VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ 作:なみん
血が滴りすぎている
「おいセクマ、起きろ」
誰? 眠いです。あと五分だけ寝かせて欲しい
ついでに昨日の肉のせいでやる気も起きないから、やっぱ後二時間くらい寝たい
「……おい、起きろ!!」
ぺちん、と頬を叩れた。目を開けるとフィーエが俺をじっと睨みつけていた。何でだろう、昨日からフィーエがやたら可愛く見えるんだよな。俺ホモかもしれんな
「あれ、いつの間に朝に……?」
「記憶が飛んでるじゃねーか……」
そうだ、思い出した。昨日は血抜き失敗したよく分からん動物の肉を食って、気絶したんだった
「いや、大丈夫。俺は正気に戻った」
「そうかぁ……? ならいいが」
フィーエがジト目でこちらを見つつも、隣に腰かけてくる
空は晴れ渡り、朝日が俺達を包みこんでいる。鳥のさえずりまで聞こえてくるし今日は何ていい日なんだ。昨日の地獄とはいったい何だったのかとすら思えてきた
「なあセクマ、今日は天気も良いし、皆も昨日より体調がいいみたいだ。お前が起きたらマリアちゃんを連れて村に行く予定だったんだが、今から行けるか?」
そんなこと言われても、まだ風呂とか入ってないしなあ。
と、そこまで思ってハッとする。そう言えばここ異世界じゃん。風呂なんてある訳も無いのに入るつもりでいたよ。昨日あれだけ苦労したのにそんな事も忘れていたのか俺。いや、むしろ苦しすぎて忘れていたのかな
「んー、大丈夫。……あ、そう言えば昨日、マリアちゃんに伝えるの忘れてた」
「だろうと思って、僕が伝えておいた。後はお前次第だ」
「いつも仕事が早いねえ。優秀過ぎるよ」
本当、優秀過ぎて助かってる。フィーエの中身はきっとイケメン高身長の高収入なんだろうな
「じゃあ、すぐ行こう」
兵は神速でかくいちなんとかだ
「待って、せめて血は落としたいかも」
「……まあ、そうだな。何とかしてやる」
*
「「きゃあああああああ!!」」
と言う訳でマリアちゃんをバルドさんに合わせるべく、村へ向かっていたのだが、途中で俺が抱えて走ったほうが早くね? という事に気付いたので、マリアちゃんとフィーエを両脇に抱えながら全力で走っている。事案じゃありません、誤解です
そう言えば体に染み付いた血なんだけど、山の周りぐるっと回ったら池があったのでそこで皆は先に身体を洗っていたらしい。ずるい、はやくいってほしかった
だって、みんなはもう服を乾かしていたのに、俺だけびしょ濡れなんだよ今、寒い。心も体も
心の方は二人を抱えるとき『えっ、お前濡れてるよな? それはちょっと……』と抜かしやがったので傷付きました。そこはかわいいムーヴで心を温めてくれよ!!
村の手前まで来たので急停止して二人を地面に下ろす。あの悲鳴を聞かれたらマズい気がしてな。いや事案ではないんです
「し、死ぬかと思った……」
「ふぇぇ」
「なんかごめんね」
ブルブル震えている二人を見ているとなんだか申し訳ない気持ちになり謝ってしまった。ごめんの前になんかって付けてると全然反省してない感じするよね。多分俺反省してない。俺だって寒い
「お前の能力は恐ろしいな……風が凄すぎて……息が出来なかった……」
「バリアを使えば風防代わりになったんじゃないかなと思うけど」
まさか息も絶え絶えになるとは思わなかった。でもまあそうか、とても速いジェットコースターに乗った時、俺も息が出来なかった気がする
あれ、なんで俺生き出来てたんだろ。不思議だ
「ふぅ……それはそうかもしれないが、制限もあるんだ。あまり使わない方が良いと思ってな」
「その感覚俺だけまだ分かんないんだよね。そんなに疲れるんだ」
「それ本当に言ってるのか? 僕をチートだとか言っていたが、お前もだいぶチートじゃないか」
「それは本当にどの口が言ってんのかな?」
俺なんて加減も出来ない悲しきモンスターみたいなもんだよ? 剣だって未だに力任せに振ってるんだから
「言っておくが、お前が思っているよりも酷い疲れだぞ。あれを味わう必要がないなんて、僕からしたらチートと何も変わらないさ」
「そんなもんなのか」
「そんなもんなんです」
ムッとした表情で返してくるフィーエ。なんだろう、ときめくのやめてもらっていいっすか?
マリアちゃんの呼吸も落ち着いてきたので、昨日バルドと出会った所まで三人で行くと、丁度いました。ビンゴ
「おと、さん?」
「マリア……? マリアなのか……!?」
「おとうさぁぁぁん!!」
二人抱きしめあい、再会出来た喜びを嚙みしめているようだ。暫くは二人にしてあげよう
「フィーエ」
「どうした?」
「正直、今も異世界に転移したなんて実感は湧いていないし、と言うか今もないんだけど」
「……うん」
「それでもこの光景はとても良い物だなって思うんだけどどう思う?」
「……うん、僕もそう思うよ」
なんとなくフィーエの方を見ると、笑顔だがどこか儚げだった
皆さんご覧ください? これが俺達パーティ最強のかわいい枠ですよ。こんな笑顔を出せるイケメン高身長なんてフィーエちゃん以外にいますか? いや、いない。ましてや女の子でこんな顔出来るなんてもっとない
「よし、じゃあ俺達も抱きしめあうか!!」
「え!? ちょ、何言ってるんだお前!?」
両手を広げて近付いたら物凄い勢いで離れられた。かなしきかな……
「いいじゃん別に。減る物でもないし」
「いやだって、水で洗い流したとはいえ……ちょっとにおうかもしれないし……」
「そんなの男同士で気にすんなって」
「はぁ!? 僕が男なんていつ言ったんだ!! 僕は女だぞ!!」
「えっ?」
……えっ?
言い訳ですが、初の投稿なのでノリと勢いでしか進んでいません。
投稿し始めてから小説の書き方を勉強し始めたのですが、正直この小説だいぶきついなって自分で思ってます。スタートダッシュ失敗しましたので。
でもいい機会なので完結までは頑張りたいです。