気になるなら二人にも聞くなりなんなりすればいいと思うよ」
これ以上はメンタルケア出来ません。お腹すきましたので
女達と一緒に焚火を囲んでいる煮付けともにょに話しかける
「あーお腹空いた。煮付けさーん!! 肉あるー?」
「起きましたかセクマさん!! 余りまくってるっすよ!!」
「いっぱい食べちゃって下さい!!」
うんうん、元気いっぱいだ。やっぱりこんくらい元気な方が良いよ。元気があれば何でもできる!! 問題は歳を取るにつれて元気が湧いてこないことだ
未だに座っているフィーエの手をつかみ、力を入れ過ぎないように引っ張る。これ以上は多分腕千切っちゃいそうで怖いわ
「ほらフィーエも食おうぜ」
「あっ……」
カオナシみてーな声出しやがって。顔が良いから可愛く見えるのずりぃ~
「ぼ、僕は遠慮しておこうかな~なんて」
「いやいや、そんなんじゃ胸大きくならないよ?」
「!! 胸は関係ないだろ!!」
驚いたと思った瞬間、ムッとした表情で怒るフィーエ。アバターの話ね、アバターの。まるでコンプレックスみたいな怒り方するじゃん
「お前だって僕と同じか、それより下じゃないか!!」
「冗談ですごめんなさいフィーエさん……」
「次はないからな!?」
「うす!!……へへっ」
「何笑ってんだよ!!」
俺が笑ったのを見て、さらに怒りのボルテージを上げた。いや馬鹿にしてるわけじゃないんです本当にゆるして
「元気になった?」
「! ……まあ、少しはな」
「そっか。じゃあ今度は食事の時間だ」
「いや、僕は食べたから良いって」
「せめて焚火の近くにでもいた方が良いよ。野宿だし風邪でも引いたら大変だ」
ずっと繋いだままだったフィーエの手を、催促の意味を込め軽く引っ張る
「……なあセクマ、僕が同じ過ちをしてしまったら、お前は許してくれるか?」
少しの間を置き、フィーエが俺に問いかける。なんだよもおおおお!! またかよおおおおお!!
「当たり前だよ。イベントは皆で楽しまなきゃ。それに、自分の心に従ったんだ。過ちなんて言わない方がいい」
「……そうか、そうだな」
俺のありがたいお言葉を聞いたフィーエは、今まで見たことない笑顔だった。いや可愛いすぎて男なの忘れちまうぅぅぅぅ!!
他の小説様の平均文字数を見ると、大体4000文字くらいは書いてるそうです。
私の二倍。