VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ   作:なみん

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前回のあらすじ

ウォォン、俺はまるで人間エリマキトカゲだ


あまりにもイージー

 

 「おいセクマ、起きろ」

 

 

 誰ですかあなた、ねむいので後にしてください。ここ最近疲れが取れてないのであと5時間くらい寝かせてくれるとたすかりま痛い痛い痛い痛い

 

 

「痛いったら!?」

 

「ようやく起きたか寝坊助さん、今日は全員のギルド登録を済ませた後、クエストを受けるんだろう?」

 

 

 そうだった。だから今日は早めに起きて準備をするって話をしてたんだった。それにしてもここ最近寝起きが全然気持ちよくないんですけどそこん所どう落とし前を取ってくれるんだ!!

 

 

「フィーエ、この痛みは何?」

 

「煮付けにバフをかけてもらった状態で頬をつねった。痛かったか?」

 

 

 それはもう痛かった。心も泣いてる

 

 

     *

 

 

 朝食をとった後は予定通り、防具を買った後ギルド登録を済ませ、クエストを受注した。エリマキトカゲ八人組がヤバく見えたのか、それとも昨日の騒動のせいか、絡まれる事もなかったので無事に済んだのは良かった。これで少しでも路銀を稼がないととてもとてもだからね

 八人で行動するよりは分散した方が良いだろうとの事だったので、俺とフィーエのペア、煮付けともにょに分かれて四人パーティを組むことにした。俺達の所に振り分けられたのは、いつぞやのマリアちゃんとエッダとか言う人だった。誰

 

 

「僕とエッダは後衛で、セクマとマリアは前衛だ。それで良いか」

 

「はい、頑張ります!!」

 

「無事生きていたようで何よりだよ」

 

 

 エッダとやらが治癒魔法を使えるのは嬉しい誤算だったかもしれない。一昨日の無理やり食わせて栄養失調治そう作戦の時は皆死んだと思ったけど、何とか無事だったみたい

 

 

「と言うか、この世界に魔法なんてあるんだね」

 

「そりゃあ、オンラインゲームの世界ならあると思うが」

 

「いや、使ってる人見たことないし無いのかと」

 

 

 確かに!! みたいな顔してるよ。フィーエって結構抜けてるところあるよね

 

 

「それで、何するんだっけ」

 

「お前、色々気付くのに大事な所は聞いてないよな……イージーボアと言うモンスターの討伐、数は問わないらしい」

 

「あの、フィーエ様達はともかく、わたくしがお役に立てるか分からないのですが……」

 

 

 エッダが不安そうな表情で、手を挙げながら質問してきた。まぁ戦った事も無いからそう思ってしまうのも当然だよね。

 

 

「エッダ、僕達も経験があるわけじゃない。君達がいるのは心強いんだ。それに、今ここでモンスターに慣れれば今後の旅は楽になると思っている」

 

「そうそう、少なくとも見た目は強いから大丈夫だよ」

 

「強いって言うか完全に変な集団だからな、主にお前のせいで」

 

「それを言われちゃ何も言えません。そういう訳だからマリアちゃんも頑張ってこ」

 

「は、はい!」

 

 

 雑談も程々に俺達はイージーボアとか言うクソ安直な名前のモンスターを探す事にした。数分程探し回ると、茶色の猪に遭遇した

 

 

「こいつかな」

 

「ああ、特徴も一致している。セクマ、悪いが頼めるか」

 

「任せて」

 

 

 背中から大剣を抜き、イージーボアに肉薄する。イージーボアが俺に気付くと、何故か逃げていく。おいおい野生ともあろうお方が敵を前に逃げないで欲しい

 だが俺の脚力の前では意味の無い行為だったようだ。一瞬で追い付き大剣を縦に振り下ろすと、イージーボアは爆発四散した。オエッ、そんな派手に血を撒き散らさなくても

 

 

「オエエッ、グロすぎ」

 

「そう言えば血が苦手なんだったな……いやなんで自分で分かってる筈なのにクエスト受けようと思ったんだ!? これ選んだのお前だぞ!!」

 

「ファンタジー要素に囚われすぎて、忘れてた……」

 

 

でもこれで分かったのは、俺から逃げるくらい弱いって事。俺抜きでもなんとかなりそうだ

 

 

 イージーボアから討伐の証明になる素材を剥ぎ取り歩いていると、次の獲物を見つけた

 

 

「じゃあ、次はマリアちゃんが倒す番だよ」

 

「が、頑張ります……」

 

「大丈夫、バルドさんの剣があるからさ」

 

 

そう言いつつマリアちゃんの剣を握る手が震えている。ちなみに剣はバルドから大剣と一緒に渡されたもう一振りの剣だ。本当なら煮付けのパーティに渡した方が良かったかもしれないけど、煮付けが「素手で大丈夫っす」と言っていたし、何よりバルドから貰った剣なら娘のマリアちゃんに渡すのが良いかと思った俺の采配である

 マリアちゃんが近付くとイージーボアが気付いたようで、こちらを向いた

 

 

「ブモォォ!!」

 

「ひっ!?」

 

 

 イージーボアがマリアちゃんに突進してきた。マリアちゃんは動けず、衝突……する事もなく、フィーエのバリアによって弾かれた。てか何で突進してきたんだよ

 

 

「大丈夫だマリア、バリアがあるから怪我はしない」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

 

 とは言え、バリアと衝突したせいかふらついているイージーボア相手では文字通りイージーで、マリアちゃんが勢いよく剣を振り下ろすと、バターの様にすらりと頭を切り落としてしまった。いや切れ味良すぎるね

 

 

「な、なんとか倒せました……!!」

 

「おめでとう、その剣凄いね」

 

「バルドさん、大剣と言いこんな物を持ってるなんてな……」

 

 

 その後も俺とマリアちゃん、交互にイージーボアを倒し、最終的には20頭倒した

 

 

     *

 

 

 ギルドに戻って換金すると、5000ゴールドになった。良く分からないけど2泊分位かな。初日にしては凄いんじゃない?

 ちなみに換金時は煮付け達と一緒に居たんだけど、周りの視線が痛かった。何でこんな見られてるんだろうね

 

 

「結構貰えるんだね」

 

「そうだな、これなら宿の心配はなさそうだ。煮付けのパーティはどうだった?」

 

「アタシらは15000ゴールドっすよ。皆で頑張ったっす」

 

「うそぉ!?」

 

 

 俺達凄いとか言ってる場合じゃなかった。もっと凄いのいたよ

 

 

「凄いな……そっちも戦闘経験はない筈だよな? 僕達の3倍だぞ」

 

「皆にバフ付けてぶん殴らせたっす。勿論アタシも殴ったっすよ!!」

 

 

 鬼だ、鬼がいる。昨日まで戦う所か体調すら万全じゃない人にバフ付けて殴らせる度胸凄すぎる。いやまあそれ言ったら俺達も同じなんだけど

 

 

「だからアナとサラの目付きが険しいのか……?」

 

「じゃないっすか? 死闘を繰り広げた時の顔にそっくりっすもん」

 

 

 なんでそんな顔を知ってるのか分からないけど、とりあえず初日は大金星だ。明日も頑張ろう




誤字報告ありがとうございました。すっかり言い忘れてました
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