VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ 作:なみん
絶対っていうのは、絶対っていうことなんですよ
「という訳で、まずはアクアテラに行くことになったよ」
「了解っす」
「そのアクアテラ? はここからどのくらいの距離なのでしょうか?」
そう言えばアクアテラってどこにあるんだろうね。正直俺はフィーエ頼りで会話の内容覚えてない
「バルドさんが言うには、今の状況を踏まえると1週間で着けば早い方だと言っていた。僕の能力で飛ぶならもっと短縮出来るだろうが」
「あれ、バルド殿って言ってたのにさん付けになってる」
「お前は変な所だけ覚えてるよな……使い分けくらいするだろ」
「それもそうか」
俺もたまに敬語使うしそんなもんなのかもしれない
「僕達はともかく、彼女達の体力がまだ戻ってない。主な移動手段は飛ぶ以外無いと思う」
「ふーん……そういえば、俺たちって全員で何人いるの?」
「お前まさか把握してないのか?」
「いや、かくにんかくにん。おぼえてるよ」
「なら、確認の為に何名居るか言ってみろ」
「……いっぱい?」
フィーエが溜息をついた。間違ってたらしい。だって覚えてるのマリアちゃんしかおらんもの
「どうせ興味なかったんだろうな……合計で八名だ。覚えたか?」
「うん」
というか八人全員にバリア張れるのすごいな。やっぱチートなのかもしれない
「なんか、昨日よりいい感じっすね」
「良い感じ? どういう意味だ」
昨日ほど酷い日はなかっただろうが。あれ、昨日が初日だよね?
「あー、あれっす。事態がいい感じっすねーって意味っす」
「そうか? いやまあ、昨日よりはマシかもしれないが……」
「この後はどうしますか?」
「無難に食料集めとかいいんじゃないかな」
肉はね、当分いいです。その辺の草とか美味しそうだよね
「そうだな。彼女達もご飯が食べられないとまずいからな」
「ご飯呼びかわよ」
「あー、はいはい。分かったから食料探しするぞ」
流石に耐性がついたのか適当にあしらわれた。そんな、ツッコミを見せてくださいよ
「……やっぱり仲良くなってるっすよね?」
「やはり、ですか。私も何となくそうなんじゃないかと思っていたんです」
「村で散々から揶揄われたから適当にあしらっただけだ」
一応本音ではあったんだけどね
*
皆で食べられそうな物を集めていたら夕方になっていた。昨日とは違って、木の実以外にも草やら花やらも採ってきたらしい
「花って食べられるの?」
「お前、あの時ずっとボケーッとしてたのか……バルドさんから、この辺で採れて食べられる野草を教えてもらったんだ」
「そうなんだ」
「一応煮付けに毒見してもらったが大丈夫だったからな。食べられるぞ」
これは朗報だ。お腹が膨れるかどうかは微妙だけど、いっぱい食えば良いだけの事だしね
「でも肉も食いたいよね。昨日のはコリゴリだけど」
「……僕は暫く良いかな」
「エ゛ウ゛ッ゛ッ゛」
「私も遠慮します……」
どうやらみんなトラウマみたいだ。そらそうよ
早くアクアなんとかに行って肉食い……ん? 視線を感じる。えっなんか茂みに隠れてる人居るんだけど。しかもなんでこんな近くにいるんだ
「ねぇフィーエ」
「どうした?」
「こっから帝国って近いんだっけ」
「少し遠いが、油断できる距離ではないな。その内帝国軍が来るかもしれないな」
となると、茂みのやつはワンチャン帝国のわんちゃんかもしれない。斥候? 偵察? なんだっけ
こんなに近くにいると、伝えようにも聞かれちゃうかもしれないしなぁ
「まぁ僕ののう、っうううううう!?」
「キャー!! 昼間っからやるっすねぇ!!」
「大胆です!!」
能力の話はしない方がいいかもしれない。バレていたとしても、これ以上手の内を晒す訳にはいかないからね。ついでにこの距離なら内緒話も出来るだろう
「お、おい!? 急に抱きついてくるな!?」
「悪いけど、二人は皆の所に戻っておいて」
「おぉぉぉぉい!?」
「了解っす!! あとはごゆっくり!!」
「ごゆっくり!!」
人質とか取られた場合面倒なので、二人をマリアちゃん達の所へ移動させる。とりあえずフィーエを落ち着かせるか
「フィーエ落ち着いて」
「お前、またそうやって僕を弄ぶ気か!? もしかして僕の事ちょろいとか思ってるんじゃないだろうな!!」
「思ってないよ、真面目に話を聞いて欲しいな」
「な、なんだよ……まだ出会って一日だぞ……!?」
ビクッと震えるフィーエ。どうやらフィーエも気づいていたようだ。まさか一日で追手が来るとは思わなかった。
聞かれないようにに耳元で話した方が良いよね? めっちゃ耳良かったら意味無いけど、やらないよりはマシなはず
「フィーエ」
「ひ、ひゃい」
「これからどうしようか?」
「ひゃ……ま、待って、まずはゆっくり距離を縮めないか?」
「そんなこと言われても、ゆっくり近付いたら逃げると思うんだけど」
いくら俺でも抜き足差し足ではダッシュして逃げられたらどうにもなりませんよフィーエさん
「に、逃げない。もし、お前が真剣なら僕だって真剣に向き合う」
「どういう事?」
ん? なんか話が嚙み合ってないのか俺がアホなのか、ちょっと何言ってるかわからん
「だ、だから、そこまで僕の事が……す、好きなら、そのチャラチャラした行動をやめろと言ってるんだ。それが出来るなら、僕も考えるから」
「ごめん、何の話? 帝国の追手の話じゃないっけ?」
「……は?」
「もしかして気付いてなかったの? フィーエの事だから既に気付いてると思って話をしてたんだけど」
でも噛み合ってない感すさまじかったから、気付いていなかったかもしれない
「……そういう事かぁ。まあ、まずいだろうな。まさかこんなに早いとは思ってなかった」
「うん、まだ一日なのに来るのが早いよね」
「はぁ……よし、分かった。とりあえず皆と合流して飛ぼう。急だがそれしか……」
む、殺気!! ごめん適当。でも尖った物体が凄い速度で飛んでいるのは本当。当たらないようにフィーエを抱き寄せて半歩下がる
別に追手を無視して逃げても良かったんだけど、攻撃してくるとなると話は別になるよね? せめて茂みの奴だけは一発殴らないことには気がすまなくなってきました。俺の友達に何すんだテメー!!
「なっ……」
「ごめんフィーエ、あいつだけは許せないよ」
二発目が来ないとも限らないので、俺の体で射線を遮りつつ肉薄し、追手の胴体に思い切り蹴りを入れる。いやぁ、しゃがんでいる相手にはお腹キックが一番やりやすい。手加減も出来るだけしたので死んではいないだろう。加減できているかは分かりません
「ぐぇ」
吹き飛ばれるとコイツから色々没収できないので、飛ばないよう足を掴む。ワオ、受け身無しで地面に叩きつけられて痛そ
呼吸はしてるし死んでなさそう。追手を引き摺りながらフィーエの元に戻る
「お待たせ」
「……そいつ、死んでるのか?」
「いや、息はしてるけども」
「なら、いいが」
「セクマさん!! フィーエさん!!」
もにょの声が聞こえたので振り向くと、愉快な仲間(合計八人になるやつ)がいた。やあ
「なんか襲われたんでそっちは大丈夫かなと思ったんすけど、意外と大丈夫そうっすね」
あら、そっちもなのね。どうやら悠長にしている時間はなさそうだ
はじめて感想来てうれしかったです